Sunday, October 04, 2026

プチボナパルトたち

「…世界史的事件と世界史的人物は二度現れる…一度は悲劇として、もう一度は衝撃として…」という冒頭の有名なセンテンスで始まるマルクスのルイ・ボナパルトのブリュメール18日*1を読む機会がありましt。ライン新聞所属のジャーナリストだったマルクスが、1848年2月革命でルイ・フィリップス王政をを打倒し第二共和政になって以降、12月の大統領選でナポレオンの甥を自称するルイ・ボナパルトが選出され、1851年12月のクーデターで皇帝に即位するまでを詳細に記した著作です。当時のフランスの政治状況を詳細に記してますが、当然21世紀の日本で翻訳で読むには細かすぎて伝わらない^_^;。しかし革命(王殺し)→混乱→独裁に至る政治の構造を炙り出してはいます。

古代ローマの共和制から帝政への移行、フランス革命後のナポレオンの皇帝即位、ロシア革命後のスターリンの独裁、ドイツのヴァイマール共和国時代のナチス台頭と枚挙に暇がありません。この構造はまたBrexitやトランプ現象、欧州の極右政党躍進など、今に至るも続きます。但しそれぞれのプロセスは固有の事情で出現の仕方も異なるのですが、ザックリまとめると民主主義による自由主義の抑圧という文脈は共通しています。この観点からするとバイデン大統領の民主主義復権*2とトランプの再選*3も同様ですし、日本の高市政権の総選挙大勝も同様にみることができます。所謂アンチリベラルの風潮には共通性があるということです。選挙で正しい選択をすれば世の中が良くなると言われますが、実際はそうならず、寧ろディープステートなどの陰謀論に絡めとられてしまうような、どうにもならなさこそが政治ということでもあります。

そんな中で幾つかニュースがあるのですが、インパクトの強さではこれでしょう*4。新任の梁農相が自民党支部会合での「支持しない首長の自治体の道路予算大幅カットした」という発言音声をめぐる週刊誌報道に答えたものです。発言の事実自体は認めたものの、1議員時代の政治活動だからという訳わからない理由ではぐらかしています。実際那須烏山市と那賀川町では予算が大きく削られており、梁氏は国交政務官を務めたことがあり、国交省にも顔が効くという意味で状況証拠はまっ黒ですが、与党からな「簗氏にそんな力はない」というよくわからない援護射撃があったりますが、予算カットの事実がある以上、仮に梁氏のせいではなくても有権者への脅しにはなります。憲法の全体の奉仕者の規定もどこ吹く風、内輪の席の自慢話というノリだったから本音がこぼれたといったところでしょう。小さなボナパルトといったところでしょう。

今の日本を見渡すとこの手のプチボナパルトが結構散見されます。例えば地方首長のパワハラで兵庫県の斎藤知事*5に続いて横浜市の山中市長も出直し選挙。但し対立候補は維新系で山下ふ頭カジノ復活狙いかも*6。横浜市民は究極の選択を迫られます。自治体関連では地味にこんなニュースもあります*7。国勢調査で人口水増ししていたということで富山市職員が刑事告発されました。これ統計法という法律に違反するという罪状なんですが、なんでそんなことをするかといえば人口が減れば国の交付金を減らされるという現実がある訳で、繰り返されていた節もあり、組織的な問題もありそうです。公判で明らかになるのを待ちましょう。加えて自治体に対する国の統制の弊害ということも言えます。

そして民間企業ではこんな話はゾロゾロ。ニデックの不正会計もそうですが、古くは東芝その他多数あります。加えて三菱電機や自動車メーカーの検査不正*8、鉄道業界でも輪軸データ不正ってのがありました*9。似た構図なのがトップ3人が辞任した中部電力の浜岡原発の検査不正です*10。データ改ざんは経営陣からのプレッシャーに応えようとするエンジニアの習性という側面もありますが*11。これ鉄道の輪軸データ不正に似てます。専門家は専門知ゆえに経営の要請に対して何とかしようとするということが指摘されてますが、結果的に期限を切っても結果を出せない検査部門に対して強いプレッシャーをかけてしまうことの有害性を指摘したものです。特に勝野会長は社長時代にカルテル事件でも当事者でした。

カルテルといえばリニア工事の談合事件が結審しました*12。談合事件といっても、当時のJR東海葛西会長の方針で予定価格が低く抑えられている中で大手ゼネコンが利益確保に動いた事件ですが*13、流れとしては長大トンネル工事関連で大成建設がJR東海と技術協議を先行して行っていたことで予定価格の大枠が決まり、入札には大勢建設、鹿島、大林組、清水建設の4社が応札しました。当然トンネル工事に予定価格枠が多めに配分された状態ですから、トンネル工事を得意とする大成と鹿島以外はメリットが少なく、大林組が東京工区を譲るから名古屋工区をくれといったやりとっりがあり、メリットの少ない大林組と清水建設が不満を持って仲間割れしたという流れです。その中で大成建設の担当部長の指示で作成された星取表と呼ばれる工区ごとの落札予定のexelワークシートが動かぬ証拠として提出され決定打になりました。構図としてはJR東海の葛西会長が大ボナパルトで大成建設の担当部長が小ボナパルトという関係ですが、造反によって発覚した訳です。但し罰せられたのは小ボナパルトだけですが。

最後の東武鉄道の新栃木駅構内の作業員死傷事故の続報です⊛14。当初指揮をとる予定だった作業員がいなからと、たまたま視察に来ていた非番の上司が指揮を執ることになったのですが、打ち合わせもないままに作業に入り、見張り員の列車接近の声掛けにも無反応で作業員を線路に入れたけど、怒られそうだからと見張り員はそれ以上の制止はしなかったというミスの連鎖で事故に至ったものです。ヒューマンエラーが重なった事故ですが、急遽指揮を執ることになった非番の上司はおそらく不機嫌だったのでしょう。現場のプチボナパルトとして文句を言わせない態度が招いた悲劇と言えましょう。こうしたプチボナパルトは日常的に結構見かけます。そしてまかり間違えば人命を失うということです。ってことで諸兄は現場できちんと物言えますか?

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Sunday, September 27, 2026

戦争と平和のアイコン

高市首相がまたやらかしてしまいました*1。旧敵国条項とは日本など連合国(=国連、英語イニシャルは共にUN)の敵国だった国の武力行使に対しては無条件に反撃できる加盟国の権利を国連憲章で規定したもので、同時に憲章で侵略戦争への対抗で国連軍が組成されたときには、その統制下で協力する義務も定められています。

故に唯一国連軍が組成された朝鮮戦争では、自衛隊がない時代に海上保安庁の掃海艇が派遣され、機雷掃海の任務にあたり、その過程で1名の戦死者を出しています。朝鮮戦争は同時に国連軍の主力として米軍が日本占領下の駐留米軍による軍事行動でもあったことから、GHQによる日本の国内治安維持の観点から自衛隊の前身の警察予備隊の立ち上げという形で再軍備という日本の占領政策のシフトを引き起こします。当然日本国憲法9条との齟齬が問われましたが、アメリカの占領政策の転換に抗うことはできませんでした。

てことで以下省略しますが、法的にはかなり捻じれたものではありますが、例えばベトナム戦争でアメリカの自衛隊派遣要請を9条を盾に断ったりして直接的な交戦に関わらなかったことなどが認められたことで、事実上の死文化が1995年に国連決議で確認され、中国も賛成しています。つまり条文は残っているけど法的な実効性はないという見解が国際的に共有されている訳です。削除手続きは面倒だけど実効性ないからいいじゃないかってことです。それをわざわざ蒸し返すとどうなるかといえば、メディアは戦後世代中心の世界へ向けてこの旧敵国条項の説明を丁寧に行う必要がありますから、世界に向かって大戦の敵国だったことを拡散することになります。アホです。

そして米中首脳会談ではあたかもそれを当てこするような両首脳の発言が報じられています。但しトランプの一部メディア排除の影響でアメリカのテレビ局の代表取材なしの状況ですから*2、専ら中国側の発表中心という点は割り引く必要はありますが、大戦を共に戦った仲間として連帯を表明しました*3。これに「いや当時日本と戦ったのは中華民国であって中華人民共和国は無関係」という突込みが見られますが、習氏は「中国人民」としか言っておらず、当時国共合作で抗日運動をしていた共産党も当事者ではあります。てことで高市首相の旧敵国条項削除発言は単に墓穴を掘っただけ。寧ろ中国に日本たたきの口実を与えています。アイコンとしてさえ不適切です*4。

日本国内では台風25号の豪雨被害でまたも千葉県に大きな被害が出ております。被害は多岐にわたりますが、印旛沼の堤防決壊でJR成田線と京成本線が止まりました*5。高架の成田スカイアクセス線は生きていましたが、北総台地を縦貫する同線はいわば上流部であり、その開発が裏目の可能性があります。どういうことかといえば、開発によってアスファルトやコンクリートで地面が被覆されると、雨水の土壌浸透が減ってその分が下水道へ流入し、短時間に水量を増やした結果、調整池としての印旛沼が破綻した可能性があります*6。また開発に伴う樹木の伐採も樹木の根による遮水効果を下げますから、その分下流への水流を増やします。元々地盤が強固で標高も高く災害に強い優良住宅地として開発されたはずの千葉ニュータウンが今データセンター開発が集中しているということを考えると、なんとも複雑な心境です。当然冷却水は下水道に流されます。

そして別の側面として、台地上の優良住宅地は開発が早かった分高齢化が進み、空き家も増えているという不都合な現実もあります。一方で不動産価格の上昇で値ごろ感のある住宅ということで、水害リスクの高いエリアの宅地開発が進んでいて、寧ろそうしたエリアの方が人口も増えているという恐ろしい現実もあります。これだけ豪雨被害が増えている中で、従来の開発行政の見直しが必要ではないかと思います。

あと千葉では内房線の土砂災害も深刻です*7。内房線では複数個所で土砂崩れで線路が埋まり、姉ケ崎~木更津間で運休が続きますが、深刻なのは復旧工事の手配が進まず、復旧に最低3か月かかるということです。これ災害と戦争*8で指摘したように結局復旧はロジスティクス能力によるし軍隊の強さを規定すると指摘しました。しかも東京の通勤圏の地域で、社会的な重要性の高い復旧作業が滞るってのはそのまま国力の低下を意味します。加えて道路も被災していることや、バス代行もバスが集まらず今日現在見通しが立たない状況で、これもロジスティクスの問題です。房総半島の高地も道路が寸断されてJR久留里線や小港鉄道も被災してますが、それも含めて復旧作業の長期化は避けられません。中国に喧嘩売ってる場合じゃないんだが。

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Sunday, September 20, 2026

物乞いのアイコン

インフレで縮む不思議の国*1の秘密を知りたいと願う今日この頃ですが、その前に日銀の利上げを取り上げます*2。一方インフレ率2%割ってるじゃないかという声もありますが、ガソリンやガス電気のエネルギー補助金で抑えこまれているだけ*3。中東情勢の悪化で原油価格は上昇基調にあり、しかもタンカー運賃や保険料その他の輸入コストも増えており*4、しかも金融商品に組み込まれており、当面下がる可能性は低いと言えます。高い石油を買い続ける結果、当然ながら貿易収支は悪化し為替を円安へ向かわせます。日銀の利上げが効かない訳です。焦った政府はアメリカをまねてレートチェックで介入を匂わせて一時的に円高に反転させますが*5、すぐに円安反転して連休を睨んで2度目まで*6。HONEBUTOやめないと休日も寛げない政府です。

てことで本題ですが、沖縄県知事選挙が終わり、新人の古謝氏が現職の玉城知事を破りました。選挙結果ついてはここでは論じませんが、玉城知事に対する誹謗中傷のSNS拡散が酷かったことは言われております*7。昨今多い誹謗中傷のSNS拡散ですが、元々選挙では出どころ不明の「紙爆弾」ともいわれる怪文書がばらまかれるのは昔からですが、ネット利用でコストが下がり拡散が容易になったことなどがあります。本来は公職選挙法で規制する必要はありますが、当選した側が成功体験を持つ限り、残念ながら議論は進まないでしょう。

それより例えばサナエトークン関連で総選挙で野党議員の中傷動画拡散で指摘しましたが*8、インフルエンサーは単にPV稼ぎ狙いでシノギを得ているのですが、反知性的で陰謀論拗らせた情弱ネトウヨが激しく反応するから効率良く稼げるだけです。脳の報酬系に作用してドーパミン分泌を促しますから、デマ拡散自体が娯楽化している訳です。同エントリーで指摘したマルクスの「ルンペンプロレタリアート」が形を変えたものとも言えます。

さて、そうした簡単に動員されてしまう精神貧者の物乞いたちに、ウケ狙いで犬笛を吹く某高橋洋一のようなインチキ経済学者を頼りに「責任ある背局財政」やってるわけですが、それで成長できるのかと言えばまず無理なんですけど、例えば新幹線輸出の連勝連敗で石破政権でトップセールスしたインド高速鉄道の信号システムが欧州式となって、E10系売込みに暗雲が漂うのは非対称な日米協調介入*9でも取り上げました。結局輸出は台湾高速鉄道の1例のみで、しかも増発用の増備車入札もすんなりいきませんでした。将来の車両更新は茨の道でしょう。

なぜ勝てないかといえば日本の新幹線システムの高コストにあります。これは東海道新幹線の圧倒的な成功体験が影響しています。戦災復興で経済成長が始まった日本の鉄道では、慢性的な輸送力不足で混雑が常態化していて、特に東海道本線の輸送ひっ迫は待ったなしの状況でした。そんな中で東海道本線の輸送力増強が検討されましたが、当時世界的には自動車と航空の発展の狭間で利用客を減らしていた鉄道は斜陽産業とさえみなされ、貨物と都市交通以外は厳しい状況でした。そんな中で欧州ではTrans Europa Express(TEE)と呼ばれる国際列車で主に対航空輸送に対応したものの劣勢でした。

