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Sunday, October 01, 2006

神の国のイット革命

と言って失笑を買った元首相がおりましたが、オープン&イノベーションで美しい国をつくると述べたのが現役首相では、笑えないよなぁ。何しろトラッドでコンサバティブなおっさんの発言だし。現状が美しくないと認めたのは正直でよろしいですが^_^;。

成長重視だそうですが、googleやyoutubeのような革新的で成長性の高い企業は日本には現れず、インチキ臭いライブドアのホリエモンを時代の寵児と持ち上げたり、一方で大化けの可能性があるP2Pテクノロジーのwinnyの作者を刑事訴追するなど、どう贔屓目に見ても日本政府の目利きのなさに呆れます。skypeが世界的に普及する中で、固定電話網維持の費用を加入者に転嫁するなど、通信分野の空洞化すら心配させる対応の悪さ、周回遅れぶりでは絵空事としか言いようがないですね。

ネット関連に留まらず、例えばスウェーデンの小さな家具メーカーだったIKEAがグローバル企業に成長できたことを、どれだけの人が理解しているでしょうか。組立家具のフラットパックという特徴的な商品展開で、末端のデリバリーと最終組立を消費者にアウトソーシングして低価格化を実現するという発想は、日本の企業には見られないものです。また、それを可能とするサプライチェーンマネジメントを阻むバリアーとなる規制がこの国にはいかに多いか、暗澹たる気分になります。

日本の伝統的大企業の多くが、技術力を誇る傾向があるんですが、今、ソニーに起きていることなどは、むしろそれが過信に近いものとなり、成功のパラドクスにどっぷり浸かっているとしか言いようがありません。2003年のソニーショックを上回る危機ですが、世間の反応が鈍いのが気になります。PS3の発売延期の痛手もそうですが、それがかなり深い複合的な原因で起きていることで、厳しい見方が支配的です。加えてリチウムイオン電池の発熱によるノートPC発火問題で、初動の判断ミスで事態は拡大し、危機管理の甘さを露呈してしまいました。松下が石油ファンヒーターの一酸化炭素中毒事故に対して見せた徹底ぶりと比べると、ソニーはまさに存亡の危機にあると言わざるを得ません。

というわけで、オープン&イノベーションでどんな明るい未来になるのやら、これじゃ日はまたまた沈むぞゴルァ!

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