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October 2006

Tuesday, October 31, 2006

トヨタ ロングバス エクスプレス出発式

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Friday, March 04, 2005
トヨタ専用列車でCO2削減
というわけで、かねてより予告されていたトヨタ専用列車が11/15から運行開始されることとなり、10/30に名古屋南貨物駅で出発式が行われました。
トヨタ専用列車発進、JR貨物が11月から部品輸送
20両編成のコンテナ列車に31ftコンテナ(10tトラックのバンボディ相当)2個を積載して運行することは既報のとおりです。現状は海運での輸送ですから、直ちにトラック40台分のCO2削減につながるわけではありませんが、それでも3,000t程度の削減効果はあるそうです。

ただし運送コストは10%程度上昇するということで、専用コンテナを工夫して積載量を10%増強するなどしてコストダウンに努めているあたりはさすがトヨタです。またトヨタのロゴを掲げたコンテナ列車の広告効果も絶大なものがあると考えられますので、はっきりいってキレイゴトで成り立っているわけではないということは押さえておきましょう。

なぜこんなことを言うかといいますと、いわゆる企業の社会的責任(Corpolate Social Resopnsibility=CSR)についての誤解を指摘したいからです。CSRに関しては、議論の前提として、企業=有限責任を前提とする株式会社形態の企業で、法令により法人格を備えるもの、ということから考える必要があります。法人格を備えるので、契約の主体たり得ると共に、営利を得て法人税を納める義務を有する一方で、犯罪行為に対しては、罰金など一定の経済刑を科せられることはあり得ても、懲役などの拘束刑は科せられません。また一定規模以上の大企業の場合、少々の罰金を科せられたところで、実態として痛くも痒くもない現実がありますので、不法行為に対する歯止めが利かなくなる可能性があるわけです。実際企業不祥事が絶えないですし、大概は微々たる利益に拘泥して不正を繰り返すことが少なくないわけです。

企業は営利を求める存在ですが、それはあくまでも買い手に評価される付加価値を生み出すことで利益を得るのであって、得た利益はステークホルダーに配分し、国に納税することが、企業の究極的な社会的責任といえます。また有限責任ということは、経営者の計画倒産による債務の踏み倒しの誘因にもなります。特に株主資本は、あらゆる債務に対して劣後するわけですから、その観点から株主への会計情報の開示義務が発生し、経営者が不正を働かないように株主は取締役を選任し、監視にあたらせる必要があるわけです。いわゆるコーポレートガバナンス論ですが、この議論が日本では「会社は株主のものか?」というおかしな問いに収斂されてしまうのは困ったもんです。

今回のトヨタ ロングバス エクスプレスについてもそうですが、企業が自らの事業を継続して行おうとするときに、目先の利益を多少犠牲にしても、企業の未来を買う保険のようなものとして、環境問題その他の社会的有用性を追求することは、実は通常の企業活動そのものと変わらないということを忘れるべきではないでしょう。そこを見落とすと、バブル期に盛んだったメセナと称する文化事業への寄付行為などと同列に論じられる可能性があります。これも実は企業イメージを高めるための広報活動の一環なんで、プロ球団のオーナーになったり、実業団スポーツへ参加したりすることと特に違いはないんです。この辺の認識が弱いから、バブル崩壊後の日本企業は企業メセナも企業スポーツも切り捨てて、保身に走ったわけですね。

そういうわけですから、今さらCSRとか言われても、それは企業本来の当たり前の活動なんであって、あえてCSRを言わなければならないというのは、逆に身についていないことを暴露しているといえましょう。本来は利益を上げられるように事業を見直して、顧客の信頼を勝ち取り、従業員に報い、取引先に応え、株主に配当し、国に税を納める必要があったのですが、実際には赤字を隠れ蓑に顧客の期待に背き、雇用を流動化させ、取引先には容赦なく値切り、株主の権利を軽視して、税金も値切った上に国に助けを求め、談合で超過利潤をせしめるなど、およそCSRどこ吹く風だったことを真摯に反省してほしいところです。

最後に、社会的責任投資(Social Responsible Investment=SRI)についてですが、いわゆるCSRを重視する企業を中心としたファンドを組み、小口化して投資家に販売される金融商品でして、社会貢献できてかつ中長期には良好なパフォーマンスが得られるというセールストークで売られますが、CSRが一定規模以上の企業において重視される問題なわけですから、パフォーマンスが良いのは当たり前、原因と結果が逆転しております。しかるにえてしてこの手の投信は、売買手数料も信託報酬も高率な場合が多く、新手の投資家だましと考えた方が良いでしょう。

