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October 2005

Monday, October 31, 2005

西武鉄道に創業家から買収提案

えー、政権の広報に堕したメディアの空疎な報道合戦で、他のニュースが霞んでしまうのは困ったもんですが、報道の公共性を主張するなら、まずは悔い改めよです。

とりあえず日経だけで本日3本あります。

(10/31)堤清二氏ら、西武鉄道買収を提案・持ち株会社案に対抗
(10/31)堤猶二氏ら、西武鉄道買収提案を発表へ
(10/31)堤猶二氏「TOB提案、一般株主に不利な再生案を是正したい」
基本的に当ブログの西武鉄道、持ち株会社方式の再建案という記事で言及しておりますが、銀行主導の色彩が濃い持株会社方式による西武コクド一体再生案を「一般株主に不利」として阻止する目的だそうで、特に経営権を取得しようといったことではないようです。

記事によれば西武鉄道株の80%はコクドの保有となっており、20%相当の一般株主は、西武鉄道の上場廃止で、流動性を失って減価した株を売るに売れず、損失を被ったわけですが、現再建案では株式の評価額が700円程度と低すぎるということで、高値で買い取ることを提案しております。

またコクドとの一体再生案に疑問を呈しておりますが、これも専門家からは以前から指摘されていた点で、実際安定したキャッシュフローを生む鉄道事業に対し、統合予定のプリンスホテル共々不採算事業が多く、再建は困難と言われております。銀行サイドとしては堤義明前会長の個人保証で貸し込んだ融資が不良債権化するのを恐れているわけで、一般株主の立場は顧みられていない点を突いてきたということです。一応経営陣との和解の意向を示しておりますが、銀行の意を受けた現経営陣が協議に応じる可能性は低いと見られます。

鉄道事業だけを考えた場合、装置産業である以上、事業の儲けを設備更新などに再投資して、事業基盤を強化するのが正解なんですが、確かに持株会社方式による再建案では、採算性に疑問のあるリゾート関連施設への内部補助など、不透明な対応を許す余地があるという意味で、好ましくはありません。

また

(10/27)堤前コクド会長ら有罪、西武に罰金2億円・東京地裁
ということで、既に有罪判決が出ている堤義明前会長の実質支配は続くわけで、いくら増資で持分比率を薄めるといっても、株式上場復活を目指すならば問題はあります。

この辺は今をときめく村上さん^_^;も

(10/28)村上ファンド「西武取締役を訴えよ」・監査役に要求
ということでお怒りのようですし、元々持株会社による一体再生には反対の立場を表明してましたから、堤家4兄弟と利害は一致しています。

というわけで、なかなかスッキリいかない西武鉄道の再生ですが、まだまだひと山もふた山も越えなければならないのでしょう。というわけで、相続を巡るトラブルは、結局多くの人を不幸にしますね。

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Thursday, October 27, 2005

市営地下鉄計画「支持を得た」? 川崎市の財政再建と開発行政の矛盾

参議院の補選が行われた10/23ですが、同日川崎市長選が行われ、現職の安部市長が2選を果たしました。でもって市営地下鉄計画について支持を得たのだそうです。川崎市民ではない私には、選挙戦で争点となっていたかどうかは定かではありませんが、何だか先日の郵政民営化を争点らしく装った総選挙とダブります。

川崎市の地下鉄計画ですが、これまでの経過は省略いたしますが、二転三転しながらゾンビのごとく継承された計画です。安部市長も当初は見直しも含めた再検討を市民の意見を募りながら、結局一部ルートの見直しによって実施する方向に舵を切りました。このあたりの経緯は川崎縦貫高速鉄道のページでご確認ください。ちなみにルート変更は久末以東で、東横線元住吉接着を武蔵小杉接着に変更するものとなります。

武蔵小杉は09年に横須賀線に駅を設置する計画が発表されており、地下鉄から継走で東京都心への速達ルートとする意図が見られ、元の計画よりは戦略的に優れているとはいえます。また武蔵小杉を交通結節点として位置付けて再開発に弾みをつける発想も優れているのですが、建設に多額の費用がかかり、事業としての採算性はまず論外といっていいほど厳しい事業です。それでも沿線開発によって開発利益が税収増などの形で還元されるならば、いわゆる先行投資としての意義はあるわけですが、果たして川崎市営地下鉄計画はそう言えるでしょうか。

これはあくまでも川崎市民の選択の問題ですから、外野からとやかく言うべきことではありませんが、私の結論としては、都心直結のつくばエクスプレスでさえも沿線開発は決してうまくいっていない現状からすれば、新たな開発用地を創り出し地域間競争を激化させる新線建設は無謀と評価します。

東京と横浜に挟まれ、民間資本によって京浜臨海部の埋立地に工業地帯が造成されて以来、日本の産業資本主義のフロンティアであり続けたわけですが、国家総動員法をはじめとする戦時体制への移行と、戦後それを引き継ぐ産業優先政策によって、常に市民生活は二の次に置かれ続けた川崎市は、確かに交通インフラ整備が遅れていて、市民生活は快適とはいえないのですが、同時に市に多大な税収をもたらしてもくれたわけで、市民の不満を和らげる意味でも福祉中心のバラマキ型市政にならざるを得ませんでした。これは一面企業の超過利潤を市民に還元する数少ないルートでもあったわけです。