その中でフランスでギア比を変えた特別仕様の電気機関車で331km/hの速度記録を樹立するということがあり、鉄道の高速化の余地があることが示されました。逆算すれば200km/h~250km/hレベルの営業速度の可能性が示されたとして検討がされましたが、結局欧州ではコスト面で厳しいということで当時の最高速列車の160km/hからのスピードアップは見送られました。しかし日本では道路事情から自動車の普及は阻まれ、航空輸送もアメリカの占領政策で航空機生産を禁止され、高価なアメリカの機材を輸入するしか方法がないから運賃も高くてとても使えない状況でした。故に当時の国鉄は鉄道のシェア維持の観点から標準軌別線による線増で200km/h~250㎞/h営業運転が検討されました。

当初は標準機新線で250km/hで東京~大阪2時間半を狙ったものの、1939年の東京オリンピック開催に間に合わせるためには確実性から200km/hで3時間と目標を敢えて下げて現実路線を模索します。同時に輸送力を持たせるために欧州標準の全副2.9mを3.4mとして横2+3列で座席数確保を狙ったのですが、これが特殊規格故の高コストの原因となります。折角の高速新線なのだから既存の固定観念にとらわれずに独自規格でやろうということになり、その結果のちにJR東日本の山形新幹線に始まる新在直通運転を困難にしました。

新幹線の発想の大本は戦前の弾丸列車計画があり、既に新丹奈トンネルや日本坂トンネルは着工され日本坂は貫通してとりあえず在来線用に供されてもいましたが、その弾丸列車計画に基づいた大型車体に合わせた特殊限界が制定され、在来線のそれとは互換性のないものになりました。そのため重心が高くなり300km/hレベルでは車体傾斜装置で補正する必要がありますし、在来線限界を採用していれば末端で在来線を改軌して直通するとか、中間駅を増やしてローカル列車と併用するといった柔軟な対応が可能だったわけで、だから東海道新幹線の成功を受けて全国新幹線網整備に進むにあたって全国新幹線網整備法(全幹法)でさらに高規格な260km/h対応となり線路中心間隔も4.2mから4.3mでインフラも東海道新幹線の盛土から高架橋とグレードアップされ、名古屋新幹線騒音訴訟敗訴で70dbの騒音規制も付けられとコストが膨らみます。

とはいえ東海道新幹線の営業的成功で欧州でも鉄道見直しの機運が高まり、在来線の整備で200km/h営業運転を実現します。但し条件の良いところだけのスピードアップですから、東海道新幹線ほどのインパクトはありません。しかし鉄道高速化の研究開発は活発になり、フランスでは専用ガイドウェーを空気浮上で走るアエロトランが試験線まで作られました。言ってみれば軌道式ホパークラフトでしょうか。しかしガスタービン動力で騒音が激しくとても実用できないし、鉄道のように連結して輸送力を持たせるのも困難と早々に撤退します。ドイツでは常電導電磁石吸引式磁気浮上鉄道が研究され、トランスラピートが開発されました。これなら連結運転も可能だし騒音も低いということで日本ではライセンスを利用したHSSTが開発されて愛知のリニモで実現し、中国では上海空港連絡輸送に供されたりしましたが、ドイツで試験車両の火災事故があり開発断念されました。日本でも浮上式鉄道として超電導リニアが開発されたのは周知のとおりです。

浮上式が研究されたのは、鉄車輪鉄レールの転がり摩擦で駆動される通常鉄道では300km/hあたりが限界ではないかという見方があったことによります。一方で通常鉄道の高速化も模索され、アメリカとフランスではガスタービン動力が試され、ユナイテッド・エアクラフト社がターボトレインを開発し、ニューヘブン鉄道とカナダ国鉄で採用されました。ニューヘブン鉄道は後にペンセントラル鉄道に吸収され、ペンセントラルの破綻でAMTRACに運行が引き継がれましたがやはり騒音問題がネックなのとメンテナンス問題もあったようです。

フランスはローカル用ディーゼル動車にガスタービンエンジンを搭載して200km/hを実現し、リージョナルな都市間輸送で使われました。更にアメリカとイランに輸出され営業に供されましたが、やはり騒音とメンテナンスに難点があり短命でした。フランスはさらに日本の新幹線に倣って高速新線建設を模索しますが、コストダウン狙いで非電化ガスタービン動力で初代TGV試験車を作ったりしましたが、やはり騒音とメンテナンスがネックとなり、AC50hz25kvの商用周波数電化に見直され、パリ近郊のDC1.5kv区間直通で2電源で実現します。都市部の路線新設はコストが嵩むし既存ターミナルが共用できるから新幹線より低コストで実現した訳です。イタリアやイギリスやドイツでもそれぞれ高速化が模索されましたが、ここでは省略します。ただ陸続きの欧州では国際列車で他国へ乗り入れるし、自国内だけでは市場が限られるから輸出も視野に入れた開発がされてます。

てことで東海道新幹線の成功がその後の新幹線の整備計画を縛り、高コストを解決できないまま輸出の道を断たれている訳です。どこかで見直して輸出を睨んだ汎用性を持たせることはできなかったのか?実際近郊列車用ですがClass395に始まる日立の鉄道カンパニーの活躍はあるものの、国内向けにはガラパゴスな日本の新幹線規格の車両を作っている訳ですが、規格が違い過ぎるので輸入車両の採用の可能性はほぼ皆無というぬるま湯につかっている訳です。しかも北陸新幹線の大阪延伸を巡って、低コストで実現可能な米原ルートは東海道新幹線と北陸新幹線の保安装置の違いなどで直通できないとか言っている訳です。それじゃコストは上がる一方で新幹線は伸びないということになります。東洋経済オンラインの記事でタイやオーストラリアの高速鉄道計画でも厳しいという展望を示しています*10。

だから整備新幹線の整備メニューを運輸省が示したフル規格、ミニ新幹線、スーパー特急の3方式も、公表されていないB/C比の算出基準が不透明で、結局速度の速いフル規格が数字が良くなることからどんどんフル規格に化けて、結果的に限られた予算を窮屈にしているとも言えます。そして金利上昇で整備計画自体が厳しい状況になりつつあります。ザックリ言えば金利上昇は分子の便益(B)の割引率控除と分母の費用(C)の利払い増という形で数値を悪化させます。故に与党で合意した小浜京都(桂川)ルートの実現可能性は限りなくゼロに向かうということです。そういったリアルを考えずにとにかく新幹線、それもフル規格でとなれば実現困難なのは致し方ないところ。それでも作れというのは高度成長期の太平洋ベルト地帯に倣って単なる地域のアイコンとしての新幹線を物乞いしているだけとも言えます。

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Sunday, September 13, 2026

インフレで縮む不思議の国

イラン情勢がとんでもないことになってます。ホルムズ海峡のう回路として整備されたパイプラインが攻撃を受けて稼働停止しました*1。ホルムズ海峡では相変わらずアメリカとイランの敵方タンカー攻撃が散発し、通過する船は僅かですが、サウジアラビアが半島横断のパイプラインでペルシャ湾から紅海に運び、イエメンのフーシ派がインド洋側出口のバベルマンデブ海峡を押さえていても、スエズ運河側から世界へ出荷できるルートが潰された形です。

その結果原油価格は上昇し、1バレル100ドルを超えました。中東原油のサプライチェーンが機能しないんですから当然こうなります。中東依存の強かった日本やアジア諸国には打撃です。「アメリカが原油売ってくれるから大丈夫」とはいかないのは、原油は精製して加工しないと使えいないけど、原油は産地によって品質が異なっていて、精製を行う製油所は産地に合わせたチューニングが行われていて、国内製油所はほぼ中東産の重質油対応で、しかも産油国や途上国にも製油所を整備して競争状態にある訳で、国内製油所は数を減らしていて尚且つ中東産原油に特化していて補助金で需要を上振れされたガソリンに対してナフサ由来の石油製品は不足を余儀なくされます。ナフサ騒動の顛末です。

またアメリカでは自国の原油備蓄を大幅に取り崩して日本や欧州への輸出に回した結果、特に軽油の不足が顕在化して1ガロン6ドルと売王。日本ではガソリンとともに補助金で価格調整されてますが、それがないアメリカでは輸送用トラックや大農場を支える納期が動かせないということで経済の混乱容認になっています。もはや第3次石油危機というべき深刻な事態です。それでもアメリカではAI投資を中心に民間投資が活発で経済は強く、雇用統計も良い数字が出ているしコアインフレ率も高く、ここへ来てFRBの今月の利上げ観測が出て起案した*2。今月は日銀も利上げが見込まれてますが、日米金利差は縮まらず年内追加利上げを迫られる展開になりそうです。まあこんな状況ですから投機筋も動きにくく、円キャリートレードの巻き戻しと見られる動きが出てます*3。ドル以外のユーロなど他通貨に対しても独歩高でしかも動きが膠着的なので、明らかに介入とは違った動きで投機筋が方向感を見失っています。

日銀の利上げに先んじてFRBが利上げすれば金利差は縮まらず円安は進むように見えますが、大きく異なるのはアメリカは投資拡大に伴う雇用拡大がインフレを招いている一方、日本はインフレ率も金利も下回っているものの、インフレ自体はより深刻なのに危機感が乏しいのが不思議です。4~6G付きのGDP改定値G年率1プラス1.4%と上方修正されましたが、最大の要因は輸入の減少で。更に国内消費支出減、住宅投資減、企業の設備投資減、公共投資減によって需要が減ったことの結果です。需要が弱いのは賃金がインフレに追いつかず、不動産価格の上昇と金利上昇で住宅は売れず、企業は国内の設備投資に及び腰で、公共投資も人件費と物件費の上昇で入札不調により執行が滞っているということで、ぶっちゃけインフレが経済を下押ししているのが実態です。しかも原油価格の上昇は先行きのインフレ期待を大きくしますし、例えば企業物価は7.6%上昇しており、これはナフサ不足が回り回ってきた結果で、今後小売価格への転嫁が進むことは避けられません*4。つまり曲がりなりにも経済が拡大基調にあるアメリカと、インフレ圧力で事実上縮小過程にある日本とな大違いというわけです。

ついでに欧州も見ておきますと、ECBはすでに利上げで先行し、さらに追加利上げも視野に入れています*5。通貨当局が「驚き」を口にするほどの経済世強さですが、欧州の場合は地政学リスクにさらされている状況から軍備増強が求められ、ドイツの再軍備も含めた財政支出の拡大があり、また域内に相応の軍事産業が立地していることから、民間設備投資も強いということですね。そして雇用確保でこんな動きもあります*6。但し軍事支出の増加は民生需要を圧迫しますから、長い目で見れば生活の圧迫要因ではありますが、生産能力が保全されているから軍事シフトも可能で、アメリカや日本と大きく異なります。その意味で財政規律重視を捨ててまで再軍備を決めたドイツで反移民の極右政党AfDの地方選での躍進に揺れるドイツですが、AfDの躍進は東部諸州に偏っていて、ドイツ統一後の経済格差是正がうまくいっていないことによる不満が移民に向いているもので、しかも親ロシア反EUという点から、統一前の東ドイツ回帰のメンタリティも働いている可能性があり、ウクライナのための軍備増強にも否定的です*7。一方自動車などの製造業は軒並み中国企業の輸出攻勢で不振でもあり、単純な再分配政策の強化も難しいところですが、そんな難題を抱えながら日本よりはマシに見えのはAfDの主張とは裏腹にEUの恩恵とも言えます。Brexit後のイギリスがそれを示します。

てことで先進国の中でインフレで経済が縮んでいるのはほぼ日本だけなんですが、HONEBUTOどころじゃないのに*8無意味な財政出動でベッセントに怒られ*9、それでも懲りない日本政府というか高市政権はホントどうしようもないところです。12兆円の成長投資枠もただ金額を積んだだけで具体策は無く,安易な企業の逆選択をもたらすだけです*10。それもこれもバブルの後始末の過剰債務に苦しめられた日本企業が投資を手控え債務を圧縮して内部留保をため込んだ結果、下手な投資をするより預金や資産運用で稼ぐほうが確実となって国内投資に及び腰になっている現状があります。

その結果目をつけられたのが都心のタワーマンションを頂点とする投資目的のマンション取得で、それを賃貸に出すならまだしも、実際は短期転売でキャピタルゲインを狙うものが多数あり、人が住んでいないと言われる晴海フラッグのような相場より安値で売り出された物件は、それが顕著に表れています。つまりマンションが投機対象となって住みたい希望者を遠ざけて都心の一等地に空き家が出現し、しかも徐々に増えている所謂都市のスプロール化が内部で起きている訳です。しかも徐々に郊外や地方にも広がっています。これ過疎地の民家の話ではなくて大都市部のマンションの話なんですが、個人では手が出ない高額物件が空き家だらけという状況は民間の再開発事業の限界を意味します。

その意味で気になるニュースがいくつかありますが、まずは民泊です。法改正で年間180日を上限とする民泊事業の自治体条例による規制が可能となり、早速新宿区や大田区で民泊を事実上禁止することになりました*11。民泊は法的には複雑で、旅館業法の簡易宿泊所の認可を受ける場合は営業日数その他の規制はありませんが、住居地域等では認可されません。住居地域向けには民泊法が適用になりますが、年間営業日180日の規制があります。しかしインバウンドの外国人などと住民とのトラブルが絶えず、自治体に追加規制を行う権限が与えられて早速新宿区と大田区で営業日0日の事実上の禁止となった訳です。個人や法人などで複数個所有している場合には固定資産税その他の保有コストを回収する手段になる訳ですが、そのトバッチリを住民が受けるのは問題なわけで、遅すぎる規制と言えます。

そしてJR東日本の社宅廃止のニュースです*12。社宅といっても国鉄時代に建てられた古い建物で、耐震基準も古いままで設備も老朽化して不人気で、入居率は半分程度ということで、社宅を廃止して首都圏中心に再開発の種地として活用するというものです。気になるのがマンション価格の上昇で再開発しても人が住まない街になる可能性もあり、本業の運輸業にどれだけ貢献できるかは微妙なところです。加えて今の出生率が続けばいずれ首都圏でも人口減少が現実化します。再開発がいつまでも打ち出の小槌であり続けられるかは微妙です。

