大雪でわかった地方の寒~い現実
暮れから続く連日の大雪ですが、漸く峠を越えた模様です。
(1/8)日本海側、大雪のピーク越える・雪による死者67人に死者67人というのは今回の寒気が台風並みの災害だったことを表します。
連日の報道に接していて、被害が山間の集落に集中している点、また高齢者の被害が甚大である点が目につきます。当ブログでは度々指摘してまいりましたが、過疎と高齢化が進む地方の現実の過酷さに改めて驚かされます。先日の記事でも指摘いたしましたが、今後この傾向が大都市部へも波及することを考えますと、老いて振り返れば手助けしてくれる若い衆がいなかったという現実に直面する未来に戦慄を覚えます。
また多くの自治体で道路の除雪予算を季節半ばで使い果たしてしまった現実があります。これも冷静に考えれば、道路整備の結果として除雪すべき道路が増えてしまった現実の反映でもあります。例年の暖冬傾向で助けられていたために、問題の発覚を遅らせたといえます。従来の土建政治のツケが回ってきたものといえます。
今年の寒気は確かに異常なんですが、気温だけみれば以前はこの程度の寒さは普通だったのですが、おそらく地球温暖化で海水温が上昇した結果、寒気との温度差で大量の水蒸気を発生させ、大雪につながったのではないかと思います。また温度差が大きければ、それだけ大気が不安定となり、積乱雲の発生、ダウンバースト、竜巻などの異常気象が起こりやすくなるということなのでしょう。羽越線の特急いなほの突風が原因とみられる転覆事故も、その意味では関連します。
「国土の均衡ある発展」を大義名分に、国中掘り返して不自然な人工物で固めてきた従来の地方公共事業のなれの果てということなのでしょう。それでは行き詰まるのは以前からわかっていたはずなんですが、方向転換ができずに今に至ったわけですね。カトリーナの悲劇は対岸の火事ではなかったわけです。
しかしここでいささか気になる動きが見られます。
道州制プロジェクトチームが中間報告地方分権が言われる時代ですが、三位一体改革も進まない中で、またもやワケの分からない動きです。そもそも地方分権とは、中央政府と地方政府の役割を見直して、国民生活に密接に関連する行政サービスについては地方自治体の権限と責任で行い、中央政府は外交、防衛、金融、防疫など中央政府でなければできないものに特化して規模を縮小し、中央と地方の水平分業で効率化しようということのはずですが、基礎自治体としての市区町村、広域自治体としての都道府県、そして国という3段階の階層構造に1段階を加えることの意味は何なんでしょうか。水平分業にふさわしい階層のフラット化こそ必要なのに、省庁の地方組織などの受け皿として道州制を考えているふしがあります。見かけ上国家公務員が減るので行政改革が進んだように錯覚させる効果はありますが、郵政民営化と同じ誤魔化しロジックですね。組織形態をイジって“改革”と称するレトリックにはいい加減うんざりします。
またこんなのもあります。
政府与党、省庁再々編論が浮上・放送と通信の融合など
省庁再々編論・ポスト小泉の主導権争い見え隠れ将に政争の具と化しています。こんなんでは大雪で犠牲になった皆さんも浮かばれません-_-;。
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