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Saturday, August 20, 2005

祝、愛知万博1,500万人突破!

以前こんな記事を書いておいて何ですが^_^;、本当に目出度いと思っております。とにかく多くの人が名古屋を訪れ、万博会場に足を運んだことで、万博のために注ぎ込まれた資金が無駄にはならなかったんですから、素直に喜びたいと思います。とりあえず公式ページに敬意を表しておきます。
 要因はいろいろあると思いますが、昨今景気が上向きだそうで、企業が人件費を増やして家計の給与所得が増えていることから、ある種プチ消費ブームが起きているというのがマクロ的な見方になるんだろうと思います。そしてそれを牽引しているのは輸出主導の製造業だそうで、前向きな設備投資も出てきて、政府発表でも景気は回復基調にあって、踊り場を迎えて云々の文言もはずされているところですから、何か未来は明るいような錯覚を覚えます。しかしご安心ください。錯覚なんですから(笑)
 人件費が増えているのも事実ですし、設備投資も出てきているのは間違いないんですが、中身を見ると人件費は主に派遣社員の増加と正社員への賞与の配分の増加に由来します。当然好調なうちは問題が出にくいですが、例えば好調な輸出にかげりが出れば、簡単にカットされる部分の増加であるという点には注意が必要です。
 そしてその輸出にはかげりが見え始めております。ひとつは米国のFF金利の小刻みな上昇で米国消費にブレーキがかかりつつあること、そしてもうひとつは中国の通貨政策の変更の影響です。
 共に解説を端折りますが、いずれも国内経済の過熱をさます狙いがある以上、日本がなんぼ文句を言っても、この方向へ向かうことは止められませんし、実際昨年あたりから輸出は減速傾向にあります。
 ということで、個人的には実感を伴わないんですが^_^;、消費が活発らしいので、国内海外を問わず旅行が活発化しているそうで、天候に恵まれた点も大きいといえます。
 そしてやっぱトヨタでしょう。何しろトヨタが新技術をあれこれプレゼンする場として万博を利用してますから、世界中から集まるトヨタ詣での人々を引きつけるわけですね。トヨタは環境技術で競争優位を確立しようとしてますから、燃料電池バスをはじめいろいろ見せてくれてますが、既に市販車として欧州の一部の都市で営業運転しているベンツの燃料電池バスと、半年ほど博覧会場をデモ走行するトヨタの燃料電池バスのどちらに高得点をつけるかは判断が別れます。ましてアイスランドのレイキャビークのように、テストプラントながら地熱発電の電力を利用した電気分解水素プラントを立ち上げてわずか2台ながら営業車を走らせて、事実上CO2排出を無くす領域で事業展開が進む欧州の事情からすれば、トヨタのプレゼンも日本の現状の遅れを際立たせるだけかもしれません。
 IMTSについても、いわゆるタイヤトラムの一種と考えると、評価軸が見えてきます。オランダで国家プロジェクトとして実用試験段階に達したフィリアスという交通システムが、やはり道路に磁気マーカーを埋め込んでバスを自動運転させるものが開発中ですが、2連接や3連接で輸送力をつけようとしている分、シンプルなシステムです。IMTSのソフト連結によるいわゆるカルガモ走行ですが、制御が複雑な分、輸送力とコストの見合いが厳しいのではないかと思います。ま、この辺は名古屋のガイドウエーバスでも指摘できるところですが、莫大なコストをかけて、それに見合う生産性向上が見られるかどうかで評価が決まるものだけに、現状は博覧会向けのイロモノの感は拭えません。
 この辺にそこはかとなくトヨタの限界が見えてしまうんですが、技術的には完成度も高く、さすがトヨタと思わせるものなんですが、何と言いますか、ギミックを誇るだけのプレゼンならば、江戸時代のからくり人形と同じで、それはけっして明日を拓くものにはならないということは申し上げておきたいと思います。もっと大事なのは背景にある哲学なんですが、トヨタはこの部分が弱いと同時に、日本企業の多くの弱点といえるかもしれません。

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