Saturday, January 17, 2026

疑惑の停電事故

前エントリー*1でり上げた読売が報じた通常国会冒頭解散がリアルに動き始めました*2。予算審議を棚上げしての解散総選挙に大義はあるのか?はメディアで餅ら上げられてますが、敢えて言えば公明党の連立離脱と日本維新の会の連立合流という重大な変化があったんでdすから、その信を問うことは大義になり得ます。但しそれなら昨年の臨時国会で何故解散しなかったか?遅くとも補正予算成立後に信を問わなきゃおかしい訳です。

そして高校無償化や基礎控除見直しも予算化されていないだけではなく裏付け法がない状況で宙に浮いてます*3。つまり仮に大急ぎで予算を通せたとしても根拠法が通らなければ予算そのものが宙に浮く訳で、これじゃ省庁も自治体も執行に動けない。加えて5年ごとの特例国際法の改定*4もあり、日本版フィスカルクリフ(財政の崖)問題でアメリカのような政府終了もあり得ます。敢えて政治空白を作るのは高市氏が党内基盤が弱いからですから、過半数を取って勝利すれば与党内を抑えられるってことですね。だから誰にも相談せずに決めて与党内からも違和感が出ています。

しかも意表を突いたつもりの解散総選挙ですが、立憲民主党と公明党が合流して新党を作るということで、ぶっちゃけ自民党を助けていた公明票が野党に流れる訳で、過半数獲得は困難です*5。しかも国民民主党は与党入りを連合に止められていて当てにできないですし。また高市政権発足の動きに連動して水面下で協議はされていて、ぶっちゃけ高市じゃダメだってことです*6。そして両党の党内手続きを経て新党結成が決まりました*7。「党名が微妙だ」という声もあるようですが、限られた時間の中で目の前の総選挙を睨んで立ち位置を明確にしたという意味で悪くない命名です。

中道というのは右でも左でもないという意味ですが、国民の中では圧倒的なボリュームゾーンであり、所謂無党派層と呼ばれる人々が該当し、従来自民公明の与党も票を得ていたから与党でいられた訳ですが、自民党の裏金問題と旧統一教会問題で信用を失ったから石破政権下の選挙でも負けたし、高市政権で右派色タカ派色を強く打ち出した結果、公明党が離脱した訳で、実は有権者の中の最大のボリュームゾーンの変化で、そこへリーチをかけたということです。結果がどう出るかはわかりませんが、対立を煽って他党との違いを訴求する流れで多党化したと言われる中で、最大多数の最大幸福を模索するという民主主義の原点を示したという意味で興味深い動きです。同様の動きはドイツのキリスト教民主同盟と社会民主党の連立などでも見られますが、極端に左右に振れないで目の前の課題に取り組むなら歓迎すべき動きです。

例えば食品消費税ゼロの基本政策ですが、私は以前から消費減税に懐疑的な立場ですが、100年殺しのアベノミクスvoL.2*8で指摘したように、価格弾力性が低いために一般物価以上に値上がりしていて国民生活を圧迫する食品消費税のゼロ減税は8%まるッと下がらないまでも国民生活の支援になる要素はあるので、期間限定で財源を示して行うのであれば反対しません。逆に新NISAで非課税枠を作った金融所得課税は強化しても良いですし、所得税の累進性を高めて高額所得者の課税強化の手もあります。無党派層が望むのもこうしたことです。

そしてあとは賃上げですが、人手不足で賃金は今後も上がるでしょうけど、問題はそもそも生産年齢人口の減少で働き手が減っている以上、求人難から賃上げは今後も続くでしょうけど、それ以上にインフレが進めば本当の年収の壁*9は越えられません。そして一方では企業による省力化投資も進むと思いますが、懸念されるのが賃金抑制による労働力の劣化です。そしてそれを疑わせる事故がありました*10。

JR東日本が進める羽田空港アクセス線の東山手ルートで、休止中の東海道貨物線田町~東京貨物ターミナル間を復活の上東海道線に合流させる工事で、合流場所の既存線乗り越しのスペースを空けるために田町駅の折返し線を撤去して線路移設する夜間工事で、DC1,500vの架線の送電を停止して作業員の安全確保する訳ですが、間違って送電しても感電事故をしないために検電接地装置という安全装置が使われます。これは架線にフックで吊り下げて下端をレールに接触させて、万が一誤送電しても地絡してブレーカーが落ちるから安全ということですが、工事終了後この検電接地装置を切らずに指令に通知して送電開始した結果、地絡でいきJなり大電流が流れて変電所の機器などが損傷したものということで、マニュアルに反したミスがあったものです。所謂ヒューマンエラーですが、工事自体は外注されていて必ずしも熟練した作業員とは限らず、当然施工管理の責任はJR東日本にある訳です。

似たような事故は2年前に東北新幹線の埼京線並走区間でも起きていますが*11、このときもやはりマニュアルに反したミスがあって、作業員を感電させるという深刻な事故でした。同エントリーでも指摘しましたが、あからさまな組合潰しをしたJR東日本で昨今トラブルが絶えないのも確かです。そして外注工事は今後も作業員の確保が難しく、JR東日本も手掛ける都市再開発も滞っている中で*12、今後も作業員確保がネックとなることは確実です。これ整備新幹線や中央リニアの工事の遅れにも当然影響します。背景に人手不足で作業員集めが困難になった結果、下請けの所謂サブコンが引き受けてくれないから元請けのゼネコンと力関係が逆転してしまい、同様に元請けとなるJRも作業員確保が困難になる訳です。

てことで建設現場の省力化が必要ですが、ノウハウのあるサブコンに省力化投資の余力は乏しく、ゼネコンはサブコンの面倒を見る余裕を失い、悪循環になっている訳です。その一方で地価上昇と低金利で都市再開発は活発だし、五輪や万博などのイベント対応で人手が取られ、毎年のように起きる災害の復旧工事や老朽インフラの補修もあるとなると、そりゃ工事は進みません。加えて万博パビリオン工事を巡る代金未払い問題のようなトラブルが起きて、生命線のサブコンを痛めつけるようなことをしている訳です。大阪関西万博を大成功という維新の不誠実さに腹が立ちます。

一方でJR東日本が進める首都圏路線のワンマン化は進んでいて、既に常磐緩行線、南武線、相模線などで実施されてますが、3月改正で横浜線及び京浜東北・根岸線の東神奈川~大船間の横浜線車両でのワンマン運転を開始します。更に京浜東北線、山手線、中央総武緩行線へと拡大する予定です。しかしAIが壊す社畜エスカレーター*13で取り上げた南武線ワンマン化後の混雑時の遅延問題ですが、ホームドアの連動システムを見直して秒単位で時間を切り詰めて遅延防止を図っています。乗客の多い混雑路線でのワンマン化は未知の問題があります。

その時に懸念されるのが16日のトラブルによる長時間運休で、京浜東北線の2列車が駅間で停止して線路上を乗客誘導したような事例で、ワンマン運転の場合の乗務員の負担が大きくなりますし、乗客の疲弊も心配されます。更にJR東日本はドライバレス自動運転まで視野に入れており、その場合動力車運転免許非保持の保安要員が運転士並みの責任を負うということにもなりかねません。国家資格の専門職が要らないから人件費を削れるというのは短絡的です。現場社員を守るまともな組合がない状況で、果たして今後も安全を維持できるのかどうか?

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Sunday, January 11, 2026

日出る国の衰退一路

新年早々の騒がしさは続きます*1。米ミネソタ州で国境警備局(ICE)捜査官による講義市民への発砲事件で死者が出ました*2。府負傷と報じられてますが夫人は死亡しており動画も拡散されていて、事実上の射殺と見られておりますが、メディアは当局に忖度してか表現を弱めてます。射殺に至らないICEの銃撃事件は他の州でも起きています*3。オレゴン州では州知事が連邦レベルのもみ消しを危惧して、FBIの捜査を拒否して州警察に捜査を命じました。アメリカが壊れています。

他国の国家元首を拘束してアメリカの国内法で裁くのも大概ですが、父ブッシュ時代の1989年のパナマ侵攻で当時のノリエガ将軍を国内法で裁いており*4、前例を盾にトランプ政権は正当化しています。取ってつけたようなコカイン密輸疑惑は前例に倣ったものでしょう。しかし本当の狙いは石油なのは明らかです。設備投資不足で生産がが落ち込んでいるベネズエラの石油が中国へ渡っていることと、石油収入がキューバへの支援に回っていることを問題視していたようですが、それに留まらず別の意図もあるようです。

エクソンのトップがベネズエラへの投資に慎重な一方*5、シェブロンなどのアメリカ国内の古い製油所の活用が示唆されています*6。ベネズエラ産の原油は硫黄分の多いドロドロの重質油で、アメリカ国内の製油所も重質油向けの設備だったものが、シェール革命で生産される原油はガソリン成分の多い軽質油である意味性能の無駄遣いだったことと、昨今の原油安で新規のシェール開発が滞っている結果、国内の製油所の稼働率が低下していることから、ベネズエラ産原油の精製に活用するレガシー活用術ということです。つまり原油をカリブ海を挟んだアメリカ南部に運べばアメリカ国内にお金が落ちる訳です。裏返すとベネズエラは原油を搾り取られるだけで経済的メリットは薄くなりますが、汚職や腐敗がまん延するマドゥロ政権の残党なら賄賂で動かせるって計算ですね。故に反政府運動でアメリカが推してノーベル平和賞を受賞したマチャド氏ではなくロドリゲス暫定大統領との取引を選んだということです。エグい計算高さです。

そしてグリーンランドへの言及も、本音はレアアースなどの資源と考えられます。中国のレアアース輸出規制で懲りたのでしょう。レアアースを止められれば兵器も作れないということで、こんな動きもしてます*7。コンゴ民主共和国はリチウムやコバルトといった希少資源の宝庫で、中国が深く入り込んでますが、そこへアメリカが進出を目論んでます。隣国ルワンダとの紛争解決を仲介したのもそのためですが、やはり腐敗しきった政府機関への対応は困難で、中国を越える利権獲得は難しいと考えられます。また日本の南鳥島周辺の海底泥からのレアアース採取も日本の資金で進めようとしてますが、水深6.000mの海底泥採取も困難だし本土へ輸送して精錬するとコスト面で中国産に対抗できるかどうかも不明。しかも最低10年以上の時間が必要で、現実的に中国依存回避は困難です。

そんな日本に中国は戦狼外交第二弾を繰り出します*8。これ「デュアルユース」がミソで、第三国で加工されて日本に輸出されて軍需品になる可能性のあるものに投網をかけている訳で、個別品目は明示されていません。故に民間事業者や第三国政府が中国当局の顔色を窺いながら対応するしかないので、影響はかなり遅れてジワジワと真綿で締められるように出てくると考えられます。いやこれは民生用自動車向けだという言い訳も通らない可能性があり、回避策は中国国内で民生向けの最終製品に仕上げるしかないことになります。国産メーカーが中国産の輸入車を売る事態もあり得ます。それもこれも高市失言の影響です*9。

第一弾が日本への渡航自粛などで、日本への団体旅行催行中止や中国エアラインの日本路線運休などでしたが、実は羽田便は殆ど運休しておらず、ビジネス利用は減っていません。運休すると羽田の発着枠を失うこともありますが、経済関係はそれほど冷えていないことを示します。逆にLCC中心の関空は中国便大減便で影響をモロに受けており、その結果観光バス需要が消滅する事態が起きています*10。万博効果で事業者は潤っていたとしても、逆に万博対応で過剰な車両を抱えた状態で稼働率を下げることになれば、ドライバーの雇用にも影響します。ノー天気なウヨは中国人が来ないなら日本人で穴埋めすれば良いとお気楽ですが、インバウンドによる外貨獲得を国内消費で代替すればそれが円安要因となってインフレを招きます。インバウンドは国外インフレを国内に持ち込む面もありますから、どっちに転んでも国民経済は苦しくなります。アベノミクスの帰結となる弊害です。羽田便が生きていれば中国の個人観光客は羽田から関西へ移動できますから、東海道新幹線はあまり影響を受けないとしても、インバウンドで盛り上がっていた関西経済の先行きに暗雲が漂います。

そしてさらに日本にとってはマイナスにしかならない残念なニュースです*11。第一報が読売ってことで観測気球の可能性濃厚ですが、党内基盤の弱い高市首相としては内閣支持率が高い裡に解散を打ちたいのが本音でしょう。但し公明党が連立離脱して維新との連立となったものの、参議院での過半数割れは解消せず、予算審議は難航が予想されます。加えて維新のゴリ押しに党内からも批判が上がっている状況ですから、おそらく連立相手を国民民主党に組み替えれば参院過半数も実現できるという計算はあると思います。但し国民民主党の連立与党入りは支持母体の連合の反対がありますから簡単ではありません。

逆に既に国民民主党は所得税の基礎控除引き上げとガソリン暫定税率の廃止を実現したことで、政府予算案に反対する理由が無くなっている訳で、ならば参議院の過半数割れもネックにはならない筈ですが、維新地方議員の国保逃れスキャンダル*12で社会保険改革の機運がしぼむことも避けられないということもあるでしょう。600人も理事がいる事業実態が不明な一般社団法人で定額報酬を得る形で社会保険に加入すれば、議員の高額報酬で課される国民健康保険の高い保険料を減らせるという意味で脱法行為ですが、あくまで維新の公式発表だけで第三者の検証はないので真実は不明です。こんな連中が高額療養費やOTC類似品価格に手をつけようとしている訳です。自身の統一教会関与も疑われている高市首相としては縁を切りたいかも。

しかし現実は冷徹です。このニュースに市場が反応しました*13。そのココロは解散総選挙を経ても自民党過半数割れは解消せず、野党の要求を呑んで財政規律を守れなくなるという読みです。勿論予算成立の遅れもリスクとして意識されていると考えられます。石破おろしの総裁選で国民生活そっちのけで9月を浪費したのに*14、またしても政局に時間を浪費する懲りない面々です。そしてさらに残念なニュース*15。財界きっての中国通として要人人脈も豊富で民間人初の駐中国大使になりながら、尖閣問題で翻弄されながら良好な関係を維持して中国からも惜しまれた丹羽宇一郎氏の訃報です。伊藤忠社長時代に種まきした中国事業は確実に伸びて商社トップに上り詰める礎を築きました。残念ながら今の財界人にはこういう人は見当たりません。

