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November 2004

Tuesday, November 30, 2004

小田急新型ロマンスカープレス公開

TX「ワールドビジネスサテライト」で小田急電鉄の新型ロマンスカー50000系VSE車のお披露目のニュースが取り上げられました。
 箱根観光は長期低落傾向が続き、ピーク時の86%の水準で横這いというのが現状ですが、箱根といえば長らく小田急グループと西武コクドグループが骨肉の争いを演じてきた地域でもあり、箱根観光の不振から顧客無視の抗争をやっている場合ではないということで、歴史的和解が成立し、バス停名称の統一や系列外の施設へのバス乗り入れ、企画キップの相互販売などなど、ゆっくりながら協調体制がとられてつつある中で、例の西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載問題が発覚するという間の悪さなんですが、小田急は改めて箱根観光の経営資源としての価値を再認識し、夢を売るロマンスカーでテコ入れを図ろうという原点回帰の姿勢を見せたわけです。
 白い車体にオレンジ帯の明るい外装に空調機を床下架装して天井を高くして空間にゆとりを持たせ、背ずりを薄くしてスペース効率を高めた椅子と木目調の内装が相まって、ゆとりの空間を演出しています。HiSE10000系以来の前面展望室の復活も観光特急らしさを演出するもので、EXE30000系で小田急版ライナー列車になりかかったロマンスカー自体も原点回帰しているのが面白いですね。
 しかし一方でHiSEでは観光バスに倣ったハイデッカー構造が、VSEでは一部ドアとホームの段差をなくしてバリアフリー対応をするなど、時代の流れを感じさせます。
 11車体連接で編成定員358名、2編成で約35億円の投資となります。運行開始は来年3月の予定ということで、当面試運転で走り込みをすることになろうかと思いますが、かつてあこがれの存在だったロマンスカーの復活なるか、注目されます。
 

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Sunday, November 28, 2004

夜行列車の生きる道

先日、仕事でたまたま大船6:00発の東海道線東京行きに乗る機会がありまして、この列車、なんと横浜で寝台急行銀河を待避するのですが、横浜で待つことしばし、やってきた銀河は7連(+電源車+機関車)という伝統に似つかわしくない軽量列車でした。二段ハネですから1両の定員は30名程度で3列シートの夜行バスと同等、いやドリーム号などダブルデッカーや青春ドリームなど4列シート車ならば40名定員なので、むしろ少ないぐらいといえます。
 東阪間だけで見ても、身内のJRバスでドリーム大阪6往復、レディスドリーム1往復、青春ドリーム2往復、ニュードリーム4往復に加え、民間事業者が多数運行している現実からすれば、既にマジョリティはバスであり、夜行列車の存在感の薄さを実感します。
 それに比べれば、九州方面は西鉄バスのはかた号1往復のみであり、数の上では優勢を維持しているといえるのかもしれませんが、実際は有効時間帯から大幅にはみ出した時間帯に運行されており、利用者の大きな流れは東海地区対山陽地区でビジネス利用が見られる程度となっています。足の遅い客車列車で貨物列車と雁行の平行ダイヤという制約条件の下では、現状が精一杯なんでしょう。
 あと寝台料金の高さが、航空なり新幹線なりで前日移動して前泊した場合と比べても割高感があり、列車寝台では快適性の追求にも限界があります。豊かさとスピードが夜行列車の存在意義を奪ったといえます。
 存続の可能性があるとすれば有効時間帯に収まる列車、つまり航空などの最終便よりも遅く出て当日早朝便より早く着く場合がひとつで、JR西日本と東海で共同運行するサンライズ出雲/瀬戸がこれに該当しますが、直流電化区間に収まる運転だったことで実現できたと考えてよいでしょう。少なくともスペースユティリティを極限まで追求したサンライズでは、交流2万Vの高圧電流対策として十分な絶縁をとることは不可能と考えてよいでしょう。つまり九州への乗り入れは無理な相談なんです。
 今ひとつはツアー列車としての存続でして、北斗星やカシオペアなどが該当します。しかしこれも行き先が北海道だから成り立つと考えてよいでしょう。九州は既に航空での移動が主流で、観光面からいえばライバルは韓国、台湾、香港、上海などなどアジアの近隣地区という位置づけになります。とはいえたとえば旅行会社が主催旅行として貸切列車を運行するようなスタイルならば九州方面でも可能性は皆無ではないと思いますが、おそらく長年慣れ親しんだ寝台列車、ブルートレインとは別物になるような気がします。

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経済制裁?その前に、北へ行くコメはどこ産?