しかし国際競争の激化による企業のリストラの進捗によって税収が減り、この体制は持続不可能なものとなります。当然市の行政のリストラも求められます。そんなタイミングで財政再建をスローガンに掲げて当選を果たしたのが安部市長でした。実際市職員の千人規模のリストラを敢行し、赤字の第三セクターを破綻処理しという具合に、敗戦処理を重ねたわけで、この点では一定の成果があったと評価することはできます。しかし安部市長が言う高度経済成長期にできたはずの交通インフラ整備ですが、産業優先で走っていた当時に可能だったとは思えません。加えて国鉄の身勝手が地域のニーズに無頓着でもありました。

当時の国鉄は公社形態の事業体でしたが、国の現業機関としての権限を保有していたので、運輸省の免許を受けることなく、国家独占の名の元に自らの意思で事業を展開できる存在でした。それ故に東京との都市計画を無視した総武快速線を建設しながら、総武線の混雑が限界と見るや営団東西線の東陽町~西船橋間の延伸を要請し、東京都以外の地域に路線延伸の権限を持たなかった営団に対して運輸省が国鉄が事業化しないことを根拠に免許が交付されるという、監督官庁をすら凌ぐ権限を持っていた国鉄が、川崎市の陳情を聞き入れる可能性はかなり小さかったといえます。

その時代のやり残しを今になってやろうということのようですが、人口減少局面で負担ばかり重くなる開発型行政から抜け出せないのが、保守系革新派の特徴でしょうか。思えば小泉政権になってから整備新幹線の新規着工は加速された感がありますし、これ以上無駄な道路を作らないはずの道路公団改革も骨抜きですし、国から地方への改革であるはずの三位一体改革は、最も地方の独自性が生かせるはずの公共事業費を最初から外して議論するから、果たして意味があるのかどうか定かではない義務教育費の国庫負担分の移譲など、数字合わせに終始しているのですが、川崎市のケースでも、地下鉄は作るけど社会保障は切り下げられるとすれば、果たして市民の選択として賢明だったのかどうか疑わしい限りです。

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Saturday, October 22, 2005

郵政公社と全日空提携でインテグレーターの夢成るか

同床異夢でさまざまな利害が絡む郵政民営化ですが、またまた改革の正体が見えるニュースです。

(10/20)郵政公社と全日空、国際物流で提携・貨物機で新会社(日本経済新聞)
というわけで、当ブログでも郵便ポストが赤いのは、国民欺くウソのせい?という記事で、郵政を核とするメガインテグレーター(大手国際物流)への進化を目論んでいる点を指摘いたしました。ですからやっぱりというのが正直なところです。

当面は10機程度の貨物専用機で、中国、東南アジア、北米中心に06年度より輸送を行うということで、3大インテグレーターのFedEx,UPS,ドイツポストに比べれば、ささやかな規模ではあります。目論見としては中国関連の需要が旺盛な状況が今後も続くことを見込んで、中国の成長力を利用して事業拡大を意図するものと考えられます。4大インテグレーターの一角を占めるには、ドイツポストが行ったような、世界中の物流企業相手に買収合戦を仕掛ける必要があるのですが、その資金は07年民営化予定の郵貯銀行の融資でという捕らぬ狸の皮算用もされてるのでしょう。さて、郵政ファミリーの身内のマネーゲームへの融資を、金融庁はどのように判定するでしょうかね。

何か郵政民営化法案の可決成立を待っていたようなタイミングですから、本当はもっと早くやりたかったんでしょう。にしても06年に新会社を発足させるのは良いんですが、郵貯銀行の開業が07年ですから、当初は現在の民間銀行からの融資で事業を立ち上げる必要がありますが、既に三井住友銀行が融資に手を挙げております。更にゴールドマンサックスも名乗りをあげておりまして、私は与するつもりはありませんが、民営化反対派が言っていた

米資本に郵貯を売り渡すのか
という主張にリアリティを与えます。でもこの辺がいかにも官僚の作文らしく、インテグレーター事業の立ち上げと郵貯銀行の設立、融資開始のタイミングがずれているし、10年かけて完全民営化というのも、その間ライバルの3大インテグレーターが眠ってくれてでも居ない限り、追いつくのは無理だと思うんですけど^_^;。

そして郵貯銀行の融資が焦げ付いて、文字通り大き過ぎて潰せないですから、公的資金を注入して再生となると、はて、いつか来た道のような。でも大き過ぎて買い手が現れないときは、改めて国有銀行として再出発となると、何のための民営化なのか、ますますわからなくなります。でも日本の有権者はこんなもんにGOサイン出しちゃったんだよな-o-ハァッ。

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Sunday, October 16, 2005

ヒルズ、郵政、TBS

意味不明のタイトルですが、10/16日本経済新聞1面の郵便局の囲み連載によれば、JR大阪駅前の大阪中央郵便局が再開発のターゲットになっているのだそうです。確かに古式蒼然たる6階建てのビルは、周囲を高層ビルに囲まれて、いかにも取り残された感があります。

