リタの次は? 名前尽きてもハリケーンはできる
ネットサーフィン(懐かしい響きだ^_^;)してて、こんな記事見つけちゃいました。(9/25)ハリケーン多発で命名リスト尽きる恐れ(日本経済新聞)
そもそも命名リストが存在することも知りませんでしたが、リストアップされている人名が21個というのも、おそらく経験的にそれで足りるということだったんでしょう。かくして名無しのハリケーンが続々登場で2ちゃんねる状態に^_^;。
元々印欧語圏では何でも固有名詞をつけたがる傾向が強く、日本の台風X号式の数字を重ねる流儀とは対照的ですが、日本式の優位性と評価するのは早計です。台風やハリケーンは数が少ない方がありがたいわけですから。でもそうは言っていられない現実に直面しているわけですね。これでアメリカが地球温暖化を実感して京都議定書の批准に動き出すようならば、アメリカ式は実は優れていたという話になるかもしれませんが、そう甘くはないか。
カトリーナのときもそうでしたが、リタで130万人という人の避難が大変でした。なにしろ鉄道がないので車でということで、ハイウエーは大渋滞、ガス欠で路側帯で停止する車が続出、ガソリンスタンドでは給油待ちの車列が長く伸びて渋滞を助長という状況は、何か末期症状をうかがわせます。
こうなると貧困層ではない中産階級といえども、無事に避難できるのか、避難先に受け入れ施設があるわけでもなく、車中泊を余儀なくされる人々も多数という状況ですから、本当に命の保証があるのはヘリで高地の別荘へ避難できる富裕層だけという状況です。何かアメリカ社会を象徴するものがあります。
石油精製施設の被災もあって、ガソリン価格も高騰しているようですが、これが日本円換算で80円/l程度の水準だそうで、少なくとも旅客輸送に限っては、鉄道が競争力を持つのは至難の業といえます。でもこういった事態に直面すると、鉄道の輸送力がもたらす公共性の高さを思い知らされます。
あと世界的に石油の需給が逼迫して、オイルショックの再来を憂う声もありますが、現在のボトルネックが主に産油国の原油生産量ではなく、消費国の石油精製施設の能力不足(特にアメリカ)にあるわけで、この辺も石油資本による利潤最大化動機から、設備更新を先送りしての操業が続いたことで、設備自体の疲弊があったようです。そういえばハリケーンが来る前から事故が多発してました-_-;。自由放任経済のなれの果てと言えましょう。
鉄道の話題では、日本でも台風14号で高千穂鉄道が鉄橋流出を含む大きな被害を受けました。元々利用客減少で経営安定基金の取り崩しまで始まって、存続が危ぶまれていた矢先の被災ということで、万事休すの可能性大です。アメリカとの比較で日本の特長は、過疎化と高齢化が極限まで進んだ山間部に災害が集中することでしょうか。富裕と貧困とを問わず、高齢者には避難そのものが体力的に大きなハードルとなって生存可能性を狭める上に、鉄道と道路が寸断されて物理的に孤立し、デジタルデバイドでメールなど通信手段すら使えないという現状をどう考えたら良いのか、悩みは尽きません。アメリカと日本では弱者の実状もかなり違いますが、カトリーナの記事で書いたとおり、小泉自公政権の圧勝で対岸の火事とはいえないところです。
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Comments
僕も映像を見ていて、自動車による大量避難というのは、なんと非効率なのだろう、と感じました。
Primera
Posted by: Primera | Tuesday, September 27, 2005 01:14 AM
鉄道があれば道路の負荷も下がりますから、結果的に車での避難もスムーズになるわけですね。案外忘れられてますが。
Posted by: 走ルンです | Tuesday, September 27, 2005 11:27 PM