忘れないうちに書いておきます。
 日本経済新聞11/15朝刊に「眠る輸入米の行方」という記事があります。新米の季節、最大の産地は新潟?北海道?いいえ外国、特に米国産ということです。3月末時点での輸入米の在庫量161万トン、うち米国産95万トン、タイ産23万トン、オーストラリア産19万トン、中国産16万トンなどなどとなります。
 んで、これらの米がどこから来てどこへ向かうのかってことなんですが、そもそもの始まりは、93年のガットウルグアイラウンド合意に基づいて95年から始まった最低輸入義務いわゆるミニマムアクセスによって輸入されたコメが、年度を重ね輸入枠が拡大する一方で消費に回らずにたい積し、在庫量を増やしているものです。ざっくりいって3月末までの9年間で累計578万トンの輸入があったのに対し、消費に回った分は主食用58万トン加工用199万トンと半分に満たないのです。
 とすると消費に回らなかった300万トンあまりに対して、実際の在庫が161万トンというのがミステリアスです。国産米と偽装されたのでしょうか^_^;;;。
 はい、実は援助米に回っているんですね。つまりは日本政府は、輸入米に500%もの高率な関税をかけてコメの価格をつり上げるだけでは足りず、消費に回さずに退蔵し、最後は食料援助の名目で海外へ出ていくわけです。当然そのツケは国民の税金で補填されるわけで、何とも許し難い話です。
 仮にコメ農家への所得保障の補助金を交付するとしても、500%関税に見合う補助金額は1兆円程度と試算されてます。その結果国民は安いコメを買えてコメ農家は所得保障下で競争力を蓄え、退蔵されるコメの調達がなくなれば、ひょっとすればコメの国際価格はさらに下がって食料支援を受ける途上国にも買えるようになるかもしれません。それを「食糧安保論」などというバーチャルなフィクションに依拠してかえって農家の競争力を削ぎ食糧自給率を下げている現状ってのは、お笑いとしか思えません。
 ついでにいえば「経済制裁すべし」の声が日増しに高まるあの国へ送るコメも、出所を考えると何かばかばかしくなります。退蔵された輸入米の処分を一部見合わせるだけで溜飲を下げられるとすれば、何とも安っぽい正義です。政治的な問題は常に裏表があるものなんで、惑わされずに実質を見極めることが大事ではないかと思うのですが。

