Thursday, September 30, 2004
型式認証の厳格化で新車の型式認証が遅れ、9月からの排ガス規制適合車種が発売できない異常事態にあった三菱ふそうですが、9/28に一部が認証されました。
今回認証されたのは、中型トラックファイター58型式、中型バスエアロミディ4型式、小型バスローザ7型式で、後輪ハブの安全性確認が遅れている大型車は含まれず、型式認証を厳格化した5月以来発売が止まるという異常事態が続きます。このことと関連して今回の一部認証に批判的な声も一部にあるようで、就任したばかりの北側国交相は「いかがなものか」とコメントしてます。
一方の国交省係官は「要件を満たす以上認証せざるを得ない」ということで、この場合、型式認証が法令に基づく行政実務である以上、国交省係官の方が正しいわけですが、有権者に安易にリップサービスする政治家にも困ったものです。
私は以前の記事でも書きましたように、恣意性を疑われる認証の厳格化にも疑問を呈しておりますが、百歩譲っても元々認証後であっても、事後に不具合が明らかになったときにメーカーの責任で無償修理するリコール制度を理解していないわけですから、笑ってやりましょう^_^;。
先日今年度3回目の株主総会を開いた三菱自工ですが、普通株転換時に株価が下がっていると割り当てが増えるという特殊な優先株を発行し、その大半は三菱東京、重工、商事のグループ中核企業が引き受けたものの、一部をJPモルガンが引き受け、さらに三菱系投資ファンドのフェニックスキャピタルが普通株を引き受けてJPモルガンに貸し株している(つまり株価を下げる空売りをさせている)というきな臭い話が週刊東洋経済9/18号に載りましたが、ユーザーや一般投資家を無視してマネーゲームを仕掛けているあたり、既に三菱グループとしても再建を諦めたかもしれない感じですが、ユーザーの支持が強い三菱ふそうは、ダイムラークライスラーの支援も続いていることもあって、個人的にはセーフかなと思っておりましたが、どうも国は三菱ふそうを潰したいらしいですね。
もちろんこの事態を招いたのは経営陣ですから、責任とってもらいたいですけど、片棒を担がされた社員やディーラー関係者には同情を禁じえません。ただしこの事態を回避できなかった組合幹部は論外ですが。
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Tuesday, September 28, 2004
経営再建計画を実施中の東急ですが、2005年3月で計画が終わるのを期に、渋谷再開発で攻めに転じます。
9/28の日本経済新聞朝刊によれば、2012年度予定の東横線渋谷駅の地下移転後に予定される再開発事業へ向けて、機動的な意思決定をはかるために、百貨店を完全子会社化するものです。
大まかには現東横線渋谷駅跡地の一部をJR渋谷駅の拡張用地に差し出して、代わりにJR駅上空に建設予定の再開発ビルの権利を得るといったアウトラインになると思われます。丁度西口で営団、京王電鉄と共同で取り組んだ渋谷マークシティの開発手法を大掛かりにしたイメージでしょうか。当然百貨店(東横店)の増床計画を絡めることになるわけですから、意思決定の迅速化の意味は大きいと言えます。
そのために手元資金200億円で百貨店株の公開買い付けと不足分は電鉄株との株式交換で賄う予定です。そして次年度からの攻めの経営に移行するために、ハンズ株の売却を決定、あと福利厚生施設の売却益などを確定拠出年金移行に伴う特別損失に充当し、2000年度に多摩田園都市の未開発地売却に始まる一連のリストラを終えるということです。
バブル期に肥大化し、グループ各社で事業部門の重複が目立つなど、ケイレツの非効率が目立つようになった東急ですが、やっと整理がついて次のステップへと言いたいところなんですが、例えば百貨店では優良店の日本橋店を身売りしての再建計画が買い手がつかずに手こずったり、観光客の減少に苦しむ伊豆急行の救済のための完全子会社化など、チグハグな感は否めないところでして、今回のハンズ株売却も、業績好調で株式上場間近と言われるものを現時点で売却することについての疑問はあります。
渋谷の再開発事業そのものも、2012年の渋谷駅地下化以降に取り掛かるものですし、その成果が出るのはさらに後の話ですから、かなりきわどい賭けの要素があります。
とはいえ渋谷は東急にとっては事業の核となる場所でもあり、マークシティ開発で低年齢化に歯止めをかけようという意図はある程度成功とみてよいでしょう。そのあたりで自信を取り戻しているのかもしれません。結果が出るのは先の話ではありますが。
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Saturday, September 25, 2004
週刊ダイヤモンド9/18号に埼玉高速鉄道新社長の杉野 正氏のインタビューが載っています。杉野氏といえば田中康夫知事の要請でエイチアイエスから派遣されしなの鉄道社長に就任し、1年で単年度黒字に回復させた敏腕経営者です。今回埼玉県の上田知事に乞われて埼玉高速鉄道社長に就任したもので、熱い抱負を語っていました。
鉄道事業の素人であることで、しがらみの無さから成功したしなの鉄道再建でしたが、今回の埼玉高速鉄道の場合は、素人であることがもたらした失敗といえます。
日本経済新聞9/25朝刊首都圏経済欄の記事によりますと、東京地下鉄(東京メトロ)から出向後転職した61歳以上の運輸部門の社員の給与を700万円台から300万円台へ半減させる改革プランを杉野社長は7月末に打ち出したところ、社員の猛反発にあって該当する社員から雇用契約期限の9.21で退職を通告され、運行停止の危機に陥り、社長の謝罪文と共に案を撤回して事なきを得たということで、前代未聞の運輸社員の退職による運行停止を辛うじて回避したそうです^_^;。
営業費に閉める人件費の比率が3割強という状況では、人件費にメスを入れること自体は避けられないところですが、該当する47人の社員は、全社員の2割程度ながら、運輸部門の中枢である指令部門に偏っていたことが、運行停止の危機を生み出すことになりました。技術部門などでも同様の事情があり、また事実上東京メトロ南北線の延長線であるという特殊な路線立地の影響もあります。
東京メトロでは「土屋前知事の要請で株主にもなり、人的協力もしてきた」と憤り、埼玉高速には転職者以外にも39人の出向者を派遣している状況での性急な改革が、問題をこじらせたといえます。専門性の高い鉄道事業では、プロパーの現業社員の育成に3年程度の時間がかかります。新規開業の鉄道の場合、当初は他社の人的支援に頼らざるを得ない弱点が、性急な改革で露呈したわけです。