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Sunday, October 22, 2006

京王電鉄の新たな沿線活性化策

地味なニュースですが、考えさせられます。

京王電鉄、沿線で住み替え仲介・子育て世代に賃貸
未だ開発途上ながら、既に高齢化が進行し、近未来の空洞化の危機さえある多摩ニュータウンを沿線に抱える京王電鉄ですが、高齢化の進捗は、将来の沿線人口の減少をもたらすものだけに、放置は出来ません。若年人口の沿線への呼び込みは、電鉄会社が自らの未来を拓く意味で重要です。

そもそも計画人口を大きく下回りながら、人口減少局面で未だに開発行為を止められないのも妙な話なんですが、営業エリアを移動できない鉄道会社としては、そんなことは言っていられないわけで、企業防衛の意味でも沿線の活性化は待ったなしの状況です。

面白いのは、50歳代以上の中高年層には都心に近い利便性の高い賃貸住宅へ転居してもらって、空いた住宅を子育て世代へ賃貸するという形で、具体的なイメージを打ち出しております。ただし国土交通省の支援事業への参加という形ではありますが、賃貸を事業の柱に据えるところに、鉄道会社の住宅事業としての目新しさがあります。

首都圏では相変わらずのマンションブームだそうですが、現在、団塊ジュニア世代の住宅購入ブームで、マンション業者側が値上がり期待の売り惜しみをしている傾向が見られます。この傾向が何時まで続くかは定かではありませんが、団塊ジュニア世代の住宅購入が一巡した後に、かなり深刻なリセッションが予想されます。というよりは、もう少し有り体にいえば、今後人口の減少で住宅が余るのは目に見えているのですが、「価格は今が底」とか「金利が上がる」などの宣伝文句で住宅購入を決める人が多いのが不思議です。住宅が余るということは、優良な賃貸住宅が将来多数供給されるということであり、子への相続などの事情がない限り、持ち家でなければならないということはないわけです。となれば賃料も下がるわけで、現在の持ち家が将来高く賃貸できる可能性も低く、経済合理性に反する行動といえます。

またそれ以前に、失われた90年代の影響で、現在の25~35歳の年齢層の人たちの正社員の比率が低く、そjもそも住宅取得できるだけの経済的裏づけも乏しいわけですから、この点から見ても若年層の沿線への呼び込みに賃貸を活用するというのは理に適っております。

というわけで、ささやかながら、鉄道会社の新たな試みとして注目したい動きです。

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Saturday, September 23, 2006
基準地価上昇で見えてきた土地神話

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Thursday, October 19, 2006

仏TGVに日本製車両

というニュースが流れました。

仏版新幹線「TGV」、日本製車両採用の可能性・仏紙
台湾新幹線開業間近のこのタイミングで、注目すべきニュースです。

台湾をはじめ、韓国KTXや中国北京-上海間の新幹線構想などで火花を散らすライバル国からの突然のラブコールです。SNCF(フランス国鉄)のTGV自身が、日本の新幹線を徹底的に研究して登場したものですが、ベンチマークされた0系時代から急速な進化を遂げて、誇り高いフランスの鉄道マンから高い評価を受けたことの意義は大きいといえます。

TGVの売りは経済性であり、それを実現するために両端に動力車を配置したプッシュプル形態の列車組成として、当時の欧州流であった動力集中列車形態で超高速鉄道を実現し、必要な駆動力を得るためにトルクフルな同期モーターを採用していたのですが、どちらかといえばライバルのドイツ鉄道が誘導モーターを採用したことへの対抗心だったようです。

またパワーエレクトロニクスの進化によって、実際に誘導モーターが主流となると、その軽量さゆえに動軸と従軸の重量差が縮まり、また回生ブレーキが使えるようになると、高速対応の空気制動力を得るためにばね下重量となるブレーキディスクを複数枚装備するなど、動力集中列車が有利とされた超高速鉄道でも、動力分散列車に有利な条件が増えてきて、この辺の評価が逆転しつつあるということはいえます。実際当初動力集中で開発されたドイツICEでもICE3では動力分散列車となるなど、見直しがされています。知識は陳腐化することを実感します。

そういった中での今回の報道ですから、日本の新幹線が国際的に評価されたということで、素直に喜びたいと思います。ま、日本の新幹線の有利な点としては、圧倒的に需要が高い人口密集地域に立地しているので、輸送実績が高く、その分技術開発に使える予算が潤沢だということはあるでしょう。その意味では日本ほどの人口密集地がない欧州での超高速鉄道の事業レベルでの実現には、TGVのようなアプローチは必須だったといえます。またそのことがスペインAVEなど他国へのプロジェクト輸出を容易にし、アジア進出もその流れで出てきたものといえます。逆に日本の新幹線は国際経験が皆無に等しいわけで、ある意味韓国KTXでTGV方式の進出を許したこともやむをえないところかと思います。