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Saturday, November 20, 2004

地下鉄13号線相互直通5社、協議会を発足

湘南新宿ラインを迎撃する私鉄側の動きです。
 横浜高速鉄道では18日、みなとみらい21線の上半期(4~9月期)の利用客数が当初計画より1割下回ったことを発表しました(日本経済新聞11/19朝刊39面)。根岸線からの通勤客の移転が進まず、12万人/月ベースで当初計画の13万7千人には届かないということです。駅別ではみなとみらい中央と元町中華街が見込みを上回ったものの、官庁街オフィス街の馬車道と日本大通は下回り、通勤客の取り込みがうまくいっていない実情を示します。
 割引の定期客が少なく観光利用の非定期客が多いおかげで上半期は4億円あまりの営業黒字を計上したものの、借入金の利払い後の経常ベースでは9億円以上の赤字ということで、建設コストの高い新線故の苦戦が続きます。債務償還を早めて利払い負担を軽くするためには、利用客を掘り起こして増収に結びつける以外にはありません。
 そういう中でハマのエムではない東京メトロのおそらく最後の建設線となる13号線の相互直通協議会が発足しました。メンバーは東京地下鉄(東京メトロ)、東武鉄道、西武鉄道、東京急行電鉄そしてMM21線の横浜高速鉄道の5社ということです。
 広域に集客できる可能性は拓けるわけですが、ここに立ちはだかるのが、今改正で増強された湘南新宿ラインということになります。
 13号線の事業計画を見る限り、(仮)新宿六丁目が桜新町タイプの上下式通過退避駅となり、速達タイプの列車の設定を匂わせます。東武・西武側から見て、新宿や渋谷への直通には魅力はありますが、埼京線と湘南新宿ラインが池袋~新宿間ノンストップで走る現状からいえば、地下鉄線内ベタ停車では直通の利便性をスポイルしてしまうわけで、特に新宿は都庁などがある西口から程遠い新宿三丁目で立地の不利もありますので、速達サービスは重要といえます。
 東急側からみたときには、新宿まではともかく、やはり池袋へ向かうことを考えるとき、速達サービスは欲しいところで、渋谷でJRに乗り換えられることに留まらず、横浜時点でJRを選択されてしまえば、自社線にはマイナスなわけですから、速達サービスは欲しいところです。まして13号線自体、工事を進める中で地元からの駅設置要請が出され、当初計画よりも駅が増えているわけですからなおさらです。
 ただ完全な新線ですから、例えば駅へのホームドア設置などで通過列車を高速で走らせるなどの方策は取れると思いますから、2012年の13号線完成後は、JRとは結構ガチンコ勝負になりそうで楽しみです。
 ただし5社の思惑のずれはおそらく協議会の進捗の過程でかなり出てきそうです。東武線と西武線への列車の配分や種別、小竹向原でつながる有楽町線とのダイヤ調整の問題、東急側でも多摩川線の羽田空港アクセス参入問題など、現時点では不確定要素が多く、協議会で妥協に妥協を重ねる中で、角を矯めて牛を殺すような事態も考えられます。
 特にMM線絡みでは羽田空港アクセス問題は大きな要素です。一応構想段階ですが、多摩川線を蒲田から京急蒲田方面へ延伸し、当面は乗換で対応、将来は糀谷まで伸ばして京急空港線へ直通ということがいわれています。もちろん軌間(線路幅)の異なる京急線への直通は現状では無理ですが、大田市場の跡地再開発を進める大田区では、既に一部の再開発ビルで地下に線路を通す準備工事までされてます。空港アクセスの可否はともかく、地元自治体としては地域の利便性向上を目指すのは当然ですし、東急としても多摩川線活性化のチャンスですから、何らかの形で構想実現へ向かう可能性は高いと考えられます。
 というあたりで、13号線直通列車が観光利用が見込めるMM線へ向かうか、集客装置としても魅力を増している空港連絡の一翼を担うか、呉越同舟の私鉄連合のリベンジがうまくいくかどうかに深く関わります。

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Thursday, November 18, 2004

旅行貯金者の聖地はクマと出会う素敵なところ

奈良県上北山村に旅行貯金者あこがれの聖地があります。某レールウエーライター氏が広めた旅行貯金ですが、紀伊山地の奥深く、1962年完成の坂本ダムで水没を免れた8戸の住民のために残った東の川簡易郵便局がそうなんですが、既にわずかな住民も10年以上前に移転し、今は無人の集落に、旅行貯金取り扱いだけのために郵便局が残っていて、平日5日間住み込みの局長代行氏が常駐します。曰く「1週間人に会わないことも珍しくないが、クマやイノシシはよく局の前に来る」そうな。命がけのお仕事です^_^;。
 国費で旅行貯金者のための局を維持するという酔狂な話ですが、果たしてこのような局が廃止になることが「地方の切捨て」になるんでしょうか。ユニバーサルサービスの実態とはかくなるものか腹が立ちます。民間金融機関がカバーできない過疎地を補完する機能は必要でしょう。そのことには同意しますが、そのために全国津々浦々郵便局が必要か? このあたりに議論のすり替えがあります。彼らが守るべきと言っているのは郵政ファミリーの利権なんです。
 確かに過疎地では民間金融機関の窓口サービスが受けられないエリアがありますが、いまどきパソコンとブロードバンド回線があれば決済サービスは受けられます。テクノロジーの進化でケータイバンキングさえ夢ではありません。要はサービスの隙間を埋める補完機能があれば良いわけで、そのためのインフラ整備に知恵を出して公費を投入して「地方を切り捨てない」工夫が大事なのではないでしょうか。
 この冗談みたいな無人地帯の簡易局、いっそクマさん相手にドングリ貯金でも始めては?

