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Wednesday, May 04, 2005

ユーザーのふそう離れ? 気になる近所のバス

久々のバスネタです。
 神奈中の舞岡営業所に日野ブルーリボンシティが登場しました。小型限定路線用のリエッセを除けば、大型バスとしては久々の日野車の登場となります。舞岡もリエッセ以外はオール三菱ふそう車の陣容だっただけに、日野車の登場はニュースバリューのある話題かと思います。神奈中全社で見ても、おそらく日野車の新車はモノコック時代まで遡る話になると思いますから、かれこれ20年ぶりぐらいでしょうか。しかもCNG車ですから、排ガス規制の影響で三菱ふそうバスの新車発売ができなかった影響は直接無関係だと思います。ま、単に日野のディーラーがうまくセールスしただけかもしれませんが。
 と思いきや、やはり三菱ふそうが圧倒的に多数派である江ノ電バス鎌倉営業所(平島)でも、いすゞエルガの新車が登場しております。標準尺のワンステップのようです。ま、江ノ電の場合は、少数派とはいえいすゞ車は元からおりました。ただ富士重ボディなんでぱっと見わかりにくいんですが、特に鎌倉には7EボディのLV324の長尺車がいまして、全国区でも結構な珍車だと思います。ということで、ひょっとしてタイトルのような事態(ユーザーのふそう離れ)が起きているのではないかと思った次第です。
 実際問題として新車の型式認証問題で国土交通省から待ったをかけられていたので、セールスの空白期間があったかもしれませんし、全国のユーザーを見たわけではないんで、即断は禁物ということにしておきましょう。しかしそれぐらい神奈中の日野車デビューは椿事といえます。
 ただこれも繰り返しになりますが、型式認証問題でも触れましたが、元々90年頃と比べれば新車登録台数が半減に近い需要の冷え込みを、ディーゼル排ガス規制による買い換え需要で無理に押し上げているからかろうじて維持されている大型メーカー4社体制ですが、逆に排ガス規制対策で開発費用が嵩張った結果が、メーカーの収益を悪化させている現実も見ておく必要があります。その結果ユーザーは買い換えによる出費を強いられ、メーカーは車は売れるものの、3年ごとに新規制に合わせた新エンジンの開発費で利益を食いつぶし、経営が疲弊しているときに、メーカーの負担となるリコールを内々に処理しようという誘因が働かないといえば嘘でしょう。実際は制度面で無理を重ねているといえます。
 そうはいっても他の3社はリコール隠しを少なくとも表面的にはやらずに凌いでいるわけですから、三菱ふそうの責任は免れないのは言うまでもありません。何が三菱ふそうをそうさせたんでしょうか?
 “零戦の三菱”として名高い名門企業三菱重工の自動車部門が分離独立した三菱自動車の大型車部門を分社した三菱ふそうというややこしい位置づけですが、リコール隠し問題で販売不振となった三菱自動車から役員を引き揚げ距離を取り始めたダイムラーが、三菱ふそうには社長を送り込んでまで守ろうとしているわけですが、リコール隠しの中身は主に分離前の大型車部門が中心だったわけですから、何か奇妙な気がします。逆に言えば三菱は大型車こそ国内トップの地位にあり、国際的にも知られた存在だったので、ダイムラーとしては今さら手放すわけにはいかないわけです。分離後の三菱自動車こそいい面の皮だったわけです。
 三菱ふそうも当初はダイムラーのライバルのボルボに身売りされたのですが、ボルボの撤退と共にダイムラーの傘下におさまるわけですが、この辺の不透明な経過は、結局自らを高く身売りするための分社だった疑いがあります。つき合わされたダイムラーは散財を余儀なくされたわけですね。
 そこまで権謀術策を弄してまでも存続に意欲を燃やす三菱自動車と三菱ふそうなんですが、元々乗用車部門はパジェロなどの人気車はあったものの、他社に対して劣勢は否めなかったんですから、選択と集中で強い大型車部門に経営資源を集中させていれば、リコール隠しのような“ずる”をするまでもなく地位を築き、外資へ身売りも防げたように思いますが、名門意識がフルラインメーカーへのこだわりを捨てきれないまま、ずるずると来てしまったのでしょう。
 同様に「トヨタ、日産と肩を並べる名門」と自負するいすゞが、それでもジェミニやアスカの自社生産は早々にあきらめながら、SUVのビッグホーンの生産継続にこだわって経営悪化した図に酷似します。さらに欧州の乗用車市場を中心に小型ディーゼルエンジンの需要が増しており、実際欧州のエンジン工場は好調なんですが、こういう好調部門をGMに手渡し、利益の出ていない国内生産部門を自前で残すなどチグハグが目立ちます。最終組立を諦めてエンジンメーカーとして集中すれば、おそらくアイシンやデンソーに匹敵するワールドワイドなコンポーネントメーカーになれたかもしれません。90年代にリコール隠しで存亡の危機に立ったやはり名門の富士重工が、レガシイをはじめとしたプレミアムカーメーカーに特化し、バスボディや鉄道車両から撤退して業績を高めたのとは対照的です。
 いすゞは大型車メーカーとしても劣勢は否めず、日野との経営統合も両者の業績の乖離もあってまとまらず、やっとバス最終組立のJバス設立に至ったものの、未だメルファ/ガーラミオの中型観光車の統合に留まり、両者のラインナップの穴埋めに一部車種の相互供給に留まっている現状は、先行きの厳しさを暗示します。一方の当事者の日野は、中型路線車のレインボーHRがノンステップ専用車台だったために継続生産されていたレインボーRJ/RRをエルガミオのOEMのレインボーIIに切り替え、ちゃっかり合理化してトヨタグループらしい抜け目なさを発揮してます。
 日産ディーゼルは中型用エンジンを日野から供給を受けることで、経営資源を大型車の開発に集中した結果、国内メーカーで唯一黒字決算を重ねて経営再建に成功し、遅れていた排ガス対策も尿素触媒技術で一気に優位に立ち、リコール隠し問題で出遅れた三菱ふそうへの技術供与まで決まって地位を築いたことと考え合わせると、企業の盛衰の妙を感じます。

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Comments

コメントで本文を補足します。
 神奈中の舞岡に登場したのはハイブリッド車かもしれません。遠目に見ただけなので、屋根上のドームがCNGボンベなのかハイブリッドユニットなのか不明です。

Posted by: 走ルンです | Saturday, May 07, 2005 at 09:20 AM

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