この点は一応日本の方式を導入した台湾高速鉄道でも、当初欧州方式でスタートし、線路などは欧州基準で建設されたところへの日本製車両の導入ということで、システムの整合性をとるのに手間取って、開業が遅れており、既に1年延期された上に、完成検査に手間取って、今月末の開業も延期、さらに台北へ乗り入れる全面開業は来春になるなど、惨憺たる結果となっています。

台湾新幹線、台北-高雄間の運賃5300円
それでも日欧の鉄道技術が出会ったことは評価すべきでしょう。

これに懲りたのか、技術支援をしたJR東海は中国新幹線に対して冷淡な態度を取っていますが、JR東日本は乗り気のようです。長野新幹線の整備でキロ当たり70億円もの建設費がかかって高コストを意識しているのでしょうか。地価の高い日本国内では、なかなか新幹線システムの真の国際競争力は測れないと思われますので、ぜひとも中国の大地で経験を積んで欲しいところです。

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Monday, August 30, 2004
中国在来線高速化、3グループ落札

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Sunday, October 15, 2006

フラット化する日本の黄金律

できるだけ政治的発言は抑制しようと思ってはいるんですが、何だか北の方が騒がしくて、それはそれなんですが、政府関係者が喜んでいるように見えてしまうのは気のせいでしょうか。核実験の地震波でヒューザーの耐震偽装マンションが崩壊したら、安倍さんも無傷じゃ済まんよな-_-;。

てなことに関係なく、少し毒を吐き出させていただきます。いわゆる小泉改革というやつですが、5年半の間に世界は大きく変化し、球体イメージのグローバル化の果てに、実は世界はフラットだったというオチがついたようです。オチついでに申し上げますと、世界の変化に伴って日本の立ち位置も大きく変化したのですが、実は日本自身は驚くほど変化していないがゆえに、逆に変化に激しく巻き込まれているという皮肉な結果となっているように見えます。だから冒頭の北の愚挙にクロフネ騒動と相成るわけで、種子島の鉄砲伝来以来、外圧なくして改革なしが、この国の実態のようです。

日本の黄金律の成立はどうやら江戸時代のようで、この時代の歴史を紐解くと、後世のさまざまなできごとがうまく説明できてしまうということに、最近気づきました。実は400年間変化を拒み続けたのが、この国の真の姿のようです。経済を切り口に見ていくと、江戸時代と現代にさまざまな相似象が見えてきます。

例えば江戸という都市が、普請によって作られた政治都市であって、普請というのは、今で言えば公共事業のことです。で、それを当てにして江戸には八つあん熊さんなどの職人が長屋に住まい、普請があれば召集されて腕を振るい、給金を得て当座を凌ぐ生活をしていたわけです。で、いつも普請があるわけではないので、普段の飲み食いはツケでということになり、普請で得た給金で右から左へ支払いとなりますから、「宵越しの銭はもたねぇ」ことになるわけです。江戸時代は街中の飲食店が庶民向けに信用創造していたわけで、今話題の消費者金融の役割まで担っていたわけですね。何かこう、政府の歳出削減のあおりで公共事業が減って職にあぶれた人が消費者金融に群がる構図は変わらないのですね。

んで、通貨制度がまた独創的で、金、銀、銭(ゼニ)、コメの4つの通貨が変動相場制で運用されていて、米の先物取引が世界最古のデリバティブと云われる金融先進国だったのは、知る人ぞ知るところです。銭とは、銅貨により日常的に流通していた貨幣で、金や銀と違って地金型ではなく交換価値を表象する管理通貨でした。ただし金に関しては、鎖国の影響で国際レートに比べて割安な金価格が維持された結果、闇ルートで海外流出して不足することとなり、たびたび金貨である小判が改鋳され、地金型の実態は空洞化が進みました。この辺はいわゆる金融政策のジャンルですが、日銀に金融緩和を求めて政府が圧力をかける構図として存続しております。進歩ねえなあ-_-;。

コメですが、そもそも太閤検地で全国各地の農地のリアルな姿が記録され、耕地面積に一定の乗数を掛けて石高が算出され年貢が割り当てられたわけですが、秋に収穫されると各地の庄屋から代官を経て領主に納められた年貢が幕府へ上納され、幕府や藩はそれを禄として旗本や家臣に配布するのですが、コメだけでは生活できませんから、大阪堂島あたりのの廻船問屋へ売って金銭を得て、それを日常の生活費に充てたわけです。ですから秋になると大量のコメが大阪に集められ、供給が増えるから価格が下落するのですが、そうして得た金銭で、またコメを買って食べる生活だったわけで、武家の懐は細るばかりでした。アホラシ。つまりコメが実態としては通貨同様に流通していて、国内の富は大阪一極集中していたわけです。明治維新後は東京にその地位を奪われたんですがね。