何か郵政民営化の隠れた意図がまた一つ見えてきました。丸ビルや六本木ヒルズ以来の大型都市再開発の物件漁りが早速始まっているわけです。以前地価下げ止まり? 実は投資資金流入という記事でも明らかにいたしましたが、今、大都市圏の都心の一等地を中心に、地下の下げ止まりが見られるわけですが、それが再開発によって行われていることと、企業部門を中心としたいわゆる金余りによって、潤沢な投資資金が不動産投信(REIT)を通じて流れ込んで、ある種ブームになっていることなどを指摘いたしました。

その結果、資金が投下されたところでは、確かに地価が上昇しているのですが、同時にそれは、周辺地域の空洞化を伴う動きでもあるわけです。当然それは大都市を中心に土地利用の実態を大きく揺さぶることになり、不動産の勝ち組負け組を分けることでもあるわけです。負け組になれば空室率が高まり、賃料の値下げなどを強いられるわけですから、バブル時代のようにビルオーナーになれれば安泰とはいえない時代となったのです。

そうなると負け組地域でも競争上再開発の気運が高まるわけで、かくして果てしない再開発合戦へと駆り立てられる、ある種マネーゲームともいうべき何とも落ち着かない時代に向かいます。そういった背景の中で、とりわけ大都市部の中央局は、都心の一等地に立地しており、高層化するだけでも収益機会が増すわけですから、注目が集まるわけですね。加えて郵政民営化法案が可決成立した結果、株主価値の向上という観点とリストラによる局の再配置によって、優良な再開発物件として注目されることとなります。

早速郵政民営化の効果が出ているという評価も可能なんですが、全国に2万局あると言われる郵便局の一つ一つに存在意義が問われる状況にもかかわらず、なお不透明な部分があることを指摘しておきます。総務省令で定めることになっている郵便局の設置基準がどうなるかによって、局の統廃合は違った様相となると考えられます。加えて主に過疎地の郵便局網を維持するという名目で株式売却益から2兆円程度を積立金として、運用益で過疎地の赤字局の救済を行うことになっておりますが、都市部の局の超過利潤の充当を含めて、いわゆる内部補助によって郵便局網を維持しようということですから、制度の運用如何では、リストラが進まないに留まらず、政府出資の持ち株会社に各事業会社がぶら下がる経営形態の不透明さ共々、問題を含んでいると言わざるを得ません。加えて郵便貯金の高収益は、政府保証による定額貯金の高金利(半年複利なので、見かけ上の金利以上に優遇されている)に負うところが大きいだけに、民営化後の収益性は未知数です。

一応金融庁の監督下の普通銀行の免許を受けることになっておりますが、既に現在でも金融監督行政が機能するかどうか疑わしい規模の3大メガバンクを上回る規模の新銀行がいったいどこへ貸付を行うというのでしょうか。そうでなくても民間企業はリストラ効果で現金資産を積み増しており、不況による投資手控えもあって潤沢な内部留保資金を積み上げている状況です。銀行からお金を借りる必要がないところへ、超巨大銀行が参入して融資合戦を行うというのは、明らかに供給過剰となり、力の弱い地方金融機関などがしわ寄せで淘汰されると言われております。本論とは別の問題ですが、そのときに金融庁がペイオフを実行できるかどうか、また当該金融機関のフランチャイズ地域の経済的打撃に対して緩和的な対策をとれるのかなど、課題は山積しております。

加えて春に起きたライブドアのニッポン放送買収劇や、村上ファンドの阪神株取得、楽天によるTBS株取得などなど、いずれも企業に積み上がった余剰資金ゆえに狙われ、また行き場のない投資資金がマネーゲームへと流れ込む昨今の状況の中で、超巨大銀行の出現は、回り回ってマネーゲームへ向かう資金の供給源となるわけです。郵政公社は民営化されて事業展開の自由を得るかもしれませんが、つまるとことマネーゲームのネタにされるのがオチで、こんなはずではな日本の将来です。有権者を劇場型政治の観客にしてしまったコイズミって、悪巧みの天才です。

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高千穂鉄道復旧は成るか?Part2

前の記事で思い切り脱線しちゃいました^_^;。しかし高千穂線のうちの旧日之影線部分について語るには避けて通れない部分でもあります。国の直轄事業だった戦前の国鉄の、末期の建設線の多くは、旧日之影線のようないわゆるローカル線でした。もちろん地元選出議員による利益誘導の結果だったのでしょうけど、いわゆる建主改従で鉄道の恩恵を国土の隅々に行き渡らせようという意思決定が為された結果と見ておきましょう。

日本の鉄道は草創期から国土の骨格として位置づけられておりましたから、国有化以前の私設鉄道の時代から、官設鉄道への連絡が免許条件として課され、日本鉄道が東京の市街地を避けて建設した官鉄連絡線が後の山手線となるなど、幹線鉄道網の整備に重点が置かれていたわけです。その集大成として第一次鉄道国有化で有力私鉄が官鉄に併合され、以後民営の鉄道は、一地方の需要に応じて建設されるいわゆる地方鉄道と定義されたわけです。

