三菱ふそう、新車発売が全面停止
日本経済新聞9/12朝刊の記事の話題です。
リコール隠しに揺れる三菱ふそうですが、5月に幹部社員の逮捕など事件の拡大を受けて国土交通省では三菱ふそう製大型車の型式認証の停止を宣言しておりますが、中小型車でも型式認証の厳格化によって、9月からの新ディーゼル排ガス規制適合車の型式認証が遅れ、約百車種が発売の目途が立っていないそうです。小型で4割中型で6割を占めるだけに、影響は計り知れず大きいといえます。元々ユーザー毎に細かい仕様の注文が多いトラック・バスでは、仮に販売可能な代替車種があっても、求める仕様と違えば値引きの口実になりますし、他メーカーへの乗り換えを阻止するのも難しいところで、三菱ふそうには厳しい秋風といえます。
国交省によれば通常よりも提出資料を多く要求したり実車の検査箇所を増やしたりしたためということですが、法律実務である型式認証で通常の行政の裁量権の範囲を逸脱していないかどうかは微妙です。元々この事件でリコール制度が実はメーカーの自己申告に事実上支えられ、国交省にはメーカーのウソを見抜く能力がないことがばれてしまったわけでして、役人の自己保身のスケープゴートにされている可能性もあります。
元々商業車に関しては、国毎に各種規制が異なっていて「見えざる非関税障壁」となっている現実があります。よく誤解されるEUのユーロI,II,IIIなどの規制は、原理主義者が言うような「環境問題に厳しい欧州基準」というよりは、域内貿易の活性化に狙いがあるといわれます。ですから厳しいはずの欧州基準をクリアしたボルボのアステローぺや幕張新都心の連接バスが日本の排ガス規制をクリアできずに国内販売できなくなったという妙なことが起きています。特にボルボは国内メーカーにない車種のセールスで実績をあげていただけに、国交省による国内メーカー保護のための恣意的運用である可能性は否定できません。そういえば三菱ふそうもダイムラークライスラーという外資の軍門に下ったんでしたよね。元々国内販売の縮小で4メーカー体制維持は難しいといわれ、段階的強化される排ガス規制で買換え需要を強制的に作り出している現状ですから、新車販売ができなければ事実上生命維持装置を外されるようなものといえます。
ま、国交省は否定するでしょうけど、こういった疑惑は、日本の背中を追っている中国のような国に、恣意的に市場を歪める術を「学習」させてしまう恐れがあり21世紀を通じて影響が日本に跳ね返ってくることが心配です。ね、靖国行ってる場合じゃないよ-_-;。
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