関連して東京都のこの動きを取り上げます*13。国鉄時代の五方面作戦の積み残しの中央線三鷹~立川間の複々線化ですが、現状最混雑区間が中野~新宿間の上りで混雑率158%ですが、三鷹以西の複々線化では解決しない問題です。加えて言えば東京でも人口減少が始まれば混雑率は下がりますし、リモートワークも普及しているし、マンション価格高騰や民泊問題にもリンクしますが、スプロール化で都市構造が変わる可能性がある中で、実際常磐緩行線の我孫子~取手間は列車が走らなくなるなど需給の変化もあり、JR東日本がリスクを取ることはないでしょう。そもそも国鉄末期に複々線化計画を発表して都市計画決定を要請した時には知らんぷりでしたし。まあこれは国鉄が地方を下に見て東京都の都市計画を無視していた過去がありどっちもどっちではありますが、それ以上に東京都が株主で残る東京メトロには有楽町北進線(豊住線)や南北線品川延伸などの事業を押し付けてやらせたり、やはり支配権のある東京臨海高速鉄道に東京~有明間の湾岸地下鉄を作らせようとしたりと、相変わらずの再開発行政が続きますが、その弊害がマンション高騰や民泊問題などに表れています。そして皮肉なことに混雑率では都営交通の日暮里舎人ライナーの方が酷いという現実もあります。どこ見てんだよ小池。

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Saturday, September 05, 2026

AIの無知に耐える債券市場

愛の鞭というと家畜人ヤプー*1を連想するのですが、2000年後の宇宙帝国イースに連れ去られたクララと麟一郎の物語で、白人支配のイース社会に順応するクララと、人権を認められない知能を持った家畜として成長していく麟一郎が対照的に描かれています。そのおぞましさはオーウェルの1984やハックスリーのすばらしい新世界に引けを取らないディストピア小説ですが、正体不明の作者沼正三によれば「マゾヒズム小説で寧ろユートピア」だそうで、倒錯の極致です。早くから三島由紀夫、澁澤龍彦、奥野健男どに見いだされた作品ですが、AI時代の今読むと同じおぞましさを感じます。AIが拓く未来を喧伝される一方、現実はディストピアに向かっているように感じられる今の時代感覚に妙に共鳴してしまいます。

大規模言語モデル(LLM)で著しい進化を見せつけるAIですが、社会実装のイメージは未だ不透明です。事務仕事はほぼ代替されるといわれてますが、ハルシネーションでゴマカシをしたりしますし、仮にそれを克服できたとしてもそれだけなら単なる省力化で価値創造にはつながりません。故に現在進行中の大規模投資が妥当なものかどうかは不明です。寧ろ認知戦やAI兵器*2のように、情報攪乱や効率的な敵の殺傷や破壊と目的がはっきりしている軍事目的には使いやすいし、政府の財布が当てにできるから民間投資も呼び込んでいるというのが実態に近いところではないかという疑念があります。あと認知戦やサイバー攻撃など戦闘以外の使い方もあります。その観点から気になるニュースがこれ*3。AI1200体が協働してサイバー攻撃、トクリュウかい!こうした現実を見ないふりしてAIが明るい未来を約束するというナラティブに浸るのはナイーブ過ぎるでしょう。またAIウォッシングと言われる効率化による生産性向上を伴わないレイオフがアメリカで話題です*4。AIを口実に業績不振を隠して労働分配率を下げることが現実に起きています。

さらに現実は動き安全資産と言われる米国債市場の異変が起きています。ベッセント財務長官がキレ散らかしていてG20財務相中央銀行総裁会議の記者会見で日本に厳しい注文を突きつけました*5。これ伏線がありまして、1月のダボス会議で片山財務相に財政出動批判をしてこれ以上の円安阻止すべくレートチェックまでして日本の円安をけん制し*6、日銀の利上げをけん制して4月の利上げが見送られて円安に振れてGWの円買い介入に走り*7、HONEBUTOで財政拡大をうたい*8、日銀7月会合でも利上げ見送りで仕方なく日米協調介入に付き合い*9、忠告を聞かずリフレ政策を続ける日本政府にブチキレた訳です。減税ばかりで財政ガタガタのアメリカには言われたくないところですが、基軸通貨国の特権で安全資産として外国政府が買ってくれるから危機感が薄かったのですが、中国狙い撃ちの半導体輸出制限などの制裁や産油国のドル離れで中国や産油国のドル資産圧縮もあり、加えてAIテック企業が発行する社債購入のために米国債保有を減らす金融機関といった問題が重なって国債消化が滞っていることが背景にあります。それも100兆円とか日本の国家予算レベルのボリュームですから、その分国債は買われなくなります。円安に苦しむ日本まで米国債を売られたら大惨事ですし、日本経済のメルトダウンすらあり得ます。

にも拘らず危機感の薄い日本政府です。27年度予算の概算請求が出そろいました*10。26年度本予算+補正予算の相場観でまとめられたようですが、火だねが3つあります。事項請求、国債利払い費の膨張、想定外で補正予算が必要になる場面の3つですが、いずれも予算の上振れ要因です。事項請求というのは事項だけで金額を明示しない請求で、具体化した時点で金額をはめ込む形になりますから、幾らになるかわからない訳です。特に防衛と国土強靭化関連で防衛相と国土交通省が多く計上しています。

そして戦略17分野を睨んだ成長投資枠12兆円も盛り込まれております。官民ファンドに出資して民間投資の誘因とする政策は失敗の連続で、クールジャパン機構の焦げ付きと廃止が決まったばかりなのに懲りません。何故うまくいかないかの検証がされてませんが、国の出資や補助金を当てにして民間が単独では絶対しない高リスク投資をするわけですから、そもそも最初から逆選択になっていて成功は必ずしも目指されないということですね。ラピダスへの民間出資の傾向はまさにそれで、故に成功が危ぶまれています。逆に生産拠点の国内回帰を狙った韓国では企業に海外資金の国内還流策を促し、SKハイニクスが応じました*11。民間企業が調達したドル資金を国内投資に使うというもので、為替介入より低コストで通貨安対策できるし政治的な軋轢もないという賢いやり方です。内部留保ため込んでる日本企業がやれば効果絶大ですが。

AIも戦略分野としてますが、EUがAIの問題点を重視して規制の乗り出し、アメリカもAIの危険性を認識して公開に待ったをかけたりしている一方、規制を緩めて誘致しようとか暢気な日本政府は救われません。例えばこのニュース*12。マイクロソフトやグーグルの欧州拠点誘致で驚異の急成長を達成したアイルランドですが、国内に多数のデータセンターが建てられ、電力バク食いで料金爆上がりで「電力税だ」と国民が反発しています。日本で同じことするつもりか?無知にもほどがある。

そして国交省の事項請求で気になるのが整備新幹線絡みの動きです。国土強靭化で災害復旧予算を積み増すんじゃなくて、整備新幹線の貸付料を値上げして今後の整備計画の財源にしようという意図をHONEBUTOエントリーでも取り上げましたが、北陸新幹線の敦賀延伸と北海道新幹線の難工事で事業費が膨張しており、また今後整備区間に格上げされるのは採算も厳しくB/C比も人件費、資材費の高騰に留まらず金利上昇でも悪化することが見込まれ、このままでは新たな整備区間格上げは困難という状況です。加えて北陸と西九州のミッシングリンク解消という課題もあり、新たな財源確保が必要という判断があるようです*13。

国の言い分としては開業前に受益の範囲として査定された貸付料では実際の受益が上振れしているケースが多いことや、延伸区間の場合根元区間の培養効果による受益が無視されているという所謂根元受益論で、特に北陸新幹線延伸でJR東日本区間の受益を問題視している模様です。しかし実際は列車増発に伴う保安装置の改良や車両増備、線路保守の増加などのコスト増もあり、言われるほどの恩恵はありません。また貸付料の値上がりは原価上昇となり総括原価の上限運賃改定の根拠となりますから、山手線の乗客の負担で例えば北陸新幹線の事業費を支えるという不都合な問題にもなります。また受益の上振れはJRの企業努力の成果でもある訳で、それを召し上げるとすると元々の整備新幹線スキームの肝であるJRに過度の負担を強いて第2の国鉄にしないという趣旨にも反します*14。詳しくは大坂氏の記事に詳しいので省きますが、元々国鉄分割民営化時にJRに過度な負担をかけず、第2の国鉄にならない仕組みとして導入されたスキームを反故にするのは許されません。

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Sunday, August 30, 2026

ガチ中華の認知戦で踊るTACO

AIの推中華:1だけじゃない不都合なリアル。日本の選挙でも中国の認知戦と見られる動きがあります*2。総選挙前、中国人アカウントと見られるSNS投稿で日本の社会保障負担拡大による現役世代の苦しさを煽って、選挙終了後アカウントは削除されました。世代分断を狙った可能性があります。その影響か選挙戦では野党の消費減税攻勢もあり、与党自民党も消費減税を打ち出しました。これ自体は選挙でみられる争点つぶしで、終わればテヘペロでどこ吹く風の豹変はこれまでもたびたび見られました。

それが国民会議で与野党が専門家を交えて協議した結果、消費減税の効果に疑問があり、またシステム改修で税率ゼロが困難ということで、国民会議の成果は不調でした。それを受けて選挙で消費減税を掲げた野党より引っ込みがつかなくなった政権側が積極的に推進し、野党が慎重姿勢という逆転が起きます。政権にとっては支持率が下がる中での巻き返しの意図でしょうけど、踊らされてないか?

選挙をめぐる認知戦が注目されたのは2016年の米大統領選挙で、ロシア関連の認知戦と思しきSNS投稿が見られたことで注目されましたが、米CIAなどは昔から外国の世論工作をやってたし、日本もその対象として1955年の保守合同に資金提供したことは行政文書の開示で明らかにされてます。当時の日本は左派の躍進や労働運動の激化で冷戦下ソビエト陣営に接近することを阻止したかったわけですが。しかしそれ以来自民党はアメリカにものが言えなくなってしまいました。田中角栄首相などの例外はありますが。

それに留まらず高市首相の台湾有事発言*3を受けての「新型軍国主義キャンペーン」も日本の世論を挑発する意図があると考えられます。アメリカからの防衛費増強要求もあり、政府は無定見に防衛費を増やしてます。予算編成で事項請求として金額を入れないとか姑息なことをやってますが、それが日本の財政を蝕み国力を低下させることを狙った挑発に見えます。というのは中国自身が米中軍事演習に誘われてその実力差を見せつけられたことで、装備の近代化や核兵器増強、海軍力の強化といった軍備増強を行っている訳で、アメリカはそうして中国の国力を圧迫する意図があったのですが、経済成長著しい中国では大した負担にはならず、寧ろ米中の軍事バランスを危うくしたことで焦っています。それでも米中は大国同士のディールで着地点を見いだせますが、衰退が始まった日本には重荷になることを承知の上での挑発と見るのは穿ちすぎでしょうか。

実際こんなニュースがあります*4。ウクライナとイランで兵器を蕩尽しているのに生産が追い付かず、価格上昇でせっかく防衛費を増やしても装備強化にならない現実があります。ますます防衛費が国民生活を圧迫することになる訳です。さらにAI活用まで言っている訳で、パランティアのシステム導入を進める方針を明らかにしてます。パランティアはアメリカのテック企業でイスラエルのガザ地区の監視網やモサドの諜報活動で実績を積む軍事ベンダーです。イラン攻撃ではパランティアのシステムで収集したイラン要人の行動パターンをアンソロピックのAI解析によって、絶妙なタイミングで攻撃を仕掛けてハメネイ師ほかの要人殺害に成功しています。公式には初めてのAI戦争と言われます。実際は最近のロシアの自爆ドローンにはAIが搭載されていて自律的に攻撃目標を決める仕様になっていて、遠隔操作を邪魔する妨害電波が効かないという形でAIが戦争に使われているようですが。戦争の形が変わりつつあります。現実がそこまで来ているとすれば、いつその矛先が私たちに向くかわかったもんじゃありません。戦争は一部の企業を富ませるかもしれませんが、一般国民を貧しくするだけです。

そしてAIの副作用はそれだけじゃありません。このニュースにはあきれるばかりです*5。与党を助ける野党って何だよ。しかも物価高対策の資産とか、プロンプト次第でウソを返すハルシネーションもあるし、高市さんみたいに思い込みが強くて人の話を聞かないと、かなりとんでもない結果をもたらします。やっぱTACOを止めなければ。しかし悲報です*6。誰がTACOを止めるんだよ*7。ゴリラも台無し。与党から連立離脱した公明は退路を断って立憲民主と合流して政権交代可能な塊を作るべくリスクを取った訳ですが、立憲民主の新旧幹部の暢気な不作為が台無しにしてしまいました。思えば昨年の立憲民主党の所y日税減税への政策シフトあたりから見られるか暗部のブレブレの姿勢から続く組織当地の弱さが出たと言えます*8。立憲民主党は地方議員の合流慎重姿勢が強いことを理由に挙げてますが*9、地方議員も野党第一党の立憲民主党の支援で当選した訳だし、地方では与党に留まっていることが多い公明党との意思疎通に努力したかを問いたいところです。

てことで意思疎通と言えばこれも問題です*10。東武日光線新鹿沼駅事故の続報ですが、中継見張り員2人が現場から315m手前の所定位置に移動中で、作業開始を把握していなかったとか。重大な手順ミスがあった模様です。これが記者会見の「意思疎通できる状態になかった」の意味なのか?意思疎通の齟齬が人命を奪う現実は重い。

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Sunday, August 23, 2026

TACOを止めるには

日米TAOのプロデューサー*1のベッセント財務長官のレートチェック以来、ベッセント氏由来の市場サプライズをベッセント・プットと呼ぶようですが、その神通力も徐々に低下しています*2。ベッセント氏が気にするのは長期金利の上昇で、これは米国債が売られていることを意味します。特に30年債などの超長期債は生命保険などの限られた機関投資家しか持たず、低金利時代には高利回り故に需要があったものの、金利上昇で新発債の引き受けは期待できず、一方で償還が進むに従って市場が薄くなり流動性が低下することで、ちょっと売られただけで市場が大きく動くということもあり、流動性調整のために買い戻し償却(バイバック)が行われますが、災害と戦争*3で取り上げたバイバック倍増発表で市場は動いたもののすぐに戻しました*4。基軸通貨ドルの信認低下を防ぎたいけど、アメリカもトランプ政権下で財政悪化が止まらず、ベッセント氏の奇策でも回避できない状況になりつつあります。