この問題は、大都市近郊三セク鉄道に固有の問題といえます。東京メトロの前身の帝都高速度交通営団は、ご存じ特殊法人で、首都東京のの地下鉄の建設と運営を行う主体ということで、旧国鉄と東京都などの出資で設立された経緯から、都県境を越える路線の新設には制約があります。とはいえ東西線と有楽町線はそれぞれ千葉県と埼玉県に路線を伸ばしてますが、前者は公社時代の国鉄の要請で当時の総武線の混雑緩和のための緊急避難として建設され、後者は主に東武東上線との接点を和光市駅に求めた結果で、本八幡1駅だけのはみ出しに都議会の承認が必要だった都営新宿線のケースと決定的に違うのは、国の機関として超越的に振舞う権限を有していたということです。
えと、まわりくどい話で恐縮なんですが^_^;、もろもろの制約を取っ払って営団自身で浦和美園までの路線を作ることはあり得たかどうかと考えてみればわかりやすいんですが、収益性の高い路線ならば、営団自身で理由をつけて作った可能性は否定できないんで、特殊法人改革で民営化された東京メトロではなおさらといえます。その意味で埼玉高速の不振は、元々収益性の低い路線を無理に建設してしまったことにあって、多少の経営改革で簡単に直る類の話ではないわけです。
都心側の路線の事実上の郊外延長線という路線立地では、整備にかかる追加コストが相対的に低く、また都心側の路線の培養線としての意味があるなど、スケールメリットが活かせるという意味で、同一事業体による延伸の方が合理性があるわけです。それを敢えて行わなかったことの意味というか重みというか、そういうものが都市近郊鉄道に固有の難しさといえるかと思います。同様の路線立地の北総開発鉄道や東葉高速鉄道が軒並み不振にあえいでいるのは偶然ではありません。
ただ実際都市近郊でも路線新設にかかる費用は莫大で、一般論として既に民間ベースの採算事業にはなりえない状況があり、鉄道の公益的性格からいって公的な資金を活用することそのものは、考えられてしかるべきでしょう。でも三セク鉄道が解答ではないことははっきりしているといえます。鉄道建設の資本費負担の大きさを考えると、上下分離に解があるのは自明かと思われますが、日本の法体系では基本的に鉄道への助成は公的主体に限定されている傾向があり、補助金を得る方便としての第三セクターという側面が強いために、鉄道への公的助成のあり方についての議論が深まりません。
ま、上田知事にしてみれば、土屋前知事の負の遺産の後始末での躓きというのは面白くないでしょうけど、功をあせらないことが肝心でしょう。
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Friday, September 24, 2004
一連の騒動も、とりあえず球団側と選手会の歩み寄りによって、ストが回避されたことは喜ばしい限りです。実際はこれからが改革の本番なんで、まだまだ気が抜けないところなんですが。
で、選手会のがんばりにエールを送りつつ、そこはかとなく感じる違和感というか、無力感のようなものを感じてしまうのは何故なのか、そのあたりを書きたいと思います。
どうも今回のプロ野球選手会のがんばりですが、組合本来の役割を見事に果たしたという意味で、特筆にあたいするものではないかと思うんです。戦後になって認められた労働者の争議権ですが、私たちが見てきたものといえば、イデオロギーに侵されて労働争議に名を借りた政治運動であったり、その対極に位置する労使協調路線の御用組合の両極端ばかりで、実際に組合員の生活と雇用を守る役割は忘れ去られていた感じです。実際「失われた10年」と言われた90年代に、リストラ、賃カツ、外部委託で切り崩された組合のなんと多かったことか。こうなる前に時短と賃下げを組み合わせたワークシェアリングになぜ取り組めなかったのかが悔やまれます。
今回の球団側と選手会の合意事項は、時短はともかくとして、賃下げやサラリーキャップといった選手会側にも痛みのある内容ですし、ドラフトの見直しなどの課題も提示されています。選手にとっても年俸を下げられるかもしれない話ですから、よくぞ仲間割れせずに団結を維持できたものと感心します。
「プロ野球スト、団結と分断」のページでも触れましたが、労使の争いでは、常に労働側が多人数で経営側が少人数となります。経営側内部で利害の衝突があっても、調整に費やす時間やエネルギーは相対的に少なくて済みます。対して労働側は、意思統一をはかって調整するだけで時間と労力を浪費します。その上経営側からは切り崩しを仕掛けられます。元々労使は対等ではないんですね。
今回のプロ野球ストでは「高給取りのプロ野球選手が何を言うか」「違法なストであり、霜害賠償も辞さず」などの圧力発言が相次ぎました。さらに個別にはクビをにおわされた選手もいるようですし、実際スト突入前の選手会内部の事情は、必ずしも一枚岩ではなかったようです。
ま、ここまで来れたのは、ファンの後押しがあったためといえるかもしれませんが、ある種退路を断って擬似的な共犯関係を選手会内部で醸すことができたことが勝因かもしれません。で、それは私自身の過去も含めて、日本のサラリーマン社会にもっとも欠けていたものではないかと感じます。
自分の受け取る給料が上がることには興味があるけど、それ以外のことには反応しない組合員を抱えていては、組合の執行部も賃上げ闘争に傾斜せざるを得ないですし、会社がつぶれるなんて考えもしないから、会社からより多くのものを引き出すことに重点が置かれてしまうんですね。雇用を守るために経営陣に注文をつけるなど夢のまた夢、まして組合員に向かって「痛みを分かち合おう」などとは口が避けても言えないわけです。
その結果どうなったかといえば、多くの企業が国際競争にさらされて利益を確保できなくなり、また厳しい現実を忘れさせる粉飾や手抜きの横行で、不祥事が表面化して破綻した企業も少なからずあります。営業部門は常に期末の数字操作の魔力にはまり、決算後にいつのまにか取り消される架空売り上げで数字を作り、心地よい実績に酔っていました。その数字を鵜呑みにして銀行も貸し出しをしました。それが後になって裏づけがあやしいということがわかって、いわゆる不良債権となったわけです。あるいは管理の手抜きやリコール隠しなどで見かけ上のコストを低く見せて「他社の追随を許さない」競争力に酔いしれて不祥事を起こした企業など、枚挙に暇がありません。
今回のプロ野球スト騒動では、選手会はそうではない労働争議のあり方を見事に描き出してくれました。それなりに(無駄に^_^;)サラリーマン生活の長い私としては、ある種打ちのめされた感覚があるんですね。スト回避自体は喜ばしいニュースではあるけれど,思いは複雑です。
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Monday, September 20, 2004
