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Sunday, October 16, 2005

ヒルズ、郵政、TBS

意味不明のタイトルですが、10/16日本経済新聞1面の郵便局の囲み連載によれば、JR大阪駅前の大阪中央郵便局が再開発のターゲットになっているのだそうです。確かに古式蒼然たる6階建てのビルは、周囲を高層ビルに囲まれて、いかにも取り残された感があります。

何か郵政民営化の隠れた意図がまた一つ見えてきました。丸ビルや六本木ヒルズ以来の大型都市再開発の物件漁りが早速始まっているわけです。以前地価下げ止まり? 実は投資資金流入という記事でも明らかにいたしましたが、今、大都市圏の都心の一等地を中心に、地下の下げ止まりが見られるわけですが、それが再開発によって行われていることと、企業部門を中心としたいわゆる金余りによって、潤沢な投資資金が不動産投信(REIT)を通じて流れ込んで、ある種ブームになっていることなどを指摘いたしました。

その結果、資金が投下されたところでは、確かに地価が上昇しているのですが、同時にそれは、周辺地域の空洞化を伴う動きでもあるわけです。当然それは大都市を中心に土地利用の実態を大きく揺さぶることになり、不動産の勝ち組負け組を分けることでもあるわけです。負け組になれば空室率が高まり、賃料の値下げなどを強いられるわけですから、バブル時代のようにビルオーナーになれれば安泰とはいえない時代となったのです。

そうなると負け組地域でも競争上再開発の気運が高まるわけで、かくして果てしない再開発合戦へと駆り立てられる、ある種マネーゲームともいうべき何とも落ち着かない時代に向かいます。そういった背景の中で、とりわけ大都市部の中央局は、都心の一等地に立地しており、高層化するだけでも収益機会が増すわけですから、注目が集まるわけですね。加えて郵政民営化法案が可決成立した結果、株主価値の向上という観点とリストラによる局の再配置によって、優良な再開発物件として注目されることとなります。

早速郵政民営化の効果が出ているという評価も可能なんですが、全国に2万局あると言われる郵便局の一つ一つに存在意義が問われる状況にもかかわらず、なお不透明な部分があることを指摘しておきます。総務省令で定めることになっている郵便局の設置基準がどうなるかによって、局の統廃合は違った様相となると考えられます。加えて主に過疎地の郵便局網を維持するという名目で株式売却益から2兆円程度を積立金として、運用益で過疎地の赤字局の救済を行うことになっておりますが、都市部の局の超過利潤の充当を含めて、いわゆる内部補助によって郵便局網を維持しようということですから、制度の運用如何では、リストラが進まないに留まらず、政府出資の持ち株会社に各事業会社がぶら下がる経営形態の不透明さ共々、問題を含んでいると言わざるを得ません。加えて郵便貯金の高収益は、政府保証による定額貯金の高金利(半年複利なので、見かけ上の金利以上に優遇されている)に負うところが大きいだけに、民営化後の収益性は未知数です。

一応金融庁の監督下の普通銀行の免許を受けることになっておりますが、既に現在でも金融監督行政が機能するかどうか疑わしい規模の3大メガバンクを上回る規模の新銀行がいったいどこへ貸付を行うというのでしょうか。そうでなくても民間企業はリストラ効果で現金資産を積み増しており、不況による投資手控えもあって潤沢な内部留保資金を積み上げている状況です。銀行からお金を借りる必要がないところへ、超巨大銀行が参入して融資合戦を行うというのは、明らかに供給過剰となり、力の弱い地方金融機関などがしわ寄せで淘汰されると言われております。本論とは別の問題ですが、そのときに金融庁がペイオフを実行できるかどうか、また当該金融機関のフランチャイズ地域の経済的打撃に対して緩和的な対策をとれるのかなど、課題は山積しております。

加えて春に起きたライブドアのニッポン放送買収劇や、村上ファンドの阪神株取得、楽天によるTBS株取得などなど、いずれも企業に積み上がった余剰資金ゆえに狙われ、また行き場のない投資資金がマネーゲームへと流れ込む昨今の状況の中で、超巨大銀行の出現は、回り回ってマネーゲームへ向かう資金の供給源となるわけです。郵政公社は民営化されて事業展開の自由を得るかもしれませんが、つまるとことマネーゲームのネタにされるのがオチで、こんなはずではな日本の将来です。有権者を劇場型政治の観客にしてしまったコイズミって、悪巧みの天才です。

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Comments

東京駅の丸の内南口の一等地にも中央郵便局がでーんと建っていますよね。その反対側にあった国鉄本社が跡形もなく消え去った今、確実に時代は変わろうとしています。
Primera

Posted by: Primera | Sunday, October 16, 2005 at 10:17 PM

東京中央郵便局も、いつまで現在の姿を留めるのかわかりませんね。

庶民の手の届かないところを徘徊するマネーばかりが膨らんで、大多数の国民は蚊帳の外に置かれる状況は、地方の大規模公共事業に資金が流れるのと何が違うのか、悩みは尽きません。

Posted by: 走ルンです | Sunday, October 16, 2005 at 10:47 PM

こんにちは。ときどき立ち寄らせてもらっています。

もう10年以上も前になりますが、その大阪中央郵便局の近所に勤めていました。当時から建て替えの話はあり、周辺が再開発で様変わりしてゆく中で、今も変わらぬ姿で残っているというのが不思議なくらいです。

大鉄局なんか、今やヨドバシカメラですからね(^^;)。
かつての、あの風格ある佇まいは、もはや見る影もありません。

Posted by: クモハ123 | Monday, October 17, 2005 at 10:22 PM

コメントありがとうございます。

都市の景観の変化は、ある程度は都市の活力としてポジティブに評価されるんでしょうけど、金余りを背景にどこもかしこも工事中では困ったもんです。

欧米では、古いビルの外壁を残して内部を高層化するなどして、都市景観に配慮するなどの取り組みが見られますが、日本では新奇さのアピールが幅を利かせます。かくして都市に文化の香りが見られないのは残念ですね。

Posted by: 走ルンです | Tuesday, October 18, 2005 at 12:16 AM

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