« September 2004 | Main | November 2004 »

October 2004

Sunday, October 31, 2004

大船駅改良工事に見る駅改装の傾向

ちょっと旬とは言いがたい鮮度の落ちた話題ですが、地元ネタとして取り上げます。
 かねてから計画されていた大船駅の北口設置工事ですが、地元の都市計画事業の進捗を受けて、本体の工事が始まっております。
 大船駅は中央を分断する砂押川を境に鎌倉市と横浜市にまたがっていて、現在の橋上駅舎のあるところは鎌倉市域に属するわけですが、横浜市からは以前より北口設置で横浜市側からの利便性を高める要望が出されておりました。それを見込んでか、横浜市域にバスターミナルと商業施設(長らくサティが営業していたが撤退し、現在はヤマダデンキ)を整備するなど、再開発の進まない鎌倉市域を尻目にまちづくりが進んでいました。
 また三井化学の工場跡地など、大規模な宅地開発計画は横浜市側に偏っておりまして、開発の進捗と共に現大船駅は駅舎もコンコースも混雑で手狭になってきておりました。それどころか毎朝、横浜市側から現駅舎へ向かう徒歩の通勤客が増えて、車道へのはみ出しや信号無視の道路横断などが日常化するといった混乱した状況にありました。
 加えて交通バリアフリー法の施行で、エレベーターの設置などのバリアフリー対応工事も行う必要があり、本体の工事が始まったわけです。
 元々大船駅には東京よりに乗換専用の北跨線橋があったわけですが、これを伸ばして地上に降ろせば、横浜市側に改札口を設けることは容易に見える状況はありました。ただしその位置には商店や住居が密集していましたから、まずこれを店舗と集合住宅の再開発ビルを建てて移転し、生み出された用地を利用しての北口設置なんですが、北跨線橋の延長に留まらず、現駅舎を東京側に拡張して北弧線橋を飲み込み、橋上の東京側に新しい改札口を設けて自由通路で地上に降ろすという大工事となりました。拡張されたラッチ内通路部分に各ホームへのエレベーターを設置し、バリアフリー対応までしてしまうというもので、完成後の大船駅橋上駅舎は、かなり巨大なものになりそうです。
 これでいくばくかの補助金も出ますし、ラッチ内スペースの拡張で、エキナカショップも作られるでしょう。これだけの大工事で、JR東日本はちゃっかりソロバンを合わせてきているわけです。しかし結果として乗客への負担の転化なしに、駅が綺麗になって使いやすくなるというのは、結構なことです。完成が待たれます。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

Wednesday, October 27, 2004

新幹線脱線、直下型地震に打つ手なし

ショッキングな事件ではあります。でも冷静に見ていきましょう。
 新幹線の地震対策は、伝播速度の速い初期微動を検知して本震が来る前に送電を停止し列車を非常停止させるというもので、地震国だけに反応速度は2~3秒という世界トップレベルのものです。それでも震源の浅い直下型では、初期微動とのタイムラグがほとんどありませんので、従来の地震対策は無効ということになります。
 しからば予知をと考えるのが人情ですが、プレート型地震と違って、いつどこで起こるかわからない直下型地震の予知は現状では不可能です。つまりは打つ手なしということです。
 でも悲観することはありません。200km/hで1.6kmも走って転覆しなかったことで、結果的に死傷者を出さずに済んだことは幸いでした。直線路で高架橋上のスラブ軌道という強固な下部構造が幸いしたようです。また車間ダンパーが利いていて助かった面もあるようです。
 でも裏を返せば下部構造の弱い在来線やバラスト軌道の東海道新幹線だったらどうなっていたかと考えると、背筋が寒くなります。また200km/hという速度も悩ましいところで、より高速域で地震に遭っていたらどうなのかなど、未知の問題も多数あります。
 ま、ただこのことで「安全神話が崩れた」などと思う必要はありません。この規模の直下型地震では、地上に居ても安全が保証されているわけではありません。道路も陥没したり路肩が崩れたりして、例えば高速道路を100km/hで走行中に揺れに遭った場合、ハンドルを取られないで安全に停止させるのはかなり難しいですし、火でも出れば大惨事にもなりかねません。所詮人間の力は大自然の前には無力です。
 でも被害を最小にすることは、努力次第で可能ではあります。新幹線でいえば、とりあえず線路の下部構造の強化、高架橋の耐震強化やスラブ軌道の採用など、やるべきことは多数あります。高速運転時の挙動は不明ですが、曲線部で在来線のような脱線防止レールを使用するなどの方法も研究の余地があります。今やるべきことは、いたずらに不安をあおることではなく、ダメージを最小にするための取り組みを続けることだと思います。いわんや政治新幹線だから廃止などの雑音に耳を貸すべきではありません。既に存在する社会資本は有効活用されてこそ、国民経済に資するものなんです。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Saturday, October 23, 2004