習近平体制で所謂内巻と呼ばれる内需不振を外需で埋めようとしている現代中国ですが、加えて世界の先を行く資源外交も、突き詰めれば一帯一路政策で国外輸送路を整備した結果と言えます。ここは長期停滞で先んじる日本と大きく違う部分で、このままでは国力は開く一方です。一帯一路ならぬ衰退一路の日本です。

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Sunday, January 04, 2026

新年早々ウヨ曲折

新年早々世界を揺るがす大事件です*1。これロシアのウクライナ侵攻と同じで、国連安保理決議を経ない主権国家への攻撃で国連憲章違反に加えて合衆国憲法に規定された議会の承認なしに連邦軍を動かしたことで、法の支配をぶち壊した暴挙です。ロシアに物申せなくなると共に、中国の台湾への軍事挑発にも物言えない状況です。なるほど暮れにこんなこと言ってました*2。逆にベネズエラへの攻撃を公言してましたから、トランプ大統領にとっては予定の行動だったのでしょう。しかもベネズエラのマドゥロ大統領がコカイン密輸に関わったという根拠も示されない罪状で逮捕して身柄拘束したから「戦争ではない」というのもロシアの「特別軍事作戦」や戦前日本の「満州事変」「日華事変」と同じロジックで自己正当化しています。まあアメリカの国際法無視は過去にも多数ありましたが、一例として40年前のイラン・コントラ事件貼っときます*3。対イラクで劣勢なアメリカがイスラム革命以来断交中のイランに対して兵器を秘密裏に売って、代金を裏金としてニカラグアの反政府ゲリラのコントラに援助したというスキャンダルです。但しアメリカの中南米への軍事介入や内政干渉はこれに留まらず多数ありますが。

トランプ大統領の狙いは単純に石油。とにかく埋蔵量世界一ながらチャペス政権時に外資メジャーを追い出して石油会社を国有化したことで、経済制裁を受けて老朽化した設備の更新もままならず、石油生産を減らしてきました。チャペス大統領の後継者のマドゥロ大統領を排除して親米政権に転換することで米石油メジャーに利権を渡し、増産して原油価格を下げてガソリン代高騰による米国民の政府批判を封じて、劣勢が予想される中間選挙の巻き返しを狙ったと見られます。原油価格が下がればウクライナ和平交渉で言うことを聞かないロシアへの圧力にもなります。但し中東産油国を敵に回しかねずガザ問題も絡んで批判を浴びるから、国内のの反政府デモを口実にイランへの圧力を強めてかわそうってことですね。ついでにイランが親米政権に転換できれば尚良しで、どこまでも利権絡みです。

こんなアメリカに日本の外務省は苦慮しているそうですが、既に幾つかの国は国名をぼかした上で国際法違反を咎めてます。しかし高市政権の動きは鈍く、寧ろ春の訪米を模索してすり寄る姿勢を見せています*4。一方韓国の李在明大統領は新年早々訪中して習近平主席と会談して対中関係修復に動いています*5。トランプ大統領にゴマすりしまくる一方で習近平主席にも顔つなぎして日本のお手付き*6を巧みに利用して国内世論も抑え込み、経済連携強化で実利を狙います。今やAI大国の米中両国を繋いでサムスンなどの先端半導体で捲土重来を後押しする外交巧者ぶりです。米IBMの技術支援で補助金入れても政府系ファンド以外の出資が集まらず、財界に泣きついて奉加帖方式で資本を整えるラピダスと大違い。日の丸半導体は夢に終わりそうです。

こんな日本企業の中でリニアに賭けるJR東海にも逆風が続きます。リニア60年の紆余曲折*7でザックリ説明してますが、解決が見えてきた大井川の水問題*8で静岡工区の年内着工が見えてきたものの、解決困難な問題が山積します*9。大井川の水問題に留まらず静岡工区以外の工区でも用地買収難や事故に伴うトラブルや事故が絶えず、例えばトンネル残土処理のめどが立っていないこと*10や国策を盾に自治体に用地買収や残土処分を押し付けて住民の反対に遭ったりするなどの問題もあります*11。また南アルプスの地質の問題はかなり深刻で、多数の断層が走り高温高圧の地下水を遮断する難工事は下手すれば山塊の崩落に至るリスクさえ孕みます*12。また東京と名古屋の市街地の大深度地下のシールドトンネルを巡るトラブルも解決困難です*13。あと超電導リニアの技術的リスクも多数あります*14。

JR東海としては名古屋までのリニアを早く開業して次のステップとして海外へのインフラ輸出を狙い、アメリカの北東回廊リニア実現のためにアメリカでロビー活動して技術ライセンス無償供与まで約束しながら、連邦政府の環境アセスメント停止で事実上失敗。代わってAmtrakアセラの代替更新車両を仏アルストムが受注しています。JR東海は他にヒューストン~ダラス間のテキサス高速鉄道計画にも絡んでますが、資金が集まらず停滞しています。それでも希望的観測のJR東海ですが*15。AI時代の電力不足の中で電力食いの金食い虫を買う国があるでしょうか?その間にJR東日本はムンバイ~アーメダバード間のインド高速鉄道を受注して実績を確実にしてます*16。高速鉄道商戦もウヨ曲折してますね^_^;。

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Tuesday, December 30, 2025

雪道と自動運転

今年はいろいろあって取りこぼした話題が多数ありますが、全てではありませんが年内に片づけたいものを取り上げます。まずは自BANGのオウンゴール*1の後日談*2。記事ではアメリカの台湾への武器売却も一因としてますが、明らかに高市失言に端を発する戦狼外交*3の一環です。一番迷惑しているのは台湾ですが。今回は自衛隊はスクランブルをかけませんでした。しかしそうなると前回のスクランブルはどういうプロセスで行われたかに疑問が残ります。軍事演習の情報収集ならば非武装の偵察機で行うのが国際的な慣例ですし。

で、本題ですが、先週関越道で重大事故が起こりました*4。続報で単独事故で中央分離帯に乗り上げたトラックに別のトラックが追突して炎上し、後続車がそれを避けようとして多重衝突に至り、完全に車線を塞いだという流れのようです。復旧を急ぐために細かな現場検証はスキップされたようで詳細は尚不明ですが、当時積雪による路面凍結と吹雪で50km/h規制がかかっていたようですが、SNSで停止したトラックに猛スピードで突っ込むトラックの動画が流れたりしていて、おそらく単独事故のトラックを後続のトラックが避けきれずに追突したと見られます。規制が守られていなかった疑いがある訳です。

自重の重いトラックは乗用車に比べて滑りにくく雪道でもあまりスローダウンせずに走ることは可能ですが、滑った時のダメージが大きいだけに、本来はスローダウンした流れに合わせて走るべきところを無理をしたと推察されます。ドライバー不足と年末の繁忙期で焦りがあった可能性があります。加えて後続車のうちにはレベル2以上の自動運転車も含まれていたと思いますが、事故時の振舞いがどうだったかが気になります。

滑って転んで壺ッター大草原*5でも取り上げましたが、雪道や凍結路ではタイヤのトラクションが極端に低下しますので、それに合わせて急加速急ハンドル急ブレーキはご法度。フェザータッチのアクセルワークとシフトダウンとダブルクラッチによるエンジンブレーキ活用とソフトなポンピングブレーキを前提にスローダウンして走らせることが求められますが、現時点での自動運転車に雪道モードは実装されているとは考えられませんから、後続車が自動運転オンで走らせていれば事故回避はほぼ不可能。そうでなくても雪に不慣れなドライバーも多数いるでしょうから、たった1台のトラックの単独事故が後続車多数を巻き込む今回のような事故は再現性があることを意味します。雪が降ったら乗らないのが一番の回避策です。

とはいえ物流を担うトラックを減らすのは簡単ではありませんから、政府も新東名や新名神でのトラックの自動運転実装を目指してますが、雪道に対応できなければ大事故のリスクがあるし、それを防ぐにはドライバー手配か運休ということになります。安定輸送を考えれば政策的なモーダルシフトでトラック自体を減らすことを考えるべきでしょう。その意味で鉄道貨物の役割は重大なんですが、熊くまクマ*6のJR貨物のクマ被害という伏兵もあって難しいところですが、クマを含む野生動物の線路進入を防ぐ対策が求められます。しかし雪道の事故を考えれば道路予算で費用負担しても良いのではないでしょうか。

例えば物流を止めるな*7で取り上げた北海道新幹線の並行在来線問題で、国交省は青函トンネルの貨物ルート存続を前提に長万部以南の並行在来線の維持を模索してますが、並行在来線三セクの営業赤字が30億円規模で沿線自治体がしり込みする中で、北海道庁はダンマリを決め込んでいます。ならば国が線路を保有して上下分離する提案があっても良いと思いますが、あくまでも地域の問題としてそこまでは踏み込まずにいます。道庁の姿勢に問題はありますが、鉄道貨物の分担率の高い北海道対本州の輸送インフラとして国が面倒を見る余地はあります。おそらく他の並行在来線三セクとの扱いの違いを言われたくないのでしょうけど、逆に敦賀から先のルートで揉めている北陸新幹線でも湖西線の並行在来線切り離しはルートに関わらず不可避でしょうから、重要な物流インフラとして国が関与する判断はあり得ます。そしてこれらは民生インフラとして国民生活を支えるものでもあります。

まあ高市政権では新安保3文書で装備品輸出拡大を成長戦略というたわごとを言ってますが*8、ぶっちゃけ民生よりも軍事、バターより大砲と言っている訳ですが、工場の海外移転と人口減少で国内の供給能力が低下してインフレになっている中で、防衛装備品を輸出して稼ごうって話です。円安で装備品価格が上がっていることから輸入代替の産業政策で量産効果による価格競争力向上も狙っている訳ですが、既に枯れて縮小している国内工業生産力を軍事に割り当てれば民生需要を満たす輸入が増えて輸入インフレで国民生活を困窮化させます。ナチスの軍事ケインズ主義が失敗した歴史の教訓を見ていませんね。身近なところでは北朝鮮の先軍政治で国民が窮乏しています。対して中国は経済成長に比例して装備強化されていて、日本の高度経済成長期の防衛費と同じ展開です。決定的な差がある訳ですね。

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Sunday, December 28, 2025

本当の年収の壁

年収の壁のウソ*1を貫き通した玉木国民民主党代表の与党すり寄りです*2。またガソリン税暫定税率廃止も決まりました。こちらは与野党6党で合意してますが*3。AIが壊す社畜エスカレーター*4でも取り上げましたが、国民民主党の支持団体の連合は財政出動を伴う国民民主党の基礎控除拡大などの減税策はインフレを助長すると批判するとともに、同じく組織内候補を立てて支援する立憲民主党との選挙協力をした選挙区では勝利している点を指摘して選挙協力拡大を求めてますが、それを台無しにしています。

国民民主党の玉木代表は、かつて高度経済成長期に毎年賃上げがあっても所得税の超過累進課税で税負担が増えることから、所得減税で基礎控除が見直されてきた所謂サラリーマン減税のことを指摘してますが、オイルショックで税収減に見舞われた1975年の特例国際法成立までは所謂赤字国債の発行はなく、当時の大平蔵相の猛反対もあって1年限りの特例措置として成立したものです。その後慣例で毎年更新が続き、期限も5年に伸びて現在に至りますが、2026年はその5年に1度の更新の年に当たります*5。年明けの通常国会の予算審議で野党の絶好の責めどころですが、国民民主党は基礎控除拡大の見返りに早々と予算案賛成に回り、与党をアシストしてます*6。元々低所得層の税負担は軽く、高所得層に恩恵の大きい基礎控除見直しを実現して「政権交代より政策実現」とドヤ顔して財政悪化を許して円安と金利高を許して国民を裏切ります。それでも選挙で票が取れると踏んでいる訳で、有権者をバカにしてます。

こうした歴史を知らないで「積極財政で成長戦略」とか「賢い支出で強い経済」とか甘い言葉に騙されちゃいけません。財政出動すればGDPの名目値を増やすことはできますが、供給不足のインフレ状況では物価上昇で調整されて、いつまで経っても物価に賃金が追い付かない状況は続きます。つまり結果的にインフレで手取りは実質減少します。それでもインフレは莫大な債務を抱える政府にとっては事実上のインフレ税で負担が軽くなることから、赤字国債発行をためらわない訳です。高度成長期には赤字国債発行しなくても成長できていて、しかしサラリーマン減税で税収を減らしてきたから結局インフレが常態化していて賃上げを相殺していたのですが、それ以上に経済成長して実質成長率もプラスだったから国民も不満を覚えつつ豊かさを実感していたものですが、その成功体験から抜けられないからインフレ=好景気という固定観念で「好循環」を求めてインフレターゲット論やリフレ論から怪しげな現代貨幣理論(MMT)など甘言を弄する論者が絶えませんが、アベノミクスの失敗が示すように全て幻想です。

てことで本来の年収の壁は実は低賃金にあるということと、インフレは賃上げを相殺することを言いたい訳です。元を質せば2002年春闘のトヨタ奥田会長のベアゼロ宣言に始まりますが、3月期にトヨタは史上最高の連結経常利益1兆円を達成して絶好調だったにも関わらず、中国など低賃金で台頭する新興国を睨んでグローバルに戦うには日本の高賃金の是正が必要ということで押し切りました。これに他社が追随して所謂ベアゼロ春闘の始まりです。

当時団塊世代が未だ現役の一方、2007年には定年による大量退職が始まることが見えていました。定期昇給で賃金が高い中高年従業員が抜けて低賃金の若手が補充されるのであれば企業の人件費負担は変わらないのですが、ベースアップを止めれば人件費を抑えられる訳です。それでいて定期昇給は温存されて賃金自体は上がりますから、現役社員の不満は出にくい訳で、また工場の海外移転などの脅しもあって、雇用維持の観点から労組が追認することになります。その後団塊世代大量退職の補充は非正規効用で対応し、当時バブル後の就職氷河期世代が溢れていたことと、雇用維持の約束を反故にする形で工場の海外移転を進めるなど企業側の身勝手な行動で賃金は低位安定して労働分配率は低下の一途を辿り、ゼロ年代で70%から60%まで落ちました。つまり企業は儲かっているのに賃金を抑えた訳で、一方労組の強い欧米では賃上げが続いたので、ぶっちゃけこれが失われた30年の最大の原因です。手取りが増えないのは賃金を抑えたからということですね*7。

しかしその結果企業は莫大な内部留保を抱えることになり、それがアクティビストの標的になっていて、配当や自社株買いなどの株主還元を迫られる形で取り崩されている訳です。特に海外アクティビストの標的となっていて、それが株高をもたらしている一方で円安債券安は留まることを知らず、それがインフレを助長しますから国民生活を圧迫します。という訳でいい加減成果の出ない「成長戦略」やめませんか?

