明暗を分けた大手私鉄中間決算
売上高 | 最終損益 | 輸送人員 伸び率(%) | |
---|---|---|---|
東急 | 6,813( 33) 13,850( 31) | 90(-49) 300(-15) | 1.0 1.1 |
近鉄 | 4,529(-24) 9,400(-15) | -10( -) 160(-23) | -0.9 -1.6 |
名鉄 | 3,759( 2) 7,360( -7) | 46( -) 130( -) | 4.6 2.8 |
東武 | 3,211( 1) 6,480( 2) | 149(165) 246( 99) | -0.2 -1.1 |
小田急 | 2,967( -5) 6,150( -2) | 115( -) 160(297) | 0.8 0.3 |
阪急HD | 2,291( 2) 4,859( 2) | 89(-39) 210(-19) | 2.2 0.7 |
京王 | 2,139( 2) 4,389( 1) | 127( 25) 200( 7) | 1.4 1.2 |
京急 | 1,534( 4) 3,260( 3) | 36(-36) 110( 1) | 0.7 0.7 |
西鉄 | 1,544( 2) 3,186( 1) | 36( 77) 68( 59) | -1.0 -1.0 |
阪神 | 1,459( 5) 3,150( 5) | 29( -5) 60( 22) | 0.9 0.1 |
相鉄 | 1,431( 1) 3,041( -2) | 36( 48) 60( -1) | 0.7 0.1 |
京阪 | 1,308( 14) 2,600( 6) | 57(127) 69( 19) | -0.9 -0.6 |
京成 | 1,071( -2) 2,279( 3) | 43(-28) 78(-34) | 0.3 0.1 |
南海 | 910( -9) 1,920( -2) | -192( -) -110( -) | -0.4 -0.5 |
西武 | 2,192( 8) 4,430( 9) | -276( -) -170( -) | 0.6 0.4 |
最終損益が7社で改善し、特に小田急と名鉄が黒字転換となりました。共に2006年3月期からの減損会計による特別損失を前期に計上した結果改善したもので、名鉄ではセントレア開港と愛知万博効果も寄与しております。同様に近鉄でも名古屋へ向かう乗客の増加が見られ、プロ野球球団の売却でレジャー事業の損益は改善しましたが、志摩スペイン村などリゾート関連の減損処理で最終赤字となりました。南海と西武でも減損処理による赤字転落となり、減損会計への対応を早く済ませたところが好業績となる一方で明暗を分けました。
あと全体的に低迷していた輸送人員に好転の兆しが見られる点は明るい話題でしょう。空港輸送と万博効果の名鉄や、地下鉄など他社線との直通ルート開設でネットワーク効果が出た東急や、こまめな輸送改善で需要を掘り起こした京王などは注目されます。阪急はJR振替輸送で増加した分の歩留まりがどの程度になるかが鍵でしょう。阪急と共に輸送人員を伸ばした阪神は、観客動員を増やしたタイガース効果と見てよさそうです。球団を手放した近鉄とは逆の道で成果が見えます。
逆になお輸送人員を減らしている5社ですが、関西各社は地域の経済情勢が未だ回復のタイミングに入っていないのでしょう。関東で唯一輸送人員を減らしている東武ですが、やはり日光鬼怒川地区の不振が響いているのでしょう。来年3月のJR新宿駅直通で需要開拓成るか。また同日のダイヤ白紙改正で半蔵門線直通を軸に大幅な輸送体系の見直しが予定されておりますが、都市近郊輸送の重点化でどれぐらい需要を取り込めるかなど、来期に期待がかかります。
というわけで、前期に続きリストラ効果でまだら模様の大手私鉄各社の現状です。
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