3/18ダイヤ改正でJR貨物に春の予感
巷ではJRと東武の直通特急や改正前日で廃止された特急出雲、103系、113系の運用離脱などの話題が注目されてますが、地味ながらJR貨物の明るい話題が目を引きます。
詳しくはJR貨物の公式ページのニュースリリースでご覧いただくとして、九州新幹線工事関連で鳥栖、久留米両駅の貨物扱いを集約した鳥栖貨物ターミナル駅の開業と、関連して名古屋(タ)-鳥栖(タ)8057レ、8056レ増発、それに東京(タ)-安治川口間の「スーパーグリーン・シャトル列車」(8061レ、8060レ)新設ということで、2列車増発というささやかな内容ですが、中身は濃いといえます。
鳥栖(タ)はコンテナ荷役がスピーディなE&S機能を備え、大型コンテナ扱いのためトップリフターを備えるなど、荷役時間の短縮で競争力を高めようとする意図が見えます。既に東京ー北九州間でJR貨物を利用している日産自動車に加えて、名古屋往復の列車増発は、当然トヨタ自動車をターゲットとしたものといえます。トヨタ自動車では岩手県の金ヶ崎(タ)-浜松(タ)間に今秋専用列車の運行開始を予定しており、物流の貨物鉄道シフトを進めております。
トラック輸送が重大事故の発生を受けて道交法の厳罰化が進み、原油価格上昇でディーゼル軽油の価格が上昇、ディーゼル排ガス規制の強化などでコスト上昇している一方で、大企業を中心としたCO2削減策の切り札としての物流分野のグリーン調達を強めていることが追い風となっている様子がうかがえます。ただし実際は専用列車を仕立てたり一般コンテナ列車の予約をほぼ毎日入れられるのは、今のところ輸送ロットの大きい大企業に限られるという現実もあるわけで、中小荷主には敷居の高い話といえます。
そんな中でモーダルシフトを促進する目的でJR貨物と通運事業者が組んで物流モデル事業として「グリーン物流パートナーシップ」事業として「スーパーグリーン・シャトル列車」が設定されました。ニュースリリースで掲載されたイラストにある通り、機関車牽引のコンテナ列車ですが、スーパーレールカーゴ(SRC)に似た31ftコンテナ(10tトラックバンボディ相当)を利用した複合一貫輸送列車です。SRCが佐川急便の貸切列車であるのに対して、小口荷主でも利用可能なオープンなサービスが特徴で、おそらく積車率が低くなることを想定して機関車牽引のコンテナ貨車(コキ50000?)という手持ちの駒で安上がりに仕立てた列車ということだと思います。利用実績如何ではSRCの増備につながるかもしれません。
先日COSCOとの提携を発表したJR貨物ですが、遅い春の到来と考えられる明るい状況かと思います。今後人口減少で輸送需要の減少が避けられない旅客各社に対して、JR貨物の存在感が増すことは、それだけレールが存続する可能性を高めるわけで、短期的利益に拘泥して貨物いじめに奔走する一部旅客会社の近視眼は、いかに間違っているかが明らかですね。
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