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July 2006

Thursday, July 27, 2006

南びわこ駅凍結ならば電留線の裏技

更新サボってたら、サイドバーのgoogletowerの広告が出ない^_^;。というわけで検索広告に促されての新規記事です^_^ゞ。

まずは報道チェックです。

嘉田由紀子知事、栗東市長を訪問・新幹線には触れず
「新駅凍結」へ強力行脚
滋賀県知事、大型ダムなどの事業凍結も表明
滋賀県知事、早くも正念場 新幹線駅凍結に「包囲網」
新駅凍結の滋賀知事、JR東海社長に「公約守りたい」
凍結されるのは南びわこ駅だけではなく、いくつかのダム工事もあるわけですが、今回の集中豪雨で、想定を超えた雨量のときに上流のダムは放流するしか手立てはなく、むしろ人工的に土石流を作るような状況が見えたわけですし、住民の安全を質にとってのごり押しは通用しない話です。というわけで、泥仕合の予感です^_^;。

気になるのはJR東海の態度です。確かに栗東市が中心になって新駅設置協議会を立ち上げて、そこを窓口として交渉が進んでいたわけですが、着工されたとはいえ、単年度主義の公共事業では工事契約は通常今年度分だけのはずですし、予算執行権は滋賀県にあるわけですから、工事凍結は可能です。工事の元請けとして工事代金が欲しい立場が見え隠れしてますね。また違約金の方が高くつくという議論もあるようですが、あくまでも契約された工事の範囲内で準備等にかかった費用の弁済が主ですから、どう転んでも工事費用より高くつく道理はありません。この辺は推進派の常套句ですが、騙されないようにしましょう。

それと盛土部を仮線に振って撤去して高架駅とするという工法ですが、この区間は1964年の開業以来の盛土ですから、既に40年以上にわたって踏み固められている安定した路盤のはずですが、確かに盛土だと狂いを調整するためにバラスト(砕石)道床にせざるを得ないですから、軌道狂いのおきにくいコンクリートスラブ道床軌道とするには、高架橋である方が有利です。しかしどう見てもJR東海の受益の大きい工事を請願駅を錦の御旗に地元に押し付けているように見えるのは気のせいでしょうか。しかも構内5線2面ホームという配線は、列車遅延時の運転整理のバッファーとする意図ありありで、地元にとっては不要な設備です。にもかかわらず請願駅であるという理由で高い建設費を地元に負担させることには、違和感を禁じ得ません。

道路事業である連続立体化事業でも、設備更新や高架下の商業利用などの受益分として鉄道事業者が4~14%を負担するルールとなっていますが、総事業費246億円中6億円のみJR東海が負担するというのは、負担率が低すぎます。しかも連続立体化の場合は純粋に地上の設備を高架や地下へ移設する部分についてのルールであり、追加的な設備、例えば線増やホーム増設・延伸などの追加設備は全額鉄道事業者の負担となることを考え合わせても、JR東海の負担は低すぎます。

というわけで、JR東海の本音は、営業的には期待できない旅客駅としてよりも、のぞみのスピードアップを睨んだ待避設備として必要ということになりますから、それを前提とすれば、ひとつ有力な裏技があります。それがタイトルの電留線というわけです。

いまどき三島電留線なんぞといったら、齢がばれますが^_^;、現在の新幹線三島駅は、そもそも国際的観光地であった熱海が用地難で棒線駅となったことに端を発する存在です。熱海までの区間利用が好調だったこともあり、熱海折り返しのこだまを設定することになり、新丹那トンネルを越えた位置に電留線を設置したわけです。当時は純粋に折り返しのための設備だったのですが、70年の大阪万博で新幹線の輸送力増強が計画され、待避設備を増設することとなり、三島電留線の駅昇格が決まったものです。南びわこ駅もこの前例に倣う手はあります。

