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Saturday, March 12, 2005

リストラ効果で明暗、私鉄大手15社

私鉄大手15社の今期見通しが明らかになりました。日本経済新聞3/12朝刊によれば、経常増益8社減益7社と、まだら模様で、異常気象の影響で本業が不振な中、事業のリストラ効果や関連事業の業績で左右される結果となったようです。
 かつて阪急から始まって、沿線開発によって利用者自体を創り出すというビジネスモデルは、戦後の土地神話と人口増加を追い風に、開発用地の先買いによる“含み益”を担保に銀行から資金を調達して開発事業を進めるディベロッパー的な事業に舵を切った各社でしたが、バブル崩壊と人口減少で揺さぶられており、早晩リストラは避けられない状況ではありました。しかし各社の取り組みには温度差があり、それが結果として業績を左右している状況は読みとれます。
 連結対象会社の切り離しによって、減収ながら増益を実現した近鉄や東急、逆にスーパーの相鉄ローゼンと横浜地下街を子会社化して連結売上高を増やした相鉄など、本業以外のリストラ効果で増益につながるケースが多いのが特長です。難波のホテル売却が寄与する南海と宝塚ファミリーランド閉園が寄与する阪急も“リストラ効果”組です。既にリストラを終えた小田急と京急、堤前会長逮捕でこれからリストラが本格化しそうな西武を加えた8社が増益組で、ほかは減益組となります。
 減益組で目立つのは、03年のタイガース優勝効果が剥げ落ちた阪神で、運賃収入に留まらず興行収入とグッズ収入のトリプル減が響いたわけで、業績はタイガースの成績にかかっているわけです^_^;。他の減益各社も要因はいろいろありますが、運賃収入の落ち込みが激しい上にリストラ未着手の東武鉄道は、正直なところ今後が心配です。
 私鉄各社にとって避けて通れないのが2006年から義務づけられる減損会計ですが、各社の対応は分かれており、前期に特損計上した東急と相鉄は最終損益の黒字転換、京王電鉄は増益となりますが、今期減損実施の名鉄が赤字転落のほか、小田急と阪神が減益となります。タイガースは敗れても財務の健全性では一歩リードです^_^;。
 他社は来期以降に正念場となりますが、バブル期の高値買いがない西武は含み益を吐き出せば何とかなるでしょうし、堤前会長の逮捕はリストラをやりやすくするという意味で、ラッキーだったかもしれません。しかし他社は手付かずですが、今期リストラ効果でぬか喜びする近鉄や南海や阪急でさえ、先行き不透明感は拭えません。
 そもそも減損会計については、鉄道業界で誤解がはびこっているようで、「損したときだけ決算に反映させるのはおかしい」という私鉄首脳がいたりします。事実は企業の財務の健全性を担保する意味ですし、そもそもノンキャッシュ費用として利益から無税で控除できるわけですから、そうして得た流動性を企業の未来のために活用できれば何の問題もないんですが、"黒船扱い"とは時代錯誤です。

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