その一部は大都市部に立地し、都市の発展と呼応しながら発展し、合従連衡を経て、現在の大手私鉄各社が形成されたわけですが、それ以外の地域では、地元の零細な資本を集めて、脆弱な装備で鉄道事業を行うものが多かったのです。そしてそのような零細な鉄道は、昭和期には勃興するバス事業の挑戦にあえなく敗退して、事業廃止に至るものすら出てくるようになります。それでも地方が鉄道を渇望し、中には資本を集められない地方もある中で、国鉄による地方線区の建設が行われることになります。当然予算制約の中での建設ですから、幹線筋と比べてグレードを下げざるを得ないわけで、旧日之影線のような脆弱な鉄道施設をお守りしながら維持することとなります。

それに比べて戦後、しかも鉄道建設公団による建設線として作られた路線は、財政投融資で潤沢な資金を得られたこともあって、渓谷を跨ぐ高高架のコンクリート橋のような、ローカル線にしては立派すぎる贅沢な造りとなっております。しかし今回の台風被害ではそれが明暗を分けました。被害を受けたのが、主に旧日之影線区間に集中しているのは、決して偶然ではありません。路線のハードの成り立ちが、そのまま災害リスクの差となって出現してしまったわけです。

また多くのローカル線が、鉄道施設の更新投資の原資を稼ぎ出せずにいるために、建設時期の事情で低グレードで建設された路線では特に、設備更新の重荷が大きく、、鉄道の存続に影を落としています。奇しくも高千穂鉄道でも、発足時に積んだ経営安定基金が取り崩されて残高が減り、在籍車両が耐用年数を迎えて車両更新をする費用すらままならない状況が既にあったわけですから、冷たい言い方ですが、台風で被災するまでもなく、存廃を取り沙汰されるのは時間の問題というところにいたわけです。

救いは災害救援資金の援助が得られる点で、流出した橋梁や路盤の復旧は、国と地方の折半で地方財政への負担にはなるものの、普及の道筋はつけられそうですが、上ものの線路や信号機やまして車両までは面倒見てもらえないわけで、実際こうして廃止に追い込まれたローカル私鉄は数多あります。ま、この先は知恵の絞りどころなんですが、考え方をほんの少しずらせば、そもそも設備更新の費用すら稼ぎ出せずに、線路や車両の保守に余分な支出を余儀なくされていた鉄道を、災害復旧を名目に資本増強して存続させようという話ならば、それほど無謀な話とも言い切れません。実際高千穂線として延長開業した区間は無事で、観光鉄道として先行復旧させようという話が出ているぐらいです。

以前神岡鉄道の記事でこのように書いてます。

発想を変えて通過トン数の極端な少なさを逆手に取って、軌道狂いの少ない重軌条化やスラブ軌道化などで10年単位の無保守軌道構造とするなどして延命する方が、結果的に長期に存続が可能になると思うんですが、日本ではローカル線イコール低規格が当たり前で、むしろ保守費用が嵩む現実に直面するわけです。事業者への運営費補助が納税者の理解を得にくい日本だからこそ、資本増強による劇的な高規格化でメンテナンスフリーを実現するという発想がほしいところです。この場合は沿線住民や企業から株主を公募するなど、必ずしも自治体が絡まなくても可能ですが、株式公募をやりやすくするための支援策には工夫の余地があります。財政負担を伴わずに路線を維持しようという甘い考えは捨てた方が良いでしょう。同時に安価な高規格軌道を実現できる技術開発が望まれます。
ローカル線が大都市通勤線や新幹線と決定的に異なるのは、通過トン数の少なさなんです。ということは、それを逆手に取って、軌道狂いの少ない頑丈な線路を高くない頻度で軽量ディーゼル車で走らせる分には、線路保守の劇的な省力化が可能ということです。このように発想すれば、むしろ高千穂鉄道の存続問題は、新しい鉄道を創るという夢のある話になるということです。もちろん実現には資金面の裏付けが必要で、決してハードルは低くはないのですが、実現不可能とはあながち言えないでしょう。

最近欧米では、治水目的のダムの廃止や河川の護岸の撤去により元の自然状態に戻す緑の公共事業が行われるようになりました。経済学でも自然の贈与という言葉がありますが、経済学ではそれにプラス人間の働きが価値を生み出すと教えます。とすれば自然の資源の中から人間にとっての有用物を取り出すのが経済活動ということで、その結果元の自然が疲弊して人間にさまざまな不利益を与えるならば、元の自然を回復することもまた人間にとって有用といえるわけです。いわゆるオルタナティブな世界、もう一つの世界という考え方ですが、経済成長のモノカルチャーに犯された日本では、未だ少数派に留まります。そんなことを考えさせる高千穂線問題といえます。今後は私たちの選択にかかっているのかもしれません。

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Saturday, October 15, 2005

高千穂鉄道復旧は成るか?

