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Wednesday, August 02, 2006

路線価反転で負の遺産解消?

1日、相続税、贈与税の基準となる路線価が国税庁から発表されました。今回は都市中心部など多くの場所で反転上昇が見られ、バブル崩壊後の負の遺産解消かと思わせるものですが、よく見ればまだら模様は相変わらずです。

路線価、全国平均14年ぶり上昇・3大都市圏もプラス(2006年)
確かに今回は商業地のみならず、住宅地においても上昇が見られるなど、従来とはやや趣きを異にする部分はありますが、やはり大都市圏での上昇が目立ち、地方都市では県庁所在地クラスの都市の中心部などで上昇は見られたものの、全体としては下げ基調は変わらずということになります。下げ幅が縮小したのは、あくまでも平均値ゆえの数字上のものです。

過去にも何度の言及しておりますが、いわゆる再開発ブームや特定エリアへの開発リソースの集中は、そのエリアの地価を押し上げる一方で他の地域の地価を押し下げるものでもあるわけで、元々市街地の基準価格である路線価では、上昇傾向に上ぶれが生じることは注意が必要です。例えばつくばエクスプレス開業で沿線と沿線外の二極化が鮮明な茨城県が典型です。

加えて不動産投資信託(REIT)の影響も見落とせません。昨年既に東京圏ではこんなだったんですが。

REITマネー急流入――路線価、東京で上昇
1年を経てこの傾向が地方へと波及したという見方は可能ですが、気になる動きもまた多いのです。というのは、REITの物件の組み換えが頻繁に起きていることにより、REIT同士の取引実績が積み重ねられており、高値売買が結構見られる点で、実需を反映した地価といえるのかどうか微妙です。

同時にREIT自体の利回りも見直される傾向にあるんですが、元々物件の賃貸収入を配当するというREITの仕組みが、実需を反映した確かなものだから(地価上昇は)バブルではないという説明がされていたはずですが、利回りの見直しは、地価の根拠となる収益還元価格をあいまいなものにします。わかりやすい例でいえば、月額10万円年額120万円の配当がある物件の価格は、利回り4%として3,000万円ということになりますが、利回りを3%に下げれば、それだけで4,000万円と3割以上の評価アップになります。

つまるところREITの物件の組み換えと利回りの見直しは、かつてのバブル期のデベロッパーによる土地転がしとあまり違わない危うさがあるということになります。それでも破綻しないのは、長期に亘るゼロ金利と量的緩和のおかげで、現金が有り余っているいわゆるカネ余り現象に負うところ大ということです。市場ではゼロ金利解除後の利上げのタイミングに関心が集まっていますが、確かに利上げのタイミング如何では、投資バブル崩壊の危険性は皆無ではなさそうです。となると、やっぱ福井さんじゃまともな判断ができるかどうか不安です。

おまけですが、上昇率トップは名古屋市の名駅通りだそうで、建設中の高層ビルにトヨタ自動車本社が入居予定ですが、特定企業に依存した地域経済の活況には危うさを感じます。でもさすがトヨタというべきか、ステアリングロッド折損という自動車屋としては致命的な欠陥を隠蔽しても三菱自工みたいにならないし、アメリカでセクハラ訴訟で賠償金ふんだくられてもフォードを抜いて北米2位を確保するなど、説明がつかない強さがあります。これは危険な兆候だと思うんですがね。

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