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Wednesday, November 02, 2005

新型ATS、96か所で設定ミス…JR西が謝罪(読売新聞)

何つーか、やっぱりという感想です。

.リンク: @nifty:NEWS@nifty:新型ATS、96か所で設定ミス…JR西が謝罪(読売新聞).
というわけで、以前の記事で危惧した点が現実となりました。
福知山線、ATS-P設置前に復活運転すべき理由
ATSは設置後のテストが重要なんですが、メディア報道の論調に押されて国土交通省が設置を急がせた結果、十分なテストが実施されていなかった可能性があります。全くお話になりません。報道によれば、制限速度を上回っていても作動しない箇所については修正済みだそうですが、福知山線を中心に制限速度を5km/h下回る照査となっていて、修正はこれからだそうです。

当時メディアの報道合戦の中で、JR西日本が新型ATS設置で事故が防げたか?との問いに対し、そうは考えないと答えてメディアの反発を受けたことから、国交省によってATS-P設置を福知山線の運転再開の条件にされたわけです。しかも運転再開に時間がかかる旨の発言にも噛み付かれて、復旧工事がタイトなスケジュールとなった挙げ句の今回のニュースですから救われません。結局嵐のような報道合戦の末に未だ原因究明には至らず、あの騒ぎは何だったのかと思います。

話は変わりますが、鉄道ジャーナル12月号で川島本に久保田博氏と種村直樹氏がそれぞれ注文を付けてます。久保田氏といえば旧国鉄の技術畑OBの重鎮ですが、旧国鉄礼賛に傾きやすい傾向があります。川島氏のボルスタレス台車は危険とする見解は、プロの目で見て一笑に付すべき出鱈目らしいんですが、根拠は示されておりません。久保田氏自身リアルタイムでボルスタレス台車に接した経験はないと思いますが。

種村氏は技術的評価については見解を述べておりませんが、事故調査検討会の中間報告直前に出版された本の見解に触れていないことに疑問を呈しております。実際には仮説に過ぎない言説に事故調がいちいち反応して風評を生むことの問題からではないかとしていますが、新聞広告や報道での取り上げ方などに目配りしているのは、新聞記者らしいところです。

ま、確かにボルスタレス台車が危険かどうかは一概には言えませんし、今回の事故原因にどの程度影響しているかもわかりませんが、事故原因が特定されない段階での仮説による考察そのものを封印する必要はないと考えます。事故調の中間報告でも幾つかの事実が判明してますが、例えば防護無線が事実上役に立たなかったなど、重大な事実なのですが、報道ではあまり取り上げられておりません。かくして事故が風化していくことへの苛立ちが、川島本への評価のバックグラウンドにあるという点も忘れてはならないでしょう。

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Comments

福知山線(JR宝塚線)ユーザーです。
文面にほぼ同意です。
そもそも特急北近畿はATS-SWしか装備されていない訳で何故ATS-P地上子設置が運転再開の条件かは未だに謎です。
運転休止中は近隣の人を含め大変な目にあいました。中には運転休止を嫌い、これを機に引っ越した家庭もあります。
マスコミの偏向報道は未だに続いており、利用者からは事故付近以外での最高速を少しは引き上げるべきとの意見が圧倒的ですが、このような事は一切記事にならず、逆にJRWが最高速引き上げるのはけしからんというような記事が蔓延しています。なにしろ同じ直線区間で東海道線の普通は110km/hでている上、北線の単線区間ですら最高速105km/h制限なのに宝塚-尼崎全域で最高速95km/hと理不尽な状況が続いているにも拘らずです。
しかも、事故原因は回復運転が原因ではないというのがほぼ明らかになったのに、一斉に回復運転が事故原因としていたマスコミ各社は訂正すらしていません。ヒューマンファクターが原因であれば、これを防ぐ手立てを早急に確立するのが第一優先でしょう。このあたりの指摘は少し弱い気がします。
追加ですが、事故現場での速度は未だに非常にゆっくりしたもので、逆に内側に傾きすぎで走行しています。

Posted by: w221u | Wednesday, November 02, 2005 at 09:03 PM

コメントありがとうございます。

特急北近畿についてですが、そもそも福知山線のATS-Pは、駅の場内及び出発信号機だけに連動した簡易タイプで、駅間の閉そく信号との連動は、従来のATS-Swで対応するハイブリッドタイプで、速度照査機能も基本的には無電源地上子を2個並べたタイプでSw相当だそうです(出典:川島本)。つまり従来のSwのみの車両でも運行は可能ということのようです。

とすれば、あのATS-P設置という運転再開の条件は何だったのかということになります。典型的なミスリードです。

そもそもATS自体が、ヒューマンファクターの事故を防ぐバックアップシステムで、異常時に作動するものというあたりの認識がないから、このようなミスリードが起きてしまうんですね。でも国交省は素人じゃないはずですが-_-;。

Posted by: 走ルンです | Thursday, November 03, 2005 at 12:19 PM

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» JR西日本・ATS-P設定ミス、そして「安全研究所」を設置。 [Simplex's Memo]
最初にこの報に接した時、「相変わらずか」と思ってしまった。 「JR西日本 新型ATSの96カ所で設定ミス」(毎日新聞、11/2) 「JR西 新型ATSで設定ミス 30カ所ブレーキ作動せず」(産経新聞、11/2) 等々、いちいち挙げていけばキリがない。 要は京阪神地区の主要路線のカーブ等374カ所に設置したATS-Pのうち、8路線96カ所で設定ミスが見つかり、特に30カ所で制限速度を超えてもブレーキが作動しな�... [Read More]

Tracked on Saturday, November 05, 2005 at 05:03 PM

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