加えてイラン戦争による石油危機も目先は備蓄放出やアメリカの輸出どらオブでしのいでいるものの、そのアメリカが備蓄を減らして国内ガソリン価格が高止まりした結果、輸出を絞っています*5。秋以降の世界規模の大インフレは避けられない状況です。それなのに危機感のない日本政府は消費減税に動き出しています。長くなるのでここではマクロ経済的な問題には踏み込みませんが、官民大合唱の賃上げムーブメントも、目先ガソリンや電力ガスの補助金で強引に物価を下げて実質賃金上昇を演出してますが、それどころじゃない値上げが待ち受けています。残念ながら現状回避策はありません。またドルの信認低下でビットコインが買われています*6。金銀と違って裏付け資産の無いビットコインが買われるって末期症状と言えます。早くTACOを止めないと。

TACOの役債は経済に留まらず国際社会を揺さぶります。トランプ大統領は国際刑事裁判所(ICC)の赤根所長にけ3位罪制裁を科しましたが、アメリカに何も言えない弱腰の日本です*7。ICCは米中ロなど主要国は非加盟ながら国連が承認した正規の国際機関であり、戦争ハンザ愛や人道犯罪を犯した個人を訴追する国際法廷で、対象となる個人は加盟国以外も含む立て付けになっております。アメリカは外国での軍事行動を制約されるという立場から反対してますが、これ構想の原型はニュルンベルク裁判や東京栽培に求められます。ドイツも日本も当時戦争犯罪を裁く国内法がなく(日本は今でも)、代わりに国際法廷で人道への罪として裁いたことから、紛争に伴う人権の棄損を裁く国際法廷として立ち上げられたもので、戦後処理をリードしたアメリカの法理に言っている法の支配を体現した組織です。日米TACOに鈴をつけられるか?

てことで国内のドメスティックな話題にシフトします。東武鉄道日光線新鹿沼駅で起きた除草作業員4人が事故で死亡したものです*8。報道では新鹿沼駅構内で除草作業中に停車予定の上り特急が進入して作業員4人を撥ねて死亡させたということです。現場は右カーブで見通しが悪く、現場前後約315m地点に中継見張り員2人を前後に置き駅付近に列車見張り員1人を置き、手旗で合図する形で作業員に列車接近を知らせて退避させる体制でした。そして特急列車運転士は見張り員の合図に警笛で応答して通常通りの速度で構内に進入し、作業員を目視して急ブレーキをかけたが間に合わなかったと証言しています。一方で中継見張り員は「列車見張り員と意思疎通できる状態ではなかった」と言っていると東武鉄道の記者会見で明らかにしており、何らかの意思疎通の齟齬があったとみられます。加えて続報ですが*9、運転士の警報合図が通常2回のところ1回しか確認できていないということです。見張り員間の意思疎通の齟齬の結果と見られます。

東武鉄道のような大規模鉄道でアナログなやり方をしていることも驚きですし、また駅ホームが古い盛土式のままで作業員の退避スペース確保が十分だったのかも論点になります。例えばJR東日本ではATOSという運行管理システムで現場責任者に持たせた端末で直接システムにアクセスして線路閉鎖をかけて安全に作業ができるようになっていて、昼間でもマルチブルタイタンパーを出動させたりする光景が見られますが、こうしたシステム的なバックアップが無い訳です。もちろん故に複雑なマニュアルが制定されていてミスが絶えないことも確かで*10、また危険を伴う線路作業員も人手不足で集まりにくいこともあり、業務の習熟もままならない現実がある訳です。JR西日本ではではより進化した保線部門DXで改善が進んでいるようですが、ここでは踏み込みません。

危険であると同時に専門性も求められるのにそれに見合った待遇になっていないことが推測されますが、このままではシステム的に破綻します。待遇改善のための原資が乏しいとはいえ、株価維持のための自社株買いやパーティ券購入などの政治献金は出せるのに下請け作業員の待遇改善に後ろ向きではいずれ立ち行かなくなります。これ鉄道会社だけの問題ではありません。やはり建設作業員が集まらない建設業でも同様の問題がありますが、その中でこのニュースです*11。万博の大屋根リンク施工を分担した竹中工務店中心のJVの現場監督が下請けに水増し請求させてキックバックした背任の疑いで逮捕され、竹中工務店も家宅捜索されました。建設業界ではありがちな事件ですが、こうして不透明な会計で裏金を作って利得を得ることは広く行われ、その幾ばくかは裏金として政治家に渡ったりもしています。そんな余地があるなら下請けの賃金アップで作業員を集めやすくする余地はある訳です。同様に輸出頼みの自動車その他の製造業でも、原材料費アップや人件費アップに由来する値上げを認める余地はある訳で、そうした形で国全体の賃上げ体制を整備する形で新たな競争政策のルールを定めることが政府の役割として浮上します。競争政策の組み換えですから、基本的に財政出動を伴わない形で可能です。但しそのためには雇用主に対峙する組合を強くする必要があります。

ということで、政治の世界にも新たな動きが出てきて注目しています*12。総選挙で落選した中道元議員の政治団体立ち上げです。リベラル特有の分派活動の疑いもありますし、枝野氏による立憲民主党結党当時のようなブームになるかどうかも微妙ですが、略称「ゴリラ」は組合関係者への説明の中での若い組合員からの提案を採用したもので、組合の支持を集められるならば面白い動きになる可能性はあります。3党合流を目指す中道、立民、公明にとっては水を差す動きになる可能性はありますが、どのみちじり貧で、特に創価学会信者の高齢化で支持を減らしている公明にとっては、今さら与党復帰も無理ですし、労組という支持層を獲得することのメリットを中道幹部や立民が示せていない中での新たなムーブメントとして注目される動きです。原発反対など乗れない労組もあるでしょうが、ナショナルセンターとしての連合は原発容認などで与党にすり寄る国民民主を重大な分派活動としてけん制もしており、連合を通じて大きな塊を作ることは可能です。とはいえ現実的にはすべての人を包摂することは独裁者でも不可能なのはマルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」にも記されている通り、上部構造である政治過程であらゆる問題を解決することは不可能という歴史的教訓をかみしめてほしいところです。対立を隠すのではなく認めたうえで話し合って止揚する弁証法的解決が模索されるべきです。

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Sunday, August 16, 2026

災害と戦争

熊本地震*1で爆発事故を起こした嘉島町のイオンモール熊本の続報です*2。郊外型SCでは災害に強いからという理由であえてLPガスを使用するとか。補充可能で都市ガスのように長期間停止となる心配がないということですが、家庭用と違って大型タンクに貯蔵して館内配管で供給されるので、配管の損傷はあり得ます。故に揺れを検知して弁で遮断する保安装置やガス漏れ警報器なども備えられているはずですが、想定を超える揺れの場合作動しないこともあり得るし、ガス漏れ警報器も比重の大きいLPガスの場合は低い位置に設置しないと検知できないなどの問題があり、その辺はとりあえず刑事責任を問わない前提での調査に委ねるしかありません。SNSでは館内に戻ったことを叩くとか、それを命じたテナント企業や許可したイオンの対応への批判もありますが、まずは原因を特定し、問題があればそれを見直して今後に生かすことが重要で、法的な責任追及はその後の話です。イキって見せても何の解決にもなりません。

そして関東では台風15号の上陸と千葉県の豪雨に見舞われました。東から西へ向かい関東直撃という台風は過去にあまり例はなく、また台風通過後もすっきりしない天気が続きましたが、結果的に台風本体よりものちの豪雨被害のほうが大きくなりました。これ特殊な気圧配置の影響だそうで*3、東南アジアの季節風と台風が影響しあってモンスーンジャイアという巨大な渦が太平洋上に出現し、大量の水蒸気を含んだ風をまき散らした結果、台風15号を生み、また湿った暖かい風を関東へ運んだわけです。動きの遅かった台風13号がもたらしたらしいのですが、関東に吹き寄せた熱く湿った風は地形の影響で上昇して上空の-6℃の寒気に触れて積乱雲を連続的に発生させて線状降水帯ととなって大量の雨を降らせたものです。千葉県に被害が多いのは、北総台地や房総半島中央の台地に中小河川が渓谷を刻む地形ゆえに、渓谷に沿って上昇気流となる訳で、24時間で300mmと8月の平年値の3倍を超える豪雨となった訳です。同様に埼玉県南部の入間や飯能、東京都でも武蔵野台地を刻む善福寺川、野川、仙川流域の警報が出されたことも指摘できます。

加えて都市排水の処理能力を超えた内水氾濫でマンホールが飛んだりアンダーパスが水没したりして被害を拡大しました。道路は寸断され鉄道もほぼすべて運休という状況になり、成田空港では足止め客600人とか。そんな中で千葉都市モノレールは正常運行を維持しました。湘南モノレールと同じサフェージュ式懸垂モノレールですが、雨や雪に強い特性が生かされました。そういえば湘南モノレールでも台風で町屋付近の土砂崩れで下道の京急バスが1か月運休したときも正常運行でカバーしました。これ京急バスの大船地区からの撤退の遠因なのかも。5月の京急バス撤退後、江ノ電バスが肩代わりしたものの、昼間2時間間隔という運行頻度はそのままで、船5諏訪ヶ谷循環は鎌倉山止まりとなり、カバーしていた西鎌倉地区から大船駅へ直接行けなくなりました。

こうした自然災害は元々多かった日本ですが、逆にそれ故に太平洋戦争も災害感覚だった為に国の加害責任を強く問われなかったということなのかもしれません。後のノーベル賞受賞日本人学者にとっての太平洋戦争がそれを示唆します*4。学究肌の湯川秀樹はすぐには役に立たない素粒子理論を極めつつ、役に立つ成果を出せないことに葛藤していたとか。アメリカも疑った秘かな核兵器開発は無かったわけですが、当時の時世の一般国民と変わらない意識だったことが見て取れます。学者だから政治的転向は意識しなかったと思いますが、多くの日本人がシレっと転向したことが三島由紀夫を皇道派のような反動に駆り立て、吉本隆明をして大衆の無責任を語る戦後世相に大学者といえども例外ではなかったということですね。今は国立大学の独法化や科研費の削減や重点化などで政府がコントロールしようとしている状況は危ういと言えます。日本学術会議の独法化も要注意です。

ってことでかなり遠回りしましたが、実は災害も安全保障の一部ですし、発生確率で言えば戦争よりも遥かに高い訳で、国民の生命と財産を守るという視点からは、自衛隊は災害出動こそ本分と言って良いですし、災害救助に期待される理由は、戦争の勝敗を分ける兵站、つまりロジスティックス能力故ということです。前線へ兵器や食料などの物資及び兵員を効率よく送り込む能力が、被災地への支援に使えるということですね。そのための現地の情報収集であり具体的な支援策でありということであり、首相の現地入りや防衛相の悪目立ちは無意味どころは被災地の足を引っ張るものですらあるということです。てことはさ、防衛費増額を防衛所予算と紐づけるんじゃなくて例えば設置法が成立した防災庁に予算を持たせて防衛費にカウントするとか、欧州でもスペインやイタリアで堂々とやっていることをすれば国民の理解も得られるし、少なくとも米国製の高価なミサイル買うよりは道理にかないます。アメリカから文句言われたら「軍民デュアルユースです」とシレっと言い放てば良いですし^_^;。H3のみちびき打ち上げ成功も防衛費に入れちゃえばよいです。

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Sunday, August 09, 2026

非対称な日米協調介入

前エントリー*1冒頭で取り上げた為替の日米協調介入について報道が出そろいました。時系列に沿って振り返ります。日本時間の7月31日早朝に第一報です*2。ドル円164円を窺うタイミングでの日銀の円買い介入ですが、ほぼ同時にNY連銀によるレートチェックが行われたこともあり、相場は大きく動いて157円台を付けました。相場はすぐに158円台から159円を窺う水準に戻りましたが、米財務省の異例の円買い介入の予告もあり*3、その後も日銀は波状介入する一方、米NY連銀はユーロ売り円買いで呼応しました*4。日銀の介入資金もFIMAレポ・ファシリティーズという外国政府等への国債担保のドル融資という枠組みを用い、NY連銀もドルを売らずユーロを売って円を買うという異例の動きです*5。

国際決済通貨ドルの信認を守るために、ドル資金の調達に行き詰まった外国政府等を救済する枠組みのFIMAレポですが、金融危機等の非常時に備えた枠組みで、1998年のアジア津優香機器時に東南アジア諸国の救済などで発動されましたが、今回はそれに匹敵する危機感がアメリは側にはあったってことです。円安なのに高市政権の積極財政姿勢は変わらず、日本が大量保有する米国債の売却を止めたかったってことですね。その結果日本はドル建て借金で為替市場にポジションをとるというリスキーなことをしでかしました。しかも波状介入で総額11.7兆円相当の介入です。介入資金はいずれ返済する訳ですが,その時にはドルを買い戻すことになる訳で、タイミングによっては為替差損が発生します。

一方のアメリカはドルではなくユーロを売って円買いした訳で、保有外国通貨の振り替えにすぎませんし、規模も1兆円程度と少なく、協調介入と言いながら非対称です。加えてECB理事の一部からは「聞いてないよー」のクレームも。それでもそれに乗らざるを得なかった日本がアメリカにせがんで実現したものではあります。そしてタイミングを合わせたように食品消費税減税の閣議決定です*6。年間5兆円の財源が必要な一方、効果は国民1人当たり年間3.6万円の減税と限定的ですし、インフレで実質便乗値上げは確実ですから、国民負担の軽減にはほとんどなりません。しかも財源に外為特会活用とか、本当に何もわかってないです。

