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Wednesday, February 01, 2006

グレーゾーンマニュアル、ライブドア問題

えー、やや長い前置きから入ります^_^;。ライブドア問題で東証のシステムの不備や証券取引等監視委員会(以下「監視委」と表記)の権限強化などが言われておりまして、現役閣僚のけん制発言まで出ております。

与謝野金融相、証券監視委の独立論けん制(1/28 20:36)
グレーゾーンを狙い撃ちしてきたライブドアの錬金術に対して、有効な抑止策を打ち出せなかった金融当局への風当たりは強いようです。

ルールの厳格化に関して、さまざまなことが言われておりますが、例えばサッカーの試合でも審判の判定に疑問を投げかけられることがあるように、実際はなかなか一筋縄ではいかない問題が横たわります。サッカーでもルール上の境界領域といいますか、グレーゾーンの問題というのは、なかなかに悩ましい問題です。

ピッチ上のプレーヤーは、とにかく相手のゴールネットを揺らすことに全力を傾けるわけで、そのために、きわどいプレーは結構普通に見られます。また相手にプレッシャーを与えてファウルを誘発するなど、いわゆるトラップを仕掛けるようなことも行われるわけです。その辺がまたゲームに独特の駆け引きをもたらし、緊張感が漂う見所ともなるわけですね。

で、審判は厳格にルールを運用するわけですが、反則を取ればゲームを中断することになりますので、実際に杓子定規な厳格さでルールを適用すると、中断だらけのしまらない試合になりかねません。基本的に審判はプレーヤーと同じピッチに立ち、プレーヤーと同じ目線でゲームを共同で創る立場にあるということです。

さらに両チームのサポーターを含む観客の存在が、ピッチ上の真剣勝負に緊張感をもたらすわけですが、審判が恣意的なジャッジを繰り返せばどうなるでしょうか。片方のチームに肩入れするような不公平なジャッジが目につくようならば、ピッチ上の真剣勝負に水を差すことになります。実はこの部分が審判の公正なジャッジを促すインセンティブとなり、公正なジャッジを担保する仕組みとなっているわけです。元々ルールが単純で、ゲームのスピード感があるのがサッカーの魅力ですから、プレーヤーがグレーゾーンをアタックしてきてからルールを見直していては、魅力のあるゲームは創れないわけです。

サッカーの場合はピッチ上で展開されるゲームがサッカーであるというある種のプロトコルが共有されていて、ゲームが成り立っているのですが、グレーゾーンばかり狙ってラフプレーを仕掛けるチームやプレイヤーは、審判から目をつけられる存在でもあるわけで、金融当局も東証ももっと迅速に対応すべきだったことは言うまでもありません。それができなかった理由は何でしょうか。

幾つかの指摘がありますが、ベンチャー対象の東証マザーズ市場の上場基準の緩さは、ITバブル崩壊時にも指摘され、実際光通信のように株価操作が行われた前科もあります。また先日のみずほ証券のジェイコム株誤発注事件のように、明らかなミスを見過ごしてしまった件もありますが、これも証券会社の手口情報非公開化の弊害とする指摘があります。証券各社の出資による東証の位置づけが、証券に好都合なルールを生み出したというわけです。投資家保護どこ吹く風の情報秘匿は時代に逆行していると言われても仕方ありません。

そして上記の与謝野金融相の発言ですが、従来も株式市場のグレーゾーンには多くの政治家が群がっていたことを忘れてはなりません。リクルート事件や故小渕元首相のNTTドコモ株疑惑など、新規上場株を巡るインサイダー取引の疑いは枚挙に暇がありません。思えばライブドアの錬金術の多くは、例えば時間外取引は、銀行の持ち合い株解消その他で多用された手口ですし、株式分割や新規上場株を巡るインサイダー取引疑惑は数知れずで、穿った見方かもしれませんが、この期に及んでグレーゾーンの消滅を回避したいという思いが政治家や財界にあるならば、その方がライブドアの悪事より深刻な問題です。投資家保護こそが株式市場を支え、家計や企業の余剰資金を企業の投資資金に活かす社会性を担保するプロトコルとなるわけですから。


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