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川崎市営地下鉄 武蔵小杉経由も検討?

という諦めの悪いニュースも日本経済新聞11/16朝刊の紙面にあります。
 計画では川崎~元住吉~宮前平~新百合ヶ丘を結び、小田急線との相互直通を計画して2015年度までに整備することになってますが、6200億円の総事業費に対して採算見込みが立たず、2003年に着工予定の元住吉~新百合ヶ丘間について5年程度の延期を決めていたのですが、元住吉を通らずに武蔵小杉を通すとすれば、そもそもの事業計画の大幅見直しとなるわけですから、何とも心許ない話です。
 このあたりは
「神奈川の新線計画はどのように変更されたか」でも取り上げましたが、一度は武蔵野南線の旅客化とセットで梶ヶ谷(タ)から分岐して新百合ヶ丘へ至る川崎縦貫高速鉄道の構想を引き継いだもので、武蔵野南線が武蔵小杉付近の地下を通過してますので、元の計画で駅設置が計画されていたかは定かではありませんが、ルート自体は武蔵小杉を通っていたわけです。
 それが再度武蔵小杉経由を検討するということは何を意味するのでしょうか。おそらく矢向~新鶴見(信)間の連絡線を介して東海道貨物線へと結ぶルートを計画に組み込んで、既存ストックの活用で事業費を抑制した上で、需要が見込める武蔵小杉をルートに組み込み実現可能性を高めようという発想なんでしょう。何か役人が考えそうな話です。
 そもそも武蔵野南線の旅客化がなぜできなかったかといえば、ほとんどが地下トンネルで途中駅の設置が難しく、沿線需要を拾うのが難しい上に、日本の首都の物流を担う貨物幹線ですから、旅客列車は武蔵野線のように貨物の合間に貨物に追われるように激走し、車齢の古い103系をガタガタに疲弊させた自由度の低いダイヤしか組めないわけで、貨物が武蔵野線に移行して線路容量に余裕のあった山手貨物線の旅客化(埼京線と湘南新宿ライン)とは事情が違います。
 そんな難しいこと考えるよりも、沿線の市街化が進み既に成熟化している南武線の機能強化を考えた方が、はるかに安価で市民生活の向上に役立つと思うのですが、そもそも小田急線生田から渋谷へ向かうのに新百合から本計画路線で宮前平へ出て東急線で向かう客を輸送見込みに計上して市民に指摘されているような役人の頭では考えつかないことなんでしょうか。
 いやはやつけるクスリはないもんか-_-;。

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Wednesday, November 17, 2004