国民の関心事はインフレであり将来不安である訳で、新NISAの好調はそうした不安を反映したものではあります。しかしS&P500やオールカントリーなど米国株中心の海外投信に多くの資金が流れてますから、一種の円キャリートレードとなって円安を助長してインフレ要因になるという矛盾もあります。来年度予算で防衛費や企業向けの補助金や地方交付税の積み増しなどが並ぶ一方、社会保障給付の減額が盛り込まれてますが、これは将来不安を助長するものになります*8。

社会保障費+2%と社会保障関係費以外の+4%はインフレ対応の歳出増ですが、社会保障費の圧縮で高額療養費上限上げ*9やOTC類似品の値上げ*10などが打ち出されてますが、その節約額は2000億円程度*10。一方で会計検査院は省庁が設置する基金の未消化を取り上げてます*11。すべて無駄と言うつもりはありませんが、ほんの少しの見直しで救える命は確実に増えますし、1.5兆円程度とされる暫定税率廃止財源も捻出可能ですし、更に言えば与野党で協議される給付付き税額控除の財源も手当てできる可能性があります。簡単な試算ですが、106万円や130万円の所謂社会保険料の壁対応ならば1人2万円程度で最低限の制度導入する場合、2.5兆円程度の財源があれば可能ということが言えます。

その一方地方交付税交付金、国債費、防衛費は何れも10%超の増額です。国債費は新発国債分の他、借換債発行を睨んだ利払い費の増額があって動かせないところ。既に借換債だけで180兆円規模でしかも長期債の売れ行きが芳しくないから中短期債への借り換えとなってその分償還が早まるから借換債も膨張して金利上昇が反映されるから年度を重ねるごとに負担が増えて政策経費の余地を狭めます。地方交付税交付金の増額は悪評のお米券その他のインフレ対策費として特別交付金が計上されていますが、インフレ対策で消費が増えればインフレを助長します。防衛費も装備品の増額が主体で自衛官の待遇改善は僅かです*12。

そしてほんのちょっとの鉄分^_^;。北陸新幹線の敦賀以西のルート問題で調査費が計上されてます*13。正式決定となる5原則を無視して与党PTだけで決めた小浜京都ルートで前例のない調査費計上を押し込んだ与党PTですが、調査費計上した結果、京都の水問題で環境アセスメントがとん挫し、国交官僚によるB/C比見直しで0.5という絶望的な数字が出た訳で、計上自体はは毎年続いているものの執行は止まっている状況なのは繰り返し取り上げてきましたが、与党に入った維新の意向で見直しされることになり、金額はそのままに新年度予算にも計上されています。しかしほぼ執行の可能性はゼロです。これも繰り返してますが、整備新幹線のスキーム自体が矛盾をはらみ限界になっていることを認めた上で新制度を提案するのが本来ですが、こうした現実を見ない成長戦略が無意味なのは言うまでもありません。

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Sunday, December 21, 2025

熊くまクマ

鹿*1じゃなかった今年の漢字*2。クマ被害とパンダ返還が理由という何とも評価しずらい理由の並びですが、鹿のその後を先に*3。オフレコ報道に対する批判もありますが、内容次第で報道すべきとしたメディアの判断に問題はなく、寧ろNPT体制を理解できていない官邸スタッフがいることが問題でアメリカからもクギを刺されてます*4。

で本題ですが、クマ関連の過去エントリーは2件あります。1つは奈良県上北山村の東の川簡易郵便局*5。故人のレールウエイライター氏が広めた旅行貯金というのがありまして、郵便貯金通帳に旅行先で入金して局名の入ったスタンプを捺してもらうというもので、ダム建設関連で移転後残った8世帯の為の簡易郵便局が、当該世帯も移転して無人集落となった後も存続し、クマやイノシシの出没するところで平日5日間の交番勤務でイノチガケで維持されていたというもの。流石に2005年4月1日に廃止されました。

上北山村はかつて林業が支えでしたが、林業の衰退で観光業が主要産業となっていて、無人地帯の簡易局も簡単に廃止できなかった事情はあるにせよ、過疎地の過酷さを示します。そんな上北山村のアクセスはほぼ国道169号線に限られ、かつては奈良交通熊野線が担っていた公共交通は、今は大淀町・吉野町・川上村・上北山村・下北山村の5町村を結ぶ南部地域連携コミュニティバス(R169ゆうゆうバス)が奈良交通が受託して福神駅(近鉄吉野線:大淀町)~下桑原(下北山村)間を1日1往復でほぼ日帰り不可能と観光立地も劣悪です。大都市圏でも廃止減便が続くバスの過疎地の過酷な現実です。

そんな紀伊半島は面積9,900㎞^2でほとんどが森林ですが、林業が盛んだったことからスギやヒノキなど針葉樹の人工林が多く、クマの生息に適したコナラなどの広葉樹林は僅かです。故にツキノワグマは絶滅危惧種として保護されていて400頭を下回らないことが基準とされていますが、推定個体数が増えて管理にシフトすることが決まりました*5。紀伊半島全域で推定個体数467頭ということで和歌山県と奈良県で保護政策を見直します。上北山村は面積276.22km^2に2025年11月1日現在推定人口376人という過疎地ですが、クマの個体数密度はさらに低い訳で、そもそも遭遇機会は低いものの、被害の酷さは尋常ではありません。童謡の森のくまさんは「お嬢さんお逃げなさい」と促して生息域の外へ誘導する優しさがありますが、現実の猛獣とはエリア分けが必要です。

クマから見れば人間が勝手に山に入って食料の乏しい針葉樹の人工林で林業を営んだ結果、生息域が狭められたということでもありますが、紀伊半島以外でも主に近世の新田開発で平地の少ない日本では森林との境界域の棚田などが開墾され、生産性の低さを補うために山に入り、燃料の薪や肥料の落ち葉、キノコや山菜の採取などが行われて所謂里山を形成することで、クマの生息域は圧迫される一方、ヒトとクマの遭遇もあり、自衛の意味もあって狩猟も行われるようになります。クマの狩猟は鉄砲伝来以降の話ですが、それがクマのヒトへの警戒心をもたらして緩衝地帯を形成する訳です。それが過疎化で耕作放棄地が増えた結果、棚田は樹木が生えて森になり、ヒトも入らないから結果的に生息域を拡大している訳です。故に個体数密度が低く繁殖力の弱いクマでさえ個体数が増える訳です。ヒトとクマの共進化の歴史です。しかも気候変動による気温上昇で冬眠しないクマが現れ、食料が手に入る都市部へ下りる機会も増えます*6。

岩手県盛岡市のホームセンターDCM盛南店ではクマ対策マニュアルがあって、店舗スタッフがそれに従った結果ヒトの被害はありませんでした。そして過去エントリーの2件目でそんなマニュアルがある新幹線駅を取り上げました*7。長野新幹線として開業した安中榛名駅は当時人里離れた山の中でクマ出没に悩まされ、駅員と乗客の安全を図るためのマニュアルが用意され、駅員は指令に通知して列車通過扱いにして駅を閉鎖し、構内のヒトを守るというものでした。クマの生息域に新幹線駅作っちゃったってことですが、そんな立地でも新幹線通勤を想定した宅地造成をして売り出したものの売れず、2区画合筆して農園付き別荘としてやっと売れたという黒歴史があり、結果的にクマの生息域を侵食しました。

紀伊半島など西日本では針葉樹の人工林が多く、元々個体数が少ない上に紀伊半島のように絶滅危惧種として個体数の把握が行われていた一方、東日本はコナラなどの広葉樹林が多く生態系の多様性が維持されていたこともあり、クマの個体数把握は行われていません。故に生息域の拡大で都市部にも出現するようになった訳です。ヒトとクマの共進化も東日本では異なった展開です。故にハンターは趣味で猟銃免許を取得した一般人でクマ相手だと反撃のリスクもあり、猟友会頼みの対策では追い付かなくなっているという風に事情が異なります。秋田や岩手のクマ被害はこうして起きている訳で、地域に応じた対策が必要です。失われた過疎地の里山の復活は難しいですが、例えば境界域の樹木を伐採してソーラーパネルを設置するのも一法です。さらにその電源で地場ビジネスを起こせればヒトが住む緩衝地帯になり得ます*8。ちなみに秋田新幹線こまちもクマ原因の輸送障害が複数回起きています*9。

ということ北海道に話を移すと、こちらにはより大型のヒグマが生息していて生態系も異なりますし、また被害も多岐に亘ります。そんな中で鉄道被害も深刻です*10。シカとの接触と異なり、クマの場合外へ出て排除するのは危険なので、指令を通じて救援が来るまで待機せざるを得ないということで、長時間の運休を余儀なくされます。鉄道貨物の依存度が高い北海道故に深刻です。地域によってクマ対策も一律にはいかない複雑な問題ってことです。政府も外交で揉めてる場合じゃないぞ!

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Sunday, December 14, 2025

自BANGのオウンゴール

過去エントリー*1でも指摘した日本政府の自作自演ぶりに眩暈がします。12月6日に起きた自衛隊機に対する中国機のレーダー照射問題で異例の7日深夜2時の記者会見です*2。レーダー照射は攻撃のためのロックオンで使用されることは確かですが、必ずしもそれに留まらず、特に戦闘機同士の場合は接近する相手の位置や速度を知るための照射が多いのが実際です。マッハの速度で飛ぶ戦闘機には民間機では普通の自動航行装置などは装備されておらず目視航行となる訳ですから、遠方から接近する相手に照射することは安全確保の意味からあり得ます。

そして小泉防衛相は事前通告がなかったと説明していましたが、その後中国側から自衛隊護衛艦に向けて空母遼寧の離発着艦訓練実施の無線交信と思われる音声データが公開され、小泉防衛相もその事実を認めています*3。つまり護衛艦が受電した事前通告が共有されていなかったってことで、これ自体は自衛隊側のガバナンスの問題です。おそらく空自からの報告を精査せずに拙速に公表したと考えられます。高市失言で日中関係が微妙な時期に*4、おそらく備蓄米放出で見せた小泉前農相のスタンドプレー*5だと思いますが、自衛隊の内部情報すら確認せずに拙速な対応をしたと考えられます。レーダー照射の事実は事実として、確認してから公表、あるいは敢えて非公表という判断があり得る外交や防衛のナイーブな機微情報を扱う閣僚として軽率のそしりを免れません。

こんなことは枚挙に暇がないんですが、例えば3.11後の福島第一原発の事故の報に対して当時の原子力安全保安院や東電が「メルトダウンではない」と否定して、後に訂正を迫られるという流れと同じですね。あるいは大井川の水問題その他で静岡工区の着工ができない*6とか、瑞浪市の陥没事故関連で打つ手なしと居直り*7、都市部の大深度地下工事の問題点が露呈しても*8工事着手して案の定のトラブル*9を起こすリニア工事に対するJR東海のスタンスにも同様の問題が見て取れます。

これだけ問題を抱えながらJR東海がリニア事業の見直しをしないのは、アベノミクスの成長戦略の1つとして財投資金3兆円の融資の一括返済を求められる可能性があるからですが、30年据え置きの低利融資という破格の条件で難工事や工事の遅れや資材費や人件費の高騰で膨張する事業費をファイナンスできてしまうということです。しかし同時に大阪延伸を睨んだ財投資金融資を使い込みつつ名古屋開業すら見通せない現状では大阪延伸はほぼ不可能と考えて差し支えない状況です。

もう1つはあれこれトラブルはあって工事は遅れてますが、既に着工した工区では着手金が支払われており、また進捗状況に応じて施工業者に支払われる中間金もあり、その中間金は工事の遅れである程度支払いを猶予されている面があり、JR東海にとっては資金繰りが楽な状況が続いているという皮肉なことが起きています。加えてコロナ後の東海道新幹線の万博とインバウンドによる絶好調で笑いが止まらない一方、利益剰余金が増えすぎると株主還元や料金値下げなどの圧力を受ける可能性がありますから、工事代金の引当金に計上することでそれを回避できるという良いことずくめで逆に身動きが取れなくなっているのが実際です。実は日本政府も似たような状況なんですが。

コロナ禍で肥大した暫定予算の問題点は前エントリーでも取り上げましたが*10、国債発行こそ圧縮したものの積極財政が許容できない状況は着々と進みます。FRBの利下げ*11と日銀の今月の利上げが確実視されて金利差は閉じつつありますが、長期金利は確実に上昇しております*12。特に30年物などの超長期債の金利上昇は急で、主に生保などの機関投資家が保有してますが、金利上昇は債券の値下がりを意味しますから評価損が発生する訳で、新規の引き受けは無理で必然的に期間の短い国債で穴埋めせざるを得ません。しかし10年債で2%弱ではインフレ率にも達しないから投資妙味は薄く、新発国債の買い手探しが問題になります。

そんな中で元本保証のある個人向け国債がにわかに注目されてます*13。個人向け国債は固定3年もの、固定5年もの、変動10年ものの3種類があり金利上昇で注目されてますが、一番売れているのが固定5年ものということですが、1.35%ではインフレ率以下で損です。今後の金利上昇を睨めば変動10年もの1択ですが、中途解約は半年ごとの直近2回分の金利が解約金で取られるので10年寝かせられる資金がなければ意味ないし、銀行預金よりはマシ程度です。寧ろゼロインフレ時代でも0.5%の最低保証金利が適用されていた時代には旨みがありましたが、その時には見向きもされていませんでした。国民の投資リテラシーはなかなか高まりません。