先月の台風14号で五ヶ瀬川の橋梁2箇所を含む路盤流出などの被害で運休中の高千穂鉄道ですが、復旧の模索が始まっております。

まずは高千穂鉄道の公式ページで確認しましょう。台風被害状況報告の写真が、被害の凄まじさを伝えます。特に建設年次の古い延岡~日之影温泉間で五ヶ瀬川に寄り添うように走る部分で、冠水や路盤流出の被害がひどい状況が読みとれます。

旧国鉄日之影線として建設され、1939年に全通したのですが、沿線には鉱山や発電所はありますが、基本的に農業と林業を主体とする地域で、おそらく鉄道開業前は五ヶ瀬川の水運に依存していた地域なのでしょう。それゆえ川沿いの集落を結ぶために五ヶ瀬川を4回渡り、川ともつれあいようなルートになっております。川の増水でひとたまりもなかったわけです。道路交通は国道202号線がほぼ並行しているようですが、バイパス整備で集落を通らないなどで、地域の足としては鉄道への依存度は高いといえそうです。

こういった山間の農林業依存地域は、まず例外なく過疎化と高齢化の影響をもろに受けているわけですが、そういった地域の天然災害は、考えさせられるものがあります。そもそも森林も山間の棚田も、緑のダムといわれるように、保水力に優れ、豪雨による川の増水を受けとめて、流域の生活を護ってきたはずです。しかし同時に労働集約的で生産性が低いので、工業化の進展に伴って、働き手を確保できずに荒廃し衰退を余儀なくされているという説明がなされますが、本当でしょうか。

実際は政策ミスによる人災といえます。農地の物理的拡大が困難な日本では、食料増産の要請もあって農地の転売、転貸、転用には厳しい制限が課されました。さらに旧民法から新民法への移行で、長子相続の原則から兄弟姉妹の均等割りへと移行した結果、農地の相続で齟齬が発生します。相続人の頭数で割ってしまえば農地として生産性を維持できなくなりますから、価格評価して相続人の誰かが引き継ぐことになるわけですが、若貴の相続騒動に見られるように、家督を継ぐ者が結果的に金銭的に少ない配分に甘んじることとなります。その結果農地にしがみついて生計を立てる必要があるわけで、結果的に彼らが政治的保護を求めるようになり、日本の農業は緩慢な死滅へと向かうこととなります。

誰もあえて貧乏くじは引きたくありませんから、例えば親の世代の相続を背中越しに眺めた二代目たちは、兄弟間で家督の譲り合いとなりますから、後継者が名乗りでない状況となり、高齢化した親がいつまでも現役で農地を支えるしか道がないということになります。農山村の高齢化と過疎化というのは、そういう意味があるんですね。加えて過疎地の高齢化は、医療や介護といった高齢者向けサービスの生産性を阻害し、受益者に高いサービス価格を押しつけるという側面もあります。医療制度改革で医療費の上限の議論がされてますが、今後高齢化で主に都市部で高齢化が進むことを考えますと、現時点での上限設定は、過疎地の高齢者のサービス受給の切り下げになるという点は忘れてはなりません。

農業分野への株式会社参入が制限されている現状では、農地を会社へ現物出資して、会社の事業として継続性を持たせるといったことができません。また受動的にでも所有者の居る農地にあえて仕事を求めてくる若者は居ません。ですから時間の経過と共に農地も山林も手入れができきれずに荒廃し、本来持っている保水力などの環境面での特長を発揮できなくなります。結果的にすべて洪水で押し流されてしまうとすれば、これはいったい誰のせい?と問いたくなるところです。

というわけで、長くなりましたので一旦話を切りますが、高千穂鉄道の復活の可否は、かなり大きな問題を含んでいるといえます。関連サイトとして

がんばれ! 高千穂鉄道!と沿線の町!
hinokage-ouen.fruitblog.net
をご紹介しておきます。リンクを辿ればいろいろな動きがあることをご理解いただけるかと思います。

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Sunday, October 09, 2005

油壺延長計画を諦めない京浜急行

というわけで、気になるニュースがいろいろありますが、近場の話題です。

(10/8)京急、油壺駅への延伸計画を見直し(日本経済新聞)
確かに免許は保持し続けてきた京急の油壺延長計画ですが、三浦半島の風致地区をかすめるだけに、用地買収の難航と環境保全の声に押されたこともあって、当初計画されなかった三崎口駅まで開業したわけですが、ここへきて計画を見直すことにしたようです。

具体的にどうなるのかはこれからの話ですが、沿線開発と一体で新計画を策定する方針は明らかになっていますから、何か新機軸を打ち出すのではないかと思われます。現行の計画では延伸区間は2km程度の距離ですが、ルート変更や中間駅設置なども考えているのかどうか、注目されます。おそらく横須賀リサーチパークで見せたようなユニークな開発計画になるのではないかと期待されます。

単純な宅地開発であれば、都心から離れた地形も険しく地滑り地帯でもある三浦市が適地とはいえませんし、ただでさえ地価下落で都心回帰が進み、人口減少で需要そのものも先細りが見えている現状ですから、別の何かということになるでしょうか。

記事によれば

京急は「現在の延伸計画は1970年代に作ったため古く、バリアフリー整備など現在のニーズを満たす計画に変更する必要がある」と説明している
のだそうで、考えられるのは富裕な高齢者向けの介護付住宅や医療サービス施設などで、個性的な老後の提案を目論んでいるといったところでしょうか。だとすれば目の付け所がいいですね。