湘南新宿ライン 利用者倍増

10/16改正で大増発された湘南新宿ラインですが、11/17日本経済新聞朝刊首都圏経済欄の記事によれば、ラッシュ時間帯の増発が特に利いて、利用者12万人と倍増という結果となりました。
 JR東日本で調査の結果、3割は私鉄からの定期券買い替えによって移転したもので、この傾向は続きそうということです。どうりで最近座れないわけだ^_^;。
 京阪神など関西地区と比べて、鉄道会社間の棲み分けがされていて競争が少ないと言われた首都圏で、思わぬ形で競争が活性化しているところが面白いところです。しかも全般的な競争というよりも、渋谷~横浜間、新宿~小田原間、新宿~藤沢間など、ピンポイント的な狭いセグメントでの競争となっているのが新傾向でしょうか。
 もちろん例えば東急東横線で渋谷~横浜間を利用する客には、東横線の運賃優位から渋谷からさらにJRで新宿や池袋へ向かう人も含まれていたと思われますが、東横特急の26分に対して湘南新宿ラインで最速22分と速さで圧倒して乗換の手間を省くなど、利用者サイドから見た利点が評価された結果といえます。
 これは反面JRの高運賃を忌避していた客が戻ったとも言えるわけです。その結果、従来特に宣伝してこなかった東急サイドで、東横特急のイメージポスターの掲出などが見られるようになり、小田急では複々線工事の進捗に伴う12月のダイヤ改正で快速急行を設定、新宿~藤沢間で従来の湘南急行(57分)より5分短縮(JR最速は47分)という対抗策を打ち出しています。
 小田急で面白いのは、併せて多摩線の輸送改善も行い、従来多摩ニュータウン地域の輸送を独占してきた京王に多摩センター駅改装などの対抗策を採らせるなど、私鉄間にも競争が拡がっている点が、従来にない傾向といえます。結果として乗客側の選択肢が増えることで、需要が掘り起こされ、少子高齢化で減少傾向が見え始めた首都圏の鉄道輸送が活性化することが望ましいといえます。
 一方JR東日本サイドでは、2012年度予定の地下鉄13号線と東横線との相互直通運転によって、東横線から池袋まで直通客を運ばれることに対する危機感が湘南新宿ラインの強化へ向かわせたように、地下鉄との相互直通運転や複々線化など鉄道施設の増強で競争条件が変化した結果として、競争が誘発されたとも言えるわけで、ペンディングしている京王線調布までの複々線化なども、沿線住民や自治体の対応如何ではありますが、可能性の目は消えていないという見方も可能です。
 京王の場合はとりあえず調布市内連続立体化事業に付随する調布駅平面交差解消時に、最高速や加速度の見直しによる攻めのダイヤ改正の可能性は高いといえますから、その結果如何で展開が変わってくるかもしれません。丁度京急が京浜間の沿線人口減少と工場のリストラで輸送実績を下げたときに、空港連絡に活路を求めたように、鉄道会社が本業への投資へと回帰していくことで、全体としての利便性が高まり市場が活性化していくという好循環は期待できるかもしれません。

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Saturday, November 13, 2004

西武鉄道上場廃止の危機に会社再編

昨日、テレビのニュース映像で流れましたが、いよいよ西武鉄道の上場廃止が避けられない情勢です。
 有価証券報告書虚偽記載を理由とした上場廃止は、過去に例がないだけに、異例中の異例ですが、そもそも何が問われているのかというと、株式市場の透明性ということになります。特定少数株主が発行済み株式の80%以上を占めるということは、一般に流通していた株式数が少ないわけですから、取り合いで値がつりあがるわけです。
 どの程度かといえば、問題発覚の直近の株価が1,801円でしたが、11/12終値で405円ですから、8割近く値下がりしたことになります。1株当り5円配当を実施してますから、これを国債金利と同等の利回りでまわると仮定したときの理論値が340円、さらに保有資産の評価額から見たいわゆる清算価値で見れば110円ですから、さらに値下がり確実といえます。
 ただし保有不動産の含み損益などは反映されていない点は要注意です。電鉄会社は歴史がありますので、保有不動産の取得時期が古く、簿価がただ同然という低いレベルですので、バブル崩壊後の地価下落後の水準で見ても相当な含み益を持っているものといえます。まして西武鉄道は先代康次郎時代に全国の土地を買い集めていて、直接本業に係わりのない土地を多数保有しています。それだけ不動産の含み益を多数抱え込んでいるといえます。
 しかし含み益は当該資産を売却するなどしない限り実現しないわけですから、特に下落の激しい地域の特に収益を生み出さない未利用地や低利用地の場合、有力な開発見込みがない限り、売却したために評価額が下がってしまうケースもあり得ます。東急グループがバブルの清算で田園都市線沿線の未利用地を放出したのは、あくまでも人気エリアの土地だったから可能だったわけです。
 ま、しかしここに西武鉄道の将来を展望する視点が啓けます。鉄道本業と無関係なリゾート開発から鉄道沿線の再開発など、本業である鉄道業と関連付けての開発事業を中心にすえて、鉄道本業への投資と相まって沿線を人気エリアに育てていくことで、本業が助けられますし、コクドの保有株放出の受け皿として沿線住民に株保有を勧めるという可能性も啓けます。いわば沿線サポーターを育てること、これこそが鉄道経営の王道といえましょう。

