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Sunday, August 14, 2005

規制のためなら縦割りも何のその

商業施設と病院の立地規制?の続報です。
2030年の都市圏人口、9割が減少・国交省予測(日本経済新聞2005.8.14)
国土交通省が発表したものですが、厚生省の外郭団体である国立社会保障・人口問題研究所の2004年の市区町村別の人口推計を全国85の都市圏別に集計した結果で、新たな予測というわけではありません。
 先日の立地規制に根拠を与えようという意図ミエミエですが、普段は縦割りで個々バラバラに動く役人が、新たな規制の可能性があれば簡単に連携するというのが何とも言いようがありません。しかも国立社会保険・人口問題研究所の予測値からして幾つかの仮定の元での予測値でして、地域別人口は産業立地の様態で簡単に変動するものでもあります。それを単純集計して統計的に有意な数値と言えるのでしょうか。予測値はあくまでも期待値であって、期待値は未知の母集団の平均値という性格のものですから、この単純な算術合計は、平均値の算術合計と同じ意味で、統計的に有意な数字と言えないのです。
 webでは反映されておりませんが、紙面の記事では郊外ほど規制が緩い現状を逆に郊外ほど規制を厳しくするのだそうで、それが可能ならば大変結構なことなんですが、具体的にどうするかは明らかではありません。容積率の緩和で低層の建物が多い地方都市圏の中心街を高層化して大駐車場を整備する、文化の香りの乏しい暴力的な都市景観を連想してしまうのですが、そんな都市が住み易い、住みたい都市なのかどうか、よく考えてみましょう。
 確かに郊外の無秩序な開発(スプロール現象)は阻止する必要はあるんですが、例えば少子化によって受験生の減少を社会人向けの生涯教育の場へと転換することで生き残りを図る大学が、一時の郊外立地を見直して、社会人が通いやすい都市中心部へ回帰している現状を見ていただきたいと思います。同様にマイカーの運転ができなくなった高齢者にとっては、電車で通える都市中心部のターミナルデパートが利用しやすいですし、実際京王百貨店新宿本店のように、高齢者戦略を成功させた店舗も出現しています。大規模量販店の駅前立地が加速している現状も同様の狙いが感じられます。同様に病院も高齢者を集めやすい立地へとシフトする可能性は高いと考えられます。
 このように社会の動態を無視して統計数値をいくら弄んでも、将来像は見えませんし、むしろ数字で誤魔化されて背後の悪巧みが見抜けないという官主導の政策論は、眉に唾してかからなければなりません。

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