今回の円買い介入で得た11.7兆円の円資金は外為特会の元入金調達で発行された政府短期証券の返済資金になります。利子や為替差益による剰余金は一定の会計処理後に一般財源に繰り入れられますが、とても年間5兆円レベルに達しないどころかFIMAレポのドル債務の利払いや為替リスクで減額の可能性すらあります。つまり財源にはならない訳です*7。てことでアメリカからも日本の財政悪化にクレームつけられてます*8。アメリカの財政を滅茶苦茶にしているトランプに言われるのは大概ですが、今回の協調介入が決して日本を助けた訳じゃないってことです。それなのに日本の危機感の無さは本当に心配です。

それでも円安是正が必要ということは理解しているようですが、繰り返しますが30年にわたる日本の交易条件の悪化が円安の構造的原因であって、それに対する対策は何もない以上、これからも過度な円安をアメリカに泣きついて助けてもらうしかないってことですね。そして円安はいろいろな弊害をもたらしてますが、一番の問題は外需依存の大手企業にとっては円安は最終利益のかさ上げになることから危機感が乏しいことでしょうか。そのために例えばEVで後れを取っている現実があります*9。

似たような話は鉄道でもありまして、例えば台湾高速哲翁の増備車で2回にわたる入札不調です*10。新幹線輸出のほぼ唯一の成功例と言える台湾高速鉄道で旺盛な需要で増備車投入が決まり、JR東海700S系ベースの700ST系で入札したものの予定価格を上回るということで2回の入札不調が続き、結果的には円安に救われたという事例です。台湾高速鉄道は開業までにいろいろありまして*11、欧州連合が受注して線路や信号システムは欧州方式で作られた一方、地震の多い台湾側の意向で日本の新幹線方式に変更された結果、車両はJR東海700系ベースの台湾向け車両ながら、信号その他のシステムのすり合わせに手間取って、JR東海が技術者を引き上げるといった顛末もありましたが、在来線直通を考えなくてよいことから何とか開業にこぎつけました。しかしこの経験はその後に生かされませんでした。

仏TGVや独ICEなど最初から高速新線と在来線を直通させるシステムとしたのは、元々在来線も4ft8in・1/2(1,435㎜)の国際標準軌だったということもありますが、日本の新幹線が在来線と異なる規格故にネットワーク形成がうまくいっていないことを反面教師とした結果です。日本が誇る有責事故ゼロも、独自規格の箱庭鉄道(GardenRail)故と容赦ない評価で、特に外国への売り込みではコスト面で有利ということをセールスポイントにしています。逆に日本の新幹線方式は高コスト故に各国の商談で連敗続き。特に中国の高速鉄道技術のキャッチアップもあってさらに不利になっている現実があります。石破政権で売り込みに成功したといわれるインド高速鉄道も、欧州勢の巻き返しで信号システムも欧州式とすることで、E10系の売込みに暗雲が漂っています。日本のメディアはあまり報じませんが。

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Sunday, August 02, 2026

東京以外全部副首都

HONEBUTOの骨粗しょう症*1を見てられないとばかりにアメリカが手を差し伸べました*2。詳しい検証は当局の発表を待ちますが、米財務省が30日にレートチェックし、31日には円買いユーロ売りの為替介入を実施し、事実上の協調介入となりました。しかしこれ日本を助けたというよりも円の信認低下に巻き込まれて米国債が売られることをブロックしたもので、ユーロ売りで穴埋めしたのは、もはや単独で日本の財政破綻を受け止めきれないのか、ドル覇権維持になりふり構ってられないってことでしょう。

てことで本題ですが、世界的には地価上昇による住居費の高騰を受け、首都圏地域からの人口流出が世界のトレンドになりつつあります*3。コロナ禍を契機としたリモートワークの拡大も理由の1つですが、行き過ぎた人口集積がむしろ渋滞その他の経済損失を生むことから、郊外への人口移転や都市機能の分化による連邦的自律分散など、国によって異なる形ですが、例えばやはり一極集中が言われるフランスでも、パリ近郊を含むイル・ド・フランス地域で人口の域外移転が見られる一方、日本と韓国の首都圏地域では相変わらず転入超過が続いていて一極集中が止まりません。

要因はいろいろあるようですが、一つは大企業の集中で待遇面の優位があることが考えられます。実際にアンケートで「給与が高くなる」という回答が多かったようです。それでも住居費の上昇はそれをスポイルすることになりますが、それでも首都圏転入が止まらない理由の1つが首都圏と地方のジェンダーギャップも指摘されます。地方は女性の就労機会が限られるばかりか家事分担も進まず女性の流出が多いということになります。これは少子化の要因にもなります。同時に地方の最低賃金上昇で首都圏と地方の待遇差をなくす取り組みも必要ということです。こうした点を踏まえると、維新が強引にねじ込んで成立させた副首都法案は問題解決に寄与しない可能性が高いと言えます。

副首都法案自体は首都圏が大規模災害で機能を失った時に備えてレジリエンスを意図したものということで、バックアップ機能を持たせるとしていて、公共投資や民間の本社移転への税優遇や交通網の整備などが言われてます。実際熊本で10年ぶりの大地震が起きて、もしも首都圏だったら?という議論はあり得ますが、やや飛躍した議論です。というのは、首都圏の地価上昇の原因でもある再開発で、首都圏の建物は概して新しい耐震基準に準拠したものが多いという点は指摘しておきます。寧ろ水道の耐震化など地方ほど進んでいないということもあって、能登半島でもそうでしたけど、熊本でも同様の問題が起きています。

今回の地震は10年前の震源地の南西で、同じ日奈久断層の割れ残りということです。10年前の地震で割れなかった部分に逆にエネルギーが蓄積して今回割れたということです。断層が動くということのメカニズムは複雑で予見可能性はほぼありません。ということで、備えが重要なのに地方ほどそれができていない現実がある訳で、副首都とか言う前に、地方のインフラの見直しこそ重要です。実際市町村役場などの公共施設は建て替えや耐震強化が徐々に進んではいますが、問題は民間の建物で、これは首都圏でも同じですが、強度不足でも耐震強化や建て替えに至らない建物が旧市街地に残るケースが見られます。一方でイオンモールなどの郊外型モールは築年が新しいだけに耐震強度は高かったりします。故に防災拠点として自治体と協定を結んだりしていて、広い駐車場にとりあえず避難できるし、状況によっては商品を支援物資として振り替えることなども可能で、爆発事故を起こした嘉島町のイオンモール熊本は防災協定が締結されていただけに、ショックな事故です*4。爆発事故の原因はわかっていませんが、相応の強度を持った建物の床が抜けるほどの爆発事故が保安装置付き配管からのガス漏れ程度で起きるというのも考えにくいところ。まるで福島第一原発の建屋内のようなドローン映像は謎です*5。また客とスタッフの計4,500人を30分で避難させたイオンの対応はお見事です。爆発事故が想定外だったということです。

今回の被害状況のまとめです*6。日本製紙八代工場の煙突折損は長周期振動が疑われてます。東日本大進さんでも東京の高層ビル群で大きな長周期の揺れが続いたということがありましたが、軟弱地盤などで地震動を受けて共鳴した振動が起きるらしいです。豆腐を振ると遅れて大きく震えるような感じでしょうか。建物は壊れなくても中の人や物は大きく揺さぶられるわけで、高層ビルによる野放図な再開発は見直したほうが良いかもしれません。そして被災地域には多くの工場が立地しており、サプライチェーンの攪乱が問題になります*7。TSMC熊本工場は新しいだけに建物の損傷は見られない一方、精密加工故に機械設備のチューニングがボトルネックになりそうです。自動車関連は九州以外の三菱自動車水島工場の稼働停止など影響大。また八代港と九州道の被災で物流に支障が出ています*8。特に九州道では断層前後の橋脚がズレて桁に段差が生じており、復旧は時間がかかりそうです*9。鉄道は新幹線も在来線も熊本以南の復旧の見通しが立たず、八代駅構内ではJR貨物の停車中の貨物列車が横転したままだったりして、高速道のう回路としても使えない状況です。

それでも地方や民間は助け合って乗り切ろうとしてますが、政府の動きが鈍いのが気になります。例えば自衛隊輸送機でクーラー300台を送り込んだものの、電源が取れないから使えないとか、あるいは犠牲者の数が県の発表と食い違ってたりとか*10、むしろ混乱させてます。体育館の空調とか避難所のプライバシー問題とかは、毎回繰り返されてますが、法律を定めて予算取って確実に執行するのが政府の役割で、それができてないのに目先のやったふりは選挙目当てのステマかい?副首都だって首都機能移転の国会決議に基づいて1992年に国会等移転法が可決成立しているのに、徳島の消費者庁や京都の文化庁ぐらいしか動かない。というかそもそも省庁の官僚は事務屋なんだし地方局もあるし、メールやリモートの活用で非常時の職務継続は可能なはずです。最大のネックは国会だと思いますが、国会議事堂が使えない状況での暫定議事堂を指定する手順を決めるとかやりようはある訳です。一番の問題は官僚による政治家へのレクチャーの都合で国会に近いところにいないと仕事にならないってことか?政治家がまともならこうはならないでしょう。

しかし一方で今回の副首都砲では札幌、福岡、名古屋が名乗りを上げ、大阪と争う姿勢ですが、それに留まらず広島県と群馬県まで表明してます*11。かくして東京以外全部副首都wwwwww^_^;。

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Sunday, July 26, 2026

HONEBUTOが警戒される骨粗しょう症の国

AIの推中華*1で始まったAI投資への疑念をさらに高めるニュースです。オープンAIがテスト中の新型AIが他社AIにサイバー攻撃を仕掛けた暴走事故です*2。ネットと遮断された実験環境の脆弱性をAIが見つけて突破して他社AIを攻撃したというもので、しかも被害企業側からの通報で発覚したということは、オープンAIは気づいていなかったという意味で深刻な暴走です。AI開発に規制をかけなければ再発の可能性は高いと言えます。というよりも、昨今増えているサイバー攻撃の幾つかは善意のユーザーのエージェントAIの暴走の可能性もあると考えられます。

そんなAIを戦略17分野として官民投資をぶち上げる日本政府の責任ある積極財政路線ですが、そもそも日本は主要国の中でAI規制が最も緩い国と見られており、実際個人情報保護法改正で規制緩和するようなチグハグぶりを見せています*3。熾烈な開発競争を繰り広げる米中AI企業にデータを献上するだけで終わりそうな悪寒すらします。ああ家畜人ヤプー。そもそも成長企業に補助金は要らないんだが*4。そして市場の評価もどん底に沈みます*5。HONEBUTOは海外でも通じます。

そもそも日本の停滞の原因がわかってないから官民投資で供給力を高めれば成長できるし、税収増で財政は立て直せるというほとんど根拠のない思い込みをしている訳で、株価だけは上がったけれど、ほとんどキオクシアなどAI半導体関連銘柄の値上がりで、AI投資に疑念が起きれば下げてしまう結果、円安株安債券安(金利高)のトリプル安となります。円は売られ163円台*6、国債が売られて長期金利も上昇しており、また原案段階での金融政策への言及を撤回した一方、国債が売れない現実もあり、あろうことかGPIFの投資区分見直しに言及して政治介入を批判されるという恥さらしを続けてます*7。本音は為替介入したいけどアメリカに止められているし、市場からも見透かされている中で、GPIFの投資ウェート見直しで国債を買わせようとしたということで批判されてます。政治的PKOですね。年金のような巨大機関投資家を動かせば目先の相場を動かすことは可能ですが、その結果リターンが減れば寧ろ将来の年金の国庫負担が増して財政の重荷になります。

株式市場にも円安で異変が起きています*8。元々レガシー企業の存在感が高い日本市場ですが、その結果事業の見直しが進まず市場の淘汰圧も弱いから企業規模が小さく、円安も手伝って海外勢の投資妙味が薄いということが意識され始めてます。つまり株式市場をにぎわせた海外勢の姿勢に変化が見えてきているということです。寧ろ長短金利差の大きい国債投資に妙味を見出す動きが見えています。だけど喜べないのは海外勢の国債投資で保有比率が上がると、デフォルトのリスクが高まる訳で、ますます手堅い財政運営を求められます。

相対的に小規模なレガシー企業が並立して競争環境にある中で、雇用の安定を理由に賃金を抑えながら世界で戦うという言ってみれば飢餓輸出的な戦略によって90年代半ば以降の交易条件を悪化させた結果が今なわけで、円安はその結果です。だから交易条件の悪化を逆転させる必要がある訳で、賃金の上昇や社会保障の充実によって結果的に国内の購買力を高めることが大事です。その結果として停滞していた国内の民間投資が動き出すなら良いのですが、補助金などでレガシー企業を延命させるなら停滞が続くだけです。

その意味で考えたいのが整備新幹線をめぐるこの動きです*9。これ北陸新幹線と北海道新幹線の事業費膨張で計画中の新幹線は着手時期すら不明という状況にあり、また北陸新幹線と西九州新幹線のミッシングリンク解消が見通せない中で、国交省が財源確保に動いたってことです。とはいえ30年という貸付期間は開業時の設備の経年劣化による更新が必要なタイミングであり、通常のリース資産ならば割引されるところを延長し、さらに貸付料値上げまで示唆している訳です。事業費の膨張やミッシングリンク解消や地元負担に対する不満など、30年間で顕在化した問題点に対して安易な手段で財源だけは確保しようという事なかれ主義です。申し訳ないけどこんなことで人口減少下で需要も細るこれからの整備区間の事業化はほぼ不可能です。

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Sunday, July 19, 2026

AIの推中華

これもAIあれもAIたぶんAIきっとAI♪^_^;。AI相場総崩れになりました*1。すわDeepSeekショック再現?*2と思いきや、それだけじゃない様々な要因がかかわります*3。AIブームでデータセンター投資が活発化してエヌビディアのGPUのみならずメモリーも需要急増、建設関連でキャタピラーなど建機メーカー、電力需要増で電力会社、原発再稼働で原子力産業と投資のすそ野が広がる中、米アンソロピックのフェイブルに劣るものの僅差しかもオープンソースで安価だし先端品禁輸で性能の劣る半導体を使って安上がりだし、メモリー高騰で中国メーカーが参入してという形で新たなシリコンサイクルに直面して日韓台の半導体メーカーもトバッチリ。米テック企業の寡占が崩れて元々行き過ぎが心配されていたデータセンターや半導体をめぐる巨額投資が見直しを迫られたわけです。

