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Sunday, August 14, 2005

民主、公約に独自郵政改革案(共同通信)

リンク: @nifty:NEWS@nifty:民主、公約に独自郵政改革案(共同通信).
もう1本こんな記事があります。
民主マニフェスト、郵貯限度額を段階的に引き下げ(読売新聞)
更にもう1本
衆院選、郵政論争本格化・公的金融規模縮小論点に(日本経済新聞)
早速自公はおろか、共産、社民の両党からも公約にしないという前言を翻したと言われてますが、私が記憶する限り、民主党は郵政独自改革案として以前から言っていたことで、これといって新しいものはありません。ま、選挙となればお互いネガティブキャンペーンの応酬となるわけですけど、共産、社民がどこに矛先を向けているのか、彼らは政権構想を持たずに政権交代を視野に入れずに選挙戦に臨むわけですから、政権党の補完勢力と言われても仕方ありません。その意味で公明党と大差ない存在です。
 ま、にしても政権交代の可能性を持つ民主党からして、何ともぬるい選挙戦になりそうで、そっちの方が気になります。巷間言われていた郵政で解散なんかしたら、自民、公明の与党陣営は分裂選挙になって民主党を利するだけという見方からして、本当は違うんじゃないかと思います。
 鍵は小選挙区制にあるんですが、この制度は1選挙区で当選者は1人だけとなるので、選挙が政権選択の性格を持つということは言われておりました。しかしそのことを本当に理解していた政治家は、実はあまりいなかったのかもしれません。政治のパラダイムが変わり、従来の調整型リーダーの許でコンセンサスを作るスタイルではなく、ウイナーテイクオールで強固なリーダーシップを確立する形に変化したわけです。
 おそらく最初に気付いたのは小沢一郎でしょうし、現状では次いで小泉純一郎がこのことに気付いて、今回の郵政解散で賭けに出たと見ます。小泉首相は勝てるつもりで解散に打って出たと考えられます。
 連日報じられる反対派選挙区への刺客候補の擁立で、選挙の争点を郵政に絞り込んで国民的関心を醸成して、ある意味政権交代の可能性のある民主党との直接対決を巧みにかわしているとも取れます。つまりこのような中で民主党が郵政を争点にしないというのは、逆に小泉首相の術中にはまるものといえます。
 民主党はやっとそれに気付いてマニフェストに盛り込むことを発表したわけですが、タイミングが悪くて共産党や社民党にまでけなされてしまいました。ある意味マニフェスト選挙となると、従来であれば社民党とは選挙協力の実績もあったわけですが、退潮著しく、小政党として連立前提はやむを得ないにしても、独自の政権構想を打ち出せない社民党と袂を分かつのは致し方ないところです。政権選択選挙であるがゆえに、従来のような曖昧な協力関係では済まなくなるわけです。
 ま、私としては、主義主張はこの際横に置いといて、小泉改革はインチキだと言い続けてきた手前^_^;、政権交代が起きてくれないと困るんですけどね。
 郵政改革の政府案の本質は、郵政公社の株式会社化に意味があるんで、形式的に民間会社となることで、事業展開の自由を手に入れるわけです。しかも暗黙の政府保証のもと、340兆円と言われる郵貯簡保マネーに裏付けられた独占企業となって、国際物流へ進出したりコンビニもどきの物販事業で大規模独占を狙ったりするに留まらず、推進派の政治家や官僚と手を携えて政官業のゴールデントライアングルを作り上げれば、国民の知らないところで民主制ガバナンスの及ばない経済支配の道具となるわけです。また大きすぎる郵政会社は、仮に上場してももはや一般投資家によるコーポレートガバナンスが効かない化け物と化しているわけで、株式市場の株価操作や地価のつり上げその他あらゆるダーティビジネスが可能な厄介な存在と化すことになります。いわゆる焼け太りってやつでして、断じて許すべきではありません。
 というわけで、当ブログでは以前から郵政事業の縮小こそ本当の改革であるという立場をとっております。たまたま民主党の公約と一致しておりますが、あくまでもたまたまであって、理念的に民主党に与するつもりはありませんので念のため。

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