コメに関しましては、太閤検地を下敷きにしていて、以後の新田開発分はカウントされなかったこともあり、江戸時代初期には全国で新田開発が活発化しましたが、結果は灌漑用に無理な水路の付け替えなどが祟って水害が頻発し、むしろ収量を下げてしまう事態となり、早くも環境問題を引き起こし、この面でも世界をリードしました。不名誉ですが-_-;。また何かバブル経済を彷彿させるものがありますね。

で、今ですが、金、銀、銭、コメをですね、ドル、ユーロ、円、土地と読み替えますと、将に今が見えてきます。元々金は主に幕府や藩の貯蓄として退蔵されていて、流動性はさほどなかったのですが、政府が経常黒字でたまる外貨を外貨準備として米国政府債券(国債)で保有しているのと似ております。つまり製造業が頑張ってドルを稼いでも、庶民に富の実感がないわけです。で、最近はユーロ高ですが、貿易摩擦の恐怖から米偏重の貿易を見直し、製造業が欧州へ進出を進めた結果、ユーロ高の恩恵で製造業は過去最高益続出となりますが、円安とリストラで企業の利益は労働者へ還元されず、普請が減って縮小を余儀なくされた消費は戻らず、景気回復が実感されないわけです。そういえば銀は地金型として信用力が高く、主に商人が取引の決済に用いていたのですが、抜け目のなさは健在です。

ま、さすがにコメは通貨の実態を失ってはおりますが、その地位を土地が引き継いだと考えると、またピタリと現実にはまります。土地は本来生産財であり、利用されて収穫を上げて初めて意味があるんですが、日本では1年掛けて耕して種まいて鳥を追い払って虫や雑草を駆除して収穫して市場へ持ち込んで現金を得るよりも、売ってお金に換えたほうが儲かるわけですから、農業の競争力が低下する道理ですが、土地利用がさまざまに規制されて流動性に乏しく、相続の局面で他の財よりも税制で優遇されている結果、相続通貨として機能しておりますし、公共事業費の大半が用地買収費や農林水産業への補償に消えてしまう非効率もまた、勤労者や企業の納めた税金が地権者へ移転されるのを助けているわけで、土地が公共部門を媒介してあたかも通貨のように振舞っているわけですね。ですから無駄とわかっている公共事業が止められないというおかしなことになってしまうわけです。

かくして国の財政は危機的状況となり、財政再建が政治のテーマですが、江戸時代に学べば、実は強力な解決策は簡単に見つかります。つまり徳政令ですね。いずれ日本国債はデフォルトもあり得るので、国民総出でアルゼンチンタンゴを踊り狂いませう。

というわけで、世界はフラット化して、googleのようなニュービジネスが生まれて成長力を発揮する一方で、フラット化し激変する世界を尻目に変化しない日本の黄金律という笑えないオチでした。

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Saturday, October 14, 2006

虎をめぐる冒険、阪神の行方

10/2阪急ホールディングス(以下"阪急HD")と阪神電気鉄道の経営統合がスタートし、阪急阪神ホールディングス(以下"阪急阪神HD")がそろりスタートいたしました。ま、いろいろありましたが、基幹事業である鉄道事業に関しては、阪急阪神それぞれの自主性を尊重するということで、今のところ大きな変化は見られません。例えば2009年開業予定の阪神西大阪延伸線用の新車1000系ですが、近畿車輛製のオールステンレス車で、近鉄線との直通に備えて随所に近鉄仕様が見られるものになっております。例えば伝統のバッファ組込式バンドン式密着連結器ではなく電連付回り子式密着連結器を採用、当然台ワク中梁にバッファを組み込んだ一般的な車体構造とするなどですが、本当は20m4扉車にしたかったのかもしれませんが、駅や電留線の有効長が阪神標準の18m車を前提にしているために、過大な投資を避けるために18m車で登場したようです。一説によれば尼崎の折返線は20m車10連対応になってはいるそうですが。

このあたりは、一時近鉄も阪神株取得に食指を動かしていたそうですから、いろいろと憶測の種はつきませんが^_^;、意味深ですね。あと阪神が最初に相談したとされる京阪ですが、阪神との連携は営業エリア拡大と建設が始まった中之島新線との連携の期待などが考えられますが、結局阪神株の高騰で単独での取得には慎重でした。