西武王国激震、鉄道屋になれなかった堤義明

つーことで旬の話題です。
 発表だけではあいまいな部分があって、今ひとつピンとこないニュースですが、株式公開企業としてのモラルを問われていることは間違いありません。
 そもそも株式を公開する意味は、企業が事業を続ける上で、必要な資金を広く一般の投資家から募ることにあるわけですが、他人に資本を依存することでもありますから、投資家保護の観点からさまざまな上場のルールがあるわけです。少なくとも購入しようとする銘柄に対するプラスマイナス両面のさまざまな情報が開示されていて、投資家を騙してお金を集めるようなことがないようにしなければ、安心して株を買えないわけです。
 今回は特定少数株主の持株比率上限の80%を実質的に上回っていた可能性があるというのが、堤会長の辞任の理由になっているわけですが、ややこしいのは、この基準はあくまでも新規上場企業に対するものであって、既に上場している企業の明示的な上場停止基準としては存在しません。もちろん、だからといって問題がないわけではないんですが。
 で、東証が上場停止をにらんで西武鉄道株を管理ポスト送りにした理由というのが、有価証券報告書の虚偽記載というので、またまたややこしくなります。中味は「個人株で実質保有分がある」ということですが、わけわかりません^_^;。
 どうも堤家の相続対策というのが答えのようです。つまり創業者の康次郎から義明に全ての財産を相続し、西武コクドグループの支配権を永久に確立するための工作として、中心企業を資本金1億円の非公開企業として個人の支配権を確立して、グループ企業を全てその傘下に収めることで対応したものです。そのときに東証の80%ルールに抵触しないように、社員の個人名義を借りて西武鉄道株など傘下企業株を実質保有し続けてきたということのようです。つまりは当初から有価証券報告書には虚偽の記載がされていたということになります。東証の対応も頷けます。
 でもなぜ、今それが発覚したんでしょうか。思うに名義借りの場合のテクニカルな問題点として、株主配当の扱いがあるわけですが、仮に名義を貸した個人が受け取るとすれば、事実上の贈与となるわけで、その辺に関する情報が税務当局にもたらされ、内偵が始まったことを西武コクド首脳が察知したことで、配当はコクドが受け取っていて贈与の事実がないことを明らかにする必要に迫られた結果ではないかと考えられます。
 それを裏付けるように、事態を察知したコクドは、件の個人名義株を急遽他社に転売しており、それが「上場基準抵触の可能性に関する説明がなかった」かどでインサイダー取引の可能性を指摘され、買い手企業の買い戻し訴訟に発展するという具合に、見事にドつぼにはまってます^_^;。
 このあたり悪いことという認識のない事柄をこっそり処理しようとしたふしが見られます。結局二代目経営者というよりは世間知らずの究極のおぼっちゃま君という感じです。
 経営者として見ても、収益性の高いプリンスホテルの事業には熱心だったんですが、規制業種で収益性の低い鉄道事業には関心がもてなかったようで、かつてのライバル東急が鉄道事業を核として沿線開発に積極的なのに対し、西武鉄道沿線の開発度は概して低いままで、現状は大差をつけられているといえます。
 歴史にIFは禁物ですが、「もしも堤義明が鉄ちゃんだったら」^_^;という問いかけをしたい気持ちを抑えられません。少なくとも相続のためのマネーゲームに狂騒するよりは、マシな結果を期待できる気がするのですが^_^;;。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Tuesday, October 19, 2004

湘南新宿ライン大増発

10/16改正で大増発された湘南新宿ラインの平日改正ダイヤ初日の18日、たまたま仕事で池袋まで乗車いたしました^_^v。
 乗車列車は大船7:37発の快速籠原行きで、国府津のE231系が充当されてましたが、たまたま乗車した7号車は小山から転入したサハだったので、クッションが改良された座席の座り心地は試せませんでした;_;。
 池袋着8:31という列車でおそらく最混雑時間帯の1本だろうと思いますが、初日で知られていないせいか、座席とつり革が埋まる程度でほぼ乗車率100%といった感じです。また戸塚で川崎・東京穂面へ乗り換える人が多いので、戸塚ではそれなりに着席機会もあって、なかなか快適な通勤環境という感じです。グリーン車込み15連の輸送能力は大したもので、私鉄には真似のできない芸当でしょう。
 車両はE231系が集中投入されているので、編成あたりの座席数は113系や211系よりも少ないわけですが、混雑率が低い分、着席率はむしろ高いといえるわけです。またE217系とE231系列車のスピードアップも実現し、神奈川県側からは遠い感じだった池袋へ1時間を切るというのは、なかなか新鮮な驚きといえます。ま、何よりも戸塚で座れたこともあって、車で仕事に出るときよりも1時間も寝坊できるのは嬉しいところです^_^;。
 これによって受けて立つ私鉄の対応も出てきてまして、早速小田急が12/11改正で新百合~下北沢間ノンストップの快速急行を走らせることを表明しております。ほとんどの列車は藤沢発着ですから、事実上湘南急行のバージョンアップ版といえましょう。
 小田急が藤沢をターゲットとする理由ですが、藤沢の位置が大船までの電車特定運賃区間から1駅はみ出しているために新宿から950円(小田急は570円)と割高感がある点に着目したものと思われます。長く冷や飯食いをさせられたツリカケと非冷房の江ノ島線(苦笑)が便利になるのは結構なんですが、EXE4連で相模大野で長時間停車するロマンスカー分割えのしまの存在感が弱まり、ダイヤを乱すだけの感もなきにしもあらずですから、この辺も思い切って見直してほしいところです。例えば10連快速急行に指定席車を連結する南海サザン方式などが考えられます。小田急さん、頼んますよ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, October 16, 2004