日本経済新聞9/20の月曜特集で取り上げられてましたが、北海道伊達市と島根県西ノ島町(隠岐諸島)の取り組みです。
過疎化に悩む地方にとっては、定住者を増やすことが喫緊の課題ですが、団塊世代の年金受給開始をにらんで、定年退職者を定住者として呼び込もうという取り組みが始まりました。
伊達市では北海道としては温暖な気候を生かして、乗合タクシーや高齢者向け住宅など、高齢者が住みやすいまちづくりを目指すもので、民間主体で取り組んで採算事業にするという意欲的なもの。既に人口が5年で700人増加し、昨年住宅地の基準地価上昇率が全国トップになるなど、効果が現れています。
一方の西ノ島町では、現役世代のUターンIターンを狙っても魅力のある雇用の場を提供できずうまくいかないところを、年金生活者ならば働かなくても生活に困らないという逆転の発想から、都市生活経験のあるスキルを持った退職者を招いて産業基盤を育成しようというものです。離島のハンデで現役世代定住者の取り合いは難しいけど地域の弱点を見据えた上での、身の丈に合ったやり方といえます。
地域活性化というのは、つまるところ地域にお金を落とし、落ちたお金を地域で循環させることです。工場誘致、企業誘致だけが手段ではありません。むしろ工場誘致で地域活性化を狙った多くの地域が、中国の台頭など製造業の空洞化で廃墟を抱える羽目に陥りつつある現在、従来の常識では福祉負担の元凶のようにマイナスイメージで語られることが多い高齢者を敢えて迎え入れることで、活性化を達成しようというのは、見逃せない変化といえます。
少子高齢化、人口減少社会というと、国の将来が危うい、手を打たないと大変なことになるという論調で語られることが多いんですが、このような変化を捉えて対応していくことで、実は肥沃な大地が広がっているということを見過ごしてはいないでしょうか。
特に団塊世代は高度経済成長下で青春を過ごし、元々消費性向の高い世代といえます。加えて破綻寸前と言われる公的年金制度の中では「勝ち逃げ」を果たす世代でもあり、彼らが生産を離れたときに、かねてから言われていた内需主導の経済成長が本当に始まるのだろうと思います。ただし変化に対応するためには、古い殻を脱ぎ捨てる必要があります。伊達市のケースでは民間主体が事業を行いやすいように規制緩和で側面支援することが公的部門の役割という認識があって、初めて可能な話です。こういったことが本当の意味での「構造改革」なんですけどね。今後他地域へ広がることを期待したいと思います。
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Sunday, September 19, 2004
日本経済新聞9/19朝刊の話題です。
国土交通省は、赤字のために設備更新が進まず、競争力維持が難しい地方鉄道に、近代化補助の名目で約60社に国庫補助を行ってきましたが、増客で収支が好転する例はほとんどないということで、来年度から黒字転換が見込める事業者への支援に切り替えるということで、支援先の選別を行い、補助率を2割から3割に高める一方で、黒字化の見込めないところは、バス転換への切り替えを促すことでメリハリをつけて補助の実効性を高める狙いを打ち出しました。
鉄道会社と自治体には、5年間の再生計画を求め、補助対象も鉄道施設に限定せずパークアンドライドの駐車場整備など集客のための周辺整備事業を含め、地域再生につながるアイデアを求めるということで、どちらかといえば従来より自治体のコミットメントを明確にしています。
地方私鉄に乗車すると、線路際に立派な巨大箱モノがあるのに、駅が無くて電車が素通りという悪い冗談みたいな光景に出くわすことも珍しくありませんが、そういう意味でやっと補助制度として「まとも」と言えるレベルに達した感はあります。しかし早く気づけよな-_-;。
経営基盤の弱い地方中小私鉄がとりあえずの対象で、JRのローカル線はこの限りにはありません。でも広島都市圏の末端に位置する可部線の可部以北のように、JRにはより多くの廃止手続きを求めはしますが、廃止されるときはされます。今年台風の直撃にあって5箇所も鉄橋が流されて休止中の福井県の越美北線のように、天然災害が引き金になる場合もありえます。このあたり自治体によって意識にズレが生じる可能性もあり、制度としての完成度はお粗末なレベルに留まりますが。
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阿由多さんからトラックバックをいただきました。いかなる決着が待っているのかはわかりませんが、選手会がスト突入したことで、選手会側はむしろ一線を越えて退路を断った形になり、結束を固める結果となりました。
むしろ球団側のほうが、何故新規参入が2006年度からでないと無理なのか(少なくとも野球協約上は11月30日までに加盟申請することが条件付けられており、文字通り解釈すれば来期からの新球団参加は可能なはずです)、さらに遡れば近鉄の買収に手を上げた企業が現れた時点で、赤字を理由とした合併の意味そのものも揺さぶられているわけです。何か今は明らかにできない「模範解答」があることを予想させます。
でもそれは言えない。そりゃオーナー同士の阿吽の呼吸で決め事が進んでいるのであれば、球団社長・代表クラスでは何も言えないのも無理からぬところです。何しろ球団オーナーは日本に12しかない「名門」ですから、何か決めるのにいちいち他人にお伺いをたてるいわれなどないのでしょう。
とすれば交渉に当たった球団代表は、いかに選手会の目先を誤魔化してスト回避させるか、スト回避が不可能ならばいかに選手会を悪者にするかという「使命」をもって交渉に臨んだわけで、誤魔化されず突っぱねた選手会は結果的に正しい判断をしたことになります。
さらに冒頭に書いたように、一線を越えることで、選手会としても後戻りできなくなったわけで、スト突入前は温度差のあった選手同士の結束は、むしろ深まったと考えられます。ここまで読んでいたとすれば、古田は並外れた優秀なリーダーといえます。
むしろ球団側は動きすぎた。10球団1リーグという絵を誰が描いたかはわかりませんが、経営側の方が少人数ですから、情報の共有も秘密保持もやりやすいはずですし、以前ならば実際そのように推移したであろうことが、あの手この手を使ってなお進まず、むしろ手詰まり感すら漂っているというのは、確実に時代が変わったことを実感できます。根来コミッショナーの辞意表明も、江川の「空白の1日」問題で巨人の身勝手の追認機関でしかなかった現実が壊れていることを実感させます。
というわけで、まだまだ波乱を予感させますが、何年後かに今回のストを「やってよかった」と振り返る日が来ることを予想させる展開になりそうです。
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Saturday, September 18, 2004
