« 阪急・阪神経営統合は視界不良 | Main | 阪急、阪神経営統合で当事者の思惑は? »

Tuesday, April 25, 2006

山手線、今度は線路が隆起

2月に線路が陥没してストップした山手線ですが、今度は線路の隆起です。

JR山手線、運転見合わせ
JR山手線など止まる・線路に異常
場所は高田馬場駅南600m地点の道路交差箇所で、道路拡幅のために線路下の盛土部分の工事をしていたところまで、2月の事故と共通ですが、前回は線路下に鋼管角パイプを挿入した後のトラブルであるのに対し、今回はパイプ挿入後、パイプにコンクリートを充填したところ、コンクリートが漏出して線路を押し上げたということで、長さ25mに亘って最大5cm程度の隆起となったものです。現場は西武新宿線が併走している区間ですが、なぜかJRの線路だけが隆起し、西武新宿線には異常は発生せず、何事もなく平常運転されておりました。

湘南新宿ラインの運転士が目視で発見して緊急停止したということで、大事に至らず何よりでしたが、駅間で緊急停止した山手線内回り電車が動けず、乗客2,000人が高田馬場駅まで線路上をJR東日本社員の誘導で避難する騒ぎとなりまして、改めて大都市の高密度運転線区でのトラブルの重大さを思い知らされます。

結果的に山手線と埼京線は前面運休、湘南新宿ラインは大宮と大崎で折り返し運転とし、運転再開は6時間後ということで、大混乱の1日でした。

JR山手線が運転再開
JR埼京線と山手線は運転再開
運転再開後も現場付近は地上職員の監視のもと、最徐行運転を行っており、25日始発後からは湘南新宿ラインも含めて運転再開されるものの、徐行運転は継続されるということで、安全優先の対応となっております。

原因は定かではありませんが、都内のJR各線では、現場のような盛土部を道路がアンダーパスしている箇所は数多くあり、自治体側の都市計画道路の整備に伴って、交差部の拡幅工事を行うケースは多く、鋼管角パイプを線路と直角に並べて水平に打ち込んで、内部をコンクリート充填して箱型の空間を確保して道路を通す工事は、各所で行われております。工法に問題があったかどうかは定かではありませんし、2月の事故とは原因も異なるわけですが、慎重を期して当面は同工法の工事を凍結することになったようです。

山手線トラブル影響32万人、同じ工法の工事中止
ただ問題は道路整備はいずれ必要なわけで、いつまで工事中止とするかは現時点ではわかりませんが、対策を講じて(工法の変更も含む)再開せざるを得ないわけですから、なかなか悩ましい問題です。ただ工事自体は道路側の工事であって、JR東日本は鉄道用地内ということで施工管理を請け負ってはいるものの、基本的にはとばっちりを受けた立場なんですが、メディア報道では1年前のJR福知山線事故と関連付けて報じるなど、相変わらずのミスリードぶりですが、つけるクスリはないもんでしょうか。

| |

« 阪急・阪神経営統合は視界不良 | Main | 阪急、阪神経営統合で当事者の思惑は? »

ニュース」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

JR」カテゴリの記事

鉄道事故」カテゴリの記事

Comments

こんばんは。

最近、僕が良くして頂いている知的なshamonさん(blogタイトル「ひねもすのたりの日々」)というブロガーさんが関連することをアップされていましたので、ご紹介します。
http://shamon-kuro.txt-nifty.com/hinemosu/2006/04/post_9834.html

良きにつけ悪しきにつけ、人々は色々考えるものなのですね。
良識のないマスコミ関係者の捉え方(記事の作り方)は所詮、人々の歓心を得るためにはどうしたらいいのか、だけなのでしょうか?

Posted by: SAC | Wednesday, April 26, 2006 12:38 AM

2月20日の山手線新橋‐浜松町間で同じ事故が発生したが、原因追求と再発防止策を怠った結果、4月24日の山手線・埼京線新大久保‐高田馬場間の事故を招きました。
並行する西武新宿線が無事だったのは、JR東日本の工法に問題があったからです。
4月21日の青梅線でも同じ事故があったのも、見過ごせません。
これに限らず、JR東日本は信号故障・車両故障で長時間不通が日常茶飯事化してます。

Posted by: くもすけ | Wednesday, April 26, 2006 07:38 PM

コメントありがとうございます。

尼崎事故に関しても、さまざまな論点があるわけですが、JR西日本の利益第一主義が問題という話に収束されそうです。現実には事故調の報告も遅れていて、原因を特定するに至っていないのが現状です。

鉄道工学は経験工学といわれ、不幸な事故のたびに対策がされて安全性が高まってきた歴史があるわけで、冷静に事故原因を特定すべきことは言うまでもありません。また、鉄道の安全はいかにして守られているのか、こういう機会に正しい認識を広めるチャンスでもあるんですが、情緒的に流れてしまうのは困った問題です。

今回の山手線の事故も、現時点では原因は特定されていないのですが、JRを悪者にしないと収まらない人が存在するのですね。工法の問題なのか施工管理が甘かったのか、たとえばコンクリート打設時の熱発による土壌成分の膨張など何らかの偶然が重なったものなのか、現時点ではわかりません。

といってもいつまでも工事を止めることもできませんから、JR東日本にとっては難しい決断を迫られそうですね。

Posted by: 走ルンです | Wednesday, April 26, 2006 08:38 PM

2月20日と4月24日の山手線、4月21日の青梅線は、同一工法です。
これ以外にも、整備不良としか考えられない信号故障・車両故障を日常茶飯事化させてることこそ、問題視すべきです。

Posted by: くもすけ | Thursday, April 27, 2006 11:42 PM

2月20日は同一工法ですが、工程が別ですね。つまりトラブルの種類が違うんで、当然別の原因です。

信号や車両のトラブルも、現時点では整備不良の証拠はありません。むしろ京浜東北線はデジタルATCが導入されていて、他線より設備が新しいんですけど。

というわけで、ほとんど支離滅裂ですね。

Posted by: 走ルンです | Friday, April 28, 2006 09:24 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 山手線、今度は線路が隆起:

« 阪急・阪神経営統合は視界不良 | Main | 阪急、阪神経営統合で当事者の思惑は? »