てことで積極財政シフトした欧州でも模索がされており、イタリアではメローニ首相が個人向け国債購入を呼び掛けておりますが、日本より利回りが良く長期保有で金利が上がる制度設計の工夫もあり、投資妙味があり市場の信認を得て財政難のフランスよりも高評価で南欧クライシス時代とは様変わりです*14。一方財政規律重視から憲法まで変えて積極財政に転換したドイツではインフレと移民受入れ絞り込みで資材費、人件費が高騰して執行が進まないという日本と似た状況に直面します*15。イギリスでは確定給付年金から確定拠出遠近へのシフトで年金による長期債購入が減って国債の短期化が進みます*16。上記の日本の生保の長期債離れと似た状況で苦しんでいる訳です。

加えて日本では思わぬ伏兵があります。2026年度が5年に1度の特例公債法案提出の年に当たるからです*17。1975年、赤字国債発行を嫌う当時の大平蔵相の肝いりで押し切った1年ごとの特例公債法成立以来、毎年予算審議に絡めて更新され続けた法律ですが、赤字国債が発行できないと予算の執行が止まるということで、以来野党の要求を呑ませる攻防戦に使われました。2011年には当時の民主党菅首相の辞職と引き替えに通し、2012年には野田政権の与野党三党合意で解散総選挙と引き替えに期限4年とする改正法案が通され、後に5年に伸びて今に至り、来年度改正周期を迎えます。これがアベノミクスの積極財政で財政規律を棄損した一方、衆院の過半数は確保したものの与党の劣勢で野党の格好の責めどころとなります。アメリカの債務上限の所謂財政の崖問題の与野党攻防と同じような状況が予想され、荒れる予算審議に高市政権は耐えられるかどうか。尤も野党からして減税要求ばかりで財政規律はどこへやら。高市ショックは必然かも。

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Saturday, December 06, 2025

日流ふてほど

韓流ふてほど*1から1年経ち、韓国尹前大統領の裁判が進み、戒厳の真相が明らかになってきてます*2。来年1月にこの件で裁判が始まりますが、ドローンを飛ばすように指示を出した軍関係者の証言が得られております。とんでもない話ですが、高市首相の台湾有事発言*3と構図は似ています。そしてまたやらかしました*4。今月1日に東京で行われたサウジアラビア投資家向けのフォーラムで Just shut your mouths. And invest evelything in me!! (黙って俺に投資しろ)と発言しました。進撃の巨人の決め台詞の英訳ということで、日本のアニメに絡めて得意げに発言したらしいのですが、命令調のかなり失礼な表現です。

書いた記者はニューヨーク支局の経済記者ですが、1日にして世界中に伝わったことを示します。それだけ目立った発言という訳です。同じ日に日銀の植田総裁が名古屋の講演で今月の利上げを示唆し、更に今後も利上げを続けることも示唆しており、その結果やや円高になり長期金利が上昇する一方、株価は下げました。株価はその後上げ下げを繰り返してますが、植田発言を受けての市場の正常な反応ではあります。問題はこれが日本市場の閉じた動きに留まらず、欧州からアメリカへとさざ波のように広がったことで、高市発言の影響を記者が感じ取ったということです。なまじ英語で発言したから世界を駆け巡ってしまったということですね。

鹿虐待*5など、とにかく失言が多すぎます。高市総裁が選ばれた時点から円安が進み長期金利が上昇している流れから、絶局財政で日本発の金融危機を心配する金融関係者が多く、高市ショックを世界は心配しているということです。流行語大賞に選ばれて笑顔で登壇する違和感もありますが、「ワークライフバランス捨てる」*6のインパクトではなく「働いて働いて働いて働いて働いて」の方を採用する選考委員の忖度も変です。ユーキャンがスポンサーから抜けた影響かな*7。

長期金利の上昇は国債の利払い費の膨張のみならず、日銀の金融政策を縛ります*8。黒田日銀時代に異次元緩和やイールドカーブコントロールで国債の高値での大量買いをしたために、通貨回収の手段として国債の市場処分をすれば金利上昇を煽るし、安値で売れば含み損が顕在化して信用不安につながるから、日銀当座預金の利息を増やして金利を動かすしか手段がない一方、高値で買った国債は実現利回りも低く当座預金利息との逆ザヤが発生してしまいます。故に穴埋めにETFやREITの慎重な市場処分でそちらの含み益を充てるしか日銀には打ち手がない訳です。にも拘らず圧縮されたとはいえ11兆円もの国債発行で補正予算を組んでしまう高市政権の財政運営を世界が注視し心配している訳です*9。イギリスのトラスショックと違って日本の高市ショックは世界を巻き込むことが危惧されているのです。しかも成長戦略とやらはアベノミクスの二番煎じで死屍累々の山確実です。

産業構造の変化に対応せず既得権益を強化する成長戦略では結果は出ません。一例を挙げれば羽田空港の国際化ですが、航空会社の機材の小型化もあって羽田空港の過密化が進み、定時運航に支障を来しています。コロナ禍の影響で国際線が打撃を受けた航空各社ですが、政府の支援で凌いだものの、出張の自粛やリモートワークの普及でビジネス客が減っている一方、コロナ明けの海外のリベンジ消費と円安の波に乗ってインバウンド客で国際線は好調なものの国内線は実質大赤字ですが、ターミナルデマンドの一極集中で羽田ばかりが混雑する状況になっています。その羽田の発着枠問題が矛盾を助長していて、1枠十数億円の発着枠を放棄しないために便数を減らせないという矛盾があります。故に路線によっては70%台の低搭乗率でもライバルに権利を奪われないために飛ばさざるを得ないというようなことが起きています*10。

また座席を埋めるためのディスカウントも行われている結果、LCCの優位性が失われてそこでも競合が起きているし、関空や中部など他のハブ空港は逆にさっぱり発着枠が埋まらないという状況です。そんなこんなで成田空港や福岡空港の拡張計画が迫られていますが、何れも羽田の代わりにはならないし、結局東京一極集中を何とかしない限り問題は解決しません。ビジネス客の減少はJRの新幹線も同じなんですが、羽田の遅延常態化は例えば北海道新幹線の開業後のアドバンスを高めるかもしれず、リニアを作るまでもなく国内線航空は白旗を上げる状況ってことです。そうなるとますますリニアを作る意味が失われますが。

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Saturday, November 29, 2025

AIの酸化に降参か左様なら

鹿の敵討ち*1の高市失言を立憲の野田代表がうまくフォローしました。発言撤回は求めず従来の政府方針を語らせることで国内向けには事態を収拾し、同時に質問者として批判されていた岡田代議士の名誉回復を図るという大人の対応を見せました。残念ながら高市首相はそれでも「質問されたから答えた」と岡田代議士批判の世論に乗っかって自己弁護で救いようなし。これからも失言しまくりで誰かがフォローする流れでしょう。その前にトランプ習近平電話会談があり、その後トランプ高市会談で釘を刺されたから本人も失敗は自覚しているとは思いますが*2。

18.3兆円の補正予算を閣議決定して国会へ上程されますが*3、こちらは簡単ではないでしょう。特に本来本予算で対応すべき防衛費増額を補正予算で行うのは臨時的対応を旨とする補正予算の趣旨にも反します。というよりも防衛費に限らず本予算では金額を明示しない事項請求をしておいて、補正予算に潜り込ませたということならば財政民主主義に反する暴挙です。中国の戦狼外交は団体客のキャンセルに留まらず日本のタレントの中国公演の軒並み中止など実害が出ていますが、中国の強硬姿勢を逆手に取って正当化する高市ショックドクトリン*4を警戒すべきでしょう。これナチス台頭時のドイツワイマール共和国時代の大砲かバターか論争の相似形で、敵を作って国民生活を圧迫することに他なりません。

既に市場は財政悪化を織り込んで長期金利が上昇する一方、短期金利は低いままで長短金利差が拡大しています。今後長期債の発行は困難になり短期債で回すことになりますが、そうすると国債の新規発行以外に既発債の借り換えが頻繁になり、インフレによる金利上昇でジワジワと財政を圧迫することになります。そしてその前に所謂債券自警団の投げ売りが始まると一気に国債大暴落となります。株価以外全部沈没*5で指摘したように株価はインフレを反映して上昇しているもののあくまでも円建ての話であり、円安と債券安は進んでいる現実があります*5。高市ショックも近いかも。株に関してはアメリカのAI相場の後追い*6で、AIブームに沸く米テック企業にも選別の目が向けられています。

2年前に勤労感謝にAIは勝つ?*7で分析しましたが、AIによる生産性向上効果は主に高スキル労働者の経験値に裏付けられた暗黙知をAIに学習させることで低スキル労働者の生産性が改善することが主なもので、謂わば教育効果による労働力の底上げなんですが、これは同時に高スキル労働者にとってはライバルの増加を意味しますから労働市場での優位性を失い賃金が下がることを意味します。加えて低スキル労働者にとってもスキルアップの機会とモチベーションを失わせますから、一定水準以上のスキルアップが止まり生産性向上効果は一巡します。つまり結果的にはAIなしには使えない労働力の劣化を意味する訳です*8。

逆にAIの開発者はそれを利用して労働者を都合の良いツールに誘導する誘因を持ち、創造性のない苦役で労働力を消費される訳ですから、次世代のイノベーションを阻害し経済自体の持続可能性を危うくします。そしてベーシックインカムの美名のもとでばら撒かれる給付を受動的に消費するデジタルペット状態になるとすれば、そんな未来はディストピアでしょう。そしてその片鱗は見えています。例えばアイドルの推し活はある種の依存症的なものがありますし、実在に人が相手ならまだしも生成AIが唯一の話し相手といったことにもなりかねず、実際AI依存症が原因と見られる若者の自殺は報告されています*9。

てことで気になるのがJR東日本がPayPayなどに対抗してモバイルSuicaにteppayというQRコード決済機能を持たせ、且つチャージ上限を現行の2万円から30万円に引き上げて個人間の送金にも使えるようにし、またVIEWカードとの紐付けで後払い決済にも対応すると発表しました*10。従来のFELICAベースのIC乗車券と電子マネーは残りますが、利便性に差をつけてモバイルSuicaへ誘導しようということですね。FELICAチップという特定ハードに依存した結果半導体不足で新規発行を止めた苦い経験もあるでしょうけど、同時に事実上記名カードとなることで個人データを取得しようということでもあります。

乗車券予約、宿泊、ショッピング、決済といった一連をカバーするスーパーアプリ化が狙いでしょうけど、同時にタッチアンドゴーという簡便さで高齢者などライトユーザーにも浸透したSuicaの良さは、アプリ操作で煩雑になり決済絡みでセキュリティも強化されるとすると、ユーザーインターフェースは複雑化が避けられませんし、ポイントやクーポンで利用を誘導することで一種の依存症的なことも起こり得ます。故に私は乗り換えるつもりはありませんが、ユーザーは気をつけて使わないといけません。これが進化なのか?

Suicaリニューアルに関係あるかどうかはわかりませんが、Suicaペンギンの卒業も発表されてます。普通に考えたらイメージの継続性を損なうリスクのあるキャラクターの変更は冒険だと思いますが、原著作者が個人であり個人保有の著作人格権は没後の相続以外に譲渡ができないことからの決定のようです。彦根市キャラクターのひこにゃんを巡る事件を参考に意思決定されたようで、企業として揉め事の芽を摘むということのようです*11。現時点で原著作者と揉めている訳ではないようですが、Suicaリニューアルとタイミングを合わせての決定というところでしょう。AIの時代にも個人の創造力は強固です。

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Saturday, November 22, 2025

戦狼は続くよどこまでも

前エントリー*1の続きですが中国の戦狼外交が日本に向いてます。戦狼外交で中国の嫌がらせを受けたのは日本が初めてではなく、例えば株価以外全部沈没*2で取り上げたネクスペリアを巡る中国とオランダの対立が、結局オランダが折れて解決しました*3。似たような話はバルト3国のリトアニアでも起きていて、中国の人権問題に不信を抱くリトアニア政府は台湾との関係重視に舵を切り、2021年7月に首都ビリニュスに駐リトアニア台湾代表処が開設されたことを受けて中国は駐リトアニア大使召還、北京のリトアニア外交官の外交官特権剝奪、リトアニア産品の禁輸などさまざまな嫌がらせを繰り出しましたが、2023年11月27日にリトアニア外相が中国による制裁が解除されたと発表して終結しました。経緯はわかりませんが、中国に対して何らかの譲歩をしたと考えられます。

つまり日本に対してもいずれ制裁解除はすると思われますが、譲歩を引き出すまではやめないということでもあります。そして日本渡航自粛や留学自粛に続いて石破政権で外交交渉で日本産海産物禁輸の解除が撤回されました*4。更に交渉中の牛肉禁輸解除も見通せず、細かいところでは中国国内の日本関連イベントや興行が軒並み中止になっていたりします。おそらくこれらは具体的に指示されてということではなく、トップの意向を忖度した動きと考えられますから、結局習近平氏が納得するかどうかということになると考えられます。高市政権で習近平氏にリーチできる人材はおそらくいないので、長引くことは避けられません。

今や中国にとっての日本のウエートは欧州の小国レベルということです。またこうした経緯があったので、欧州各国の首脳がこの問題に関心を持ってみているというのも興味深いところですが、トランプが「台湾有事はない」と断言したアメリカよりも、似た経験を共有する欧州との連携に活路があるように思います。戦狼外交とおどろおどろしいネーミングですが、要するに経済的な圧力をかけて相手を威圧するということです。ということは中国依存を低めれば解決可能に見えますが、実はそこに落とし穴があります。

