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Saturday, March 05, 2005

藤沢市“ツインライナー”の可能性

既にニュース等で流れてますが、地域交通の整備に関する取り組みとして、注目すべき点があります。
 導入のいきさつなど詳しくは藤沢市の公式ページを参照していただくとして、マイカーからの積極的な転移を促す仕組みに新しさがあります。ひとことでいえば利便性をいかに高めるかに工夫があるわけです。
 小田急湘南台駅に相鉄いずみ野線と横浜市営地下鉄が乗り入れたのは99年のことですが、その結果同駅の利用が増大し、特に駅西口ロータリーを中心に渋滞が日常化していたわけですが、家人による送迎利用の多さがこの事態を招いているわけで、駅までバス利用に切り替えてもらうにはどうすればよいかがポイントとなります。
 バス利用をためらう理由としては、バス運賃の負担が生じるが、対価として時間通りに来るかどうかわからないバスを待ち、混雑していたりドアステップを昇るのがおっくうだったりと、心理的バリアが多数存在するわけで、少なくともマイカーを保有し送迎を担当する家人がいる家庭においては、少ない追加負担で利用できるわけですから、バス側でよほど利便性を高めなければ利用してもらえないわけです。
 そこで収容力の大きい連接バスでしかもバリアフリー対応のノンステップ車を採用し、GPS車載機とナビゲーションシステムを導入して利用者へ運行情報を提供し、バス待ちの心理負担を軽減するとともに、警察との連携で優先信号などで運行支援するPTPS(公共車両優先システム)の導入で定時運行を確保します。あと注目すべきは、急行運転によって連接バスの回転を高めて運行コストを抑える点で、現行の普通バスとは別個に、純粋に増発の形で運行されるので、乗客側にとってはスピードアップの恩恵もあり、利用に関わる心理的抵抗を軽減します。
 そして慶應義塾大学以西の交通不便エリアには“ふじみ号”の名でフィーダーバスを走らせます。バス同士の乗り継ぎは、従来の常識でいえば不安なところですが、PTPSによって定時性が高まればこそ可能性がひらけます。そして乗り継ぎの時間ロスは急行運転で取り返せるので、トータルな利便性は維持できるという考え方になります。フィーダーバスで集めた乗客を乗り継ぎターミナルで連接バスに乗り換えてもらえれば、末端の乗客が希薄なエリアで狭隘路も多いエリア向けの小型バスが多数駅前ロータリーを目指す非効率の解消となり、結果的に交通流をスムーズにするわけです。ま、この辺は実際に機能するかどうか運行開始を待たなければ何ともいえないところではあります。
 こういったケースですと、従来はモノレールや新交通システムなどの軌道系交通システムが提案されることが多かったと思いますが、車両と乗り継ぎターミナルと車載システムと警察の協力などで、既存の資源を有効活用して改善をはかるというのがミソといえましょう。実際藤沢市では軌道系交通システムの導入も検討されたようですが、投資額が莫大で財政難の自治体にとっては高いハードルだったようです。藤沢市の人口は40万人規模で、名鉄600V線の廃止問題を抱える岐阜市と人口規模は同等ですが、城下町の岐阜ほどには都市としての集積度は高くありません。そして市内の最も居住密度の低いエリアの話なんですが、岐阜市が廃止を阻止できなかったのは、あまりにも利便性の低い現状では行政のテコ入れに大義名分が立たない点です。もちろん過去の投資不足の結果ですから何を今さらなんですが、藤沢市の場合には、密集度の低いエリアであえて公共交通による需要の集約に乗り出したわけで、意欲的な取り組みといえます。3月14日の運行開始が楽しみです。

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