以前地域活性化の新潮流、年金富裕者を囲い込めという記事をアップいたしましたが、鉄道会社が自社沿線に富裕な高齢者を囲い込み、ターミナルデパートのお得意さんに育てれば、新しいビジネスモデルになり得るわけです。それを自治体ではなく鉄道会社が行うとすれば新しいものとなるわけで、この辺、羽田空港の国際化を睨んで世界へアピールを目論む京急らしい発想です。

あと面白いのは、このような計画見直しも、元の鉄道事業免許があればこその話で、京急の油壺延長計画も30年以上にわたって免許更新を繰り返し、費用と手間をかけてきて、実現の目処は立たないままだったわけです。営利企業としては痛し痒しな話ですが、免許制度はいわば事業の独占を国が保証する制度であって、他社の参入が容易ではないことによって、鉄道会社は中長期の視点で投資計画を作って実行できるわけですし、その結果沿線地域の経済的厚生が向上すれば、地域に多大な利益をもたらすことにもなります。

法的に独占を認める制度ですから、競争抑制的であるなどの批判はあり得ますが、地域開発の観点から積極的に利用できる可能性を指摘しておきます。ただし現行制度では免許の交付は国が行うことになっておりますが、自治体レベルに権限委譲されれば、もっと地域開発に活かせる制度になり得るといえます。名鉄の撤退に為す術がなかった岐阜市の悲劇や、台風被害で橋梁流失や路盤流失の被害を受けて存亡の危機にある高千穂鉄道が救えない現状に対して、地域の自己決定を促す制度として活用の可能性があります。

地方分権、三位一体改革を叫ぶ政権が、税源移譲で義務教育費の国庫負担の廃止を打ち出すことに不思議と疑問の声が聞こえませんが、国庫負担をなくして義務教育と言えるのか、就学年齢児童への教育サービスが国家の義務であり、親権者も労役などで児童の教育を受ける権利を侵害しない義務を負うから義務養育なんですが、児童にとっては権利です。これを児童が教育を受ける義務と勘違いする人が多く、そういう考えだから、教育とは洗脳と同義とばかりに都合良く書き換えられた歴史を教えようとする人が後を絶たないんですね。

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富士重工、トヨタと提携はGM救済、それとも?

GMというタニマチを得て、プレミアムメーカーへの道を邁進するかに見えた富士重工ですが、ついにというか、トヨタの資本が入ることになりました。思えば同じ日本興業銀行の有力取引先という縁で日産と業務提携して以来、提携相手を変えながら存続してきた富士重工という会社は、なかなか不思議な存在です。

当初ニュースが流れたときに、業績不振のGM救済にトヨタが動いたと見られました。というのも無理もない話でして、富士重工は技術力をウリにしてきたメーカーながら、例えば水平対抗エンジンは、それ自身は工作精度を要求されるものの、汎用性に乏しく流用が難しいですし、軽自動車に関しては既にダイハツが首位のスズキを追撃できる実力を蓄えた現状では、あまり魅力はないですし、他社に先駆けて実用化したCVTも既に系列のアイシン精機で独自開発されているわけですから、トヨタはあまり得るものがない提携と見られていたわけです。

またトヨタの首脳にとっては、80年代の日米自動車摩擦の記憶が生々しいようで、GM救済のために米国で販売する車の値上げを真剣に考えたぐらいですから、GMが持て余す富士重工を引き取ることぐらいは考えそうです。ただし値上げを言ったトヨタに対して、現地生産が進む日産とホンダは冷ややかな反応をしたんですが、このあたりにトヨタの置かれている現状が透けて見えます。

巷間GMとトヨタの首位交代に注目が集まりがちなんですが、経常利益1兆円の超優良企業も、一皮めくれば北米市場で利益の7割を稼ぎ出す重大な偏りが悩みなんですね。で、これがレクサスブランドやハイブリッド車を中心に日本で生産してアメリカで高く売れる車種が好調なことの反映なんです。つまり北米現地生産が遅れていることの反映でもあって、逆にGMやフォードは値引き合戦の消耗戦で自滅しているわけですから、トヨタも現地生産で供給力を高めたいのが本音なんです。それが結果的に利益率を下げることになるとしても、現地生産ならば日米摩擦の再現もかわせるわけで、トヨタの焦りがそこにはあります。

といった背景を踏まえて見つけたのが

(10/7)トヨタ、富士重の米工場で生産へ・07年にも年10万台(日本経済新聞)
という記事です。さすが転んでもタダでは起きないトヨタ魂です^_^;。SIA(Subaru Isuzu Automobil)といえばいすゞとの合弁で北米現地生産に乗り出した富士重工の米国生産拠点ですが、いすゞの撤退で大幅に能力を持て余していたところにトヨタが目を付けたということですね。ついでにGMにも恩が売れるわけですからオイシイ話です。

富士重工にとっても、余剰生産力をトヨタに利用させることで、高コスト体質を払拭できるわけですから渡りに船といえます。思えば日産との提携当時、カローラとしのぎを削ったサニーの生産を受託した歴史の再現ですね。隣のラインではレガシイの前身車スバル1000を組み立てていて、チープな造りの車の隣で手の込んだ造りの車を組み立てて、前者の儲けで後者の道楽をやってたわけです^_^;。でも今度の提携相手はかなり手強いですね。なにしろトヨタとは企業風土の全く異なるダイハツと日野の2社を30年以上かけてトヨタ流に鍛え上げたわけですから、鷹揚なタニマチだったGMのぬるさとは比べるべくもないところです。

