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Wednesday, September 13, 2006

JRコンテナ韓国へ

久々に貨物の話題です。

JR貨物、韓国鉄道公社と提携・航空便の半額
というわけで、韓国鉄道公社と提携し、博多港と釜山港を韓国海運会社のコンテナ船で結び、海運より速く航空より安いところを狙っているもので、既に動き出しているCOSCOとの提携に続くJR貨物のアジア進出となります。

今回目新しいのは12ftのJRコンテナを用いる点でして、国内規格であるJRコンテナが海を渡ることになります。走り始めれば韓国鉄道公社のフラットカーにJRコンテナが積載されるわけで、なかなかシュールな光景となりそうです^_^;。

予想される輸送品目は日本から電子部品等、韓国から家電製品や衣料品などが見込まれるということで、両国の経済関係の深度化は今後も進むと考えられますので、国内では見い出しにくい成長分野として期待がかかります。

というわけで、着々と国際物流分野へ舵を切るJR貨物ですが、物流プラットフォームとしての存在感を高めていくことが、企業としてのJR貨物の未来を拓くことにもなるわけで、旅客会社の非協力や整備新幹線問題に派生する並行在来線貨物問題などの障害が今後も発生すると考えられる国内に留まる理由はありません。成長分野を海外に求める方向性は今後とも続くものと考えられます。

日の丸メガインテグレーターを夢見て民営化に舵を切った郵政公社でしたが、オランダの宅配会社TNTグループとの提携が不調に終わり、官僚の作文の馬脚を現しております。スモールビジネスの物流プラットフォームになりつつあるメガインテグレーターへの参入が役人のぬるい感性で実現できるとは思っておりませんでしたが、それに比べればJR貨物は民間会社らしい逞しさ、頼もしさが備わりつつあるように思います。

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Comments

はじめまして。鉄道趣味的な視点とは少し違う俯瞰的なレポート、以前から興味深く拝見していました。

JRF・KORAILの日韓複合一貫輸送は、ソウル・東京間を4日で結ぶとありますが、実際にやろうとするとなかなか大変です。私は、今回の新サービスが物流コスト・定時性に極めてシビアな電子部品メーカーなどに本当に受け入れられる品質なのか、正直疑問に感じています。


日経の報道では「エアが通関手続きなどを含めて3日」かかるとありますが、移動時間が2時間程度のエアですから、リードタイムの大半が諸手続きに費やされることになります。
仮にエアと同じぐらいの諸手続き時間がかかると仮定し、その時間を「4日」から差し引くと、新サービスはたぶん2日弱ぐらいでソウル・東京間を物理的に動かさないといけません。これは、かなりタイトな数値です。

また海上輸送が「韓国の大手船社」による「コンテナ船」と日経が報じているのはちょっとおかしいですね。
既存のカメリアラインでオンシャーシ輸送するなら別ですが、JR規格の12フィートコンテナをアダプタ(フラットラック)で海コン仕様に合わせ、フルコンテナ船で輸送するとすれば、港での荷役効率などを考えると非効率すぎます。

もし日経が誤報で、ほんとうはカメリア起用だったとしても「4日」というのは限りなく理論値に近いような…。実際にどのようなサービス形態になるのか、そして本当にリードタイム「4日」を実現できるのか、とても興味深いです。

Posted by: Kuma | Friday, September 15, 2006 11:07 AM

コメントありがとうございます。

なるほど、ご指摘の点はあまり深く考えませんでしたが、おっしゃるような疑問がありますね。12ftコンテナ使用については、確かに貨車→船→貨車と2度の荷役が発生することを考えると、はなはだ非効率ですね^_^;。

愚考しますに、航空のリードタイム3日ですが、カーゴルームに2t程度の積載量の特殊コンテナを積み込む航空便では、輸送能力が低すぎますね。一方で世界規模のサプライチェーンが構築されて、電子部品など高付加価値品を中心に需要は旺盛ですから、保税倉庫での待機時間がかなりありそうな気がします。

加えてテロ対策などのセキュリティチェックも受けなければならないでしょうから、積載便の出発時刻から逆算して長時間の待機時間が発生する可能性はありそうです。

あと韓国側の事情に疎いんですが、12ftコンテナの場合、荷役にフォークリフトが使えますし、専用アダプタ付トラックでなくても、三方アオリの普通トラックでも、適切に固定すれば運べると考えられますから、扱い個数が少ないうちならば、韓国側で特段の追加投資を行わずに対応可能という意味かもしれません。

いずれにしてもどのようなサービスになるか、注目ですね。

Posted by: 走ルンです | Saturday, September 16, 2006 08:03 PM

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