旬の話題にシフトします。プロ野球のあり方云々は置いといて、労働組合としてのプロ野球選手会のことについてつらつらと。
先週末のスト延期が12球団維持のための新規参入規制の緩和などの条件闘争への切り替えであったであろうことは、外野からもわかりますが、結果的に経営側の約束が空手形に終わりそうな気配から、スト突入となったんですね。
この展開は正直読めませんでした。ただ選手会長の古田ががんばっていることだけはわかります。そもそも選手会も一枚岩ではないわけで、合併が決まっている近鉄とオリックスの選手は、直接的に自らの雇用が危機に直面しているわけですから、強硬な態度を取るでしょうし、中日などリーグ優勝が見えている球団の選手は、ストなどでペナントレースにケチをつけたくないでしょうから、選手会内部の温度差は大きいといえます。
あと球団側による選手の切り崩し工作もあって、「プロテクト枠から外す」とか「引退後どうする?」みたいな恫喝まがいのことも行われているようです。巨人首脳の「スト決行ならばペナントレースは無効」発言も、「違法ストで霜害賠償」発言を受けたもの、つまりパリーグのプレーオフも日本シリーズも無くなって損害額が大きくなるという意味の圧力発言といえます。
プロ野球選手のストについては「高学年俸を取る選手がストなんておかしい」という声があることは承知しておりますが、事が選手の雇用に関わる話ですから、スト自体には一定の正当性があると言えるでしょう。そもそもFA制度によって年俸が高騰したのは、制度の問題であって選手が悪いと言えるのかどうか。
一般サラリーマンでも円高で結果的に世界一の水準となった日本の人件費が、競争上劣位となってリストラの口実となったことを忘れないようにしましょう。プロ野球選手でもFA制度が始まってから高学年俸を理由に自由契約になったベテラン選手は多いんで、何か年功賃金制ゆえに高騰した中高年サラリーマンの話に似ています。
確かに球団の合併とか新規参入規制の緩和などは、経営の専管事項であって、それ自体は労組が口を挟む問題じゃないといえますが、それを言うのはまともな経営ができている前提での話です。経営者がアホで会社が無くなるというときに「経営の問題だから口出ししません」なんて労組だったら救われませんね。
やや散漫になってしまいましたが^_^;、言いたかったのは、この難局に挑むリーダーとしての古田のアッパレぶりでして、一説によれば「これでヤクルト次期監督の目が消えた」そうで、かくもリスクを犯しながら、選手会をまとめているのは大したものです。どこぞのフォ-ラムマネージャー氏とは大違いです。
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Thursday, September 16, 2004
少し中断してしまいました。
≫第三者で見るって面白いですね。特に壊れる様を見るっているのは。
通信環境が整わずwebフォーラムに移行しなかったシンパ会員が「入りたい」思いでイベントに参加しようとしたら、慇懃無礼に断っちゃう感性って、既に壊れているとしか思えないですね^_^;。
あることないこと書くつもりはありませんけど、ハンドル宣言を前提としたハンドル解禁でシンパ会員に宣言を徹底できなかったばかりに、以後トラブル続きだったり、一度画像の貼りこみを禁止しながら自身で破ってみたり、それでいて一般会員がやると「ゴルァ!」と怒ってみせたりとハチャメチャです。ナベツネもかくやといったところでしょうか^。^。
ということは、そのうちに不祥事の責任とって退任するつもりかしらん(笑)。
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Monday, September 13, 2004
日本経済新聞9/12朝刊の記事の話題です。
リコール隠しに揺れる三菱ふそうですが、5月に幹部社員の逮捕など事件の拡大を受けて国土交通省では三菱ふそう製大型車の型式認証の停止を宣言しておりますが、中小型車でも型式認証の厳格化によって、9月からの新ディーゼル排ガス規制適合車の型式認証が遅れ、約百車種が発売の目途が立っていないそうです。小型で4割中型で6割を占めるだけに、影響は計り知れず大きいといえます。元々ユーザー毎に細かい仕様の注文が多いトラック・バスでは、仮に販売可能な代替車種があっても、求める仕様と違えば値引きの口実になりますし、他メーカーへの乗り換えを阻止するのも難しいところで、三菱ふそうには厳しい秋風といえます。
国交省によれば通常よりも提出資料を多く要求したり実車の検査箇所を増やしたりしたためということですが、法律実務である型式認証で通常の行政の裁量権の範囲を逸脱していないかどうかは微妙です。元々この事件でリコール制度が実はメーカーの自己申告に事実上支えられ、国交省にはメーカーのウソを見抜く能力がないことがばれてしまったわけでして、役人の自己保身のスケープゴートにされている可能性もあります。
元々商業車に関しては、国毎に各種規制が異なっていて「見えざる非関税障壁」となっている現実があります。よく誤解されるEUのユーロI,II,IIIなどの規制は、原理主義者が言うような「環境問題に厳しい欧州基準」というよりは、域内貿易の活性化に狙いがあるといわれます。ですから厳しいはずの欧州基準をクリアしたボルボのアステローぺや幕張新都心の連接バスが日本の排ガス規制をクリアできずに国内販売できなくなったという妙なことが起きています。特にボルボは国内メーカーにない車種のセールスで実績をあげていただけに、国交省による国内メーカー保護のための恣意的運用である可能性は否定できません。そういえば三菱ふそうもダイムラークライスラーという外資の軍門に下ったんでしたよね。元々国内販売の縮小で4メーカー体制維持は難しいといわれ、段階的強化される排ガス規制で買換え需要を強制的に作り出している現状ですから、新車販売ができなければ事実上生命維持装置を外されるようなものといえます。
ま、国交省は否定するでしょうけど、こういった疑惑は、日本の背中を追っている中国のような国に、恣意的に市場を歪める術を「学習」させてしまう恐れがあり21世紀を通じて影響が日本に跳ね返ってくることが心配です。ね、靖国行ってる場合じゃないよ-_-;。
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Saturday, September 11, 2004
webmasterさんにいただいたトラックバックへの反応が遅れている間に、JR東と相鉄の相直の報道がありました。これで神奈川の新線計画はまた変更を余儀なくされるわけですが、変更の歴史を紐解けば、神奈川に、横浜や川崎に固有の問題が見えてくるかもしれません。というわけでこの記事を書くことにいたします。