とはいえプライドの高い富士重工が果たしてトヨタ流をどこまで受け入れるか、結構見物です。というわけでこんな記事があります。

(10/8)富士重、トヨタに欧州向け小型車の供給を要請へ(日本経済新聞)
ということで、富士重工としても売るタマがほしいわけで、SIAでトヨタ車を生産する見返りを要求しているあたり、トヨタの下請けではさして儲からないという読みなんでしょう。かくして道楽路線まっしぐらな富士重工のアイデンティティは簡単には変わらないのでしょう^_^;。

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Thursday, October 06, 2005

JR東日本E233系の読み方

既に多くのブログで取り上げられておりますが、遅ればせながらアップします。

JR東日本のニュースリリースによりますと、中央快速線と青梅五日市線の201系を新形式E233系に置き換えると発表されました。従来、車両故障、信号トラブル、人身事故と、とかくストレスフルでユーザーフレンドリーとは程遠かった中央快速線ですが、大幅な輸送改善を予感させるニュースといえます。

中央快速線は首都圏JR各線でも最も高密度輸送を強いられている路線で、伝統的に固定閉そく長が短く、ラッシュ時など走る度にATSが鳴る^_^;名うての運転難易度の高い路線でした。それだけに国鉄時代から先進的な取り組みがなされ、オール電動車編成で高加減速を狙った101系は、変電所容量不足に躓いてT車込みで旧型車並の加速度に甘んじたものの、そこそこの高速性能と高ギヤ比で勾配走行もこなす万能車として重宝されました。逆にそのことが後輩の103系の中央快速線への運用を阻み、後年フラッシュオーバー事故対策で絶縁強化されるのを待たなければなりませんでした。

70年代、2度のオイルショックで省エネへの関心が高まり、鉄道の世界では地下トンネルでの放熱対策の意味もあって、主回路に抵抗器を挿入して電気エネルギーを熱に変えて捨てていた抵抗制御から、半導体による主回路のオンオフで制御するサイリスタチョッパ制御が実用化されましたが、加減速が頻繁で高速走行の機会が少ない地下鉄では経済性を発揮しても、素子価格が高く高速で巡航する地上の鉄道では、なかなか採用に至りませんでした。

ですが元々変電所容量がボトルネックとなって高性能車101系のスペックダウンを余儀なくされた中央線ならば、チョッパ車のメリットを活かせるかもしれないし、また大量発注をかけることで、高価な素子価格を下げることも期待して、201系を送り出したのですが、これがまた大ゴケとなります^_^;。

結果的に素子価格は下がらず、同時期に登場の117系や185系に合わせて耐候性鋼板を用いた高級素材の丈夫すぎる車体とも相まって、高価な車両となってしまいました。なおかつ登場後数年で国鉄解体、JR移管となったわけですが、国鉄が公的主体で定額法償却しか選べないこともあって償却が進まず、高い簿価でJRに引き取られた結果、民間会社となったJRとしては使い倒すしか選択肢はありませんでした。

あと厄介なことに、国鉄時代の前例主義が災いして、海側にチョッパ制御器本体を配置した結果、東西に伸びる中央線では直射日光の輻射熱にあてられ、また中野以西ベタ停車で加減速が頻繁だったこともあって排熱が間に合わず、突然ブラックアウトするトラブルに悩まされます。いわゆるサイリスタ日照りです。対策としてチョッパ制御器を収めたケースを白く塗って輻射熱を少しでも少なくという涙ぐましい努力がなされ、また保守の経験を積んだ三鷹、武蔵小金井、豊田の各区から離れられずに時を経ます。

とはいえ民営化後18年、電車の減価償却期間は13年ですから、会計上は捨てられるようになった201系ですが、より古くガタがきている103系の淘汰が先行したこともあって、首都圏の最重要路線でありながら、車両更新が後回しとなった中央快速線にやっと順番が回ります。その間にもいろいろありまして、ATOS(首都圏列車運行管理システム)の導入と車両トラブルと信号トラブルに、人身事故と降雪の影響まで重なって、1箇月に正常運行数日なんてことがあったり、高架化工事で仮線切り替えしたら、国鉄から引き継いだ信号配線図に間違いがあって復旧が遅れて半日止まったりとトラブルが重なります。これらの経験がフィードバックされてE233系の仕様に反映されたものと考えられます。

青梅五日市線や富士急行線へも運用される都合で、6+4の分割編成が必要となるため、10連、6連、4連の3種類の編成が用意されていて、10連で6M4Tとなるなど、中央快速線の環境に特化したマイナーチェンジ車という性格が読みとれます。

不可解なのが688両の新製で201系710両を置き換えるという点でして、JR東海よりはマシ^_^;とはいえ、減車となる点です。考えられるのはMT比見直しによるスピードアップで運用減となるか、トラブルの多い201系で元々予備車を多く抱えていた分を削ったかですが、後者の可能性が高いと考えられます。

