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Sunday, December 05, 2004

整備新幹線新規着工、三位一体もなんのその

政治関連の話題はあんまり書きたくはないんですが、やっぱ見過ごせません-_-;。
 族議員と呼ばれる議員の集団はいろいろあって、郵政族や厚生族の話題が最近は多いんですが、運輸族と呼ばれる一団がいまして、かつて国鉄にたかって赤字ローカル線を作っては票集めに精出してた人たちです。今や保守王国と言われる群馬県ですが、革新気質の強かった妻恋村の開拓農家の切り崩しを狙って吾妻線が電化路線で開業したのは記憶に留めておきましょう。
 そんな彼らにとっては国鉄改革は悪い冗談だったに違いありません。特に整備新幹線の沿線地域にとっては、積年の夢がオイルショック対策の公共事業凍結でストップし、国鉄の経営悪化で復活のきっかけを掴めないまま、国鉄民営化となれば建設凍結が恒久化しかねないということで、国鉄改革法に整備新幹線の扱いを滑り込ませた経緯があります。並行在来線のJRからの切り離しを前提に、フル規格、ミニ新幹線、スーパー特急の3方式を併用という形で事業費を圧縮しながら整備を進めるというものです。新幹線は票になる、その一念が蟻の一穴ともいうべき抜け穴を作ることになりました。
 前置きが長くなりましたが、細かい経緯は別の機会に譲るとして、現在建設中の区間は東北新幹線八戸~新青森間、北陸新幹線長野~富山間と石動~金沢間(スーパー特急方式)、九州新幹線博多~新八代間の3線4区間ですが、与党の新規着工要求が強く、財務省は防戦しているものの、何か押し切られそうな気配です。
 新規着工区間として北海道新幹線新青森~新函館間、富山~金沢間(石動~金沢間はスーパー特急からフル規格へ計画変更)、九州新幹線長崎ルート武雄温泉~諫早間の3区間です。
 それぞれ問題点を抱えてまして、北海道新幹線は新幹線規格で建設された青函トンネルの活用ができるものの、整備主体がJR北海道となるので、本州側の並行在来線である津軽線がJR東日本の保有であるために、切り離しの受益を受けられないことと、青函トンネル区間が貨物との共用となる関係で、ダイヤ編成などが制約される問題があります。新函館(仮称)も渡島大野の位置ということで、既存の函館市街と遠く、札幌延長の都合を除けば集客には不利といえます。
 北陸新幹線については、元々富山まで開業しても車両基地がなく、あまり列車を設定できないと言われておりました。整備計画では金沢市西部の松任に車両基地を整備する予定でしたので、金沢延長はそれなりに合理性はありますが、あくまでも富山延長が合理的であることが前提です。並行在来線の北陸本線をJR西日本から切り離した場合、大糸線(南小谷~糸魚川)、高山本線(猪谷~富山)、城端線、氷見線、七尾線の各線が孤立し運命を共にせざるを得ないですが、下手をすれば地域交通を壊滅状態に追いやるおそれがあります。
 九州新幹線長崎ルートは、スーパー特急方式で整備される予定ですが、おそらく完成時にはフリーゲージトレインが実用化されているという皮算用でフル規格に化ける可能性はあります。とりあえず今回の新規着工区間だけを見ても、肥前山口~諫早間の切り離しで切り捨てられる鹿島市から反対の声があがっています。フル規格に化けた日には、将来鳥栖からバッサリの可能性もあります。
 ま、これらは有権者の皆さんが政治家の甘言に惑わされなければ良いわけですけど、問題はJR東日本など、延長区間から発生する乗客による増収分を既存新幹線の事業者が受け取るので、それを税で吸い上げて財源に充てようということが議論されているそうで、だとすれば日本は資本主義の看板を降ろして統制経済の国と言わねばなりますまい。JR東日本は増収分は法人税の納付などで社会的責任を果たすとして反論してますが、当然のことです。
 そうでなくても受益分をリース料として召し上げられてしまう整備新幹線事業です。増収のためには既存区間のスピードアップで対航空の競争力をつける必要があるわけで、座して儲かるほど甘くありません。そういった努力のインセンティブを奪うことで、JRの協力が得られなくなる可能性は考えないんですね。JRは国鉄ではなく民間企業だってことをいい加減学習してほしいですね。
 ま、それでもなにが何でも新幹線が欲しいという地域のために、せめて国の公共事業予算を財源ごと地方へ渡して、空港整備や高速道路を諦める代わりに新幹線を作るなど、地方が自らの意志で自己決定できるようにはしてほしいですね。それこそ三位一体改革ですぜ。

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