戦狼外交は鄧小平時代の韜光養晦(とうこうようかい=能ある鷹は爪を隠す意)政策が外交の基本方針だったものが、2020年頃にシフトしたと言われますが、韜光養晦はつまり力を得るまではネコを被れということでもあり、世界ナンバー2の経済大国となった今の中国がこうなるのはある意味必然です。そしてその布石を着々と打ってきて今に至ります。ただの泥であるレアアーズの戦略物資化などは典型ですが、資源としてはありふれていても精製して純度を高めるには技術がいるし放射性元素などの副産物の処理が困難で規制に厳しい先進国では事実上無理ですし、さりとて途上国では技術がないということで、精製技術を磨いて中国以外から産出された泥も結局中国へ持ち込まないと使えないということで、いつの間にか世界市場を席巻していたというもの。それ故アメリカさえも譲歩を迫られる外交上の武器になっている訳です。日米で南鳥島のレアアース開発が俎上に載ってっますが、正直実現可能性はかなり低い金食い虫になりそうです。

これEVや半導体も同様で、国を挙げて取り組んでいつの間にか世界一のポジションを獲得する流れです。実は日本も太陽光パネルで世界をリードしながら中国の安値攻勢に敗れてサプライチェーン構築に至らなかった苦い経験があります。その結果実はアジア随一の再エネ大国は今や中国で、日本ではあまりニュースにならないブラジルのCOP30でも中国主導で進み、途上国支援を渋る先進国をしり目に中国の存在感が大きくなっています*4。それに対して日本はと言えば柏崎刈羽原発6号機再稼働で脱炭素を謳うおめでたさ*5。実は原子力産業も例えばアメリカは核燃料をロシアから調達してますし、日本も主にオーストラリアからの調達ですが、やはり先行きの安定供給は見通せません。下手すると原子力産業はロシアと中国がツートップになる可能性もあります。環境規制の厳しい先進国では無理な話です。

こうした話は枚挙に暇がないんですが、例えば高速鉄道での中国の躍進は目覚ましいものがありますが、これ日本の国鉄分割民営化が影響しているんです*6。京滬高速鉄道の開業で「日本の新幹線のパクりだ」の声がありました。確かに中国は技術移転を求めていてドイツのシーメンスやフランスのアルストムは特許で対抗した一方、日本では国鉄末期の車両メーカーの特許強制公開があり、その後の分割民営化で国鉄が無くなって権利関係が曖昧になって対抗できなかった結果ですが、当時の日本では知財の意識が希薄だったことも影響してます。何だか太陽光パネルと似ているような。日本人の学習能力ってこんなもんか?

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Sunday, November 16, 2025

鹿の敵討ち

高市首相が国会答弁でやらかしました*1。国際問題化してます*2。「能力のない頑張り屋はただただ迷惑*3」という予想が残念ながら当たりました。問題は歴代政権のあいまい戦略を無視して手の内を晒したこと。台湾有事への自衛隊の対応は公然の秘密であってもとぼけてれば相手が勝手に疑心暗鬼になる心理戦こそ抑止力なのに、よりによって国会答弁で、しかも質問通告に沿って官僚が無難な答弁書を用意しながら、無視して勝手に発言した結果、秘密が取れて公然になった訳です^_^;。

スパイ防止法の必要性を主張しながらの体たらく。元々国家公務員法や地方公務員法で守秘義務違反は刑事犯罪と定義され、トクリュウへの捜査情報漏洩で警視庁警部補が逮捕されてます*4。国家公務員の場合はさらに特定秘密保護法もあり、民間人もセキュリティクリアランス法の指定を受ければ同様です。それに加えて屋上屋を架す立法事実が存在するのでしょうか?特別公務員の議員や首長が外国のカルト宗教に便宜を図るエージェント行為、所謂壺議員を放置していることから、法律の不備より刑事司法の不作為の問題では?それよりコメ安くしてくれ!

中国の姿勢も今回は強硬ですが、幾つかか理由が考えられます。10月30日に韓国で行われた米中首脳会談で合意した関税と対抗措置の延期です*5。とりあえず米中の対立が一時休戦となった訳ですが、先に仕掛けたアメリカに対してひるまずレアアース輸出規制や米国産大豆輸入制限で対抗した結果、アメリカの方が音を上げてクリンチに逃れたのが実態です。つまりアメリカを屈服させた中国の外交的勝利ということになりますが、副産物として日本の存在感は隅に押しやられた訳です。その自信が日本への強硬姿勢をもたらしたと言えます。

加えて四中全会で党幹部の欠席者多数という事態があります*6。反腐敗運動で処分されたり拘束されたりした幹部多数で、ほとんどが習近平体制で登用された幹部ということで、イエスマンで固めた独裁体制の綻びを示します。泣いて馬謖を切った結果、反主流派のウエートが高まり、習近平総書記に逆風が見られました。それが戦狼外交へのシフトとなって現れ、日本叩きで反主流派のガス抜きを狙ったと考えられます。そして日本への渡航自粛の呼びかけとなったと考えられます。

但しあくまでも渡航禁止ではなく自粛要請ということで、実質的にどの程度の影響が出るかは何とも言えないところ。厳しい態度を見せつつ中国も落としどころを探っているとは言えます。これで中国人観光客が減れば京都などの観光公害も緩和されますし、奈良の鹿虐待も減るかもwww。まさか狙いは鹿の敵討ち?へずまりゅうレベルの愚か者だわ*8。

最後はAIのフーガ*9のフーガ(輪唱)wwwww。田園都市線梶が谷駅事故で国交省が全国の鉄道事業者に連動装置の点検を指示した結果、10事業者15駅で見つかりました。人間のやることには見落としが付きもの。ヒューマンエラーを前提とした対策が必要です。高市発言もヒューマンエラー?

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Saturday, November 08, 2025

AIのフーガ

米株式市場を追いかけて縋りつくような日本株式ですが、今週興味深い動きが見られました。前エントリー*1で株価の上昇トレンドを取り上げましたが、5日に大幅に下げて終値は5万円を割りました*2。AIバブル崩壊の懸念からか一部ファンドがエヌビディアなどテック株に大量の空売りを仕掛けて値下がりした前日のNY市場の流れから日本市場でもAI関連の売りが出て下げたもので、ソフトバンクグループのような大型株が下げた結果ですが、面白いことに翌6日には相場が5万円台に戻ります*3。AI関連は軟調ですが、内需株その他好業績企業が物色された結果ですが、ザックリ言えば日本株に流入した資金は引き続き日本に留まっているということになります。

勿論これは円安インフレによるもので素直に喜べないのですが、傾向として輸出その他で外需依存が強く関税の影響で利益を減らす製造業よりも内需関連のサービス業が業績を伸ばしています*4。まあ万博の影響もあると思いますが。それでも資本効率が改善しない日本企業の何が問題なのかということで、面白いコラムを見つけました*5。自己資本利益率(ROE)は自己資本で純利益を割った比率ですが、業績好調で利益は増えても分母の自己資本が増えれば比率は改善しない訳で、特に海外法人の売上が大きい外需依存企業では利益の本社送金をせずに海外法人が内部留保していると、決算時に為替変動を反映した含み益含み損が連結決算で自己資本に算入される訳で、円安による含み益が分母を押し上げているとすれば、なるほどROEは改善しない訳です。しかも国内からの輸出分の関税も円安効果で負担が軽くなるから利益減も圧縮される訳です、つまり日本株は円安で押し上げられているということですね。円安が反転しインフレが収まらない限りこのトレンドは続きます。

その意味では高市政権の所信表明演説で積極財政を打ち出したことは、財政悪化で円安もインフレも止まらず、企業業績が良くてもそれが賃金に反映されない限り賃金がインフレに追いつかず、国民生活は窮乏化することになります。そしてアメリカではさらに気になる動きがあります。アメリカの政府閉鎖が続いて航空管制官が無給で働いているものの、このまま続ける訳にもいかず、連邦運輸省は管制官を休ませるために航空便の減便に踏み込みます*6。言ってみれば政府によるロックアウトのような状況で、当然航空券は入手困難になり出張やレジャーは自粛または片道レンタカーなどの自衛策となり国民生活に多大な影響が出ています。

そしてそのこと自体の経済的損失もさることながら、既に1ヵ月を越える政府閉鎖で予算執行が滞った結果、政府支出による通貨の流動性の低下に影響が出ていると見られることです。つまり日本とは逆に意図せざる歳出削減効果が働いてそれが金融市場の流動性を低下させている疑いがあるということです。暗号資産ビットコインの暴落がそれをよく表していますが、この流れから本当にAIバブル崩壊に至るシナリオもあり得ます。その場合は日本も無事でいられるかどうか。但し企業が外需依存をリスクと捉えて内需関連の投資が増えれば局面が変わる可能性はあります。但し高市政権下では逆方向の動きが気になります。

例えば経済安全保障重視で造船などの海外事業の支援ってのは結局造船能力を喪失したアメリカの艦船製造を支援するって話で外需依存なんですよね。海底ケーブル敷設なども日本のデジタル赤字を拡大させるだけならサービス収支悪化で円安になるだけだし、何より明らかに大砲とバターの大砲重視の姿勢は確実に国民生活を圧迫します*7。そして台湾有事への言及が寧ろ安全保障環境を悪化させる恐れもあります*8。台湾に関しては当事者である中国も台湾も現状維持を求めており、アメリカも動けない。加えて日米共に台湾を国家承認していないから集団的自衛権行使の対象にはならないし、国際法上は内戦となりそれに対する軍事介入は重大な主権侵害になります。つまり現状の法的枠組みでは動けないから歴代政権が曖昧にしてきたところへ踏み込んだ訳で、寧ろ事態を悪化させます。

ってことでいろいろ心配はありますが、鹿を指して馬と為す*9東急田園都市線梶が谷駅の事故で政府は鉄道各社にシステム点検を指示し*9、他社でも同じ問題がありました。JR西日本や阪急阪神HD、関東ではJR東日本と京急で見つかり、それぞれ対策を発表しています*10。システム設定のミスが見つかり、今までは事故に繋がったケースはないものの、新しいシステムを導入しても設定ミスの見落としは防げない訳で、東急の見習い運転士のささやかなミスが将来の事故の可能性を摘み取ったと見れば良かったということになります。天下国家を論じて大きな物語に酔うよりも、新しいものを確実に社会実装して役立てていくというこうしたことが、国民生活を豊かにするということは声を大にして言いたいところです。

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Saturday, November 01, 2025

株価以外全部沈没

ほとんど前エントリー*1の続編ですが、事態が動いているのでフォローアップせざるを得ない状況です。

まずガソリン減税ですが、今年12月31日からの暫定税率廃止で与野党が合意しました*2。与野党6党合意ですから国会通過もすんなりいくでしょう。軽油も来年4月1日からということですが、インフレ対策なら物流費に影響する軽油を後回しというのは軽油引取税が地方税で地方から反対の声が上がっていますが、同時にガソリンが安くなることの方が国民へのアピールになるということもあるでしょう。AIが壊す社畜エスカレーター*3でも触れましたが、価格が下がって需要を喚起すると原油の輸入が増えて貿易収支が悪化して円安インフレを招くことになります。

また財源は曖昧なままで、当面税収上振れによる剰余金や法人税の特措法減税の見直しなどとされてますが、特に剰余金は繰り越して次年度の国債発行抑制に用いることが法定されてますから、年度をまたいだ単なるトバシでしかありません。具体的に道路予算削るとか自動車関連税例えば重量税の増税とか、揮発油税の負担がないEVを考慮した走行距離税とか燃料税の炭素税への1本化とかには踏み込まずに済まそうとしている訳です。この調子ですから財政規律の緩みを質そうとはしていない訳で三つ子の赤字*4はますます進みます。

そして自動車半導体を巡るオランダと中国の対立がエスカレートしています*5。ネクスペリアは元々オランダの電機大手フィリップスの半導体部門を独立させた企業ですが、中国資本に買収された結果、オランダ政府から製造技術流出の恐れということで冷戦時代に作られた忘れられた法律で規制をかけたものですが、どうも裏でアメリカが動いているようで、怒った中国政府がネクスペリアの中国にある最終製品工場からの海外出荷を制限した結果、ドイツVWや日本のホンダその他の自動車メーカーが巻き添えになっております。自動車用半導体の世界シェア4割を占める同社の製品の8割は中国工場で最終製品に加工されることから、世界中の自動車メーカーがトバッチリを食っている訳です。これ結局日欧などアメリカの同盟国が傷つくだけの不毛な争いですが、今度はオランダ政府がネクスペリアのシリコンウエハーの中国工場への供給を止めて泥仕合になっています。中国資本のオランダ企業というネクスペリアがまた裂き状態になっている訳で、トランプと習近平がにこやかに握手しても事態は解決しません。中国を除く世界の自動車産業のピンチです。

そのせいか最高値を更新する日本株でも自動車関連はパッとしません。主にAI関連半導体関連の値上がりが支えているようで、相場全体が上げ相場という訳ではありません、円安で割安感があっても海外勢は万遍なく買っている訳ではないということです。高市トレードと言われる株高も一皮むけばという感じですが、特に欧州勢の買いが優勢なのは変わりません。インバウンドやタワマン完売などに見られる安いニッポン現象です。

ほぼ500兆円で動かなかった日本の円建てGDP名目値ですが、ドル建てでは5兆~6兆ドルだったものが、インフレで600兆円を超えた円建て名目値がドル建てでは4兆ドルになっているのが現状な訳で、その分日本の購買力が低下している訳で、一番のインフレ対策は日銀の利上げしかない状況ですが*6、またも日銀は動きませんでした*7。ベッセント国務長官は別に親切心で言っているのではなく、日本政府のドル売り介入を牽制する意図でしょう。実際米ドルは円を除く主要通貨に対して下げており、ユーロ・ポンド・スイスフランなどに対して安値となっていて通貨防衛の意図ですが、欧州の主要通貨は既に米FRBに先駆けて利下げに動いていて、スイスフランに至っては日本よりも低金利なのに上昇してます。そしてFRBも今回は動いたものの*8為替は寧ろ円安に動いてドル円153円台が定着しつつあります。その意味では日銀が利上げしても大勢に影響はないのかもしれませんが、金融正常化の姿勢を示す意味はありますし、利上げを遅らせた分だけ正常化が先送りされます。