TACOエントリー*4の個人情報保護法で分かりにくい見せかけの規制緩和とか見当違いのことばかりの日本の成長戦略が役に立たないことだけは確かです。米テック企業の下請けに甘んじながら株価を爆上げし、一時トヨタを抜いたキオクシアも時価総額半減となりました。ムーアの法則で微細化が進んだ半導体ですが、競争市場で最先端品のサプライヤーはTSMCなど少数に絞られ、日本勢は市況品の汎用チップのレッドオーシャンにどっぷり浸かっていたわけで、微細化の限界が見えてきて、複数のチップを組み合わせて機能を高める後工程に比重が移る中で、日本勢は有利と言われましたが、アメリカの輸出制限で最先端品が手に入らない中国は国策で国産化にまい進し、日本がもたもたしてる間に最先端ではないけどAIに使えるチップの国産化を進めてアメリカに追いついてきている訳です。

EVで成功している中国の功利主義的市場型計画経済*5がAIでも機能しています。但しAIでは僅差でアメリカには追い付いていないものの、資金力頼みの力技のアメリカに対して、後追いゆえに同じことをもっと安くできるという非対称競争になっていると言えます。そしてエネルギー争奪戦でも同様のことが起きています。停戦中なのに戦闘が止まらないホルムズ海峡が事実上再封鎖され、油田や製油所などが空爆されて中東の生産能力も減っている中で、イラン産原油が手に入らない中国も同様に苦しいとはいえ、調達先の多様化進んでいるし、そもそもEVが普及しているし、プラスチックや化学繊維などもナフサ以外の代替原料へシフトしている一方、アジア各国が原油や石油製品、LNGのアメリカからの代替調達を増やした結果、アメリカではガソリン価格が跳ね上がって国民の不満がたまっています。中間選挙の年にトランプ大統領は窮地です。そのためEVがまた見直されているとか。

石油製品のサプライチェーンではウクライナ軍によるロシアの石油施設空爆の影響で軽油などの輸出が止まったりと、こちらでも異変が起きていて、また世界規模の製油所の能力が減った分、米製油所のマージン拡大でガソリンや軽油の価格を押し上げてもいます*6。それでもEV普及率の高い中国は涼しい顔ですし、電力料金の安さはAI学習のスケーリング則の面でも有利です。電力の主力は国内炭による割安な石炭火力ですから脱炭素的には問題あるんですが、太陽光や風力といった再生エネルギーや原子力などのエネルギーミックスで安価で安定した電力を実現しており、地政学リスクに強いということで、日米欧の苦境をしり目に安定しています。加えてロシアのシベリアガス田開発で欧州の販路を失って中国向けのガスパイプライン整備の計画から中国が下りてロシアは苦境ですが中国は我関せず。確かに不動産バブル崩壊による内需不振でも積極投資は続いており、この点は日本のバブル崩壊後とは大違いです。

あと軍備増強が周辺に圧力を与えているといわれる中国ですが、GDP比1.7%を堅持しており、経済成長に連動しているだけです。しかしその結果周辺国は対抗策を取らざるを得ないのも確かで、アメリカを当てにできない日本やNATO諸国は軍備増強の財源確保に苦しんでいます。こうした状況で中国と敵対することが現状いかにリスキーかということは言えます。アメリカだって結局対中貿易を増やしてますし。少なくとも中国は日本のような失われた30年のようにはならないことは確かです。逆に出口の見えない日本の失われた30年は失われた21世紀になりそうです。

整備新幹線関連で動きがあります。西九州新幹線の佐賀県エリアで長崎県の負担を前提に合意しました*7。国とJR級数うが佐賀駅ルート(新鳥栖駅接続)、佐賀県が佐賀空港ルート(舟子屋温泉接続)と別れており、両論併記の方で環境アセスメント手続きを取ってルートと事業費を確定するという形で異例ですが、こうして対立を乗り越えて着地点を探ることは重要です。長崎県知事も負担受け入れを「在りうる」としています*8。新幹線のミッシングリンク解消に動き出したことは評価できます。

佐賀と滋賀で「詐欺だ!」*9でも取り上げましたが、ミッシングリンク解消という観点から言えば北陸新幹線も米原ルートが事業費が少なく早期に開業できるという観点で優れており、小浜京都ルートとの比較で言えば桂川ルートで5.5兆円に対して米原ルート一部直通で2.7兆円、乗換で1.7兆円と半分以下です。しかも積算根拠が公開されていませんから推測ですが、米原ルートの直通と乗換で1兆円の差が出るというのは考えにくく、一体評価の小浜京都ルートの優位性を示すためにする数字の可能性もあります。

加えて言えば高速道路などでは一体評価はすでに行われているそうですが、これいくらでも数字を盛れるということは指摘しておきます。公費投入、しかも地方負担があるがゆえに、保守的な個別評価で数字をはじいて判断するのが本来で、ネットワークがつながることでの上振れ分はあえて計算に入れないのが本来です。結局政治が干渉して判断を間違い意思決定されてしまうということの積み重ねが、失われた30年をもたらしたと言えます。

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Sunday, July 12, 2026

DOGEな猿真似も見苦しい日本のTACO

国会終盤の空転解消で動き出した国会ですが、熟議とは程遠い強引さはTACO(Takaichi Always Charenges Official)*1そのもの。人の話を聞かず答弁を勝手に変える高市首相を国会に出したくない与党は結局数の力で強引に一転突破するしかないわけです。あれこれ突っ込みどころ満載ですが、ここでは2点だけ指摘します。

まずは皇室典範改正ですが、憲法で定義された国民統合の象徴からかけ離れた議論で決着しました*2。産経を除く新聞各紙は審議を尽くさない国会運営に苦言を呈します。これ事実上の憲法解釈の変更ですからね。世論もその点は政権に逆風です。にも拘らず付帯決議で歯止めを狙った中道改革連合が与党に突っぱねられたにもかかわらず賛成に回ったことは禍根を残します。逆に与党の強引な国会運営を批判するチャンスだし、立憲と公明の3党合流で大きな塊を作って政権交代を目指すんじゃなかったのか?

あと個人情報保護法改正案ですが、専門家も警告を発しています*3。経済界からのAI学習のデータ活用で、個人データの利用に本人同意が必要で、匿名化も含めて手間とコストがかかることから規制緩和が求められたものですが、政府はそれに対して情報類型を増やして対応した結果、対応が寧ろ複雑化しますし、漏洩の心配から利用が忌避されることもあります。KDDIのメールアカウント不正アクセスとパスワード漏洩のように*4外部からのアタックや、そもそも企業の法令順守がいい加減だったりということもありますし、仮に漏洩したり利用目的を逸脱しても、個人レベルでは察知できませんし、AIで容易に名寄せされてしまうことになります*5。規制緩和を求めた企業も戸惑っています。

拙速な政権運営は例えばこんなところにも表れてます*6。官僚の言うことを聞かないTACO政権ですが、寧ろ易々と官僚に操られている実態があります。熟議を経て対立を乗り越えた一致点という意思決定の正当性がないからこういうことになる訳です。正当性で官僚を抑えられない。それが如実に表れたのが骨太ショックですが*7。同エントリーで取り上げた京成電鉄の新型特急の続報です*8。京成はスカイアクセス線の部分線増も予定しており、千葉ニュータウン中央~印旛日本医大間で並行する成田新幹線の路盤活用でスカイライナーなど有料特急を160km/hで走らせることで、スピードアップと増発を図るものです。

てことで成田新幹線の遺構の活用となります。元々都心から遠い成田空港のアクセスに新幹線を建設する国策だったもので、成田闘争で遅れた成田空港の建設に併せて成田線分岐点の土屋~成田空港間の路盤とトンネルと空港第2ビル、成田空港の駅部は作られていたわけですが、その煽りで京成電鉄の成田空港線はルートが被るといういことで現在の東成田駅からバス連絡でターミナルビルへ向かうという形で建設され開業しました。しかしせっかく作られた成田新幹線の遺構を活用すべきじゃないかということで、国鉄と京成で争った結果、当時の石原慎太郎運輸相の裁定で単線並列で双方がシェアする形に落ち着きました。

それとは別に成田新幹線の都心側ルートを活用したルート案も提案され、現行京葉線都心ルートから都市計画8号分岐線(有楽町北進線)ルートで押上に至り、押上線から北総ルートで成田空港へ向かうというものでした。結局実現はしなかったものの成田新幹線の遺構活用は模索されて、のちに成田スカイアクセス線として実現した訳です。国家プロジェクトに依拠しながら実現しかかった部分を乗っ取った形です。報道では京成の成田湯川からの新線は高架で新ターミナルに乗り入れる形のようですが、結果的にかつて成田空港駅を名乗った東成田既に近接します。この辺の詳細はまだ報じられておりませんが、芝山鉄道がどうなるかなど絡みます。

そして千葉県と関連9自治体には課題ものしかかります。成田空港拡張で土地収用制度活用で成田エアポート(NAA)に同意しました。県も自治体も成田闘争の記憶から及び腰でしたが、国策ということで渋々同意したものです。用地買収交渉は県と自治体が担うわけです。高齢化や代替わりで穏健化しているとはいえ、国との戦い方の経験値が高い地権者との交渉は簡単ではないでしょう。となると地元への見返りの位置づけの芝山鉄道に何か動きが出る可能性はあります。九十九里延伸までは無理でも若干の路線延長や増発はあるかもしれません。いずれにしても強引なやり方では話は進まなくなるということは言えます。TACOじゃダメなんです。

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Saturday, July 04, 2026

骨太ショックで複雑骨折

前エントリー*1のタイトルで「正体」のつもりで「招待」に誤変換^_^;。しかし内容と齟齬がないのでこのままで訂正はしません。ポピュリズムを呼び込む政治状況は日本に留まらずBrexitやトランプ現象も同様です。結局政治のエンタメ化で絡めとられるどうしようもない現実だけは続きます。

てことで本題に入る前にBusRama最新刊(216号)で和田編集長がEVMJ問題でコメントを載せてます*2。ザックリ言えば地獄への道*3で述べた中国EVのアジャイル開発の波に吞まれて、工業製品につきものの初期不良対策ができていなかったということです。一方でネットで炎上した中国製で詐欺だとか選定プロセスの疑義などは踏み込まない慎重さで好感が持てます。特にブレーキホース損傷などのリコール案件は、修理すれば使用可能だった車もあったはずですが、自動運転社会実験用40台を含む全190台の減損処分には疑義を呈していて大手メディアにはない視点を提供しています。大阪では議会で突き上げられており、まるで証拠隠滅でもするような全車処分はむしろ意思決定過程を不透明にします。少なくとも失敗を認めて教訓を後世に残す姿勢ではありません。これサナエトークンやt中傷動画問題と似ています。

てことで本題ですが、経済財政諮問会議の骨太の方針が発表されました。予想通りの積極財政路線ですが、市場は早速反応しています*4。3日の債券市場で長期金利の指標となる10年物国債金利が一時2.81%をつけて3%をうかがわせる動きとなりました。また金利上昇観測から2日に2.7%で実施された国際入札は不調で、原因は政府が日銀の利上げに消極的なことで円安が進むと市場が見た結果です。利上げしても円安といっても、欧米の金利水準よりかなり低い上にインフレ補正の実質金利は相変わらずのマイナス圏ですから、日本国債を積極的に買う理由がない訳です。

やや長くなりますが、日本経済の複雑骨折ぶりがあぶりだされました。先月の日銀の利上げは予想通りだったけど、政府は難色を示していました。上田総裁は政権の圧にやや弱気だったようですが、病気の治療を理由に異例の政策決定会合欠席となりましたが、審議委員5名が利上げ賛成を表明していましたから利上げは既定路線だったといえます。そして政府は盛んに為替介入をにおわせて市場けん制を試みましたが、ドル円162円台をつけても動かなかったように、実際には原資となるドル預金を4~5月に11.7兆円も使って155円台に戻したものの効果は1月で剥落しさらに円安が進みました。市場は介入警戒ムードで小刻みな動きでしたが、結局介入はないと見てより利回りの良いアメリカ国債やAIブームに沸く株式投資の原資になるドルが買われてじりじりと円安が進みました。政府は意に染まぬ日銀の利上げを今回は為替介入が困難だから容認したという背景が透けて見えます。その裏には為替介入のために保有米国債を売られることをアメリカが嫌っているという事情もあります。

そんな中で明らかにされた骨太の方針が予想されたとはいえ財政出動のオンパレードで、財源としてインフレによる税収上振れを当てにしています*5。2025年度に2.6兆円の剰余金が発生したことから、税収上振れ3兆円を見込んで国債発行を抑えるとしてますが、つまりインフレが進行することを前提にしているわけで、その分国民生活が圧迫されることには向き合わず、単なる帳尻合わせをしている訳ですが、インフレが進めば遅れて金利上昇は避けられないから、国債の利払い費の負担も増すことは考慮されてません。日銀に圧をかければ低金利が続くというアベノミクスの劣化コピー版の経済見通しを打ち出したことで複雑骨折と表現すべき状況です。

そうは言うけど日経平均株価は上がってるじゃないかともいわれますが、これアメリカのAIブームの流れで半導体関連が買われている結果の株高で、半導体以外はほぼ横ばいです。株価以外全部沈没をご参照ください*6。ちなみに同エントリーで取り上げた京成電鉄の押上発着の有料空港連絡列車の続報です*7。現在成田空港ではB滑走路の1,000m延長と3,500m級の新滑走路整で大型機発着が可能な3,500m級滑走路2本として、分散しているターミナルも統合するというもので、実現すれば1.5倍の発着枠拡大が実現しますが、そうなると鉄道アクセスの輸送力不足が問題になります。現状でもスカイライナーやN'EXは満席が多く、アクセス特急や快速エアポート成田も時間帯によって混雑する状況です。

