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Sunday, July 09, 2006

滋賀県知事選で南びわこ駅凍結

何かニュースがミサイル一色になっている感がありますが、そんなことに関係なく社会保険庁の不正は留まらず、福井さんは辞めないし、米国産牛肉は輸入されるしと、何だか騒々しい日々が続きます。スッキリ梅雨明けとはまいりません。「余人をもって替えがたい」福井さんって、どっかの国の将軍様みたいなもんでしょうか^_^;。

話題としては今さらながらなんですが、正直なところ全国区レベルではニュースとしての露出度が低くて実態が見えにくい滋賀県知事選で南びわこ駅を含む公共事業凍結を訴える新人がまさかの勝利、三選をめざす現職がまさかの敗退ということで、特に5月に着工されたばかりの南びわこ駅に関しましては、正直なところよくわかっておりませんでした。とりあえず経緯は朝日新聞地域版の特集に詳しいようです。

【秒読み新駅着工】
「新都心」に視線熱く(上)
【秒読み新駅着工】
右肩上がり強気の試算(中)
【秒読み新駅着工】
是か非か、三者三様 (下)
ここに至る過程で(仮)湖東駅と栗東新駅(南びわこ駅)の2駅設置やびわこ空港構想など、なんともバブリーな計画があったことなどを考えると、今回の選挙結果は、県民の良識が働いた結果と評価できそうです。

慌てたのはJR東海でしょう。記事中にもありますが、元々請願駅として計画され、駅設置費用246億円のうち240億円を地元自治体が分担して負担するのですが、これはあくまでも駅部分だけの話で、周辺の区画整理事業その他の整備事業をあわせて650億円、かつJR草津線に設置予定の連絡駅に関してはJR西日本との協議はこれからの話ということで、どう見ても無理スジに見えます。それでもJR東海にとっては、のぞみのスピードアップのためにはこの位置に退避可能駅を作りたかったはずです。

東海道山陽新幹線をめぐるJR東海とJR西日本の軋轢は以前から指摘されておりますが、昨今輸送シェアがじりじり低下している状況に注目しておきましょう。無駄を指摘された神戸空港の意外な健闘は、実はJR海と西の連携の悪さに起因するニッチな需要の掘り起こしに成功したものと見ることができます。神戸市にとってはJR東海さまさまです^_^;。

で、のぞみの新神戸停車を増やすなど、やっとここへきてJR西日本との連携の必要性を認識したようですが、そのためには京都の手前のこの位置に退避駅がほしいところです。少なくとも京阪神へ向かうのぞみが手前で先行列車に頭を抑えられる状況は解消したいはずです。特にN700系のスピードアップ効果を活かす意味はありますので。

ならばJR東海が自腹で駅を作ればよさそうなものですが、それをすると悪しき前例となって、ほかの駅設置希望地域からの突き上げを受けてしまうのでできないわけです。例えば相模新駅などですが、こちらは地元自治体がまとまる気配がありませんが、南びわこ駅がJR東海単独事業で実現してしまえば、こちらにもという話になるでしょうから、JR東海としてはおいそれと呑めない話になるわけですね。

あと駅予定地が盛土区間であるために、迂回路を作って盛土を撤去し、高架橋を設置するという手順となるために、山陽新幹線厚狭駅や上越新幹線本庄早稲田駅に比べて割高な工事費となっている点にも注意が必要です。東海道新幹線で多い盛土区間ですが、高架橋へ改築されるとすれば、料金上乗せ分を積み立てて行う東海道新幹線の設備更新工事の先取り的な要素もあるわけですが、そうなると請願駅だからということで工事費のほとんどを地元で負担させられる根拠が弱くなる気がします。駅が欲しい人たちには見えない部分かもしれませんが。

ま、ただあくまでも凍結であって、中止ではないわけですから、選挙結果を受けて県議会などで議論されるはずです。ま、どうせオール野党で袋叩き状態でしょうから、まだどう転ぶかはわかりませんが、議会解散などなどの泥仕合に発展すれば、ますます知事派に風が吹くことになりそうですから、結構後々にひびく選挙結果かもしれません。今後も注目してまいりましょう。

