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Saturday, November 13, 2004

西武鉄道上場廃止の危機に会社再編

昨日、テレビのニュース映像で流れましたが、いよいよ西武鉄道の上場廃止が避けられない情勢です。
 有価証券報告書虚偽記載を理由とした上場廃止は、過去に例がないだけに、異例中の異例ですが、そもそも何が問われているのかというと、株式市場の透明性ということになります。特定少数株主が発行済み株式の80%以上を占めるということは、一般に流通していた株式数が少ないわけですから、取り合いで値がつりあがるわけです。
 どの程度かといえば、問題発覚の直近の株価が1,801円でしたが、11/12終値で405円ですから、8割近く値下がりしたことになります。1株当り5円配当を実施してますから、これを国債金利と同等の利回りでまわると仮定したときの理論値が340円、さらに保有資産の評価額から見たいわゆる清算価値で見れば110円ですから、さらに値下がり確実といえます。
 ただし保有不動産の含み損益などは反映されていない点は要注意です。電鉄会社は歴史がありますので、保有不動産の取得時期が古く、簿価がただ同然という低いレベルですので、バブル崩壊後の地価下落後の水準で見ても相当な含み益を持っているものといえます。まして西武鉄道は先代康次郎時代に全国の土地を買い集めていて、直接本業に係わりのない土地を多数保有しています。それだけ不動産の含み益を多数抱え込んでいるといえます。
 しかし含み益は当該資産を売却するなどしない限り実現しないわけですから、特に下落の激しい地域の特に収益を生み出さない未利用地や低利用地の場合、有力な開発見込みがない限り、売却したために評価額が下がってしまうケースもあり得ます。東急グループがバブルの清算で田園都市線沿線の未利用地を放出したのは、あくまでも人気エリアの土地だったから可能だったわけです。
 ま、しかしここに西武鉄道の将来を展望する視点が啓けます。鉄道本業と無関係なリゾート開発から鉄道沿線の再開発など、本業である鉄道業と関連付けての開発事業を中心にすえて、鉄道本業への投資と相まって沿線を人気エリアに育てていくことで、本業が助けられますし、コクドの保有株放出の受け皿として沿線住民に株保有を勧めるという可能性も啓けます。いわば沿線サポーターを育てること、これこそが鉄道経営の王道といえましょう。

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