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Thursday, February 24, 2005

“さくら”散る2005年の春

桜の開花もいまだしのこの時期ですが、ちまたでは“さくら”“あさかぜ”の廃止で鉄ちゃん胸騒ぎの今日このごろです。東京駅などでは駅撮り鉄ちゃんと駅員のバトルはあるは、沿線でも望遠片手に“お立ち台”争奪戦はあるは、果てはヘッドマーク盗難事件までと、鉄道関連の廃止イベントの要素テンコ盛り状態です^_^;。
 個人的には東戸塚の抜け道沿いにある土手にへばりついた三脚担いだカメラマンの姿を目撃して、「そういえば廃止だっけ?」と思い出す程度なんですが、以前記事にした夜行列車の生きる道で述べた通り、20系を知る世代としては、14系登場の時点で、20系に比べて省力化優先の安直な造りに失望し、既に今日を予見できたことを述べております。
 以後さまざまなテコ入れ策が講じられたにもかかわらず、結局は生き残れなかったわけですが、同時にサンライズや北斗星・カシオペアなどに、夜行列車生き残りのヒントがあることも指摘させていただきました。ただし九州夜行で実現することの難しさもあります。
 サンライズタイプの列車の難しさは、九州が交流電化であるために、交直両用車を必要とするのに対して、サンライズでは極限までスペースユティリティを追求した結果、交流20kvに対応した絶縁空間の確保が難しいという問題に直面します。解決不可能ではないでしょうけど、サンライズでさえ単独では収支が合わないといわれる中で、車両の開発費を誰が負担するかで躓きます。
 カシオペアタイプの列車は、結局のところ旅行会社の主催旅行でほとんど予約を押さえられているツアー客中心の利用実態があるわけで、今のところは富裕な高齢者世代が中心です。そして旅行先としての北海道人気に支えられているから存続できているというのが実態です。でも九州もかつては人気を集めた地域なんですが、新幹線や航空の利便性が、旅情を否定してしまうようで、カシオペアタイプの列車は望み薄と言わざるを得ません。
 あと可能性があるとすれば、外国人観光客を対象とした国際観光列車としての生き方です。特にアジア地域の経済発展によって、韓国や中国に富裕層が出現し、彼らの旅行先として日本は人気が高いようなので、彼らを受け入れるツアーの行程に組み入れることを前提とした列車設定というのは、考える余地があるかもしれません。それも例えばかつてのオリエントエクスプレスのようなヨーロッパの旧い寝台客車に狭軌台車を履かせて走らせるなど、できるだけ初期投資を抑えた形で実現できれば面白いと思います。本当は20系を復刻して走らせたいところですが、それだと初期投資が嵩む気がします。
 ま、いずれも絵空事なんですが、特に外国人向け観光列車では、ハードもさることながら海外での集客やクルーの接客、受け入れ先の観光地との連携など、JRだけで取り組めるものでもありませんし、全体をうまくコーディネートするのは結構難しいかもしれません。しかしこういうソフトパワーでこそ、日本はアジアをリードする立場だと思うんですが、悲しいかな現段階では鉄ちゃんの妄想の域を出ません。いつしか実現する日は来るでしょうか?

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