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Monday, July 25, 2005

商業施設と病院の立地規制?

商業施設や病院の郊外立地を規制・国交省など検討(日本経済新聞2005.7.25.)

























地方圏の大型店の立地規制
現行検討案
市街化区域
商業地域制限なし制限なし
工業地域など制限なし禁止
工業専用地域など禁止禁止
市街化調整区域原則禁止厳格化
非線引き白地制限なし厳格化
農地(転用後)制限なし制限あり

 またぞろ政府の新たな規制を模索する動きです。国土交通省と経済産業省が共同で検討に入ったものですが、3大都市圏を除く人口20万人以上の都市で中心部の人口が10年で1割減というのもショックな話ですが、その原因を商業施設や病院の郊外立地が進んだことに求めるあたりが、何とも近視眼的です。
 もちろん本当の原因はマイカーの普及と道路整備によるもので、商業施設にせよ病院にせよ、地価の安い郊外に立地を求めるのは当然の成り行きです。また特に商業施設においては、商品の納品にも好都合なので、放置すれば郊外に大型商業施設が立地するのは当然過ぎるほど当然といえます。メーカーの工場閉鎖でまとまった再開発用地が発生していることも、商業施設や病院の郊外立地を促進しています。
 また大店立地法により駐車場待ち渋滞など出店に伴う環境影響評価を求められ、誘導員を配置するなど、郊外店特有のコスト負担もあるわけで、結果的に店舗の大規模化で負担を軽減するようになります。となると1店舗では持ちきれず、多数のテナントを集成したショッピングモール形態のものへと進化するのは当然といえます。マイカー利用者にとってはワンストップショッピングとなって利便性が高まる点も見逃せません。
 記事にあるように都市計画法と中心市街地活性化法の改正で、このような現状に歯止めをかけられるかどうかですが、よほどガチガチに規制強化すれば別ですが、実効性は疑問です。またガチガチの規制強化は立地する商業施設や病院にとって、それ自体がコスト要因となることも忘れてはなりません。何か政府官僚にはまちづくりは理解しがたい話なんでしょうか。
 再三当ブログで取り上げておりますが、結論をいえば中心市街地へのマイカーの乗り入れ規制と公共交通の整備によって、集積度を高めコミュニテイを形成することをしないと、結局衰退するものはするんです。中心市街地へ人々が行く動機付けが欠落している限り、人々が都市に集まることはないんです。
 この辺は城下町考、岐阜の場合でも述べましたが、中心市街地に大規模商業施設や大病院を整備したとして、そこへマイカーが集中したときのひどい渋滞を想定できないとしたら、何とも想像力の欠如した話です。それこそ大店立地法を厳格に適用すれば、駐車場へ車を誘導するために多数の誘導員を街中に配置しなければならず、大規模ショッピングモールなど経費倒れになるのがオチです。また当然居住者にとっても良い環境とは言い難いのは言うまでもありません。中心市街地への大規模集客施設の配置は、マイカー規制と交通インフラの整備抜きには考えられません。
 織田信長が稲葉山城のある金華山の麓の町の名を井ノ口から岐阜に変えたのは、中国渭水の畔の岐山の麓から周の国が興ったことにちなんだもので、名君の誉れ高い周の開祖武王になぞらえて、楽市楽座の商業振興でまちづくりをしたもので、理念的なまちづくりが実践されたわけです。その同じ町が今度は郊外店に対抗して中心街にマイカーを呼び込もうとして名鉄岐阜市内線を廃止してどうなったかは既に語り尽くされております。現代日本人は戦国武将より退化しているのかも^_^;。

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Comments

こんばんは。
当方もこの件について触れようかと思って書き出してみたのですが、上手くまとまらずに放り出してしまいました。

さて、本題ですが、引用元記事を最初に見たのは「何を今更」というものでした。

モータリーゼーションと道路整備の進展でいわゆる「郊外化」が進めば、当然相対的な魅力に劣る中心市街地へ行く人が減少するのは当然の流れです。

その流れを引き戻すには、市街地中心地に大規模商業施設や病院を立地させれば、それで良しと国は考えたのでしょうが、公共交通が使い難いものであれば、人々はマイカーで来るでしょう。その駐車場は事業者が整備し、車の誘導に多大な労力をさく事とになることは明白で、現実離れして、しかも安直な発想と言わざるを得ないという感想を持ちました。

今回の記事を読んで真っ先に思い浮かんだのが「岐阜市」でした。
自分が一番歩いてきた町だけに、まさに中心市街地の地盤沈下というのは想像以上のものがあります。
しかも、中心地に整備された駐車場はあまり使用されていないという有様で、いくら駐車場を整備しようが、魅力ある施設がないとマイカー利用者でも来ないことの傍証だと思っています。

そういった訳で、今回の記事の趣旨には頷ける点が多いのですが、「中心市街地への大規模集客施設の配置は、マイカー規制と交通インフラの整備抜きには考えられません」について、後者については全く同意見です。
しかし、前者については、そういった規制に対して感情的な反発が強いと思われます。
それらの動きをどのように導いていくかが今後の論点になると考えています。

ただ、それが本当に実現する日はいつ来るのでしょうか。

長文コメントで失礼しました。

Posted by: Simplex | Friday, July 29, 2005 at 09:40 PM

コメントありがとうございます。
 私もこの記事を見て、真っ先に岐阜市を連想いたしました。廃止後の生々しい変化をネット上で追うことができてしまうために、なおさら印象が強くなってしまいます。
 何か昨今、原因と結果についての十分な分析もされずに、目先の変化に目先で対応しようとして失敗する例が多いように見えます。大規模郊外店に客を取られたから、同じものを作って取り返せというのは、余りにも近視眼的で救いようがありません。
 岐阜は日本の城下町では最古の部類に属します。歴史上では大田道灌の江戸が先行事例として算えられるに留まります。
 この歴史性はマイカーの時代には弱点となるわけですが、歴史に裏付けられた希少性は、逆に魅力として売り出せるものでもあるわけです。そしてまちが魅力を失わないためには、城下町を特徴付ける狭い街路やクランクカーブなどを残しておくことが重要です。とすれば野放図なマイカーの増加は、渋滞を日常化させ生活の場としての都市のありようを否定することにつながってしまうわけです。それでもマイカーで出かけますか?と問いかけ続けて、いつか理解される日が来ると信じて、情報を発信し続けるしかないのかな、というのが正直なところです。

Posted by: 走ルンです | Saturday, July 30, 2005 at 12:40 AM

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