具体的には盛土の法面スペースを活用し、鉄道用地境界に垂直の土留め擁壁を立てて土を入れれば、路盤用地をひねり出せます。そして上り下り両方向への進出入が可能な配線にしておけば、おそらくJR東海の単独工事として可能な費用負担で可能でしょう。そして営業列車を電留線に取り込んでのぞみを先に通すわけですね。

さらに発着線競合の厳しい新大阪駅の救済として京都から西への折り返し列車が設定可能となり、この場合はJR西日本に受益が発生しますから、JR西日本に負担を求めることも交渉次第でしょう。ま、地元にとっては客扱いしない営業列車が延々と停止するのは、精神衛生上よろしくないかもしれませんが、無駄な公共事業を止められるならよしとしましょう。

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Sunday, July 09, 2006

滋賀県知事選で南びわこ駅凍結

何かニュースがミサイル一色になっている感がありますが、そんなことに関係なく社会保険庁の不正は留まらず、福井さんは辞めないし、米国産牛肉は輸入されるしと、何だか騒々しい日々が続きます。スッキリ梅雨明けとはまいりません。「余人をもって替えがたい」福井さんって、どっかの国の将軍様みたいなもんでしょうか^_^;。

話題としては今さらながらなんですが、正直なところ全国区レベルではニュースとしての露出度が低くて実態が見えにくい滋賀県知事選で南びわこ駅を含む公共事業凍結を訴える新人がまさかの勝利、三選をめざす現職がまさかの敗退ということで、特に5月に着工されたばかりの南びわこ駅に関しましては、正直なところよくわかっておりませんでした。とりあえず経緯は朝日新聞地域版の特集に詳しいようです。

【秒読み新駅着工】
「新都心」に視線熱く(上)
【秒読み新駅着工】
右肩上がり強気の試算(中)
【秒読み新駅着工】
是か非か、三者三様 (下)
ここに至る過程で(仮)湖東駅と栗東新駅(南びわこ駅)の2駅設置やびわこ空港構想など、なんともバブリーな計画があったことなどを考えると、今回の選挙結果は、県民の良識が働いた結果と評価できそうです。

慌てたのはJR東海でしょう。記事中にもありますが、元々請願駅として計画され、駅設置費用246億円のうち240億円を地元自治体が分担して負担するのですが、これはあくまでも駅部分だけの話で、周辺の区画整理事業その他の整備事業をあわせて650億円、かつJR草津線に設置予定の連絡駅に関してはJR西日本との協議はこれからの話ということで、どう見ても無理スジに見えます。それでもJR東海にとっては、のぞみのスピードアップのためにはこの位置に退避可能駅を作りたかったはずです。

東海道山陽新幹線をめぐるJR東海とJR西日本の軋轢は以前から指摘されておりますが、昨今輸送シェアがじりじり低下している状況に注目しておきましょう。無駄を指摘された神戸空港の意外な健闘は、実はJR海と西の連携の悪さに起因するニッチな需要の掘り起こしに成功したものと見ることができます。神戸市にとってはJR東海さまさまです^_^;。

で、のぞみの新神戸停車を増やすなど、やっとここへきてJR西日本との連携の必要性を認識したようですが、そのためには京都の手前のこの位置に退避駅がほしいところです。少なくとも京阪神へ向かうのぞみが手前で先行列車に頭を抑えられる状況は解消したいはずです。特にN700系のスピードアップ効果を活かす意味はありますので。

ならばJR東海が自腹で駅を作ればよさそうなものですが、それをすると悪しき前例となって、ほかの駅設置希望地域からの突き上げを受けてしまうのでできないわけです。例えば相模新駅などですが、こちらは地元自治体がまとまる気配がありませんが、南びわこ駅がJR東海単独事業で実現してしまえば、こちらにもという話になるでしょうから、JR東海としてはおいそれと呑めない話になるわけですね。