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Comments

netを調べてみたのですが、山陽区間の運転本数減は利用度に合わせての調整で、意図的に減らしているとは思えないのですが、また新神戸停車に関してJR東海が「止めるな」という何らかの示唆をしたのでしょうか? 東海からすれば博多に何時に着こうが関係なく、新大阪(京都、名古屋)にさえ早く着けば義務は果たすし、それ以上の権利も望めません(まさか博多に早く着くからと東京から新幹線に乗るということはないでしょう、飛行機が自然です)博多まで利用者を増やしたら西からインセンティブでも来るのでしょうか?
むしろ需要を望むならさらにこだまを減らして(名古屋を基本とする)空いたスジでひかりを増やし、静岡や小田原といった街に止めて名古屋速達にするや、名古屋から先、京都までは千鳥停車をして需給バランスを図る。米原不停車の時間帯には373の名古屋ー米原連絡特急を作るなどの工夫で乗り切るのも方法でしょう。
一方、西は山陽区間の利便性や差別化を考えれば今の手法は正解だと思います。のぞみもプライドを捨てて新山口に止めるなど速達より利便性を取ったわけですからむしろ評価されるべきと思うのですが

Posted by: SATO | Monday, July 10, 2006 at 07:41 PM

3月改正で宣伝のあったように名古屋対博多で航空との競争力を高めるとか、東京品川新横浜対岡山広島小倉とかで意味はあったかと思うのですが、それを理由として新神戸を通過するほどのものではないように思えます。
運賃料金の両社配分の関係で、東京から新神戸まで乗られるより新大阪で全員降りてもらう方が東海には嬉しいのかもしれませんが。これは新神戸客が新大阪客の座席を食うほどの状態であったらの話ですが。

Posted by: SAM | Tuesday, July 11, 2006 at 08:29 AM

コメントありがとうございます。長いココログサーバーメンテがやっと終わりました^_^;。

山陽区間の本数減は、確かに需要減に対応したものではあるんですが、実際に新幹線は輸送シェアを減らし航空はシェアを伸ばしている現実があります。品川駅開業で増発余力があるにも拘らずですから、新幹線で取りこぼした分が航空へ流れたと言う事ができるかと思います。

SAMさんもご指摘のように、山陽区間直通の場合の運賃料金の配分問題で、特に新神戸がエアーポケットになっている現実はあろうかと思います。東京、横浜、京都、大阪市内発着の乗車券でJR東日本や西日本へ支払う配分金すら惜しいと考えているふしがあるJR東海ですから、積極的に他社と協力して需要を掘り起こそうとはしていないという指摘はあながち間違ってはいないと思いますが。

Posted by: 走ルンです | Thursday, July 13, 2006 at 05:33 PM

対、岡山・広島なら善戦もできる西限でしょうね。でもそこまで持って行って先に行かないというのも考えもの。西も頭が痛いでしょうね。また大阪ー岡山などはまさに新幹線以外は選択肢がなくここはドル箱でしょう。
東海はJR新幹線と読み替えてもおかしくない状態ですから、ここに最大のマーケティングを仕掛けてくるはずです。他社連携を拒むのは費用対効果をにらんでのことかもしれません。確かに頑な姿勢は問題かもしれませんが、東西はドル箱を少しでも東海に振ったかといえばそうではないですよね。思い切って長野は東海に任せるとか、伊豆も東海にやらせてみるとか、新幹線依存を捨てさせないと東海は頑なさを消さないと思います。結局分割民営まで遡ってしまいますが、JR化まもなく20年、そろそろ本州も話し合いで再分割の意見が出ても良いようにも思えますがどうでしょう。

Posted by: SATO | Sunday, July 16, 2006 at 10:47 AM

東京対北九州について、国交省によると2000年度では鉄道利用が35%を示していたそうです。今では新北九州空港があるわけですが、新神戸全停車前後ではこれだけの利用があったわけですから、東京対小倉での速達性を落としたくはないという発想はあったと考えることはできますね。

Posted by: SAM | Sunday, July 16, 2006 at 11:34 PM

コメントありがとうございます。週間東洋経済の記事で「JR東日本は余剰人員、JR東海は旧国鉄債務、JR西日本は中国山地などのローカル線というお荷物を持たされた」という記事がありました。それぞれに経緯は違うのですが、言い得て妙ですね。

その中でJR東日本は余剰人員対策として飲食や物販などの関連事業育成に努め、死屍累々の試行錯誤の果てに、エキュート品川でブレイクし、品川駅の入場券売上1.4倍の好成績をマークするに至りました。

JR西日本は地元自治体との話し合いの中で、富山港線を切り離して富山ライトレールを開業させるというはじめの一歩を記しました。

それぞれ苦しい中で創意工夫の果てに出口を見い出そうとしているわけですが、JR東海にはそのような取り組みが見られないのが残念です。

巨額の債務返済は負担ではありますが、だから他社へ渡す分配金を削るというのは、ビジネス書の「千円札は拾うな」で指摘された目線を低くする行動とはいえないでしょうか。全体のパイを拡大して収入を増やす方が結局はJR東海にとっても良いはずです。

Posted by: 走ルンです | Monday, July 17, 2006 at 04:24 PM

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Tracked on Thursday, July 27, 2006 at 01:12 PM

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