JR福知山線事故調中間報告
中間報告が出されましたが、事故原因特定とはいかないようです。
(9/1)JR脱線事故でカーブ強制減速装置設置など提案・事故調(日本経済新聞)
6日にwebで公開されるそうですから、具体的な中身の論評は避けますが、直接の原因は速度超過としながら、運転士や車掌の経歴も紹介しという具合で、特に新事実があるわけでもなさそうです。
建議の中身としては速度制限区間手前での速度照査ATSの導入など、これもまた言われていたことですし、既に新型ATSの設置は終わってます。実際はこの新型ATSというのが、川島本によれば、拠点P型と呼ばれるタイプで、駅の場内信号機と出発信号機にのみP型地上子を連動させ、駅間の閉そく信号機は従来のSw型で対応するハイブリッドタイプで、ダイヤが過密とはいえない福知山線向きのタイプだそうです。
更につけ加えますと、事故地点のような速度制限のある区間の手前の速度照査は、ATS-Sw地上子を2個並べた閉そく信号非連動タイプだそうで、旧型メカのオンパレードなんですが^_^;、だとするとあの新型ATSを設置しないと運転再開まかりならぬという騒動は何だったのかと改めて思います-_-;。
あと改めて321系の設計変更の意味の不可解さを思います。先頭電動車で低重心を狙ったのだそうですが、先頭台車は電動台車ではなく、2個モーターの電動車を7連中6両配置し、電動車と付随車の設計を共通化するというあたりが設計変更の中心なんですが、つまりは車輪経が統一されてスピードメーターの誤作動が起きないということなんでしょうか。また電動台車と付随台車が同一車体に架装されれば、T車優先遅れ込め制御のせい?かもしれない連結器の破損が防げるということなんでしょうか。疑問は尽きません。
ただはっきり言えるのは、207系1次車から始まって、メカ的には連続性のないシステムが混用されている点に危うさを感じることを禁じ得ません。確かに発注時点でのメーカー提案の中からいいとこ取りしたんでしょうけど、この点では試作車3編成を長期実用試験で使い回し、新世代の標準車として確実に熟成させてから増備されたJR東日本の209系以降の新系列と比べると、堅実性は劣る気がします。ま、この辺は異なった感想をお持ちの方も多いかと思いますが。
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Comments
初めまして、本件たいへん興味深く拝見させて頂きました。
さて、本文中に ”電動車と付随車の設計を共通化するというあたりが設計変更の中心” との記述がありますが、これは事故後に変更されたものではありません。
事故が起こるずっと以前のJRの仕様書で明記されていました。
私が見た仕様書は、最終のものではないので、その後の仕様変更で従来通りのT車、M車に変更になった可能性はゼロとは言い切れませんが、事故発生から出車までの期間を考えると、台車の新製(もしくは改造)、ギ装配線の大幅変更を伴うような設計変更が行われたとは思えません。期間的に無理でしょう。
おそらく、事故後の設計変更は、1両あるT車が先頭車だったのを中間に持ってきたということであろうと推測します。
Posted by: kawa | Saturday, September 03, 2005 12:45 PM
kawaさん、コメントありがとうございます。
なるほど、MT設計の共通化は事故対応とは別なんですね。逆に言えばだから急遽仕様変更できたと理解すれば良いのでしょうか。
逆にギ装面でもMT両用で配線用パイプに線を通すだけの変更であれば、短期間で仕様変更は不可能ではない気がします。
んが^_^;、そういう仕様だったから怪我の功名的に電動台車の配置を変えられただけだとすると、“脱線しにくい先頭電動車”というフレーズは後付けの印象が強くなります。
何かやはり本質を外している気がして仕方ありません。
Posted by: 走ルンです | Saturday, September 03, 2005 02:50 PM