あと駅予定地が盛土区間であるために、迂回路を作って盛土を撤去し、高架橋を設置するという手順となるために、山陽新幹線厚狭駅や上越新幹線本庄早稲田駅に比べて割高な工事費となっている点にも注意が必要です。東海道新幹線で多い盛土区間ですが、高架橋へ改築されるとすれば、料金上乗せ分を積み立てて行う東海道新幹線の設備更新工事の先取り的な要素もあるわけですが、そうなると請願駅だからということで工事費のほとんどを地元で負担させられる根拠が弱くなる気がします。駅が欲しい人たちには見えない部分かもしれませんが。

ま、ただあくまでも凍結であって、中止ではないわけですから、選挙結果を受けて県議会などで議論されるはずです。ま、どうせオール野党で袋叩き状態でしょうから、まだどう転ぶかはわかりませんが、議会解散などなどの泥仕合に発展すれば、ますます知事派に風が吹くことになりそうですから、結構後々にひびく選挙結果かもしれません。今後も注目してまいりましょう。

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Monday, July 03, 2006

京王電鉄と近ツー提携、今さらな株式持合いの疑問

世間の福井さんバッシングが止まりませんが、メディアの報道姿勢で「国民にゼロ金利を押し付けて金儲けはけしからん」みたいなのがありますが、問題はそういったことではなく、日銀の金融政策の中立性への疑義が生じている点にこそあります。また「福井さんバッシングの影で政治家へ流れた金があやふやに」みたいなのもありますが、インサイダー取引が立件されれば、それによって得た利益は返還しなければなりませんので、やはり的外れな議論です。問題は立件に時間がかかるので、それ以前に解約されてしまうだろうということですが。相変わらずのミスリードぶりですが、思えばライブドアも村上ファンドもメディア買収を仕掛けたわけで、そもそもメディア報道自体にバイアスが働いている可能性は指摘できるかもしれません。

てなこともありまして、村上さんはいなくても物言う株主が増えて^_^;、新会社法の施行と相まってきわどい議案が通るかどうか注目された株主総会シーズンが終わり、阪急と阪神の統合も無事承認されたわけですが、統合の果実を示せるかどうかはこれからの話です。そんな時期にこんなニュースが飛び込んできました。

近ツーと京王電鉄、旅行事業で資本業務提携
既に京急が近ツーとの株式持合いを含む提携を行っておりますが、京王が追随した形です。羽田空港国際化を睨んで、旅行会社との連携を深める意義が認められる京急ですが、それでもなぜJTBでも日旅でもHISでもなく近ツーなのかについての適切な説明は必要です。京王の場合は主に沿線中心に50店舗の京王観光の店舗網を利用した個人客獲得が近ツーの狙いで、京王はグループの京王プラザホテルをツアー商品に組み込むことで安定稼動が見込めるなどがメリットと説明されてますが、京急の場合以上に弱い根拠と言わざるを得ません。やはり1億円ずつというささやかなものとはいえ、株式持合いに真の狙いがあるものと見ざるを得ません。

村上ファンドによる阪神株取得で、権利行使期限の近い時価転換社債の大量買付けと権利行使で、悟られることなく大量保有を実現するなど、発行元企業の弱みに付け込んだ手口とともに、時価より高めの価格提示による浮動株の買い付けなどの手法が併用され、元々安定投資先として個人株主の保有割合の高かった電鉄株が弱点をさらした格好にはなったのですが、長期保有の個人株主の獲得にある意味成功してきた業界だけに、ショックだったかもしれません。

しかしそれにしても安易な安定株主対策ではないでしょうか。京王電鉄自身が理念として掲げている「つながりあうすべての人に誠実であり」という部分に反するのではないかと思います。企業にとって長期保有の個人株主は究極のサポーターであるはずです。株式持合いによるインナーサークル志向経営へ堕することがないようにしてほしいところです。少なくとも京王の躓き阪神の迷走で指摘しましたとおり、経営の質では阪神と比べるべくもない優等生の京王だけに、いささか残念なニュースと言わざるを得ません。

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