京成電鉄は2027年運転開始を予定する押上発着の湯量特急を30年代に都営浅草線と京急に直通させて羽田空港と成田空港を結ぶ構想で、成田新幹線の遺構を単線並列でJRとシェアする成田湯川~成田空港間を複線高架の別線で建設し新駅を設置し、JRは京成が新線移行後に線路を改築して複線化し、京成は有料特急毎時6本、アクセス特急毎時3本と倍増し、JRもN'EXを毎時4本と倍増する計画です。統合新ターミナルへの移行が前提となりますから、具体的な時期は明示されておりませんが、新滑走路整備を含めて用地買収が難航しており、遅れることは確実です。加えて供用時間拡大問題でも地元の同意が必要で、こちらも流動的です。資金問題は国や県などと協議されるようですが、京成本線ルートや東成田駅、芝山鉄道の扱いなどは報道にはありません。

あとJRは羽田空港アクセス戦を活用した羽田成田連絡輸送を目論んでおり、おそらくりんかい線を介した京葉ルートでの実現を狙っていると思われますが、その場合京葉線から総武快速線への渡り線整備が欠かせません。候補としては高谷支線活用の西船橋ルートと千葉みなと~本千葉を結ぶ連絡線新設などが考えられますが、どちらも実現のハードルは高いといえます。加えて軽京成新線の整備後の複線化と実現時期も京成の後になるという意味で苦しいところです。そしてインバウンドの拡大が前提ですから、円安が進んで国民生活はさらに窮乏すると考えると、手放しで喜べないところです。確かに便利にはなりますが、果たして国民を幸せにするものかどうかは微妙です。

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Sunday, June 28, 2026

ポピュリズムの招待

EVMJ製の万博EVバス150台*1と府内自治体の自動運転バス向け40台の計190台が減損処理されました*2。万博のほろ苦い後始末です。加えて南河内地区で予定されていた自動運転バスは日野のディーゼルバスで行うことになりました*3。有権者の歓心を買って票につなげることしか頭にない維新の雑な政策運営がもたらしたトラブルです。しかしそれに引っかかる有権者ってのもどうなんだか。

マルクスが面白いことを言っていて、同じように貧困の淵にあっても賃労働に雇われた労働者と雇われていない物乞いなどの違いとして、後者は簡単にブルジョワジーに買収されてプロレタリアートに敵対する存在というう意味で「ルンペンプロレタリアート」と呼びました。団結を台無しにする存在として警戒したわけです。同様のことは日本の吉本隆明が大衆について述べたことと通底します。大衆は保守的で目先の利害しか見ないからインテリがいくらアジっても動かず、彼らが動くのは自らの生存に危険が迫った時だけということです。例えば右派インテリの三島由紀夫の檄に反応して武装蜂起しなかった自衛隊員という構図です。

マルクスはまた公娼制度についてもプロレタリアートを懐柔する娯楽と指摘します。娯楽の少なかった初期資本主義社会ではセックスの娯楽としての意味は大きく、故に所謂貧乏人の子沢山で世代を超えた労働力の再生産も安定していましたが、逆に扶養人口の増加は貧困をもたらすので、生殖から切り離されたセックスの必要性もあった訳です。但し資本主義の進化の過程で映画やテレビなどの娯楽が登場してそちらに関心が移ることで、公娼制度のニーズは低下します。更に進めばアイドルやアニメなど作り物のバーチャルな娯楽が登場して消費者としての個人に分断が進みますから、生殖を伴うセックスのようなメンドクサイ娯楽はむしろ敬遠されます。少子化は必然と言えます。

そうなると労働力の補充ができなくなって徐々に経済成長を押し下げますから、資本家が上前を撥ねるのが難しくなります。だから欧米では早くから移民で労働力を増やす政策が採られました。最初は主に植民地住民の本国への移転だったものが、戦後植民地の独立後も移転を受け入れ続けた結果、移民による労働力の補充が続きました。故に移民の多くは旧植民地から旧宗主国へという流れが主流でした。しかし日本は戦前は同じ帝国臣民と言いながら、戦後朝鮮半島出身者などを国民とは認めず、所謂在日問題となっています。だから原因は戦後の日本政府が作ったもので、彼らへの差別は全く正当性がありません。

やや遠回りしましたが、嫌韓嫌中やクルド人問題などのヘイトクライムも娯楽化していることが問題ですが、インフレに苦しむ国民の関心を逸らす意味はあります。国民をシカトして*4やりたいことしかやらないうましか宰相*5が下がったとはいえ高支持率なのも、政治が娯楽化した結果です。文春砲の中傷動画問題はそんな現実を暴いています。しかしその裏で日本の国富は食われています*6。5500億ドルの対米投資で国際協力銀行(JBIC)とメガバンクの協調融資で手当てされますが、メガバンクが音を上げています。ドル建て融資となるけどドル預金は少なく、市場で調達すれば円安が進みますます調達困難になるから難易度は上がります。対策として日銀のドル供給オペや外為特会活用などが言われてますが、日銀オペは経済ショックなどに備えたものだし、外為特会活用は米国債売却につながるとアメリカを刺激するしで打つ手なし。限られた民間銀行の融資余力を減らせば国内を含む民間投資を阻害するしで、基本的に打つ手はありません。てことでアメリカに貢ぐ姿勢は相変わらずですが。

銀行の融資余力の減少は金利上昇を通じて公共投資も民間投資も下押ししますから、政府が掲げる戦略17分野の成長戦略も動かすのが困難です。日銀利上げで銀行は日銀当座預金の超過準備に1%の利子がつく一方、預金金利は1年定期でも0.4%とかって水準ですから、融資余力を拡大するには預金集めが重要ですが、「貯蓄から預金へ」の掛け声で新NISAに家計貯蓄が流れてますから預金獲得のハードルも高くなってます。てことでカネ余りなのに銀行がピーピーいっているという摩訶不思議。まともな経済政策とは程遠い現状です。前エントリーで取り上げた阪急のなにわ筋連絡線や新大阪連絡線も着手できるかどうか。

また阪急の計画の前提のなにわ筋線にも異変が起きています*7。幹となるなにわ筋線の事業費が倍増しています。三セクおおさか高速鉄道が府と市に3200億円の追加出資を要請したものです。大阪府は泉北高速鉄道の売却益で、大阪市は市営地下鉄と市営バスの民営化で手当てした資金では足りず*8、追加出資をすることになるわけですが、万博で見せた泥縄*9は維新しぐさかい!尚、五輪、万博、ワールドカップなどの国際イベントも娯楽として消費されますし、ナショナリズムを鼓舞するから支配層にはおいしい話になります。また副首都や都構想も大阪人の首都東京へのナイーブな対抗心をくすぐり票につなげてます。

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Sunday, June 21, 2026

食われる公共

AIの投資考*1の中傷動画問題で公開された動画の一部に総裁選前の画像が確認されたということで、文春と共同通信が動画公開を見合わせました*2。高市シンパをぬか喜びさせたネタですが、週刊文春今週号記事で種明かしされてます。疑惑の動画20本中4本以外は問題はなく、疑惑は微塵もゆるぎないものです。またサナエトークンの無許可販売は明確な違法行為であり、金融庁がどう動くかはわかりませんが、動画制作者とされる松尾氏が週刊現代の取材には応じず文春に持ち込んだのもサナエトークンでの訴追を逃れるための目くらましの可能性があります。首相案件だけに金融庁は動きにくいとしてもデジタルチンピラのマネタイズに利用された脇の甘さは指摘できます。ちなみにゴーン事件の訴追は金融商品取引法違反で拘束されてますから、扱いが非対称です*3。

そんな中で郵政事業をめぐるこんなニュースもあります*4。郵政民営化の後退というよりも、郵政を支えてきた金融事業の利権切り出しの結果、郵政事業の赤字体質が顕在化したってことです。とはいえ郵便条約で公的に維持する必要があるから公金を投入するというわけですね。こうなることはわかってましたが。結局新自由主義的な民営化路線は、公共部門の事業を民間が儲かるように切り出して食い物にするだけです。そして五輪や万博のような国際イベントも、公共部門が音頭を取って民間に儲けさせるだけってことです。経済成長の結果、投資収益逓減の法則で利益率が傾向的に低下して儲からなくなる一方、新興国の工業化で追いあげられる中で、税金その他で公共部門に集まる公金を狙ったビジネスにシフトしていくという構図です。

これ国鉄分割民営化でも同様のことが起きています。リニアひろば*5の都市計画道路音大のように民営化JRに自治体が便宜を図るような倒錯が起きるわけです。そもそもJR東海の単独事業だったはずのリニア中央新幹線ですが、財投資金3兆円投入も30年低利据え置き後の返済という民間融資ではありえない優遇です。その結果最高益更新という好調ぶりですが、これにはカラクリがあります。ダイヤモンドオンラインで記事になってますが*5、細かい説明は省きますが、静岡工区を含む工事の遅れで余ったお金を金銭信託して資金繰りしていることが明らかになっています。B/Sの右の負債の中に財投資金3兆円が含まれる一方、工事の進捗で支払われる代金は左の資産の部では建設仮勘定で計上されてます。固定資産の一部ですが、当面利益を生まないものとして処理されており、既に財投資金3兆円の一部が充当されています。一方工事遅れによる余剰資金は金銭信託として運用されて配当を得ているわけで、低利の財投資金との利ザヤを稼げるわけですね。静岡工区未着工のおかげでかなりまとまった金額になっているわけです。故に本音は「川勝前知事アザース」となります^_^;。

話変わって整備新幹線問題ですが、北陸新幹線の敦賀~新大阪間のルート問題で国土交通省が新たな試算を与党に示しました*6。紙面に載った表を見て絶句したんですが、一体評価と個別評価を並べて示しており、後者でB/C比0.5の小浜京都ルートが前者では1.1となっていてます。一体評価というのは東京~新大阪間を一体としてみた場合ということですが、つまり従来は事業化される区間だけの評価だったものを、既開業区間を含めた評価ということです。つまり既開業区間の受益を乗っけた結果ってことですが、分母にあたる費用は事業区間の範囲で負担されるわけですから、全くのインチキです。とはいえ京都市の水問題などで反対されてますし、これでまとまる可能性はほぼ皆無です。

そしてリニアと北陸新幹線双方に絡むややこしい問題もあります。2031年開業予定のなにわ筋線関連で阪急が計画するなにわ筋連絡線と新大阪連絡線の事業化が動き出しました*7。阪急としては関空及び新幹線と自社沿線を結ぶ意図ですが、同時に十三の再開発の狙いもあります。しかしリニアと北陸新幹線の新大阪駅の位置が決まらないから新大阪連絡線に関しては駅位置未定のままの見切り発車です。つまりリニアと北陸新幹線が足踏みする限り、手を付けられないってことです。それでも十三の再開発で資金回収は可能という判断なんでしょう。

一方リニアの残土処理でもめる岐阜県御嵩町で結局名鉄広見線の廃止が決まりました*8。みなし上下分離というのは所有権移転せず固定資産税収を線路保守などの費用に充てること上下分離と同等の効果を狙ったもので、並行在来線三セクのIGRいわて銀河鉄道でさ採用されてます。他方文字通りの上下分離で黒字転換したのが近江鉄道です*9。ローカル線存続に関しては民間への利益供与よりも住民の利便性維持が狙いですが、結果的に自治体次第ということです。企業を救うか住民を救うかには大きな違いがあります。

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Sunday, June 14, 2026

AIの投資考

裏・壺・族と暗号資産*1のサナエトークン絡み炎上中の高市首相です*2。やや込み入ってますが、元々サナエトークン問題は週刊現代が追っていたネタですが、週刊文春が総裁選と総選挙の中傷動画問題を取り上げて国会でも質問通告されてますが、当初「週刊誌ネタ」を理由にまともに答えず「秘書を信じる」と啖呵切ったりしてましたが、週刊文春は中傷動画作成者に直接話を聞いて公設第一秘書とやり取りしていた証拠を突きつけているのにまともに答えませんでした。

しかし製作者に共同通信がインタビューして配信したことで、新聞テレビにも取り上げられて逃げ道をふさがれつつあります。しかも動画制作者はサナエトークンの制作者でもあって、文春が入手したzoom音声がサナエトークンの打ち合わせだったということで、現代と文春が別個に追いかけたネタがつながりました。大まかに言えば総裁選ライバルの中傷と総選挙の小選挙区で競合する中道の大物候補者の動画をネットから拾ってAIで編集したもので、製作費は製作者が負担したものだから公職選挙法上の買収には当たりませんが、政治家やタレントの人気を利用したミームコイン発行で大儲けできるわけで、利害誘導罪には問える問題で、買収と同様当事者の罪状が確定すれば連座制で議員辞職と公職追放という処分を受けます。今回のスキャンダルはその可能性が大いにあるということです。

それはそれとしてAIがこうしたところで使われて世論を歪めてしまうことは問題です。こうした世論誘導を外国政府のエージェントが行えば事実上主権侵害となる問題で、デジタルチンピラにシノギを与える隙があったという意味で、高市首相の対応は危機管理の観点からも問題です。経済安保で諜報機関を作ったりしてますが、足許が心許ないじゃシャレになりません。また悪意を以て政権を乗っ取ろうとする動きは国内どころか与党からさえ出てきます。例えばこれです*3。これ故高松宮寛仁親王の信子夫人が麻生副総裁の妹で、政略結婚が疑われて寛仁親王没後離婚しています。そんな麻生氏の肝いりで降って湧いたのが「両院議員の総意」として提出された皇室典範改正議論です。麻生氏の息のかかった旧宮家男子を養子で押し込めば皇室乗っ取りすらできてしまいます。流石に利害のある問題なので徳仁天皇は皇太子時代のお世継ぎ質問に人権発言で答えコロナ禍の五輪名誉総裁としての開会宣言を宮内庁を通して断った人です*4。マジキレです。まあ道鏡の轍を踏む旧宮家男子が現れる可能性は低いですが。