旧運輸省の都市交通審議会横浜・川崎部会の初めての答申が出されたのが1966年7月。建設すべき5路線と検討すべき1路線が答申されました。
1号線 伊勢佐木町~吉野町~上大岡~戸塚~湘南台
2号線 神奈川新町~横浜~吉野町~磯子~屏風ヶ浦
3号線 本牧~山下町~伊勢佐木町~横浜~新横浜~勝田~元石川
4号線 鶴見~末吉橋~日吉~勝田
5号線 大師河原~川崎~末吉橋~元住吉~宮前平~百合ヶ丘
6号線 東京~勝田~二俣川~湘南台~平塚
事業主体は1~4号線が横浜市、5号線が川崎市、6号線は未定とされていました。この答申に基づいて、横浜市は1号線伊勢佐木町~上大岡間と3号線伊勢佐木町~横浜間の免許を取得、事業主体の決まっていない6号線の二俣川~平塚間を相模鉄道が免許を取得し、それぞれ整備を開始します。
1号線と3号線の接続駅である伊勢佐木町は、首都高速神奈川1号線との調整で根岸線西側から東側に変更され、関内となります。また3号線本牧方面への分岐を想定した上下2層ホームとなりましたが、本牧延伸は実現せず、後に計画されたみなとみらい21線によって可能性が絶たれます。本牧方面への分岐線の線路スペースはホーム拡張に使われました。
横浜~新横浜間も、当初計画ではほぼ直進する形で、おそらく六角橋付近を通るものだったと思われますが、民地下を通るルートで地上権設定が必要なため住民の同意を得られず新横浜通り地下を通る現行ルートに変更されました。
港北ニュータウン開発計画の進捗に伴って具体化した新横浜から先のルートですが、結局勝田は通らず茅ヶ崎町付近にセンター北駅が設置されて4号線との接続が想定されました。さらに終点の元石川も、おそらく当初は新横浜元石川線と田園都市線の交点付近が想定されていたようですが、田園都市線にあざみ野駅が開業すると、たまプラーザとあざみ野の中間点となってしまうため、たまプラーザ接続かあざみ野接続かで東急と対立、そのしこりからあざみ野は地下鉄接続後も急行が通過しておりました。横浜市の言い分では、たまプラーザでは市境に近く恩恵を受ける横浜市民が少ないということだったようですが、結果として利用者の利便性が犠牲にされたのは残念です。
2号線は京浜急行線の混雑緩和のための別線線増線ですが、輸送量の増加が他線より早く頭打ちとなり必要性が薄れて立ち消えになりました。
4号線も計画は二転三転、目蒲線改良と東横線線増計画(目黒線として実現)に連動して東横線日吉からセンター北・センター南を経て中山方面へ向かい、相互直通を行う計画となりました。港北ニュータウンと東京都心を直結することで、港北ニュータウン開発に弾みをつけようというなかなかバブリーな計画でした^_^;。結局陽の目を見ず、現在リニアミニ地下鉄として整備が始まった横浜環状鉄道計画へとシフト、日吉~センター北~中山間が工事中です。しかし元々第三軌条集電でトンネル断面の小さい横浜市営地下鉄と別規格の新線を建設するってのは、トンネル断面縮小による多少の工事費削減効果以上に、スケールメリットを活かせないマイナスが大きいと思うんですが、きちんと検討された形跡は見当たりません。都営大江戸線では汐留と浅草線新橋を結ぶ回送線を作ってバッテリーカー牽引で馬込工場へ入場させるなど苦労してますが、横浜市でもセンター北かセンター南に渡り線を作って新羽にでも持ってくつもりでしょうか。中山方面も途中は農村地帯で、地下鉄が似合わないエリアです^_^;。
5号線もまた数奇な経過を辿ります。1985年の運輸政策審議会で国鉄貨物線の活用が提言され、武蔵野南線の旅客化が検討されることになりました。財源を得られずに全く具体化しなかった5号線計画が、武蔵野南線梶ヶ谷ターミナルから分岐して新百合ヶ丘までの「川崎縦貫高速鉄道」計画に衣替えしました。一見既存ストックの活用でリーズナブルな新線計画に見えますが、東急田園都市線と小田急線の駅勢エリアで東京都心につながらない新線が具体化することはなく、また有数の貨物幹線である武蔵野南線の旅客化も全く具体化することなくバブル崩壊を迎えます。そして再度市営地下鉄として川崎~元住吉~宮前平~新百合ヶ丘のルートで事業化が模索されますが、市長選挙の争点にまでなりながら、市民へのヒアリングで計画の見直し作業が行われ、特に利用客の想定の甘さが露呈して頓挫しています。当分具体化の気配はありません。
そして6号線ですが、二俣川~平塚間の免許を取得した相鉄では、二俣川~いずみ野間を開業させ、いずみ中央への延伸を経て湘南台までは開業しましたが、先への延長は頓挫しています。元々湘南台の西方に大規模ニュータウン計画があったのですが、バブル崩壊で頓挫し、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに化けました。緑園都市で見せたように沿線開発で開発利益を還元しながら新線建設を進めるビジネスモデルが頓挫したわけですから、現在も免許を保持する平塚への延長線は、実現可能性は低いといえます。それどころか駅前ロータリーが営業マンのパーキングエリア(笑)と化しているいずみ野駅周辺の開発も止まってしまい、東京直通に活路を見いだしたい相鉄ですが、やはりバブル時代に計画された神奈川東部方面線(大倉山~新横浜~鶴ヶ峰~二俣川及び新横浜~尻手~川崎→羽田空港方面)では投資額が大きくて実現は難しいところだったわけです。そういう意味で今回のJR東との相直運転は渡りに船といえましょう。
実現までに長期間を要する鉄道新線計画ではありますが、二転三転する神奈川地区の計画は、自治体の開発計画の不確実さに翻弄された点が特徴的といえます。「独立型都市を目指す」横浜市の意気やよしですが、東京の衛星都市としての現実に対する認識が弱いのではないかと思わずにはいられません。ヤレヤレ-o-。
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SATOさん、コメントありがとうございます。
何となくすれ違いポイントが見えてきました。端的に言えばタイトルのようなことになるんでしょう。「少数意見の尊重」が相手に伝わらない自己陶酔ならば、何も変わりません。彼らの言い分は、要約すれば「我を信じよ」ということにほかなりません。彼らはいかに多くの言葉を労して語っても、相手に伝わらず、間違いを指摘されても、キレる、トボケる、強弁するの三拍子揃います-_-;。ま、この手の人は「相手にしない」のが一番なんですが、相手にせざるを得ない場合は困ったことになります。
つーことで、自由な言論活動は大事なんですが、自分の価値観を相手に押し付けることしかできない人が、言論活動自体を台無しにする、だからその口実になる自由な言論活動は制限されるべき、ということにはならないと思うんですが。手垢に染まったフォーラムは相手にせず、せっせとブログに記事をアップいたしませう^_^;。
