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Sunday, April 10, 2005

205系山手線撤退に寄せて

最近鉄道ネタから遠ざかってますが(笑)、一応旬の話題ということで^_^;。
 205系は国鉄末期のの登場でJR化後も増備された形式で、国鉄からJRへの橋渡しを担ったという意味で独自のポジションにいます。101系に始まる新性能電車第一世代、国鉄の標準化思想のもと大量増備された103系などの第二世代に続く201系以後の第三世代の一角を占めながら、予定されていなかった形式でもあり、変化の時代を象徴する形式と評価できます。
 第一世代の先駆けとなった101系は、当時私鉄各社に登場した高性能電車の国鉄版ということで、かなり力の入った車でした。オールMで高加減速を狙い、既に10連2分ヘッドで30本/時と限界にあった中央快速線のラッシュ輸送で、クロージングイン(移動閉そく)を構想しつつ信号の閉そく割りを細かくして運転間隔を縮め、輸送改善を狙ったんですが、変電所が負荷に耐えられずにT車込みで旧型車並の性能にスペックダウンというトホホな展開と相成りました。それでも車両としてのつくりはしっかりしていて、当時の設計陣の志しの高さは大したものでしたが、同時に地上設備の増強なしに車両側の技術革新で近代化を狙ったコンセプトは破綻し、以後の国鉄の車両政策に影響することとなりました。
 103系に代表される第二世代は、とにかく工作の簡易化と標準化が徹底され、外見の似ている101系と比べても、構造床に直接床材を貼るような簡易なつくりが祟って、振動と騒音に悩まされることとなります。にもかかわらず大量増備されたのは、行きすぎた標準化思想と国鉄財政の悪化が原因です。世代交代の計画はあっても予算が付かない状況で放置され、結果的に国鉄分割時にも大量の陳腐化した国鉄型車両を引き継ぐ結果となりました。
 かくして財政難の中で登場した第三世代のトップは201系ですが、試作車(900番台)こそ103系に準じた車体構造でしたが、量産車からは普通鋼ながら耐候性鋼板を使用した長寿命設計とし、車体剛性の高いボディはその後登場した117系、185系、713系にも引き継がれることとなりました。しかしこれが製造コストを押し上げることとなり、量産効果によるサイリスタ素子価格の低減の狙いが外れたこととも相まって、高価な車両となってJRに引き継がれたために、メンテナンスに苦労しながらも使い倒されることとなります。ま、制動初速によって主回路に抵抗を挿入するブレンディングブレーキが高尾以西の山線区間で回生失効しにくく安定していることが延命の理由かもしれませんが。
 そういうわけで国鉄末期の財政事情では高価な第三世代車は量産も叶わず、陳腐化した旧世代車を置き換えるのに作戦変更となって登場したのが205系です。
 メカ的には以前から計画されていた近郊形ステンレスボディの界磁制御回生車を通勤形に焼き直したもので、加減速性能よりも中高速域の加速性能に重点を置かれた近郊形性能の車です。メカの目玉は界磁添加励磁制御で、当時私鉄で標準と化しつつあった界磁チョッパ制御と同等の機能を直巻モーターで実現するもので、安価で省エネ特性の高い優れものでした。車体構造も東急車輌の協力を得て東急8090系で実現した軽量ステンレス構造を移植し、「私鉄みたい」な新車として山手線で華々しくデビューしたのが205系ということです。つまりは国鉄末期の財政難が生み出した予定外の新車だったわけです。
 結果的に経済的で使い勝手の良い205系はJR移行後も増備され、山手線のみならず、埼京線、京浜東北線、中央総武緩行線、南武線、横浜線、京葉線、武蔵野線、相模線と仲間を増やし、さらに209系、E231系と続く新系列車に後を譲って転用され、国鉄形の103系を駆逐する役割を担うこととなりました。今回の山手線の置き換え完了は、一連の転用計画も終盤に差し掛かったことを意味しますから、押し出される103系は、いよいよ終焉を迎えることになるわけですね。
 JR東日本の今後の車両置き換えがどのように進むかはわかりませんが、第三世代に属する201系も置き換え対象となるようですし、松本に残る115系には車齢の高い車もいますし、国府津の113系が置き換えられた後を考えると、MT比を下げて113系並に性能を落として使っている211系の去就も気になります。個人的にはE231系の高性能を実感しているだけに、地元の東海道線で足の速い車が揃う日を楽しみにしております。

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Comments

201系は、確かに外板がきれいで、未だによれもなく、つるつるですね。これには感心させられます。むしろ、京浜東北の209系の方がよれが出てきているような気もします。

201系沿線利用者としては、205系がデビューしたとき、下降窓やしゃれた化粧板、ボルタレス台車の乗り心地の良さにあこがれました。その一方で、低速の抵抗制御域の段つき加速には、だいぶ違和感を感じました。

Priemra

Posted by: Primera | Tuesday, April 12, 2005 at 01:36 AM

201系登場の頃、私は少し南の窓がバタつく白い電車のユーザーでした^_^;。それだけに201系の質感はうらやましさを感じたりもしましたが。
 209系のヤレですが、平板ステンレスの宿命で、熱伝導の悪いステンレスはどうしても溶接熱による歪みが出やすく、コルゲーションやビート加工のように誤魔化せないので、必ずしも経年で痛んでいるわけではないと思いますが、201系に比べればお手軽感は否めませんね。

Posted by: 走ルンです | Wednesday, April 13, 2005 at 11:03 PM

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Tracked on Tuesday, April 12, 2005 at 03:33 PM

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