てことで本題ですが、AI規制に慎重だった米トランプ政権が突然ミュトス級AIの外国人利用に規制をかけました。一応アンソロピックの提言をG7財務省中銀総裁会合で取り上げられたこともあり、それを受けての米政府の規制とも考えられますが*5、実際にはそうれを口実にした米政府のアンソロピックいじめです。軍事利用を理由に国防総省への提供を断ったことの報復です。ただアンソロピックも株式IPOを申請しており、政府との対立もその為のマーケティングじゃないかという疑いも持たれています*6。

今年はスペースXを皮切りにアンソロピック、オープンAIと大型IPOが続きます。但しイラン戦争の影響でインフレが昂進しており、既にECBは利上げを決めたほか、上田総裁欠席ながらも日銀も利上げに動くとみられており*7、米FRBも新議長の下でも利下げどころか年内利上げの観測すらあります。ガソリン価格高騰のみならず雇用統計の強さも利上げを示唆します。そんな中で集中する大型IPOを支える余剰資金の不足が心配されており、インフレに伴う長期金利上昇と連動して売られる債権市場からのシフトだけでは間に合わず、AI半導体関連以外の既存株の倍棄却が起きています。株式ETFでも投資ポートフォリオの見直しで既存株を売ってIPOに備える動きがあります。

これアメリカだけの話じゃなくて日本にも波及してます*8。立役者はキオクシアです。不正会計で破綻した東芝の再建のために売られたメモリー半導体大手ですが、AIデータセンター投資に伴うメモリー需要でAI銘柄とみられて東証の時価総額トップの座をトヨタから奪いました。ただ日本の場合にはキオクシアを外れ値と見れば既存企業の株価は業績好調にも拘らず上げたり下げたりでほぼ横ばい。寧ろスペースXのIPO資金捻出とみられる売りすら見られます。円安ですから日本勢は余分に資金をねん出しないと競り負けます。てことでAI投資に関しては日本にはほぼ勝ち筋が見えません。但しAIがどんな素晴らしい未来を約束するかといえば、冒頭の中傷動画みたいな即物的な錬金術に使われて人々を不幸にするだけではどうしようもありません。新しい価値を生みだす道筋は見えません。まして余剰資金の海外流出は国内投資をますます困難にします。

羽田空港D滑走路で航空機のタイヤパンク事故が2件続いて、その原因が滑走路の破損ではないかと言われています。検証はこれからですが、多摩川河口の水流を邪魔しないために桟橋方式で造成され、試験を繰り返して強度や耐久性に問題がないことは確認されましたが、問題は河口にかからない部分は従来通りの埋立方式で造成されていて、その境界部のジョイントがめくれているのが確認されているということです。これを単純な経年劣化と見て良いのかということです。強度や耐久性に問題がなくても、沈下の可能性がる埋立造成との併用で、ジョイント部がどのように作られているかはわかりませんが、ウイークポイントになる可能性はあります。強度や耐久性に問題がないのなら、全面桟橋方式の造成でも良かったのに、埋立と併用となった経緯が問題になります。おそらくコスト面の問題と土木工事で発生する残土処理の都合が重なったというあたりでしょうけど、日本の玄関口となる重要インフラがご都合主義で作られたとすると問題です。

上述のキオクシア以外の株価停滞の典型は運輸株ですが、ANAとJAlは頃中から回復して業績好調にも拘らず株価がさえないのはホルムズ封鎖に伴う航空燃料の高騰で早くも27年3月期の業績見通しに暗雲で、特にANAが厳しい状況です。意外ですがJALは不採算路線の整理で単価の高い北米路線のウェートが高いことと、やはり北米路線中心の国際線LCCジップエアの連結業績も寄与してます。また中国路線は例の戦狼外交で中国エアラインの運休*10で寧ろ搭乗客が増えていたりします。それでも航空燃料高騰で燃油サーチャージがシャレにならない水準になっております。それでも非運輸事業へのシフトで先んじるJALのほうが有利と言われます。JALはすでにJR東日本との提携を発表してますが、JR北海道や九州など三島会社との提携には可能性がありそうです。工事の遅れで開業が見通せずB/C比悪化で事業そのものの在り方も問われている北海道新幹線を当てにするだけが能じゃないかも。ちなみに工事を巡る談合事件でも揺れてます*11。限られた財源で進める工事は談合で益出しするしか受けられないという意味でリニア談合に通じる問題です*12。

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Saturday, June 06, 2026

リニアひろばと謎の都市計画道路

相模原市の話題です。リニア神奈川県駅脳工事が始まりましたが、橋本駅南口に盛土の高台が出現しています*1。上はリニアひろばと称する神奈川県駅の工事現場を見下ろす公共空間として開放されています*2。平成の大合併で政令市の仲間入りした相模原市ですが、市役所のあるJR相模原駅と交通の結節点と言える小田急相模大野駅とJRと京王の橋本駅いずれも政令市としての集積度は低く、相模大野は町田の商圏に飲み込まれてますし、橋本は製造工場の集積はあるものの集客施設は乏しいところですから、リニア神奈川県駅の設置は相模原市にとっては地域活性化のチャンスともいえる訳で力が入ってます。元々人口が多かった合併前の相模原市ですが、市域を国道16号線が縦断していて基本的に自動車社会なので人の集まる集積地はできにくく、製造業の立地は多いけど閉鎖して商業施設や住宅団地になるところもあり、都市計画の困難な地域ではあります。 そんな相模原市で都市計画道路をめぐる市と住民の対立が起きています。大西大通り線と呼ばれる新たな都市計画道路ですが、1㎞程の区間に住宅100棟他の民有地を通ることから住民との対立が起きています*3。住民が反対する理由は2年前に突然の都市計画道路整備であり、市の説明では圏央道相模原ICとリニア駅のアクセス改善と周辺道路の渋滞緩和ということですが、物流幹線としてトラックの通行が多い圏央道と旅客輸送のリニアをつなぐ意味がよくわからないですし、ICに繋がる道路の起点の橋本五差路の混冊は日常化してますが、事実上行き止まりの橋本駅に通じる道路で混雑緩和に資するとも思えません。ただルートが中央リニアルートのほぼ直上ということで、なるほど民有地下の都市トンネルならば避けられない地上権設定による地代の発生を回避する狙いが透けて見えます。 リニアの事業主体はJR東海ですが、建設工事に必要な用地買収は各自治体に委託されています。特に中間駅設置自治体にとっては地域活性化のチャンスとばかりに都市計画を策定して事業に協力するのはわかりますが、このケースで謎なのは同じ用地買収でも地上権設定と立ち退きを伴う道路整備とでは難易度が違うことで、相模原市はわざわざ面倒なことをしているように見えることです。公共道路下ならば地代は発生しませんから結果的にJR東海に便宜を図る形になります。例えば市職員OBの天下り斡旋のような癒着があるかもしれません。そもそもJR東海には事業費圧縮の動機があります。 中央リニアに関しては2008年委にR東海が東京~名古屋間を自前での整備を打ち出して、その際の事業費を5.1兆円と見積もっていました。この金額は奇しくも市感染買い取り代金の総額と同じで、2017年に終わるローンの終了によるキャッシュフローの余剰をあてにしたものとみられます*4。その際に最短距離の南アルプスを頂戴トンネルで抜ける直行ルートで1件駅の原則を掲げるとともに、中間駅は請願駅ルールで地元負担を求めていましたが、後に方針変更して中間駅設置費用もjr等買い持ちとなりました。おそらく東海道新幹線南びわこ駅凍結を踏まえたものでしょう*5。自治体のちゃぶ台返しを封じたかったか。 結果的に事業費は5.3兆円に膨張した一方、中間駅は予約したアプリチケット所持者しか入場できない無人駅として駅位置もJR東海の都合で決めることにしました。その結果例えば地元はJR飯田駅併設を希望していたのに隣の高森町の市田柿農家の散在する田園地帯に変更されっました*6。飯田市はJR飯田駅貨物扱所の廃止に伴う跡地を将来のリニア駅用地としてバブル期の高値掴みで購入し、市営パーキングにして準備していたのに裏切られた形ですが押し切られました。飯田市より地価の高い相模原市ではその比ではないわけで、実際神奈川県駅の具体化には時間がかかりましたが、相模原市の積極関与で公共施設の統廃合などで用地をひねり出して着工に至りました。駅西側のルート上の民有地通貨もおそらく大深度地下トンネルとして地上権設定せずに施行した調布市の陥没事故*7や品川区の隆起、町田市の地下水噴出、瑞浪市の陥没などトンネルルート上のトラブルが相次いだことから、文句を言われないための都市計画道路整備と見ることができます。しかも相模原市の都市計画道路ですから矢面に立つのは市であってJR東海は関与せずの立場が取れるわけです。 それでも当初5.1兆円だった事業費は5.3兆円からコロナ禍による工事遅延や働き方改革の24年問題などで膨張一途で5.5兆円から一気に11兆円と倍増し、しかも2027年の開業断念どころか今後も人件費と資材費の高騰でいつになるかわからない。ましてや大阪延伸はほぼ無理というところまで来ています。静岡工区では動きがみられますが、県知事の容認姿勢とは裏腹に市長村レベルとの話し合いはいまだ続いていて終わりが見えないし、何よりトンネル残土の処理もめどが立たず、特に岐阜県御嵩町では重金属を含む要管理残土による湿地の汚染問題で反対運動が起きています。御嵩町といえば名鉄広見線の新可児~御嵩間の廃止問題もあり、特に可児市の塩対応で御嵩町が割を食うという問題も起きています。メガロポリス集中の害悪をダブルで受けているわけです。こんなことで地方創生なんか出来っこありませんね。

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Saturday, May 30, 2026

AIするチャッピー

運転再開*1。結局PC買い替えましたが、ソフトとデータの移行に手間取っています。AIが仕事を奪う未来とは異なるニュースですが、一部でそう見られているの草*2。巨人阿部監督が長女に暴行し、長女がChotGPTに相談して児童相談所に連絡し、それを受けて児相が警察に通報し、暴行罪容疑で現行犯逮捕されたということです。5時間の取り調べの後魁皇されており事件化されませんでしたが、有名人ということで話題になりました。

先に申し上げておきますが、誰であれ暴力は許されません。特に家庭内暴力でも特に父親による配偶者や子に対する暴力は、往々にして被害者が口を閉じたりむしろ父親を擁護したりもします。扶養関係で経済的な依存がある場合は特にそうです。その意味で直ちに警察へ通報した児相の判断は正しいし、すぐに動いた警察も正しい対応です。記者会見で代理人弁護士が代読した長女の手紙と称する文書を代読して、その中で長女が「大ごとになって反省している」とあることにも表れてます。この手紙も本物かどうかもわかりませんし、仮に本物でも当事者間の親書を公開の場で読み上げることの違和感もあります。結果的に長女はSNS上でバッシングされてます。結局加害者の阿部元監督は釈明のために長女をダシにしてますし、しかも謝罪相手は迷惑をかけた球団と関係者やファンに対してのものです。ますは長女に謝れ!

当然ながら仕事を失ったのは加害者本人の問題であってAIのせいじゃない。しかし若い年代ほど悩みや困りごとをAIに尋ねることもまた確かで、ChatGPTをチャッピーの愛称で呼んだりしていて、それだけ相談できる頼りになる大人が身近にいないってことなんでしょう。声のデカいオヤジには尻のすわりの悪い話かもしれませんが、AIに仕事を奪われるのは高学歴文系事務職などの労働代替の話です。でも高学歴文系事務職はブルシットジョブをシレっと編み出したりします。例えばAIの未来を吹聴したりAIの使い方やプロンプト作法とか有象無象が早速表れてます。わからないことをカネで解決しようとすればこうなるわけで、管理部門が肥大化して価値創造の現場が搾取される資本主義社会の宿痾です。

一方で株式市場はAI一色で、AIの物語*3に深く反応してます。ニューヨークのみならず東響も高値更新です*4。10社程度の半導体関連企業が相場を押し上げており、その他の一般株は下げているものも多数という状況です。そして取引高も更新されていて、海外勢による買いが集まっています。これは」ニューヨークの相場が上がりすぎたことによるリスク分散の意味もありますが、AI関連が牽引する構図は同じです。イノベーションで異次元の効率化による生産性向上の思惑からAI関連に資金が集まりやすい状況ながら、同時にAI相場への疑問もあり一進一退のボラティリティの高い相場となっています。ボラティリティの高さには別の要因もありますが*5。AIを用いた株式投資が増えて、AIは合理的に同じ判断をして相場を動かすから動きが大きくなるという弊害をもたらします。元々市場は参加者の異なった思惑が交差する中で相場が形成されるものですが、AIはそんな無駄なことはしないからこうなる訳で、AIは実は市場経済と相性が悪いんです。これ内緒^_^;。

AIの」危険性を示したアンソロピックですが,システムの脆弱性発見の能力の高さが悪用の危険を示唆するのは確かでも、限定ユーザーにしか公開されないから実態はわからず、寧ろ米トランプ政権との対立を解消した上で持論のAI規制を飲ませる狙いがあった可能性はあります。実際時価総額ではオープンAIを超えています。いずれにしてもソースコード非公開なので検証の手段はありません。実はAIの一番の問題はここれでしょう。若者が依存するように、ユーザーを依存させて囲い込み、データで丸裸にして心地よい消費を促すデジタルペットとして飼われる存在になります。まるで家畜人ヤプーのディストピアです。

てことで最後にやや野球ネタ。新秋津の連絡船を介した観光列車直通で提携するjr東日本年と西武HDですが*6、TELと秩父のほか狭山のベルーナドームや東海道線の小田原もターゲットとか。小田原は伊豆箱根鉄道のバスの拠点でもあり、小田急と箱根山の因縁はあるものの、今は和解して共同企画キップを売り出す関係ですが、セパ交流戦で西武がヤクルトに2勝1分けは勝ちすぎ?国鉄由来のスワローズをやっつけちゃったけど提携関係大丈夫かwwww。車両はラ・ビュー登場で秩父特急から退いたニューレッドアロー10000系ということで小田原では小田急ロマンスカーとの並びが実現するかもしれません。

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Sunday, May 24, 2026

運休のお知らせ

PC不調につき運休いたします。...

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«AIの物語が終わるとき