てことでインフレ下で株式の高値更新はある程度持続すると思いますが、銘柄ごとに動きはバラバラで、下げている銘柄もあります。例えばリニア事業費倍増で嫌気されたJR東海です*9。財務の健全性は複雑系エントリー*10で指摘した通りですし、財投の3兆円も30年据え置きという破格条件で現状ほぼ無利子ですから利払いの負担はなく、現状のインフレが続くなら負担にならないかもしれませんが、それ故に居心地の良い現状を抜けられなくなっているとも言えます。東海道新幹線のぞみ増強とインバウンド需要で既にライバルの国内航空便に対しても優位な状況ですから、仮にリニアが開業しても航空からの移転はほぼ見込めないとも言えます。逆に東海道新幹線の好調でキャッシュを稼ぎ過ぎると自社株買いや配当などの株主還元を求められるから現状煩いアクティビストに狙われることもないということも言えます。この辺は伝統的日本企業的なスタンスで、既に赤字ローカル線の名松線に至るまで線路も車両も更新されこれ以上の投資先が見当たらない贅沢な悩みでもあります。何ならJR西日本が渋っている北陸新幹線米原ルートを整備スキーム無視で自前整備するとか。まあやらないでしょうけど。

一方でインバウンド対応は京阪が始めたプレミアムカーが阪急やJR西日本でも取り入れられ、老舗の近鉄特急も差別化された豪華特急のラインナップを整備してます。そんな中で京阪は更にプレミアムカー2両体制と攻めてます*11。上限運賃が決められていて航空鵜のようなダイナミックプライシングが難しい中でJR東日本の中央線グリーン車や私鉄各社の着席サービスが次々に登場してますが、京阪の場合沿線開発が終わって沿線の高齢化や松下・サンヨーといった大手電機産業の撤退やJR西日本との競争激化もあって乗客が減少する中での増収策ですが、当然一般車の乗車定員を削っている訳で、それに対する批判もありますが、背に腹は代えられないということですね。

同様の動きは関東でもありまして、1つは京成電鉄の空港連絡有料特急の増強計画です*12。成田空港第三滑走路供用と3つのターミナルビル統合を成田空港会社が打ち出し、末端が単線のJRと京成の成田空港線の増強を視野に入れてスカイライナーに加えて押上発着の有料特急を2027にも導入ということで、押上が観光名所でもある東京スカイツリー最寄りで浅草にも近いからインバウンド需要の取り込みが見込めるということですね。アクティビストから将来への追加投資を迫られていた京成が動きを見せた訳ですが、同時に都営浅草線への直通も視野に入っていると考えられます。そしてそれを裏付けるような動きが出ました*13。具体策はこれからですが、JR東日本のN'EXの牙城に切り込む可能性もあります。

両社ともにアクティビストの標的にされており、投資をせがまれてしないなら株主還元を求められているという点で共通しています。加えて都営浅草線を通じて関係も深く保安装置も同じ1号線型ATSの上位互換のC-ATS*14でハードは共通で運用が異なるだけなので擦り合わせは容易です。具体的にダイヤに落とし込むときに現状のインフラの貧弱さがネックになる可能性はありますが、インバウンド対応というところは引っ掛かるものの、とりあえず投資に向かうことは評価できます。殆どシナジーのない新京成電鉄の子会社化と統合とか、系列バス会社の再編とかで守りを固める一方だった京成と、やはり沿線の高齢化と立地企業の撤退で京阪と似た苦境にある京急がアクティビストに促されて動いたということですね。日本の現状は明らかに国内の民間投資が不十分だった結果と言えますから。

その意味で日本政府が合意文書を交わした5500億ドルの対米直接投資はヤバいです*15。というのも同様に対米投資を迫られた韓国のこのニュースです*16。長くなりましたのでさわりだけですが、韓国は外貨準備の80%超に及ぶ3500億ドルの直接投資でウォン安によるインフレ昂進を懸念して抵抗していたもので、それ故自動車関税交渉が遅れたのですが、日本のように自動車関税緩和を優先してやはり確実に円安を招く巨大投資を受け入れたことは、国民生活を犠牲にして大企業を救ったということでもあります。とりあえず今回はここまでにしておきますが追って深掘りします。

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Sunday, October 26, 2025

100年殺しのアベノミクスvoL.2

100年殺しのアベノミクス*1の続編です。予想されたことですが、高市政権はインフレに関わらず積極財政に舵を切ります。個別にツッコミ入れるよりも、日本が置かれている現状の構造問題を明らかにして問題点をあぶり出したいと思います。

まず原油価格*2。トランプ政権のロシア産原油を輸入する中国やインドへの牽制として追加制裁を課した結果、原油価格は急騰しましたが、ウクライナ戦争で急騰した原油価格も落ち着いてきて1バレル50ドル台まで下がった局面での急騰で60ドル台になったというニュースですが、原油価格の相場がここまで下がっていたのにガソリン価格は下がっていません。元売りへの補助金減額の影響と円安の結果ですが、欧米では軒並みガソリン価格が下がっている訳で、日本だけ高止まりしている状況で、円安がガソリン価格を押し上げている訳です。その意味では暫定税率廃止はインフレ対策になり得るのですが、ガソリンが安くなって消費が増えれば原油の輸入が増えて貿易収支を悪化させるから結局円安で調整されてしまう恨みがあります。但し公共交通の脆弱な地方は恩恵がありますし、物価高の原因となる物流費の上昇を抑制する効果はありますので、まったく意味がないとまでは言いませんが、効果は限定的です。

あと輸出の稼ぎ頭の自動車にも異変が出ていて輸出が減っています*3。台数は維持しながら関税分の値引きで金額が減った形で、それだけ自動車メーカーの収支を圧迫します。日産の窮状はこうした背景があります。加えて別の火種もあります。中国の半導体メーカーのオランダ工場を巡る中国とオランダの対立で中国メーカーの中国国内工場の出荷制限をして独VWや日本のホンダ等の自動車メーカーがトバッチリを食うというものです*4。所謂経済安全保障をオランダ政府が重視した結果ですが、日本政府も経済安全保障重視の立場から同様の問題が発生する可能性もあります。あと財源を定めない防衛費増額前倒しも輸入装備品増による貿易収支悪化と財政出動によるインフレで国民生活を圧迫する要因となります。

そして新興国の追い上げもあり、日本は来年にもインドに抜かれます。その後ろにはイギリスも*5。2010年に中国に抜かれ、2023年にドイツに抜かれ*6、ゆくゆくイギリスにも抜かれる現状です。国じゃないけどカリフォルニアにも抜かれてます*7。中国やインドのような人口大国に抜かれるのはある意味必然で、中国に至っては今や日本の4.5倍の経済規模ですが、人口2/3のドイツや半分のイギリスに抜かれるのは話が別です。しかも独英共に一時10%を超えるインフレに見舞われて経済は絶不調なのに日本を越えていくというのは、円安による日本の購買力の低下がもたらしたものということができます。

その結果が株高になっているというと違和感を覚えるかもしれませんが、高市トレードの正体は円安です*8。円安は外貨建ての日本の株価を安く見せますから、海外勢の日本買いで相場が上昇したもので、特に欧州系の投資家が目立ちます。ドル円でも1週間で5円以上の円安が進み153円をつけてますが、それ以上に対ユーロで170円とか対スイスフランで190円とかで大バーゲン状態になっている訳です。だから株価は上がるけどその結果株式を保有する富裕層の資産効果で消費が増えてインフレを助長する一方、株式を持たない一般国民はインフレのマイナス面を引き受けることになる訳です。

特に食費の上昇が深刻ですが、食料自給率の低さが作用して円安は食料品価格を押し上げます。しかも食料品は値上げりしたから量を減らすという訳にはいきませんから買うしかないし、逆に値下がりしても胃袋の大きさで消費量が制約されるから、価格弾力性が低く、その意味で野党が求める食品の消費税率ゼロはインフレ政策として一定の効果は期待できます。但しガソリン減税以上に実務面の制約が大きく、例えば包材や物流費などの課税仕入れの負担がある一方、課税売上で税率ゼロということはその分食品の製造加工や流通の負担が増えてしまいますし、減税を反映した値下げが起こらなければ実質的な効果を減殺してしまうことになります。という訳でやはり筋が悪い。それ以前に食料自給率を高めることこそ経済安全保障の一丁目一番地です。

にも拘らず新しい農相はコメ減産をぶち上げています*9。石破政権で打ち出されたコメ増産方針は撤回された訳です。当然コメ不足は続き価格は高止まりし、米国産米のミニマムアクセス米増枠で価格逆転でトランプ大喜びでも輸入米需要が伸びて、下手すればミニマムアクセス枠を超えた分の関税負担後の価格も逆転の可能性もあり、貿易収支を悪化させて円安となり、ほぼ自給率100%だったコメまで輸入依存ということになりかねません。

あとインバウンドや土地所有問題で揺れる外国人問題ですが、インバウンドの拡大がもたらす弊害は観光公害だけじゃなく、ホテルや飲食のインバウンド価格によってつり上がり国内旅行を圧迫しています*10。同様の問題は国内航空輸送でも起きていて、JALやANAにとっては悩みの種の国内線の不振をカバーするのに国際線コードシェアという裏技で凌いでいます。鉄道と違ってダイナミックプライシングが認められている航空運賃を押し上げる要因になっている訳です。逆に上限運賃制で割安な鉄道へのインバウンド客の負荷も増えていて国内旅行の抑制要因になってもいます。事実上のクラウディングアウトが起きている訳です。

てことで東名阪の三大都市圏を繋ぐ東海道新幹線の営業成績は絶好調ですが、その稼ぎをリニアで溶かしているために*11、業績好調にも拘らずJR東海の配当性向は低いという現実があります。ちなみに鉄道株では東京メトロの配当性向の高さは特質もので、1,600円台という買いやすい価格でお勧めです。次いでJR東日本です。やや苦しい鉄ネタ締めです^_^;。

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Sunday, October 19, 2025

日出ずる国のたそがれの副首都

日本維新が自民党との連立協議で12項目の要求の中で、連立離脱した公明党が要求していた企業献金規制より厳しい企業献金廃止を打ち出しましたが*1、結果的に高市首班に乗ることになりました*2。そして12項目には含まれるものの緊急性の乏しい議員定数削減が前面に出てきました*3。企業献金廃止はどこへやら、厳しい要求を示して見せて有権者にアピールしつつシレっと論点をずらしてしまう維新流のゴマカシ。元々自民党大阪府連の内ゲバでできた大阪維新の会としては本気で自民党を追い詰める気はサラサラなかった訳で、大阪で対立していた公明党の政権離脱は逆にチャンスでもあった訳です。維新変身は以心伝心-_-;。

実はこれ大阪府や大阪市では議員定数削減が行われていて、1人区が増えて維新議員ばかりが増えて地方の二元代表制が事実上停止した結果、議会の行政監視機能が低下して維新の首長のやりたい放題になっています。味をしめた維新は他府県でも同様のことをやって兵庫県のようにパワハラ知事が職員や県議を自死に追い込む事態となりました*4。国政に移植すれば比例票頼みの小政党が議席を減らす一方、大阪の小選挙区を独占している維新は無傷で身を切らないし、人口減少で合区が続く地方の代表が減るし、国会議員になるハードルが高くなって議員が特権化するし何もいいことありません。本気で身を切るなら議員歳費を削れよ!

こうした政局が有権者の目が届かないところで動くのは今に始まった話ではありませんが、国民を愚弄するものでもあります。そして維新と国民民主党に政権交代の為の連立協議を模索した立憲民主党は、結果的に失敗しましたが連立協議を通じて表に出にくい各党の本音を可視化した点で評価できます。メディアの取り上げ方はは政権交代を目的化した数合わせというものが多かったのですが、政治家のウソを暴くのはメディアの役割なのに時として敢えてナイーブになる政治報道にウンザリです*5。しかも議員定数削減を自民執行部は吞んだ一方、所属議員には慎重派がいます*6。また維新が席巻する大阪の小選挙区で自民党候補に反維新の意思表示で投票した有権者も裏切っていることも指摘しておきます。

同じく12項目にある副首都構想も自民執行部は理解を示したようで、大阪銘柄が思惑買いで株価を上げてます*7。阪急阪神HD、京阪HD、近鉄グループHDといった私鉄株の他、建設株の淺沼組や金融株の池田泉州HDなど幅広い銘柄が買われてます。短期的には大阪関西万博終了に伴うパビリオン解体工事や跡地再開発と、既に着手されているIR誘致などとりあえず再開発案件が多数あり、鉄道関連では工事中のなにわ筋線*8の他JR西日本桜島線の夢洲延伸、京阪中之島線延伸、阪急なにわ筋新大阪連絡線、近鉄特急の地下鉄中央線乗入れを狙った架線・第三軌条のハイブリッド集電車両開発などがあり、近鉄以外はなにわ筋線関連ですが、事業者によってスタンスに濃淡はあります。

副首都構想の欺瞞は首都機能移転が既に国会で決議され法令も整備されていますが、中央省庁の移転というよりも東京の首都機能のミラーリングによる災害等のバックアップ体制整備であり、大阪とは限らないと言いながら同時被災の可能性が低い人口集積地という意味で大阪が有力候補にある訳で、この点にゴマカシがありますし、ミラーリングですから基本的に二重化によるレジリエンス確保なので行政の効率性は低下しますがそれには言及せずにいる訳です。そのくせ議員定数削減でもそうですが、公的部門の非効率をあげつらって批判している訳で矛盾します。どこでもいいんだったら本土決戦を想定して大本営の移転地とされた長野県松代でもいい筈です。突貫工事で整備された巨大地下壕を活用することが可能ですし、万が一の核戦争でシェルターになる可能性もあります。

この手の施設は今でも結構残ってたりしますが、例えば旧国鉄大船工場跡地も元を質せばやはり本土決戦を睨んだ横須賀海軍工廠の移転先として接収された土地を戦後国鉄工場に転用されたもので、JR東日本に継承され鎌倉総合車両センター深沢事業所となった後工場集約で「廃止され、跡地を巡って藤沢市域の東海道線村岡新駅計画と連動して鎌倉市役所移転その他の開発計画が市議会で2度の否決でとん挫してます*9。長くなりましたけど真に必要なのは地方分権による地方の自立であって中央省庁の二重化ではないということです。レジリエンスは自律分散型の身の丈に合った自立した地方の自治の深化と役割分担こそ重要です。例えば原発のような大規模電源よりも地産地消型の小規模分散電源の方がレジリエンスが優れているということですね*10。

