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Saturday, April 02, 2005

メディアの落日、ライブドアがつきつけた問題を理解できない既存メディア

昨日のテレ朝の報道ステーションでやった“会社は誰のものか?”という特集はまぁ、ツッコミどころ満載でツッコミきれない内容でした^_^;。
 “1940年体制”という著書のある野口悠紀雄先生まで登場させて、“会社”について掘り下げた問題意識自体は秀逸ですが、世論調査をやって「従業員のもの」の回答が半数近いという画を見せられて、興ざめいたしました。いったいあんたら何を言いたいの?
 そもそもものですらない会社を“誰のもの?”と問うことの意味を深く考えていなかったのでしょう。会社自体は法律によって法人格を有することになっていますから、“人なのか?”と問うならまだしも、考えなしに“もの”としてしまったために、わけのわからない世論調査をする羽目に陥ったんですね。
 当然“人”ならば、そもそも“売買”したり“支配”したりすることは憲法の基本的人権の尊重に抵触しますから、憲法違反となります。また人としての具体的な身体を持ちませんから、自然人のような出生、婚姻、死亡とは無縁です。教育を受ける権利を持たない一方で納税の義務は課されます。つまりは経済行為の主体となると定義された法律上のバーチャルな人格権であり、実態は制度の塊であり手続きの塊であるということです。つまるところ単なる入れ物なんですね。
 会社そのものはバーチャルな存在ですが、手がける事業は当然実態を伴います。事業を行うためには機械その他の富を生み出す仕組みが必要ですが、これを“資産”と呼びます。会社は資産を取得し、その資産を活かして富を生み出す存在なんですが、資産の取得には資金が必要になりますが、この資金を公募で集めて出資した人へ事業配当を約束すれば、株式上場された株式会社の形となります。そして例えば機械ならばオペレーターが必要になるように、労働力を投入することで事業の実体が生み出されるわけです。いわゆる従業員は、この労働力を対価を得て供給する存在なわけでして、会社とは雇用契約によって結びついた存在というわけです。ということで“会社は従業員のもの”という認識には違和感を覚えます。当然出資者である株主を選ぶ権利なぞあるわけがないんで、会社の利害を代表する経営者との間で団体交渉を行い地位や待遇を決めることができるに過ぎません。この辺は“制度の塊、手続きの塊”として会社をとらえておけば、何も違和感のない問題です。
 話をテレ朝に戻します。町工場の親父さんまで登場させて「上場企業は株主のもんだろうけど、うち(の会社)は俺のもんだ(笑)」と言わせたりして、他局に比べればマシな特集だとは思いますが、編集が悪くて素材を活かせていないというか、考えのない世論調査でぶちこわしてしまっているのが惜しいところです。
 この辺に放送メディアの限界があるんですね。国から免許を受け電波の割当を得て行う放送事業では、基本的に時間制約の中で番組編成を行い、より多くの視聴者を引きつけることで、スポンサーフィーを稼ぐというビジネスモデルなんですが、何かを伝えようとするにしても、番組の時間枠の中でしかできないわけで、時間枠に収める編集の課程で意味不明なものを創り出してしまうんですね。これだけの素材を集めるために少なからずコストをかけながらですから救われません。ネットならばwebページに置いといてユーザーに閲覧させるだけで無駄なく閲覧可能になるわけで、この面から見れば劇的な情報流通のコストダウンになるわけです。その結果、メディア企業にとっての利益の源泉である視聴者との情報格差が、ネットの世界ではほぼ消えてしまうわけですから、そもそも放送事業そのものの存立の意義が揺さぶられているんですが、テレ朝の報道姿勢を見ても、そのような危機感は見あたりません。単なる劇場型の経済事件としてしか見られないとすれば、遠からずテレビは衰退するしかないのでしょう。

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