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Wednesday, June 15, 2005

三井物産元室長ら逮捕=5700万円詐欺容疑-排ガスデータねつ造事件・警視庁(時事通信)

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 昨日流れたニュースですが、環境規制のあり方に関して考えさせられます。そもそもは東京都のディーゼル排ガス規制が始まりなんですが、DPF(ディーゼル粒子状物質除去装置)の装着でクリア可能との判断から行われた規制であり、三井物産をはじめ技術開発競争が起こって意図した結果が得られたと思いきや、商品化を急ぐあまりのデータねつ造となったわけです。何か三菱ふそうのリコール隠し事件と共通するものを感じます。
 そもそも日本の排ガス規制は、ディーゼルに関しては甘いところがあったのは確かですが、光化学スモッグ事件もあってNOx規制に比重がかけられていた結果、原理的に排出のトレードオフ関係にあるPM(粒子状物質)に関しては甘い規制となっていたわけで、東京都の規制はその流れに一石を投じたものとして評価できろものではあります。
 しかし実際はリーダーの無理解による安易さが、かかる結果を生んだといえます。空燃比の制御が難しいディーゼルエンジンで、低負荷時の希薄燃焼と高負荷時の不完全燃焼という相反する要素を後付装置で解決することの難しさをリーダー自身が理解せず、民間の尻をたたけばこういうことになるということです。所詮検査に立ち会う役人には技術を評価する能力なんかないんですから。
 特に大型車に関しては、中小型車では有効なコモンレールなどの燃焼技術でクリアすることが難しく、国の長期規制でも猶予がされている現状です。基本的には欧米のように燃料軽油の精製度を高めて粒子状物質の排出を抑えることも考えるしかありませんが、国内の石油精製プラントの更新に費用と時間がかかる現状を放置もできない中で、当局の規制の判断は窮屈なものにならざるを得ません。これまでの産業優先政策の延長線上では解決困難な問題といえます。
 ただDPFの有効性そのものは慎重な判断が必要ですが、現時点では否定的な観測をせざるを得ません。というのは、元々フィルターでの粒子状物質の除去は、常にフィルターの目詰まり対策という厄介な問題を抱えており、フィルターの目が粗いと本当に有害なミクロン単位の粒子を透過させてしまいますし、かといって目を細かくすれば、それだけ詰まりやすくなるわけで、排気管に蓋をしたような状況ではパワーロスも出ますし高熱にもなります。三井物産のDPFではバイパスと称する抜け道をわざと用意していたので、結局フィルターを通らない排気をまき散らしていたわけです。
 この問題への解決策は容易ではありません。製品によっては軽油に不純物として含まれる硫黄成分を潤滑剤として見込んだ仕様のものもあり、その場合精製度の高い軽油では使えないという悩ましい代物になります。
 となるとほかに有効な解決策はあるかどうかですが、今のところ日産ディーゼルで開発された尿素水噴霧方式ぐらいしかないわけです。今のところ日産ディーゼルと三菱ふそうが今年10月からの長期規制実施に合わせて採用を予定しており、DPFで対応を予定する日野といすゞに対してアドバンスを得た形です。ひょっとしたら勝ち組と負け組の組み替えが起こるかもしれません。

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