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Thursday, September 09, 2004
日本経済新聞9/9朝刊によれば、やはりというか、神奈川東部方面線との関係から、即答を避けたようです。
横浜市と東急、相鉄の実務者レベルでは、昨夏から研究会を発足させて計10回開催されており、今回のJR東と相鉄の相互直通運転が事業に影響するかどうか、東急では次回の研究会で調査するとしています。相鉄は神奈川東部方面線については「相当難しい」としておりますので、市長発言は梯子を外された格好の東急への配慮が滲みます。
前回記事でも書きました通り、今回の事業が実現すれば、間違いなく神奈川東部方面線の実現可能性は断たれます。しかし事業主体となるはずの相鉄は、明らかに今回の事業の実現に軸足を移しており、横浜市としては東急がOKしてくれればGOサインを出すつもりでしょう。目の前の実現可能な計画といつになるかわからない計画とのトレードオフですから、普通に考えれば結果は明らかです。
あと考えられるのは、東海道貨物線が業務エリアの新横浜を掠めて素通りすることについて、地元自治体として言い分があるかもしれませんが、次善の策として横浜線と交差する大口付近に乗換駅を設置するなどの手はあります。ただしJR東日本のスタンスとしては駅新設は全額地元負担を前提にしか協議に応じないと思いますので、その辺で揉める要素を孕んでいるといえます。
あとPrimeraさんのコメントにもありますように、グリーン車込み15連の横須賀線と10連の相鉄線の相互直通運転については、なお細部の調整が必要になります。特に湘南新宿ラインの増発でタイトになる大崎(旧蛇窪信号場)~新川崎間に相鉄直通列車を割り込ませることが可能か、特に大崎の平面交差分岐がダイヤ上ネックにならないかなど、詰めるべき問題は多数あります。あとE231系相鉄版の10000系は問題ないとして、9000系以前の在来形式は入選試験や乗務員のハンドル訓練なども必要になりますし、伊豆急リゾート21を特急「リゾート踊り子」として週末に東京へ乗り入れさせるときに、ブレーキ増圧改造が行われたことがありますが、週1往復の特急ならいざ知らず、毎日何十本も乗り入れる通勤電車では、改造費用が大きくなることも考えられ、10000系への置き換えが加速する可能性はあります。
というわけで、現段階ではまだまだ不確定要素を含む話といえます。続報に注目しましょう。
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Wednesday, September 08, 2004
日本経済新聞9/8朝刊からの話題です。
JR東日本と相模鉄道は7日、相互乗り入れ協議を開始することで合意しました。東海道貨物線の横浜羽沢駅と相鉄線西谷の間を約2.4kmの新線で結び、相鉄線から東海道貨物線を介してJR横須賀線(品鶴線の意か?)で東京都心への直通ルートとするという構想。総事業費700億円で、国土交通省が来年の通常国会で成立を目指す「都市鉄道利便増進補助制度」(仮称)を活用する意向だそうで、認められれば総事業費の1/3ずつを国と横浜市が負担し、残りを官民出資の第三セクターが民間から借り入れ、相模鉄道に賃貸して30年で償還の予定ということで、第三セクターを活用した上下分離方式になります。
実現の鍵は財政負担を強いられる横浜市が同意するかどうかになりますが、計画が実現すれば、東横線大倉山から新横浜を経て相鉄線鶴ヶ峰を結ぶ神奈川東部方面線(仮称)と競合し、同計画の実現はほぼ不可能になると考えられます。ただし事業費自体は今回の数倍かかるとみられるところから、実現可能性は今回の計画の方が高いわけですから、横浜市としても考えどころでしょう。
相鉄では近年沿線開発にブレーキがかかってきており、東京都心への直通に期待がかかります。
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Tuesday, September 07, 2004
東海道線を普通を乗り継いで西へ向かう人は、熱海から先の電車の混雑に苦労することになります。そう、JR東海エリアで、なぜか混んでる普通電車の話です。
鉄道ファン的には、JR東海の313系は、綺麗でシートが良くて速くて立席スペースも広くて、JR東日本の走ルンです(10月改正で東海道線デビューしますが)と雲泥の差と認識されてます。でも冷静に考えると、JR東日本の方が座席定員は多いんですね。長編成だから当たり前ではありますが。
では問題ですが、E231系近郊型基本10連(小山編成)と313系基本盤台4連の1両あたりの座席数はどちらが多いでしょうか。正解は前者なんですね。E231系10連=51.7人/両、313系4連=50人/両というわけで、思ったより差がついています。実は運転台スペースが長編成の方が少なくて済みますので、結果的に座席数が多くなるわけです。
民営化後、狂ったように列車の短編成化を進めてきたJR東海ですが、民営化当時在籍車は国鉄型の113系が中心で、列車増発を追加費用をかけずに行うには、短編成で高頻度に走らせれば良いわけで、そうしたわけです。113系も多座席設計で基本番台4連で70人/両ですから、窮屈なことを我慢すれば、座席数自体はそれなりに確保されていたといえます。
さて、旧式の113系を新型車に置き換えることになって、登場したのが313系だったわけですが、名古屋地区新快速に使われた311系が混雑で苦労したことを「反省」して、扉間5列の転換クロスシート(311系は6列)で床面積を広く取って混雑に備えたわけですが、おかげで極端な少座席設計になってしまいました。しかも113系4連を313系4連で置き換えた結果、良い座席だけど座れない(笑)迷車となったわけです。ま、それでもワンマン化のために3~4連を強引に2連にされた御殿場線と比べればマシなのかもしれませんが^_^;。
あと、国鉄時代の電力消費の多い車両ならば輸送量に見合った輸送力の供給をバランスさせることが経営上からも強く要請されたでしょうけど、最近の省エネ、メンテナンスフリーの車両の場合、多少の供給過剰に目をつぶっても、長い編成で走らせた方が合理的という考え方も可能です。ま、このあたりJR西日本も小浜線電化で125系ワンマン車を投入したら、座席数が少なくて不評を買って、急遽座席数を増やすとともに、単行を2連に増結したりして改善されましたが、最初から2連ワンマンで考えていれば、単行運転に備えて両運転台とトイレスペースをとられる車両よりも客室スペースを広く取れて、乗客にゆとりをサービスできたはずです。しかもハイテクゆえに高価な最近の車両の運転台を減らせれば、それだけ車両単価も下げられますし、余分なメンテナンスを強いられるトイレも減らすことができたわけで、高い授業料を支払いました。そうやって考えると、JR東日本の「走ルンです」って良く考えて作られていると感心します。