高速バス規制緩和、富士交通の失敗

都合により運休中^_^;の鉄路的部落ですが、台風にもめげず、再開いたします。いきなり反則技のバスネタですが^_^;。
 2002年の道路運送法改正で参入規制が緩和されたバス事業ですが、新規参入のケーススタディとして、仙台市の富士交通の事例は考えさせられます。
 元々規制緩和が先行した貸切バスの事業者であった富士交通ですが、自身も後発参入の新参者で、十分な営業基盤があるとは言いがたい中、次々と新規参入が続く貸切バス事業一本では、価格競争で十分な利益を出せず、目をつけたのが高速バス事業だったわけです。
 仙台を拠点に郡山、福島を結ぶ2路線をまず開設し、既存事業者より安い運賃で同等の頻度で運行し、サービスの一環としてバスガイドを乗務させるなどの差別化政策を取るなど、意欲的なものでした。結果は惨憺たるもので、既存事業者がすぐ値下げで対抗し、富士交通も値下げで対抗、さらに既存事業者も再値下げと叩きあいの値下げ合戦となり、疲弊することになります。その間には福島駅前への乗り入れなど、既存事業者の妨害に遭いながら、公取委への摘発などで対抗しながら良く戦ったのではあります。
 さらに事態を打開すべく仙台~山形間にも参入したものの、やはり既存事業者との値下げ合戦となって、劣勢のまま8月、民事再生法適用を申請、便数削減やガイド常務中止など事業内容を見直しての再スタートとなりました。富士交通の挑戦は何が失敗だったのでしょうか。
 そもそもバス事業の中の高速バス事業ですが、一般道を走る一般路線バスと法令上の差異はありません。運賃は事業者の認可運賃が適用されるのが原則です。しかし一般路線よりも長距離であり、速度も高いので単位時間あたりの走行距離も稼げますから、実際は正規の賃率から値引きを行って、例えば並行する鉄道線の普通運賃程度の金額を恣意的に決めるというケースが多いわけです。
 その結果、高速バスは収益性が一般路線よりも高くなり、元々値下げの可能性は十分あったといえます。とりわけ片道2時間程度の路線では、ワンマン運行で1台1日2往復が可能ですから、1便14名程度の乗車で損益分岐点を越えるわけですから、乗車率の高い路線では、結構な超過利潤を得ているということです。
 だからこそ富士交通は勝算ありと判断しての高速バス参入だったはずなんですが、実はこの超過利潤が曲者でして、既存事業者にとっても値下げの原資になりうるものといえます。そして実際に既存事業者は値下げと増便で対抗し、富士交通を返り討ちにしています。
 ここで独禁法上問題になるのは、既存時業者側の値下げが不当廉売(ダンピング)にあたるかどうかですが、超過利潤がある場合、その範囲内での値下げは原価割れにはなりませんので、独禁法上は問題ないことになります。そしてそのことが富士交通の最大の誤算だったといえます。
 しかし結果として超過利潤は値下げで利用客に還元され、増便までされて利用客の利便性は高められたわけですから、誤算に泣いた富士交通の挑戦は、企業会計上は失敗であっても、国民経済上は得がたい得点といえます。結果として当該都市間の流動が活発になれば、地域経済へもポジティブな影響が出るわけです。競争政策の重要性はいささかも揺るぎないといえます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Monday, October 04, 2004

小田急箱根ホールディングス

事情により記事作成が滞っておりますが、忘れないうちにアップしておきます。
 小田急電鉄は10/1から箱根地区の事業会社を統括する持株会社を発足させました。全額出資子会社の箱根登山鉄道を10/1付で純粋持株会社の「小田急箱根ホールディングス」に改組し、旧箱根登山鉄道の鉄道事業は子会社として新設の「箱根登山鉄道」へ移管し、箱根登山バス、箱根観光船、箱根ロープウエーといった各事業会社を持株会社の傘下に収め、分散していた本社オフィスを小田原市内に集約します。言ってみれば管理部門のリストラですが、事業会社相互間の調整の迅速化など、入込みの細っている箱根観光のてこ入れを狙うものでもあります。
 既に長年競合関係にあった西武コクドグループとの歴史的和解など、てこ入れは行われていますが、観光地としての箱根の地盤沈下に有効な営業政策を打ち出すのが今後の課題といえます。
 一方の西武コクドグループですが、JR東日本の企画商品「踊り子箱根フリーきっぷ」で提携し、小田原、真鶴、湯河原、熱海から伊豆箱根バスが利用可能で都区内発4,600円横浜市内発4,000円(共に2日間有効)というものを出すなど、二股かけて^_^;集客に励んでます。
 小田急としては前面展望を復活させた新ロマンスカーで売り込みをかけようということになると思いますが、果たしてどのような結果となるでしょうか。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« September 2004 | Main | November 2004 »