来年春のダイヤ改正で試される東武鉄道
既に多くのブログで取り上げられております東武、メトロ、東急、JR東日本が絡むダイヤ改正の話題ですが、東武鉄道に焦点をあてて論じます。
ダイヤ改正の詳細は東武鉄道のリリースページでご確認いただくとして、長きに亘って踏襲された東武伊勢崎・日光線のダイヤパターンが大幅に変更されるというのは、かなり大きなニュースといえます。そして従来の輸送サービスを大幅に見直しを迫られるほどに、輸送需要の実態に従来のダイヤが合わなくなったということでもあります。実際に輸送量を落としているのは実績に顕れております。
また2002年の半蔵門線直通開始時点でも、20分ヘッドの区間準急を元のダイヤに挿入するという暫定的なもので、曳舟で浅草発の準急と緩急接続して先発し北千住まで通過した後、新越谷以北の各停区間に入ってせんげん台で曳舟で後発の準急に追いつかれるという苦し紛れのダイヤ構成となっており、停車駅案内も含めてわかりにくいものとなっておりました。それが半直区間準急20分ヘッド→半直急行10分ヘッド、浅草発準急10分ヘッド→浅草発区間準急20分ヘッドと振り替えられた形でスッキリしたものになるわけですから、利用者サイドからはわかりやすくなります。
あと重要なのは、伊勢崎線で久喜と太田で運行を分断し、太田-伊勢崎間のワンマン化とも相まって、無理に直通運転を維持して列車編成長や列車本数がその区間の需要に合っていなかった部分を是正し、直通需要よりも区間需要の掘り起こしに特化したダイヤということがいえます。つまりは東上線の小川町での運行分断と同じことを伊勢崎・日光線でやろうということですね。しかしこの結果各区間の昼間時の運転本数は増えてフリークエンシーは向上しておりますので、少数の直通客を配慮して区間利用客に不便を強いる現行ダイヤよりも充実度は高まります。
その一方で伊勢崎・日光線は東上線と比べて、日光鬼怒川の観光輸送と東京対両毛地区の都市間輸送を担う役割が強く、東上線では既に事実上撤退した対秩父の輸送と対照的です。今回のダイヤ改正では栗橋の連絡線完成を受けてJRとの直通運転が打ち出されていますが、長期低落傾向が続く日光鬼怒川の観光輸送へのテコ入れの意図が読みとれます。
実は東武鉄道としては新宿対日光鬼怒川の輸送に関して、東京の関東バスと組んで東北道経由の高速バスを走らせたことがありました。これがスペーシアの運賃料金に匹敵する運賃で、深夜急行バス用の55人乗りトイレなしワンマン車で走らせるというおざなりな代物で、利用は低迷し、2年ほどで休止に追い込まれました。
今回はそのリベンジという側面もあるでしょうが、日光鬼怒川地区向けの観光輸送の長期低落傾向に歯止めをかけると共に、栗橋以北の日光線の線路容量の過剰に対して半蔵門線直通列車の登場で複々線でも目一杯になりつつある以南の線路容量の救済の意味もあると思います。いずれにしても既存の鉄道資産の有効活用という方向性を打ち出したわけで、従来ともすれば組合がうるさいからとか理由を付けて改革に後ろ向きだった東武鉄道としては一歩を踏み出すことになるわけです。今後の推移が注目されます。
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Comments
りょうもう愛好者として、ひとつ気になるのが、太田での、「伊勢崎方面区間運転列車」と「りょうもう号」との接続。
現在の下り日中は、館林で抜いた伊勢崎行準急を太田で待つという、特急停車駅下車客のみを対象とした野暮ったいダイヤ。
区間運転列車との乗り継ぎが便利になることを願っています。
全列車の時刻はもう少し待たないとわからないのかな?
Posted by: 匿名 | Monday, January 30, 2006 11:03 PM