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フォーラムのコメントリンク風タイトルにしてみました^_^;。
≫あはは。おかしいですね。まずこの前提が全くできていない。でも残念ですがこの流れは国民がしてしまっているわけです。責任は私かもしれないし、どこぞのゴンベイさんかもしれませんね。
何故なんでしょうか。実際の法律のほとんどは、政府が作って国会審議を経て採決され成立するわけですが、役人は自分たちに都合のいい法律を作るし、議員は利権の分け前を得ればそれでよしですし、そもそも選挙制度自体が公正であるかどうかも定かではないです。それでいてこうなったのは「選んだ国民が悪い」とはうまくできてます-_-;。
これは典型的な権力の腐敗でして、権力の座にある者が自己保身で身の回りを固めても、次の選挙で政権の座を追われれば、同じツールが自分を攻撃するものに変わってしまう、だからおかしなことはできないということで抑止力が働くんですね。これが本来の民主政治です。かのヒトラーも「民主的な」選挙で選ばれているんで、政権交代がない議会制民主主義は、実態として独裁政治と変わらない、どころか「わが国は民主国家」としゃあしゃあと言われてしまう分、悪質でさえあります。
問題なのは一部野党の態度でして、彼らの言う「少数意見の尊重」はまったくおかしい。本来の意味は今は少数意見であるような意見でも、説得的な多数派工作の結果多数派となり得るように自由な減路活動を保証するという意味なんですが、自分たちが少数意見に留まっている、すなわち国民のニーズをつかみ損ねている現実を置いといて「少数意見だから尊重すべき」というのは、かなりバカバカしい話です。こういう野党がいてくれると、現政権に文句はあるけど政権交代までは望まない層が安心して投票してくれる、つまり彼ら少数野党は保守派の造反のガス抜き的な受け皿程度の存在意義しかないということです。そしてそれは確実に政権交代を阻害します。
私はNPOの現実を知らないところで話しておりますが、この手の少数野党に匹敵するバカバカしい主張をするNPOというのは、確かにありそうで怖い^_^;。この手合いは実は無自覚に仲間内の足を引っ張っている困った存在にはなりそうですね。
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Saturday, September 04, 2004
やや長いタイトルですが^_^;、中身は薄いです^_^;;。
えーと、例えば武蔵野市のムーバスの成功などに見られるように、交通問題は地域社会に固有の問題を抱えている場合が往々にしてあるんですが、従来のサプライサイドの対応ではニーズをつかみ切れないケースはままある話です。それに対して公共部門がどのような対応をとることができるかという観点からみれば、木村氏が言うように能登空港は貴重なケーススタディとなり得るものです。ただしムーバスを嚆矢とする地域コミュニティバスが他地域では必ずしも成功していないように、能登空港のケースが過疎地全般にとってのモデルとなり得るかどうかはまた別の話です。あくまでも地域のニーズに合致するかどうかで判断するしかありません。
能登空港の搭乗率保証制度ですが、確かに日本では先例はないんですが、ミッテラン政権時代のフランスで行われた地方改革が示唆に富んでいます。大雑把にいえば憲法で保障された基本的人権の1つとしての移動の自由を
「交通権」という概念を法的に定義し、行政府にその実現のための具体的責任を負わせるものです。フランス国内の移動に関しては、株式会社形態の政府出資特殊会社であるフランス国鉄(SNCF)と自治体とが個別に契約を結んで、地域の交通サービスを自治体の補助金によって維持しようという考え方です。原理主義的自由経済論者は「社会主義的」と嫌うかもしれませんが、過疎化の進行の中で地域のコミュニティを守り生活を維持していく上で、財政支出が結果的に社会的コストを最小化するならば、住民の経済厚生は向上し結果的に地域の活性化にもなるという考え方ですね。例えば人口5000人の自治体で公立の総合病院を持つかその地方の中心都市の総合病院への通院手段を確保するかで、どちらが住民ニーズに合致し、結果の負担を減らせるかという判断になるわけですね。
その意味では能登空港は、皆さんが指摘されるように、日本の空港整備特別会計で大都市空港の着陸料を政治力で引っ張ってきて整備されたもので、その部分への不満は当然あると思いますし、私もこの部分は同感なんですが、「悪法も法」、現行制度を利用してとりあえず作ったハードを、地元住民の負担で有効利用することに対してまで噛み付くのはどうかなと思います。むしろ公的資金の資本効率を高めることになるわけで、国民的には喜ばしいところではないでしょうか。かつての国鉄赤字ローカル線問題などで「作っても利用しない」ことに国民は怒ったのではないでしょうか。ローカル線も「廃止反対」ばかり言わずに村の公金で住民全員に定期券を買って支給するような知恵が何故に働かないのか不思議でしたが、大半のケースでは住民自身にとって他人事だったのでしょう。もちろんこのような地方財政による補助は、民主的な選挙で選ばれた首長や議員により住民ガバナンスが働く環境にあることが前提です。ま、この部分は日本の多くの地方の弱い部分ではありますが^_^;。
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えーと、一応旬の話題ということで取り上げます。
「民営化」といえば89年の国鉄分割民営化によるJR発足が記憶に新しいですね。そして国鉄時代は赤字垂れ流しでお荷物扱いだったのが、今や本州3社は株式上場を果たし、政府保有株式放出による完全民営化に至る「成功」を遂げたわけで、サッチャー流サプライサイド改革の日本での成功例と見る向きは多いと思います。
しかし「民営化」自体は日本では明治時代から行われていたというと意外と思われるかもしれません。そう、官営八幡製鉄所や富岡製糸工場などの民間払い下げですね。殖産興業の掛け声の下、官業として始めてはみたものの、経営的には失敗して持ちきれなくなったもので、何か国鉄改革を彷彿とさせます。当時鉄道は国内輸送市場を独占しておりましたので、むしろ官業の優等生として経営の苦しい民間鉄道の買収すら行われていたんですから信じ難いところです。