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Monday, November 08, 2004

湘南新宿ライン 特快は速かった

というわけで、11/6の土曜日は、野暮用で西の方へお出かけとなりまして、帰りにいろいろあって、小田原16:00発の3670E特快高崎行きに乗ったんですが、これが速いんだわ^_^;。
 乗車したのは藤沢までなんで、わずか24分間の乗車時間なんですが、営業キロ32.8kmですから区間表定速度82km/hという激走ぶりになります。一応快速アクティを補完する形で走っているものの、快速アクティが同区間35分を要しているわけで、まるで走りが違います。
 やっと首都圏にも京阪神の新快速に比肩しうる速度の速達列車が登場したと喜ぶべきなんでしょうけど、これだけ速度差があると、快速アクティときれいに等間隔とはいかず、たまたま時間帯が合えば速達サービスが受けられるという運任せというあたりに、首都圏のJRの苦悩があります。
 やっぱダイヤが混んでるんで、この辺が精一杯ということなんでしょう。今回の改正でE231系限定でのスピードアップが実現したわけですが、国府津区にE231系が揃うのは来春あたりですし、快速アクティを全て置き換えることになるかどうかは定かではありません。ましてL特急(*)踊り子(スーパービューじゃない185系のやつ)より速いとなると、違いは接客設備だけか? いや制度が変わって利用しやすくなったBグリーン車使えば快適性も上を行くとなると、踊り子の立場って・・・-_-;。正規の特急料金を払って乗る人って、よほどの鉄ちゃんか人間嫌いってことだらうか^_^;。
 ま、それでも特急料金払って乗ってくれる羽振りのよい客がいるのが東海道線なんですが、特に伊豆方面へ向かう道路事情に助けられているといえるかもしれません。でもこれって、昨今の伊豆観光の地盤沈下の一因でもあるような気がします。

* JR東日本では既に正規の呼称としては使われておりませんが、ここではスーパービューと区別する意味で使わせていただきました。ちなみにこの場合のLは、Local(地方、地域、鉄道用語で普通列車)、Legacy(遺産)、Legend(伝説)などの意か。要するに旧くてヘボいってことです^_^;。

 東急の完全子会社化で再建を進める伊豆急行がJRから国鉄型車両を払い下げを受けている図は、寂しさを禁じ得ません。いっそ踊り子は全部リゾート21で走らせて、東京での集客の目玉にでもするかなど、次の手を考える必要があるのではないかと思います。
 しかしE231の激走ぶりは見事です。大量増備で首都圏の輸送改善に寄与するところ大といえます。走ルンです万歳!!!^_^;

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Sunday, November 07, 2004

コクド球団売却に動く!? 西武ライオンズの蹉跌

事態は想像を超えて、思わぬ方向へ進んでいるようです。
 日本経済新聞11/6夕刊トップにタイトルの記事ですから、驚きました。前回、西武鉄道の自立をテーマとした記事で、鉄道側の事情での球団売却の可能性に言及いたしましたが、実際はコクドの方が球団売却に動いていたというわけですね。ま、西武鉄道にとっては、西武球場は乗客を集める集客装置として意味があるわけで、コクドも西武球場をフランチャイズとすることを条件にしての売却先探しだったようですから、西武鉄道の事情を汲んでいるわけですね。
 しかしライブドアにも声かけてたとは。楽天イーグルスにヤフーホークス???でかつて電鉄リーグと呼ばれたパリーグが、今度はITリーグの様相を呈しているのが、時代の変化を映しているようで面白いところです。
 半世紀にわたるライオンズファン^_^;の私ですが、思えばかつての黄金時代は石炭景気で業績好調だった西日本鉄道が、名監督や名選手をかき集めて実現したものといえるかと思います。
 黒い霧事件で戦力ダウンしたときは、既に国のエネルギー政策が石炭から石油へシフトして、親会社の西日本鉄道の業績も下り坂の時代ですから、西鉄が球団を持ちきれずに太平洋クラブへ身売りしたのも無理からぬところです。その後クラウンライターを経て西武コクドグループが買い取り、西武ライオンズとなったわけですが、鉄道屋からゴルフ場屋、ライター屋を経て(実際は共に平和相互銀行が資金提供していたようですが)、鉄道屋とはいえリゾート開発に傾斜していた西武コクドグループへの譲渡は、それ自身が歴史に翻弄された結果といえるのかもしれません。
 結局200~250億といわれる譲渡希望価格が高すぎて不調だったようですが、西武鉄度の管理ポスト行きで資金調達力が著しく低下した西武コクドグループとしては、聖域なきリストラにまい進するしか道がないということでしょう。
 日本のプロ野球は、ライオンズの歴史を見ても、所詮はタニマチ経済に支えられていたということなんですね。そしてタニマチの旦那衆に仲間入りするには、旦那衆の中でも頭領格の御仁(読売のナベツネ)の覚えめでたい者に限るという暗黙のご了解の下、頭領を抱き込んで10球団1リーグ制を画策したグループが、謀をめぐらせて失敗し、タニマチを抜けたいと言っている構図と見ればわかりやすいですね。これは裏を返せばプロスポーツとしての興行的な自立とは程遠い姿といえます。
 ま、私みたいに弱かった時代も離れなかったファンのいるライオンズですから^_^;、これぐらいのことでどうにかなるとは思っておりません。スポンサー企業が変わってもV2目指してがんばっていただきたいところです。