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Saturday, October 11, 2025

鹿を指して馬と為す

自民党総裁選で高市総裁選出されました。

高市氏「馬車馬のように働いて働いて・・・・・・」
いやあんた馬車馬じゃなくて御者でしょ。臆病な馬車馬は視界に入る情報に過剰反応して立ち止まったり暴れたりするから、前しか見えないように遮眼角つけて御者の手綱の合図で進んだり止まったり向きを変えたりするもの。鹿虐待で掴んだ地位で*1馬になるって始皇帝没後の宦官超高の故事じゃあるまいし。あそうか御者は別にいるんだwwwwwwwwww*2。
高市「ワークライフバランス捨てる」*3
自民議員「いいぞいいぞ、働き方改革何するものぞ」
政府官僚「やめてくれ、議員のハッパで仕事増えてまうやないか」
自治体職員「コロナ給付金やマイナカードみたいに政府の無茶振り増えるやないか」
企業経営者「新リーダーえーこと言うなー」
社員「やめてくれ、ブラック企業に逆戻りじゃん」
無能なリーダーの頑張りはただただ迷惑です。

翌日夜、東急田園都市線梶が谷駅構内で衝突脱線事故が起こりました*4。

回送列車の見習い運転士「ありゃ、急に止まっちゃいました」
添乗の指導運転士「過走防止装置で停止したんだ、慌てず解除してゆっくり再力行しなさい」
上り渋谷駅各停運転士「ATC現示に従って運行していたら回送列車の進路支障を目視して非常制動かけたけど間に合わず衝突し防護無線を発報」
衝突
見習い運転士「防護無線受信して停止」
東京メトロ「ヤバい、復旧に時間がかかるぞ。鷺沼出庫できないと明日電車足らなくなるぞ」
鉄ちゃんたち「渋谷行きATCで何でとまれなかったん?」
恥ずかしながら当初下り副本線(2番線)から留置線に進入した回送列車が脱線して上り副本線(3番線)に進入する各停がぶつかったのかと思い、回送列車の急制動による荷重移動で輪重抜けしたのかと勘違いしてよほどの速度で留置線に侵入したのかと考えていました。実際は3番線から留置線への進入で速度超過があって装置解除して再力行していた時の衝突ということで、各停渋谷行きの防護無線が発砲してから回送列車が停止した結果、衝突のショックは緩和されていたかもしれません。死傷者が出なかったのは幸いです。またATCが作動しなかったことも勘違いを補強しました^_^;。
東急電鉄公式「10年前の連動装置改修の時に設定ミスがありました。全線の連動装置を緊急点検いたします」*5
東急電鉄公式「大井町線二子玉川駅構内1カ所、新横浜線新横浜駅行内2カ所で設定ミスが見つかりました。防護措置を講じた上で設定を改修します」*6
新横浜もヤバいけど区間運休で二子玉川折り返ししてた大井町線もヤバかった?おそらく軌道回路で制御する継電連動システムの応答速度改善で高密度運転のために電子連動へ改修して設定ミスしてしまったってことでしょう。

翌6日には高市政権発足を先取りして市場が動きました。高市トレードの始まりです。

外国人投資家「過去発言から積極財政派だから円安が進むぞ。割安な日本株は買い時だ。タカ派発言から防衛その他も買いだ」*7
国内投資家「値上がりは嬉しいけど続くかどうかわからんから適当に利益確定売りで益出ししとこう」
為替ディーラー「政治空白で為替介入も見込めず円安は当面続くぞ」*8
結局爆上がりした後の一進一退で株価は頭打ち感も米市場のAI相場を受けてソフトバンクグループの値上がりで終値最高値を更新しました*9。
日本国民「インフレで株価が上がってるだけでこっちには恩恵ないよな。寧ろ株の資産効果で消費が強まってインフレが酷くなるかも」
財務省「政治空白で政治の圧力は弱いけど、長期国債の売り先が見つからない」
実際長期金利は上がっています。ということは日銀その他の保有国債の含み損が増えていることでもあり、日銀の金融政策の選択肢を狭めます。インフレ基調は当面続く訳です。

そして輪をかけた政治空白が広がっています。

公明党「あんたらの裏金問題のトバッチリでうちの候補者も落選してもうたやないか。せめて企業団体献金を規制せいや!」*10
自民党「煩いこと言うなら国民民主取り込んで切っちまえ!」
国民民主党「さっさと国会開いて年収の壁引き上げとガソリン減税済ませたら連立入りしてもいいよ」*11
自民党「めんどくせえなあ。公明との連立協議済ませよう」
他方立憲民主党が野党共闘で新機軸。
立憲安住幹事長「野党でまとまれるな玉木首班でもいいよ」*12
そして自公の連立協議。
公明党「企業献金規制吞めや」
自民党「呑めるかい!」
公明党「グッドラック」*13
立憲民主党「公明党の連立離脱で政権交代の環境は整った。野党共闘の機は熟した」
国民民主党「やめてくれ、政権交代してまうやないか。首班指名されたら責任生じるやないか」*14
日本維新の会「玉木氏でまとまるなら立憲案に乗ってもいいよ」
国民民主党の正体がバレました。年収の壁のウソ*15の段階でわかっていましたが。

一方政治空白のお陰で邪魔されることなく戦後80年の所感*16を発表した石破首相。大きな論点は3つ。事前にまけることが分かっていた戦争を止められなかったことの問題意識から、政府も議会も軍部の暴走を止められず文民統制が機能しなかったこと。帝国憲法の統帥権の拡大解釈が横行して戦争遂行に向かったこと。メディアも戦争を煽ることで売上を伸ばして権力の監視役としての社会の木鐸の八鍬ろりを放棄したこと。安保環境が悪化する中、その反省を踏まえることなく平和を維持できないと結んでおり、強権外交でも謝罪外交でもなく評価できる内容です。そんなこんなで政局の流動化で臨時国会も開けず、外交日程は詰まっていて、自民党内や政府の一部から当面石破首相首相で良くね?の声も。トランプに会うのは誰かな?*17結局石破降ろしは何だったんだ?

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Sunday, October 05, 2025

10月の鹿

花札の十月札で描かれている紅葉に鹿の絵柄で鹿がそっぽ向いていることから鹿十(しかとう)転じてシカトという意図的に人を無視する嫌がらせの意味で使われています。てことで敢えてシカトしてたコップの中の嵐*1が終わりましたが,、迷惑ユーチューバー*2のフェイク動画に乗って外国人の奈良の鹿の虐待や通訳が見つからず外国人犯罪が不起訴になるというフェイクを垂れ流した女性候補が勝利しました*3。対立候補のステマや一部党員の排除などの嫌がらせがありましたが*4、決め手は唯一残った麻生派の支持ということで、派閥選挙そのもの、どこが解党的出直しやねん。

キングメーカーを気取る麻生太郎氏ですが*5、勝ち馬に乗って影響力を保持したいだけの老害です。しかも石破おろしにも関わったろくでなしですが、参院選が示した構造変化*6は変わらず、寧ろ壺や裏金で離反した自民党員が多かったと見えて、残った党員にタカ派と呼ばれる極右の比率が上がって党員による地方票が右に傾いたんですね*7。右派取り込みに精出してきた国民民主党や参政党には先がないとも言えます。そして連立協議に維新が積極的ですが、一方で他党の連立参加で存在感が低下する公明党は連立離脱を示唆したりして、首班指名は予断を許しません。まあ政局はどうでもいいから、ちゃんと熟議して国民の負託に応えてほしいところです。

で、日本をシカトとばかりに世界はお構いなしに動いており、アメリカがつなぎ予算が通らずに10月1日の新年度を迎えて政府機関閉鎖に追い込まれた結果、労働省が閉鎖されて9月の雇用統計が発表できなくなりました*8。9月の利下げを判断したFRBにとっては年内追加利下げの判断材料の1つが失われた形で、一方インフレは落ち着きつつあるとはいえ2%超の高水準で判断を難しくしています。一方米利下げにもかかわらず為替が動かず円安基調が続く中で日銀が利上げを見送ったけど、今後日銀への利下げ圧力や財政出動が増加するという見立てから市場は円安株高を予想しています*9。それでも政治にシカトされてた隙をついて困難と見られていたETFとREITの売却を決めたことは日銀のグッジョブかも*10;。

てことで前途多難は変わりませんが、再三言いますがアベノミクス復権はインフレを助長する地獄への道です。既に市場の気配が見えますが同様に市場が意外な動きを示すJR西日本の将来です*11。米原ルート見直しが言われる中でJR西日本トップの発言が事実上の敦賀周転固定に繋がり将来の成長を見込みにくいことから株式市場で出遅れているというアナリストの見解の記事です。民営化ドミノの現在地*12でも取り上げましたが、JR西日本にとってはダイヤ編成権が制限される米原ルートに消極的なのはわかりますが、全幹法に則った国の事業であり国と地方の同意が得られない中で駄々こねても前へ進めない中で、打つ手があるとすればせめてサンダーバードの湖西線区間160km/H化によるスピードアップなどの現実解を模索することの筈です。強風の影響でサンダーバードの米原迂回が日常化していることや将来並行在来線として切り離したいから追加投資したくないとしても、公益を担う企業としての在り方としてどうなのか?市場の声にシカトしてんじゃねえよ!

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Sunday, September 28, 2025

進まない再エネ発電と地方創生

カラータイマー地価地価*1で取りあげたREITなどの不動産流動化の結果、寧ろ過疎地の土地がクラウディングアウトで価格がつかない状況にあることを指摘しました*2。首都圏の地価上昇が地方へ飛び火しているのですが、あくまでも都市部や観光地の話で過疎地は寧ろ取引自体が成り立たず市場から締め出されている現実があります。そんな視点から注目したいのが北海道鶴居村の釧路湿原隣接地のメガソーラー計画です*3。

報道にメガソーラー嫌いが過剰反応してネットでは話題になりましたが、報道で見る限り国立公園隣接地で樹木が生えて湿地の機能を失いつつある土地です。国立公園内の湿地なら日本が批准しているラムサール条約の対象で国内法でも開発が制限されるのみならず、環境保全の義務もある訳ですが、対象外の地域で、またメガソーラーは導入時に普及のために建築物から外されていて建築確認申請も不要と自治体が規制する根拠が乏しいことは確かです。道庁が森林法を盾に中止勧告しましたが、木が生えているから森林法という湿地ではない現状追認の結果です。環境面ではオジロワシやタンチョウの生育への影響など生態系の異変や破壊につながる可能性はありますが、建築物ではないから環境アセスメントも不要だし都市計画法に基づく原野開発の規制も微妙です。

報道では明らかではありませんが、民有地ですから地権者がいる訳ですが、地権者と開発事業者の関係が不明で、以下は推測の域を出ませんが、仮にかつて蔓延った詐欺的な原野商法で買わされた不在地主で、例えば相続で売るに売れない土地に収益性を持たせることで地権者を救済することになりますし、自治体にも固定資産税が入る訳で、この観点から言えば一概に規制すべきとも言い難いことになります。寧ろ「湿原にソーラーパネル」という短絡的な見方がされているとすれば、そもそも湿原にソーラーパネルを固定するコストはバカにならない訳で事業性を損ないます。

釧路市が規制条例制定に動いていることから、不在地主が地権者である可能性は高いと見られます。環境保全でナショナルトラストという意見もありますが、ラムサール条約で保護対象になっていない土地に善意に基づく多数の1坪地主を爆誕させても問題は解決しませんし、寧ろ問題を複雑化します。地権者を含む当事者間の意見調整にゆだねるしかない問題です。また法の不備は国の立法府が動くべき問題ですが、現状休眠中です*4。これ社畜の怨念エントリーで示したコメ増産問題*5とも通底しますが、地方の産業基盤の脆弱さを無視するより身の丈に合った産業政策こそ重要です。

その意味では再生エネルギーはメガソーラーに限らず地方に収益をもたらす可能性が高いのですが、残念なニュースが続きます*6。洋上風力発電の三菱商事による安値受注問題はインフレなんだよ愚か者*7でも取り上げましたが、メガソーラーで起きたFITによる電力高値買い取りで計画が乱立したばかりか権利の転売が横行して発電事業が進まなかった反省を活かせず、FIT価格を入札で決める形にしたところ、三菱商事が相場の半分の低価格で独占受注したものです。そのJ結果2回目以降の入札はFIP(フィードインプレミアム)と呼ばれる方法で卸市場価格との差額補助の形に変わり、三菱商事の参加は排除されました。

加えて有力視されていたデンマークの風力大手べスタスが断念し、日本国内に予定していた組み立て拠点を整備する計画を白紙撤回しました。事実上の撤退ですが、とにかく巨大な風力発電設備は輸送が困難故に現地組み立てが基本ですし、同時に開業後の保守点検拠点になりますから、継続的に仕事が発生して売電のみならず地場の経済を潤します。典型的な地産地消型産業なんですが、大手商社のお構いなしの利権独占の強引さが台無しにしたものです。ある意味過疎地故に可能な産業をみすみす潰したとも言えます。にも拘らず経産省は三菱商事に対してFIP契約にシフトして救済しようとしているというから呆れます。大手企業に甘い日本政府の在り方こそ脱炭素や地方創生を阻害しているのが現実です。

ここまでは過疎地の問題ですが、地方の都市部でも異変が起きています。JR九州が博多駅空中都市計画の中止を発表しました*8。jr各社の中では早くから不動産開発事業に傾注して本業の鉄道業を補完してきた結果、三島会社初の株式上場を果たしたものの、その屋台骨と言える不動産事業でブレーキです。既に基礎工事の為のスペースを生み出す線路移設に取り組んでいたものの、建設費高騰で断念しました。同様の問題は既に東京では起きていますが、地方の大都市にも飛び火した訳です。地価上昇とインフレに加え人口減少で作業員の確保もままならずこうなりました。JR九州に限りませんが、JR各社は大手私鉄モデルで不動産開発を進めただけでなく、REITなどの流動化事業で開発後に転売して次の開発資金を得るビジネスモデルを構築してきましたが、その持続可能性にブレーキがかかった訳です。