たまたま時期的に符合したとはいえ、サッチャー流サプライサイド改革とは縁もゆかりもないのが国鉄改革というのが私の見方なんですが、それが証拠に三公社の他2つの電電と専売は、それぞれNTTやJTとなりましたが、NTTは分割は行われずにガリバー企業として君臨しましたし、JTも専売制度そのものを残して民間企業としての自由を得たという意味で、いずれも問題のある対応でした。国鉄は労組が強かったんで、その分断のために分割されたというのが、当時囁かれてもおりました。
ま、それでも国鉄改革は当時の世論の支持もあって、成し遂げることができました。また当初より分割されたために、後年持ち株会社方式で形式的に分割したNTTと違って資本分離が最初から行われたため、結果的に良い形になっていったといえます。まぁ三島会社や貨物会社の経営が苦しかったり、逆に東海道新幹線という通常の2倍の生産性を誇る生産設備を手に入れたために守りに入っているJR東海とか、設備投資計画を見誤って国鉄時代の旧式設備の更新が進まず苦しんでいるJR西日本など、個別には問題山積なんですが、曲がりなりにも自立の目途が立ったという意味では成功と評価して良いでしょう。
さて、それで郵政改革ですが、何故いま必要なのかについては、相変わらず説明不足の状態です。改革の必要性があることは間違いありませんが、だれかさんの一つ覚えフレーズで「民にできることは民へ!」と、あたかもサプライサイド改革のような偽装が施されておりますが、隠れた意図があることはバレバレです。言うまでもなく政敵の利権を遮断する単なる政争です。「勝手にやっとれ」というのが、さしあたっての私の意見です。
ま、多少まじめに郵政改革を論じるならば、最大の意義はリスク遮断にあるというのは、多くの方に同意していただけるんではないかと思います。簡単に言えば事実上の国家保証が付いた金融サービスという存在自体のリスクが問題なんです。国民の貯金を国が保証するというのは、言葉を変えれば万が一毀損したときは国民の税金で保証するという意味です。つまりリスクを回避したい国民に実はリスクをこっそり負わせているという点が問題なんです。これも郵貯の規模が小さければ、さしたる問題ではないですが、規模が大きいがゆえに解決が困難なんです。
ということは、ソフトランディングでいくとしても、中長期で郵政事業の縮小を計画的に行っていくことこそが重要なんですが、政争の具と化している現状では、まともな議論は望み薄でしょう。そして"改革"を偽装する錦の御旗、反対論封じ込めの思考停止フレーズとしての「民営化」ばかりが前面に出てしまうわけです。
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Thursday, September 02, 2004
SATOさん、コメントありがとうございます。早速"東京鉄道見たまま日記"拝見いたしました。実は東京メトロの記事がヒントになって"ハマのエム"の記事を着想いたしました^_^;。
ブロードバンド環境を手に入れ、ブログを立ち上げてみて思いましたが、TTY時代のフォーラムの会議室システムというのは、何とも化石のような歴史的遺物に感じられますが、しかしそのコメントリンク機能がコミュニケーションツールとして強力なものであったこともまた確かです。少なくともweb掲示板ではリソースを食う割りにスペックダウンしていて「使えない」ものであるという認識が旧フォーラムユーザーには根強いように思われます。
ただま、そのシンプルで優れた機能を自分の実力と勘違いするネットワーク管理者の出現を許したという意味では、旧フォーラムの会議室機能というのも功罪は微妙です。だもんだからスペックダウンしたwebフォーラムで金儲けできると勘違いしてしまう困ったシトが出てきてしまうんですね^_^;。
まだ若葉マークブロガーの私ですが、うろ覚えのトラックバック機能が強力なコミュニケーションツールとなることは漠然と理解できます。今後ともよろしくお願いいたします。
p.s.2ちゃんねる的ノリで盛り上がるのも楽しいかもしれませんね。
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タイトルの件ですが、ハマの番長、三浦投手の話ではありません。
横浜市と第三セクター横浜高速鉄道は、開業半年のみなとみらい線(MM線)の2~7月の利用実績をまとめました。それによると1日平均12万人で予想の13万7千人を下回り、特に定期券利用が想定を大きく下回り、他方観光利用が想定を超えた結果、定期券利用が全体の6割の予想に対して7月には4割と逆転する結果となりました。
最近開業した新線で必ず報じられる予想を下回る実績報道ですが、注意が必要なのは、統計上定期券利用は区間を毎日1往復するものとしてカウントされ、当然予想の数字もその前提ではじかれているという点です。実乗車人員を見れば、予想通りの結果だった可能性はあります。この辺プロ野球の年間指定席の扱いと似ています。その点を加味すれば、最近の新線としては好成績に分類されるといって良いでしょう。ただしこれが直ちに採算性の証明になるわけではない点は要注意です。償還期間50年なんてプロジェクトは、そもそも今を生きる私たちの誰もが最後を見届けられないという意味で、バーチャルであいまいなものなのです。
むしろ問題にしたいのは、定期券利用客が予想を下回ったことです。これには2つの意味合いがあります。1つはMM21地区の業務地区としての開発の遅れが予想に反映されていたかという点です。MM線も元々は東神奈川起点でJR横浜線と直通を想定して計画されたのに、MM21地区の開発の遅れを待ちきれなかったJR東日本からキャンセルされ、やむを得ず横浜起点で東横線と直通する計画に見直されたということがあります。元の計画では横浜のオフィス街とベッドタウンを直結するというシンプルなコンセプトだったわけですから、定期券比率を高く見積もるのも頷けますが、計画変更によって条件が変わったことを見逃していた可能性はあります。
もうひとつは横浜での運賃打ち切り合算による高運賃問題です。一見の観光利用ならば気にならない運賃上昇も、月額に直せば馬鹿にならないわけですから、少し離れて並行する根岸線からの通勤客の転移が進まない理由として考えておく必要はあります。いくら会社負担だとはいえ、いやリストラの嵐吹きすさぶ今だからこそ、高額定期の申請に対して会社からの圧力を感じるというものではないでしょうか。
ま、それでも日産自動車の本社移転などMM線が引き金となってMM21地区の開発に弾みがついた感じでもありますし、結果オーライになりそうな予感はあります。
p.s.最近、東京でもMのロゴが目に付きます。言わずと知れた"東京メトロ"なんですが、デザインが違うし意味が違うとはいえ地下鉄のMは横浜が先行しました。それだけなんですが^_^;。
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