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Thursday, November 04, 2004

脱堤、西武鉄道は自立できるか?

西武ライオンズ日本一という結果をもって2004年シーズンを終えたプロ野球ですが、同時に堤義明氏のオーナー辞任によって、西武コクドグループの役職から公式に退いたわけですが、誰もこれで堤氏の西武コクドグループ内の支配がなくなるとは見ていないでしょう。
 でもいろいろな形で確実に変化の兆しは現れているというのが、この記事の要旨となります。とりあえず早稲田大学のご学友^_^;グループが経営陣から退き、生え抜きと運輸官僚出身者がトップに立つことで、本業回帰を目指す動きが見え始めているあたりに注目したいと思います。
 思えば春に発覚した西武鉄道の総会屋利益供与事件が発端だったんでしょう。監査役まで身内で固めて、事実上監査が機能しない上場企業は、何も西武だけに限りませんが、その体制を維持しようとすれば、さまざまな無理を重ねる結果となり、利に敏い闇の勢力につけ込まれたとしても不思議ではありません。
 結果として堤氏の腹心中の腹心である戸田博之社長と共に会長職を辞任し、社外取締役2人の選任と併せて7月に倫理委員会と業務改革委員会を立ち上げ、社内改革へと舵を切るという変化が出てきたようです。さらに取引先企業へのコクド実質保有の西武鉄道株を勧めてインサイダー取引を疑われたことで、常務取締役の白柳敏行氏が辞任に至り、堤氏側近が経営陣からいなくなるという椿事と相成りました^_^;。
 結果として西武鉄道経営陣は自立経営を志向する動きが出てきたという見方となります。本業の儲けを本業に再投資するから経営基盤が強化されて経営が安定するのは、鉄道業に限りませんが、大規模な資本を要する鉄道業においては、重要な経営戦略です。例えば東急が数々のビッグプロジェクトを当初計画とは違う形であっても実現していって現在の地位を築いたこととか、国鉄資産を継承してスタートが恵まれているとはいえ、毎年着実に投資を続けるJRの姿を今の西武鉄道経営陣はうらやましく感じているようです。
 しかし従来は堤氏の個人保証と保有不動産の含み益で銀行融資を引き出すことも、株式のグループ保有で株価を高止まりさせてエクイティファイナンスで資金調達することも今後は難しいわけですから、不採算事業の切り離しなどの事業の見直しが避けられないといえます。
 ところがこれが曲者で、例えば日本一に輝いた西武ライオンズはコクドの完全子会社ですが、フランチャイズ球場の西武ドームは西武鉄道が保有し、ライオンズに興行権料を支払っているという関係ですが、年間20億円程度の赤字事業という現状では、見直しせざるを得ないところですが、堤氏が継続保有を希望している限りは難しいですし、同じく堤氏ご執心のプリンスホテルも、赤坂や高輪など都内の好立地物件の多くは西武鉄道の保有でテナント収入を得ている現状ですが、資金調達のために手放すことになったらどうなるかなど、不透明な要素テンコ盛り状態といえます。
 とはいえやっと鉄道屋として目覚めた新経営陣には、やはりエールを送りたいと思います。

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