道路特定財源が2007年以降余剰
ひっそりとこんなニュースが流れてます。昨日のニュースを起点に余剰金の綱引きや閣僚の省益発言などなど、政治の話題も郵政民営化一色ではありません。
大まかな流れとしては、道路公団民営化の中で本四公団の累積債務を道路特定財源で償還することが決まっていて、一方で小泉政権下での道路整備抑制の方針で余剰となった道路特定財源によって、本四公団の債務償還が06年度中に終了する見込みとなり、07年度以降恒常的に余剰金が出ることが確実となったものです。
で、ただでさえ借金漬けの政府財政ですから、この余剰金を巡って早速綱引きが始まったわけですが、大まかには医療、年金、介護などで財政需要が拡大途上にある社会保障関連へ回すか、地球温暖化防止のための環境関連に流用するか、引き続き道路整備に使い続けるかの綱引きになっています。ま、それぞれに言い分があって、簡単には決められないのですが。
気に入らないのは、余剰金が出れば納税者に返すのが財政の基本だと思うんですが、何に使うかで綱引きしているのはたまりません。もちろん財政支出によって社会的便益を供与することも、広い意味で納税者へ返すことではありますが、その意識が希薄だから、使い道を巡る綱引きになるという点は強調しておきます。
この観点からいえば、2007年以降も本四以外の道路公団の債務償還に余剰金を充てることで、前の総選挙で民主党がマニフェストでうたった高速道路無料化も、現実的な選択肢だったことがわかります。ま、だからあらゆる詭弁を弄してつぶしにかかったふしがあります。税金で負担するなら負担することに変わりはないのですが、確実に高速道路通行料の相対価格は変化します。経済の本質はものの相対価格の変動にあるわけで、例えば高級消費財だったものが技術革新で量産化されて低価格で大量に消費市場に供給されれば、消費者の消費行動そのものが変化するわけで、産業革命以来の劇的な社会の変化は、この観点からほとんど説明可能です。
というわけで、郵政民営化以上に民意を問うべきことがらだと思うんですが、例によってお粗末な日本のメディアは、きちんと伝える姿勢に乏しいのは困ったもんです。世界の要人たちに言わせると日本のメディア向けの記者会見は(質問がぬるくて)心和むんだそうで、あんたらここまでなめられとんねんで。JR西日本の事故のように、明らかな不祥事のときだけ元気良く声を荒げる困った存在だと早く気付いて欲しいです-_-;。
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