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Sunday, September 21, 2025

100年殺しのアベノミクス

アベノミクスが日本経済の停滞を招いたという主張を続けてきましたが、やっと社会的に認知されてきたようです。しかしコップの中の嵐*1では逆行する訴えもあり、本当に社会の変化を自覚していないんだなと。仮に首班指名されても国民はそっぽを向くだけですね。

実態として日銀の異次元緩和以外は機能しなかったアベノミクスですが、安倍官邸と黒田日銀の間にすき間風があったことは記憶にとどめておく意味はあります*2。黒田バズーカと言われた異次元緩和は結局日銀の国債大量購入による金融圧迫であり、影のテーマは日米金利差による円安誘導だった訳ですけど、政府はそれをいいことに放漫財政で財政再建目標を先送りし続けますし、企業も成長戦略を海外投資に見出して国内投資を蔑ろにするばかりで賃金は増えずデフレ脱却どこ吹く風で黒田総裁がややキレたなんてことがありましたが、結局政府には逆らえず効果の出ない異次元緩和をずるずる続けることになります。

そして国債発行が増えて当然のように長期金利に上昇圧力がかかりイールドカーブコントロール(YCC)が困難になります*3。また企業の国内投資抑制の影響で国内産業の空洞化が進み貿易収支が赤字基調となり、コロナ禍で財政拡大を余儀なくされたこととウクライナ戦争による資源高とやはりコロナ禍で財政が緩んでいた諸外国のコロナ明けのリベンジ消費によるインフレ昂進で日本は貿易収支が悪化して円安が進み、異次元緩和の見直しを余儀なくされたものの、諸外国が利上げに動いても日銀は直ぐには動けませんでした。その流れが今のインフレを呼び込んだ訳で、将にアベノミクスの呪いです。

その結果米雇用統計エントリー*4で予想した通りFRBは利下げに動きました*5。一方で日銀は今回は利上げを見送ったものの、利上げスタンスは維持しております。寧ろ今回のトピックスはこちらでしょう*6。日銀ETFは簿価37兆円時価70兆円、REITは簿価6500億円時価7000億円と含み益がある訳で、以前からその市場消化を財務省に打診していましたが*7、今回そこに踏み込みました。前段として2002~2010年頃まで緩和策として銀行保有株式と交換する形で資金提供する形で株式を取得した訳ですが、異次元緩和で拡大解釈して株式ETFやREITの購入に踏み込むという中央銀行の禁じ手に手を染めたものです。

なぜ禁じ手かといえば、国債や民間の社債ならば償還期限があって償還されれば残高が減る一方、償還期限のない株式ETFやREITはどこかで売る必要があります。しかし当然売れば市場価格を押し下げて影響が大きいだけに財務省は難色を示していたのですが、銀行引き受け株式の売却は認められ、市場消化を進めた結果、市場に負の影響を及ぼさない売却レベルで時間をかけて消化するということで実現に向かいます。FRBの利下げに拘わらず為替の安定で日経平均が最高値をつけた今の市況も後押しします*8。実際には年明け以降の実行となりますが、市場消化で残高を減らすと同時に含み益の益出しで利上げによる日銀当座預金の付利による日銀自身の収支悪化を防ぎつつバランスシート調整を進めることで利上げスタンスを維持するものでもあります。

ただしこのペースでの市場消化は終わるまで100年以上かかることになり、相変わらず出口は遠く、金融正常化は見通せない状況は続きます。その間にバブル崩壊や大規模災害やパンデミックや戦争などの非常事態への対応ののりしろがない訳です。AIバブル崩壊*9も南海トラフ地震もコロナ級パンデミックも台湾有事も起きないことを祈るしかありません。余談ですがFRBにあからさまに圧力をかける米トランプ政権のスタンスは将来日本の轍を踏むことになる公算大です。実際いろいろ不具合が出ています。

例えば日鉄が買収ししたUSスチールで黄金株を交付した米政府に高炉停止を差し止められました*10。同じく米政府が出資したインテルに同業のエヌビディアが出資して協業を提案してます。エヌビディアが国内企業なので事実上の経営権取得です*11。AIデータセンターの壁に Nvidea inside とか^_^;。その結果電力爆食いで電力会社が設備投資を強化して家庭向け電力料金2割高。テック企業の都合で国民生活を追い込む状況です*12。これ日本でも原発新増設その他で同じことが確実に起きます。北陸新幹線の敦賀以西延伸で小浜経由を譲らない福井県の態度も原発受入れのバーターという意識があるかもしれませんが。

テック企業と国民の関係は実は日本でも起きていて、スマホ保険証がスタートしましたが、医療機関はマイナ保険証に続いて読み取り装置や専用アプリの導入で負担がかかり、個人経営のクリニックでは対応が困難だったりします*13。これもデバイスメーカーやソフトベンダーにとっては取りっぱぐれのない国の事業で利益を出して医療機関等にコストを転嫁している訳で、国民の為にはなっていません。そしてJRも上場4社が共同記者会見でネット予約システムで連携を発表しました*14。

1度のログインで他社サイトにも移動できるということのようですが、各社バラバラに開発された結果、独自のルールやインターフェースうやポイント制度の壁は残りますから、例えば東京で東海道新幹線と東北新幹線を乗り継ぐ場合など単純な打ち切り合算となって却って高くつくケースもありますし、事前登録を擁するなどユーザーにわかりやすいものにもなりそうにありません。つまりクソUI^4+α^_^;。元々マルスシステムという共有の基幹システムを持ちながら、各社の都合でバラバラにシステム開発を行った結果、相互連携が取れなくなったわけで、事業者の都合で乗客にコスト負担を強いることになってしまった訳です。加えて各社別々にシステム開発してベンダーに支払っている訳ですから、その分開発費を余分に払っているとも言えます。これ全国共通IC乗車券でも見られますが、結果的に開発コストをペイできずに高コスト故に地方に普及せず逆に離脱まで起きていることにも通じます*15。

結局政府もダメ企業もダメ、頼みの綱の中央銀行も動くに動けず、100年の時を重ねる憂鬱な現実は動かずです。失われた世紀を生きる覚悟をした方が良さそうです。

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Sunday, September 14, 2025

案外シンプルに終わりそうな複雑系経済学

90年代に日本でブームになった複雑系経済学ですが、米サンタフェ研究所を中心に科学分野のパラダイムシフトとしての複雑系の科学から、元々多様なパラメータで非線形的な変化が見られることから経済学への援用が試みられ、多数の試みがなされましたが、ゲーム理論のような定着した理論に昇華されることなく、最近ではあまり顧みられておりません。そんな中でここではスタンフォード大のブライアン・アーサー教授が提唱した収益逓増のJ経済学に注目します。

同教授は性能の優れたアップルのマッキントッシュよりも性能の劣るIBM-PCのMS-DOSが優位に立ち、GUI実装版のWindowsで駆逐された現象に注目し、コピーが容易なデジタル分野では主流派経済学の常識とされる収益逓減の法則が成り立たず、逆に収益逓増が見られることで、所謂ロックインと呼ばれる経路依存現象として注目されました。簡単に言えば収益逓減は例えば農地は広い平地で土壌が肥沃で市場へのアクセスが容易なところから農地になりますが、徐々に条件の悪いエリアに拡大することで投資収益が低下するという現象で、デジタル世界ではロックインによる経路依存で逆にに収益が拡大逓増するというもので、本来の複雑系の科学の視点からはシンプル過ぎるきらいはあります。しかし勃興するデジタル経済の説明に好都合ということでブームになった訳です。そしてこれが株式市場にも影響し、多くのIT企業が競い合って株式上場して資金を集め、アイデアを競い合ったものの、その多くは赤字決算で期待だけで株価を押し上げていて、2000年代のITバブル崩壊へつながる訳です。

前エントリー*1の続きになりますが、現在のAIブームが相似相のフラクタル現象*2に見えてしまいます。その帰結はバブル崩壊ってことですが。先週の米株式市場でも相変わらずAI関連株が買われています。しかもその中身がエヌビディアやアルファベットなどのテック大手に限らず、例えば需要増が見込める通信や電力などのインフラ関連株まで買われるようになっています。

但しこれらのレガシー企業の投資マインドはかなり異なります。そもそも時間軸からして投資から回収までの期間が長いし、リスクも大きいから必然的に保守的な投資スタンスとなります。テック企業が競争環境の中で先んじて投資を加速するのとは異なったスタンスになる訳です。故にAI投資として行われるデータセンター投資が加速する一方、その電力需要増に備えた電源や送電網の投資はなかなか着手されない結果、ミスマッチが起きてAI投資にブレーキとなる可能性はあります。これ日本でも同様の問題があって、例えば関西電力の美浜原発敷地内への次世代革新炉建設の実現可能性の疑義が指摘されてます*3。反原発派ではない中立的な論者の指摘だけにリアリティがあります。

そしてもう1つ指摘したいのは経路依存による収益逓増が持てはやされた理由として、グローバル化の進捗による国境を越えた水平分業の拡大を後押しした面もあります。特に半導体やソフトウエアのように物理的に軽い一方付加価値の高い財が国境を越えt流通した結果、ハードウエアなどのレガシーな製造部門を外注して付加価値率を高める動きを後押ししました。その結果垂直統合の権化のようなアップルでさえ製造部門を切り離してファブレス企業となり高収益化するという動きを見せます。所謂アセットライト経営です。

所謂選択と集中で自社のコアコンピタンスをOSやアプリなどのソフトウエア及びそのプラットフォームとなるハードウエアのアーキテクチャの開発に置いて再定義した訳です。これでWindows陣営に対する競争力を回復するに留まらず、iPodから始まる携帯デバイスと音楽配信を進化させiPhoneに結実させるなどして世界をリードします。更に開発キットを公開して社外の開発者が開発したアプリをAppStoreで販売するというビジネスモデルで飛躍します。

それに対してGAFAMと呼ばれるテック大手はアップル以外はAI向けのデータセンター投資に余念がないのですが、アセットライト経営という意味ではマイクロソフト、フェイスブック、グーグル共に製造部門を持たないアセットライト経営だった訳で、その各社が自前のデータセンターを建設しエヌビディアのGPUを大量購入している訳で、インフラ企業化しています。つまり過大な資産を抱えることになる一方、AIの競争環境の中でレッドオーシャン化して収益逓減に直面する訳です。当然ながらどこかで淘汰の嵐が起きることになります。インフラ企業の宿命を背負う訳です。

てことで伝統的インフラ企業の鉄道においても、JR東日本の2代目社長の故山之内秀一郎氏がJR東日本のコアコンピタンスとして首都圏を中心とした高速大量輸送の技術とオペレーションを掲げていたことが思い出されます。その流れで東北の50系客車の後継にオールロングシートの701系を投入して鉄ちゃんに悪口言われましたが、首都圏の大量輸送を基準にすればこうなる訳です。勿論乗客の反応が良くなかったこともあり、E731系では国鉄以来の伝統的な3扉セミクロスシートになりました。また電車化でスピードアップが実現したことはあまり評価されなかったようです。しかしIGR銀河鉄道や青い森鉄道でも701系が使われているように、結局ローカル需要を前提に低コストで実現可能な輸送サービスとしては意味があるとは言えます。

最近ではコロナ禍をきっかけとした大都市輸送の低迷で内部補助に頼れなくなった赤字ローカル線問題が顕在化しており、幾つかの動きが出てますが、1つは電化区間の電化設備撤去でありもう1つはBRT化です*4。非電化化では磐越西線会津若松~喜多方間と奥羽本線新庄~院内間で実施されましたが、特に後者は9か月かかった災害復旧で非電化になったもの。JR東日本の説明では災害復旧の迅速化が謳われてます。これも一種のアセットライト経営と言えますが、BRTなら更に迅速化できますし、一般道迂回で見做し復旧も可能という意味で、地方線区の災害復旧や存続のメニューとして上下分離や並行在来線のような三セク鉄道化と並び自治体へ提案できるというものです。元々需要が先細りの中で、現実的な選択肢を増やす取り組みということはできます。JR西日本でも美祢線の災害復旧で地元協議会でBRT方式が有力になっています*5。

その意味では整備新幹線も整備費用を国と地方が公金を負担する一方で受益の範囲のリース資産として負債計上するという意味ではアセットライト経営の一形態という見方もできます。しかし西九州と北陸のミッシングリンクのようにスキーム自体が機能しなくなってくると見直しは避けられません。その意味では石破首相の国会答弁で示され、経済財政諮問会議の「骨太の方針」にも明記された中速鉄道構想はまじめに考えてみる余地はあります*6。

例えばJR東日本が改良を表明した山形新幹線福島~米沢間で県境を峠トンネルで越える大掛かりな改良工事が予定されてますが、可能な限りの曲線緩和と踏切除去で現行130km/hを160~200km/h程度にスピードアップする事業を整備新幹線と同等のスキームで実現するあたりが初めの1歩になりそうです。フル規格と比べれば低コスト且つ短時間で可能です。また例えば踏切のないJR西日本湖西線でサンダーバードの160㎞/h化のようなつなぎの対策にも使えます。財政規律を考えればこの辺が妥当なやり方ではないかと思います。

最後にJR東海は赤字ローカル線問題どこ吹く風で東海道新幹線の収益をリニア工事で溶かしまくってますが、財投の3兆円を負債計上して資産圧縮していて財務の健全性を見せていますが、開業が見通せず投資額が膨らんでいる中で名古屋まで開業して完成引き渡しされた時点で地獄に落ちます。だから現状のダラダラと資金を溶かす状況はある意味居心地は良いんですが、将来を展望することか困難です。それでも経営が傾かないのは立地条件が良く戦前の弾丸列車計画で取得した用地を利用できたことによるもので、山陽以降の新幹線が東海道新幹線と比べれば収益は1/3という明らかな収益逓減法則が働いていることは付記しておきます。

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«米雇用統計悪化で終わる世界