電車の渋滞は駆け込み乗車から
というのをテレビ東京系列WBS土曜版の特集でやっておりました。かつての殺人的ラッシュの時代には、ホームも通路も人また人で、改札制限も日常茶飯事でしたから、物理的に駆け込み乗車は困難だったのですが、輸送力増強で列車本数が増え、長編成化され、ホームや通路も広くなった結果、物理的に余裕ができて乗客のランダム行動を助長したわけで、それが昨今の電車の遅れの最大原因ということですから考えさせられます。
取り上げられたトピックスは
JR東日本の山手線外回りでデジタルATC導入で可能となったピークタイムに1本増発して25本/hとすること
東急田園都市線で朝の急行を二子玉川~渋谷間各駅停車の準急として棒線駅の渋谷での急行と各停で現状10~20秒差あって遅れの原因となっている点の改善をはかるとともに、大井町線の急行運転で都心ルートの分散をはかること
JR東日本で故障に強いE233系の開発と投入の3つです。E233系に関しては当ブログでも取り上げましたが、機器の二重系化で故障に強い車ということで、ドアエンジンの個別制御を取り上げておりました。ドアごとに独立したコントローラーを置き、ドア挿み時の再開閉を個別に制御して客扱い時間の延伸を防ぐとともに、故障時には隣接ドアのコントローラーがバックアップすることで、正常運行を支援するものですが、細かいところまでよく考えられたものですね。
ただ鉄道事業者としてできるのはここまでで、駆け込み乗車そのものは防ぐ手段はありませんし、あと番組では取り上げられませんでしたが、直通運転の増加でトラブルの波及範囲が広がったことや、システムが複雑化してトラブル時には全体をストップせざるを得ないことや、中途半端な復旧で乗客が殺到することの危険性からあえて抑止する場合もあるわけで、民間企業で対応できるレベルを超えているといえます。
特に再開発ブームで都心回帰が顕著となり、既に経済合理性では説明がつかないレベルまで集積度を高めている東京の現状を見ると、鉄道に過重な負担がかかっていると言わざるを得ません。再開発による開発利益は主としてデベロッパーが独占するわけですから、鉄道事業者と乗客がリスクを負う不条理が見えますね。
というわけで、人口減少に向かう現在の日本でも、快適通勤は遠いですね。非正規雇用の拡大、正規雇用でもホワイトカラーエグゼンプションで残業カットと、どこまでも勤労者に冷たい現実です。女性は産む機械、男性は稼ぐ機械、子供はその仕掛り品かい(怒)。
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