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Saturday, January 20, 2007

利上げが決断できない日銀

久々の更新です^_^;。まずはこの話題です。

松坂屋、銀座再開発で超高層案を断念
銀座松坂屋の高層ビルへの建て替え計画が、銀座の旦那衆の反対で頓挫しました。森ビルと組んで低層階をデパート、高層階をオフィスとホテルとすることで、コストパフォーマンスを高めようとした計画でしたが、"銀座ルール"を超えられませんでした。

意外なんですが、今や高級ブランド街となりつつある銀座ですが、ほとんど個人商店で形成されておりまして、三越1Fに国内1号店をオープンさせたマクドナルドも撤退を余儀なくされたのですが、実際はテナント料も高かったようですし、マクドナルドの利益水準では維持が難しかったかもしれません。一方の高級ブランドショップですが、こちらもほとんどテナントとして入居しているのですが、売上が同じブランドの原宿あたりのショップと比べ物にならないぐらい高いそうで、高額なテナント料が支払えるわけですね。

というわけで、日本一地価が高い商業地は、品格を重んじて高層建築を許さない結果、高い地代に見合うビジネスが集積し、それが集客を促すことになります。その威力は六本木ヒルズに代表される森ビル流の高付加価値を狙った複合高層ビルで地価水準に見合った開発をというロジックを蹴散らしているのですね。

地価の上昇がいつまで続くのかは定かではありませんが、再開発ブームの結果、無粋な高層ビルが増えたことは間違いありませんし、その結果再開発地域を中心に地価が反転上昇しているのも確かです。一方で再開発の恩恵に浴さないその他の地域は今でも地価下落が止まらず、いわゆる二極化が言われております。

この辺をどう考えるかですが、こんなニュースに既知感を覚えるのは私だけではないでしょう。

(1/18)日銀、利上げ見送り・決定会合、6対3の多数で
再開発絡みで見られる地価上昇が果たしてバブルなのかどうかですが、85年以降の地価上昇局面で、諸物価の安定を理由に低金利を放置した当時の日銀とダブって見えてしまいます。当時も最初は東京など大都市圏の一部の商業地で地価上昇が始まり、それが郊外商業地や住宅地へ波及、さらに大都市の農地(宅地見込地)、地方の商業地から住宅地へと波及し、リゾート法の助けもあって地方の山林原野にまで波及していったのがかの不動産バブルだったわけです。

今回ちょっと違うのは波及経路でして、国内だけ見れば地価の上昇はきわめて限られた地域でしか見られず、大多数の地域で地価下落が続いているわけですが、代わりに海外の一部地域の地価を押し上げているのです。REITの先進地域である米ニューヨークや英ロンドンでも、地価上昇が見られ、やはり不動産投信がリードした動きとなっております。不動産投信の利回り水準で見れば、東京が平均3.6%で長期金利の指標となる10年物国債金利との金利差(イールドと呼びます)が約2%と、まずまずのパフォーマンスなんですが、ニューヨークで0%、ロンドンでは-0.4%のイールドとなっており、明らかなバブルです。つまり安全資産である国債よりも利回りの低いリスク資産という矛盾した状況に置かれております。

ここで注意が必要なのは、米長期金利が4.5%程度の水準にあるわけですから、名目の表面利回りは東京よりニューヨークの方が高いということです。ロンドンも同じくですが、何のことはありません、80年代に不動産バブルを見過ごして低金利を放置した日銀が、またぞろ同じ過ちを犯してしまったのですね。で、それを是正したいのはやまやまなんですが、そうすると米英で不動産バブルがはじけて、少なからぬ円資金が流れている状況ですから、90年台初頭に懲罰的な金利引き上げで円高不況を招いた二の舞の恐れがあり、日銀は利上げの決断をできなかったのでしょう。ちなみに当時の政策委員には福井現総裁が名を連ねており、因果は巡ります。「素人だから」村上ファンドの不正を見抜けなかった福井さんでは無理な決断だったのでしょう。

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