JR東日本E233系の記事でも触れましたが、阪急の車両政策はかなり特徴的でして、一方の阪神ですが、各停系のいわゆるジェットカーが高性能で贅沢なこともあって、こと急行系に関しましては、やや経済性重視の車両政策といえます。VVVF制御で改善されたのですが、中高速の再加速性能を重視して低ギヤ比としたために、発進加速がタルくて停車駅前方の進路を塞ぎ、後追いで発車する高加速のジェットカーの頭を押さえて意味無しにしてしまったりした過去もあります^_^;。阪神は伝統的な高密度運転を支えるインフラとして、線路の整備は優れていて、今津で線路がつながっていた時代に阪急車が暴走して阪神線へ入った事故で運転士が"阪神は揺れない"と証言しており、阪急とはお金のかけどころがかなり違います。

とまぁかくも異なる両者の統合だけに、未だその効果が見えないというのが偽らざるところです。これも過去にいろいろ取り上げておりますが、耐震偽装事件に巻き込まれた京王電鉄との対比阪神株TOBのゴタゴタなどは記憶に留めておきたいところです。

同時に一部で期待された業界再編ですが、とりあえず今回の一件でむしろ遠のいた気がします。その辺は決算関連で業界内の株式持合いがジワリ増えていることを指摘しましたが、ファンドに振り回されるよりは安定を求める業界の保守性が浮き彫りになります。これじゃ阪神の狼狽を笑えないところです。あるとすれば関空効果が空振りで浮上できない南海電気鉄道の支援など、どちらかといえば救済策としての再編の可能性ぐらいしか考えられず、前向きの話にはなりそうもないですね。

ま、それでも今まで各社ともに他社との連携などどこ吹く風、沿線顧客の囲い込みに精出してきた関西私鉄各社ですが、震災で揺さぶられJR躍進で揺さぶられ、村上ファンドで揺さぶられして、さすがに他社との協業に舵を切るようになりました。そういう環境変化の中で、将来資本関係を含めた提携へと進む可能性は皆無ではないでしょうから、その意味で今回の阪急阪神HDの統合の成否は注目されるところです。買収費用まで積み上げて巨額となった有利子負債に対して少なすぎる利益水準という現実を打開し、シナジー効果を実現して欲しいところです。

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Sunday, October 01, 2006

神の国のイット革命

と言って失笑を買った元首相がおりましたが、オープン&イノベーションで美しい国をつくると述べたのが現役首相では、笑えないよなぁ。何しろトラッドでコンサバティブなおっさんの発言だし。現状が美しくないと認めたのは正直でよろしいですが^_^;。

成長重視だそうですが、googleやyoutubeのような革新的で成長性の高い企業は日本には現れず、インチキ臭いライブドアのホリエモンを時代の寵児と持ち上げたり、一方で大化けの可能性があるP2Pテクノロジーのwinnyの作者を刑事訴追するなど、どう贔屓目に見ても日本政府の目利きのなさに呆れます。skypeが世界的に普及する中で、固定電話網維持の費用を加入者に転嫁するなど、通信分野の空洞化すら心配させる対応の悪さ、周回遅れぶりでは絵空事としか言いようがないですね。

ネット関連に留まらず、例えばスウェーデンの小さな家具メーカーだったIKEAがグローバル企業に成長できたことを、どれだけの人が理解しているでしょうか。組立家具のフラットパックという特徴的な商品展開で、末端のデリバリーと最終組立を消費者にアウトソーシングして低価格化を実現するという発想は、日本の企業には見られないものです。また、それを可能とするサプライチェーンマネジメントを阻むバリアーとなる規制がこの国にはいかに多いか、暗澹たる気分になります。

日本の伝統的大企業の多くが、技術力を誇る傾向があるんですが、今、ソニーに起きていることなどは、むしろそれが過信に近いものとなり、成功のパラドクスにどっぷり浸かっているとしか言いようがありません。2003年のソニーショックを上回る危機ですが、世間の反応が鈍いのが気になります。PS3の発売延期の痛手もそうですが、それがかなり深い複合的な原因で起きていることで、厳しい見方が支配的です。加えてリチウムイオン電池の発熱によるノートPC発火問題で、初動の判断ミスで事態は拡大し、危機管理の甘さを露呈してしまいました。松下が石油ファンヒーターの一酸化炭素中毒事故に対して見せた徹底ぶりと比べると、ソニーはまさに存亡の危機にあると言わざるを得ません。

というわけで、オープン&イノベーションでどんな明るい未来になるのやら、これじゃ日はまたまた沈むぞゴルァ!

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