« 業績好調でも意外と難しいつくばエクスプレスの次の一手 | Main | やっぱ福井さんは辞めるべき »

Saturday, June 10, 2006

相鉄とJR東日本の相互直通大臣認定

というわけで、前回記事(東急相鉄相互直通、横浜市の横暴相鉄の涙)の続きを新規にアップします。相鉄とJR東日本の相互直通に関して、9日、大臣認定を受けたことで、手続きが前へ進みます。とりあえず西谷-横浜羽沢間2.7kmについての認定ですから、JRとの直通を先行させる形での決着となりました。

http://www.sotetsu-group.co.jp/news_release/archives/PDF/060609_01.pdf
東急との相互直通に関しては、継続して協議中と考えられます。

同時に瀬谷駅の下り待避線設置による構内4線化を行い、横浜海老名間5分程度短縮となる特急運転構想も動き出すこととなります。この結果横浜駅のターミナル集客力を維持し、空洞化を防ぐ狙いがあるものと思われます。この辺も前回記事で触れたとおりの狙いがあると考えられます。とりあえず渋谷行きの電車が自社線を走り出す(東急との直通)前に、特急運転で横浜の地盤沈下を防ごうというわけです。

あと開業時期の問題も重要でして、当面JRとの直通が2015年ですから、保有車両の更新を当面はJR直通可能車(10000形又はその後継?)で進め、予定数がそろったところで東急直通対応の縮小限界、ATOホームドア対応車に切り替えるといった時間差対応が可能となります。“走ルンです”ブラザーズ、東急5000系の色違いで対応となれば、前回記事のSATOさんのご指摘のように、追加費用は許容範囲かもしれません。7000形の6M2T8連への組み直しなど、6000形末期を思わせる変化が見られる状況ですから、これらの置き換えと考えれば、確かに無理のない車両計画になりそうです。

相鉄の本音は、東京都心直通は、とりあえずJRとの直通で達成可能なので、ここで可能な限りの投資リターンを回収し、東急との直通は収支トントンでいこうという意図があると思われます。構想の運転本数の少なさですが、いざとなれば横浜羽沢で5両増結の15連という裏技の可能性は指摘しておきます。東急との直通が始まるまでの短期間限定であれば、増結の5連を別建てで横浜羽沢まで走らせる手が使えます。ついでにグリーン車連結でもすれば、増収効果も高くなりますね。

というわけで、意外にしたたかな相鉄の姿勢ということが言えそうです。大手私鉄中最も小規模なグループに属する同社ですが、規模の点で類似の西の阪神が、例の一件ですっかり評価が地に落ちた一方で、他社との協業で未来を拓こうとする姿勢は見るべきものがあります。結局阪急との経営統合へ進む阪神との対比はこの点でも際立ちますね。

| |

« 業績好調でも意外と難しいつくばエクスプレスの次の一手 | Main | やっぱ福井さんは辞めるべき »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

JR」カテゴリの記事

大手私鉄」カテゴリの記事

都市交通」カテゴリの記事

Comments

ご指摘の通りでしょう。10000はJR用、相鉄からすれば1000に先祖帰りすると思われる東急向け車輌と運用の固定化をすれば良いようにも思えます。そもそも6連、メトロが反対していますが解決すれば8連と組成も異なりますから運用分断はありえると思います。8000と9000は残る線内運用がありますが9000は6000の改造車とも言われます。VVVFこそ流用かもしれませんが案外こっちは代替が早いかもしれません。

Posted by: SATO | Saturday, June 10, 2006 08:20 PM

ご意見ありがとうございます。しかしまぁこのところのニュースは、硬い鉄頭^_^;には理解しにくいものが多くなりました。旧国鉄時代を知る者にとっては、まさか相鉄が横須賀線へ直通とは驚きです。

国鉄時代の五方面作戦で、東海道貨物線を旅客線へ転用して東海道線と横須賀線の分離をはかるものだったんですが、貨物線が通る羽沢周辺で住民の反対運動が起きてもめたりしたんですが、当時の国鉄に聞く耳はなく、結果的に物流拠点のような倉庫街になりましたが、環状2号ができるまでは道路事情も悪かったことを考えると、結果的に羽沢地区の開発を遅らせた可能性があります。そこへ電車が通るというのは、何か隔世の感がありますね。

Posted by: 走ルンです | Sunday, June 11, 2006 10:22 AM

認定された整備構想に「相鉄線内における信号設備等の鉄道電気施設等の整備」が含まれていますが、これはどう解釈すべきでしょうか?ATSをJRと共通化するという意味ではないですよね。

Posted by: SAM | Sunday, June 11, 2006 06:11 PM

どうなんでしょうか。とりあえずJRと日常的に直通運転を行うのですから、両者の信号システムの境界域での整合を取る必要はあるわけですし、あるいは直通列車に対応した列車選別装置のシステム更新といったことも考えられますので、現時点ではよくわかりませんが、あまり深い意味はないのかもしれません。続報を待ちましょう。

Posted by: 走ルンです | Sunday, June 11, 2006 11:03 PM

ありがとうございます。現時点で報道はないようですが、そのうち明らかになってくるのでしょうね。

Posted by: SAM | Sunday, June 11, 2006 11:50 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 相鉄とJR東日本の相互直通大臣認定:

« 業績好調でも意外と難しいつくばエクスプレスの次の一手 | Main | やっぱ福井さんは辞めるべき »