E233系は主回路や保安装置の二重化によるトラブル回避を特長としています。システム全体を冗長にして、部分的なトラブルで全体が齟齬しないシステムを狙っていると考えられます。とするとMT比の変更も、単純な加速度向上でスピードアップということではなく、ユニットカット時の性能確保にむしろ狙いがあると考えられます。つまり4M6Tで正常運行可能なダイヤで車両故障の影響を軽減するということです。もちろん正常なときの遅延回復力向上の狙いも合わせてでしょうけど。高密度運転で地下鉄並にトラブル回避を考えなければならないという考え方に立ったものと考えられます。

あと688両という両数の中途半端さですが、6連と4連の数が揃っていないことを意味します。おそらく4連が2本多いパターンではないかと思います。根拠は、四季彩として運用されている201系4連の車内改装車も置き換え対象とすれば、該当編成だけセミクロスでワンマン用ドアスイッチとモニター装置を装備して登場という可能性も考えられますし、その運用実績次第では、豊田区に残る山スカ115系の置き換えへと進む可能性も考えられます。両者を共通運用とすることで、予備車を圧縮する効果も期待できます。E233系が意表をついた高運転台の近郊タイプで半自動ドアという仕様で登場したあたり、大月までの運用だけを考えているわけではないと思いますが、果たしてどうなりますか目が離せません。

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Wednesday, October 05, 2005

阪神電気鉄道株38%取得の村上ファンドの狙いはタイガース

いろいろと憶測を呼んだ村上ファンドの阪神電気鉄道株取得ですが、今朝の新聞報道で、阪神タイガースの株式上場を電鉄へ提案したことが明らかになりました。

人気球団の阪神タイガースを大証ヘラクレス市場へ上場し、ファンに株主になってもらって支えてもらうと共に、選手にもストックオプションを付与するなどの提案がなされたということです。事実とすれば注目すべき提案です。

今や落ち目の巨人をしり目に球界一の人気球団となった阪神タイガースだけに、リアリティのある提案といえます。

従来はスポンサー企業の広告塔としか見られていなかったブロスポーツの興行的な自立の可能性を示唆するものとして注目すべきものといえます。

ファンにとっては株主となることで究極のサポーターになれるわけですし、親会社の阪神電気鉄道にとっても、株式売却益を得られる上に、選手へのストックオプションで有力選手の確保と勝利へのインセンティブとなり、好プレーを誘発し人気を維持できる仕組みとなります。実現できれば画期的なことといえます。

今シーズン楽天の新規参入がありましたが、問題の多いブロ野球界で、球団人気をテコに経営的に自立可能なビジネスモデルは未だ手探り状態といえます。過去にもさまざまな試みがなされましたが、あまり成功しておりません。

ザックリいえば、戦力強化して人気を得ることで興行収入を増やすというのが王道なんでしょうけど、強くても不人気だったかつての阪急ブレーブスや、Aクラスに定着しなから観客動員の長期低落傾向にある西武ライオンズのような例もあります。こういう球団は選手年俸ばかり上がって興行収入は伸びない赤字体質になるしかないわけです

逆に弱くても人気があれば経営的にはおいしいわけですが、どこまでファンをつなぎ止められるかということになります。かつての阪神や楽天などが該当しますが、なんとも人をなめた話です。

というわけで、今後どうなるかわかりませんが、とりあえずポジティブにとらえておきたいと思います。

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Tuesday, October 04, 2005

大船駅改良工事進捗

丁度1年前に大船駅改良工事の話題をアップいたしましたが、1年越しの続報です。

大まかな概要ですが、現在の橋上駅舎と東京寄りにある乗り換え専用跨線橋を結び、北口改札を設けて乗客を分散させると共に、原駅舎と結ぶ増床部分に各ホームへのエスカレーターとエレベーターを設置して、バリアフリー対応を取るというものです。北口改札外の通路は、大東橋際の横浜市栄区側に階段とエレベーターで地上に降りるようになります。従来ヤマダ電機前の東口バスターミナルから現駅舎へ車道へはみ出して歩く歩行者が解消されるわけですが、ルミネ前の東口交通広場との分裂関係は固定化されるわけで、大東橋の架かる砂押川で別れる横浜市と鎌倉市の都市計画の不整合で分裂するエキソト^_^;を統合しつつバリアフリーにも対応するという巧みな改良工事です。

で、本日10/3から現駅舎と建設中の新駅舎とを結ぶ増床部分の一部が供用開始され、5-10番線へのエスカレーターが同時に供用開始されました。7-8番線へ降りる東京側階段は閉鎖され、増床部分の通路スペースを確保しつつ進む感じで工事が本格化しそうです。旅客案内でも大型LEDパネルが設置され、東海道線、横須賀線、湘南新宿ラインと3ルートに別れて停車駅もまちまちの上り列車を発車順に停車駅案内まで一覧できるようになっています。これは既に設置されてましたが、湘南新宿ラインの運行開始以来言われ続けた誤乗防止に一役買いそうです。あとは魅力的なエキナカショップに期待したいところです^_^;。

というわけで、本日はガードマンがメガホン片手に乗客への周知を呼びかけておりました。北口駅舎も棟上げが終わって工事も終盤というところです。完成が楽しみです。

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