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Monday, April 17, 2006

新幹線反対派市長当選、佐賀県鹿島市

長崎新幹線の続報です。

新幹線着工“反対派”市長当選 佐賀知事「今後も協議」
というわけで、佐賀県知事は協議を続けるそうですが、鹿島市長への切り崩しは熾烈なものになりそうです。

長崎新幹線問題ですが、武雄温泉-諫早間約45kmの新規着工に伴って、平行在来線区間の肥前山口-諫早間が経営分離されることに対して、平行在来千区間に立地する鹿島市が危機感を募らせるのは当然のことです。しかも長崎新幹線の今回着工区間には2,700億円の事業費がかかる一方、時間短縮効果は28分でしかなく、1分100億円弱という信じられない効率の悪い投資です。公共事業の問題点としてたびたび指摘される非効率な事業といえます。財政再建が議論されているそのときに、このような事業が新規着工されるとすれば、悪い冗談でしかないですし、それだけ中央政界での議論が地域の各論で否定されるのであれば、改革が名ばかりであることの証です。

公共事業であっても、投資効率の高い案件も当然存在しうるわけですが、長崎新幹線はとりわけひどい代物といえます。そもそも九州新幹線鹿児島ルートが実現すれば、ボトルネックとなっている博多-鳥栖間の輸送力増強は果たせるのであって、あえて作る必然性に乏しいのは自明です。推進派の説明としては、鹿児島ルートが博多まで開業すると、博多までの時間距離が逆転し、長崎が置き去りにされるというのですが、対博多で鹿児島と争うという志の低さに唖然とします。

元々徳川幕府の治世で、出島での大陸貿易の独占で栄えた長崎ですが、東シナ海の向こうには、東京より近くに上海があるという好立地なのに、それを活かす発想がないのが不思議です。まさか倒幕に動いた鹿児島への恨みだったりして^_^;。

あとフリーゲージトレインについてですが、長崎新幹線でも、新規着工区間をフル規格で建設し、フリーゲージトレインで新在直通すれば更に10分の時間短縮が可能というとらぬ狸な議論もされてますが、そもそもフリーゲージトレインは現在開発中であって、実用化のメドも立っていないということは忘れてはいけません。レールと車輪の関係に関わる基本技術に関わる技術開発ですから,開発要素が多く、実現のハードルは高いといえます。仮にハード的には可能性が拓けたとしても、コストが高ければ営業運転には使えないわけですし、どちらかといえば、既存新幹線区間から末端の在来線への新在直通運転を地上線路の軌間変更なしに可能であるという点からすると、導入可能な場面は限られると考えるのが自然です。

というわけで、これから強烈な切り崩しに遭うであろう鹿島市の桑原市長と鹿島市民には、くれぐれも頑張ってほしいところです。

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Comments

長崎は欲しいが佐賀はいらないという新幹線、中間駅の悲哀です。
新幹線は直通だから意味があって、乗り換えでは魅力は半減です。だからこそ長崎は是が非でも欲しいのでしょう。
しかし庭を貸す佐賀からすればたまったもんじゃないですね。長崎がこうなったら県営鉄道で佐賀の転換区間でも買ってやるしかないと思います。
長崎、対どこを考えているかはわからないのですが、対東京なら飛行機で申し分ないアクセスなんですけどまだ不満なんでしょうか?

Posted by: SATO | Monday, April 17, 2006 at 10:13 PM

長崎ですが、産業面ではいろいろあるんでしょうけど、観光面では、既に国内観光客が減少している部分を上海を中心とした中国人ツアー客が穴埋めしている状況があります。そっちを磨いた方が地域活性化の近道ではないかと思うんですけどね。

Posted by: 走ルンです | Monday, April 17, 2006 at 11:53 PM

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Tracked on Tuesday, April 18, 2006 at 12:09 AM

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