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March 2007

Wednesday, March 28, 2007

私鉄の新戦略は駅前保育

以前、京王電鉄の新たな沿線活性化策について取り上げましたが、その続報と考えてよいニュースです。

私鉄各社、駅前に保育所続々・沿線イメージ向上
沿線人口の高齢化は、中長期には人口減少をもたらすものであることは、これまでもたびたび指摘してまいりました。それに歯止めをかけるには、沿線に若年世代を呼び込む必要があるわけですが、京王電鉄では沿線の住宅賃貸事業に続いて、駅前に保育施設を建設、運営するために、新たな子会社を設立し、第一弾として高幡不動駅前に、認証保育所と日野市の子育て施設併設で上層階賃貸マンションの複合施設を来年4月にオープンさせます。

同様の動きは京急が横浜市内で、また小田急が神奈川県内で、相鉄が横浜市内でといった形で、私鉄各社が競うように参入しています。認証保育所というのは、いわゆる待機児童対策として東京都が導入した制度で、一定の要件を備えた保育所を民間が開設した場合に、都が補助金を支給して、公営保育所並に割安な保育所を開設できるものです。

賃貸マンションとセットというところが、沿線開発の賃貸シフトを進める京王らしいところです。現実的に正社員比率の低いポスト団塊ジュニア世代が若年世帯の中心になりつつある現状では、実に現実的な行き方と感心させられます。同時におそらく現在の地価上昇局面が続くとは考えていないのでしょう。

先日公示地価が発表され、全国平均でも上昇となったということで、「土地デフレは終わった」の声もありますが、実際のところ、ここまで地価が上がると、土地の売り惜しみが始まるのが慣わしです。となると旺盛なオフィス需要を背景とする大都市圏の商業地の地価上昇に早晩頭打ち感が出てくることは間違いないところでして、実際に上昇率で見ると都心よりも外延部や郊外の延びが目立つ状況にあります。都心の上昇地点では、一部に経済合理性を逸脱した動きも見られるようです。

全国の住宅地、商業地で公示地価16年ぶりに上昇・大都市圏中心に
つまるところ外資ファンドの資金流入で説明されているようですが、やや怖い話として、現状の円安で外国勢から見れば上昇したとはいえ東京の地価水準は割安感がある上に、日本の景気回復で円高に振れれば為替差益も手に入るという読みがあるようです。また、もっと怖い話として、都心の土地を保有する企業の株価が、保有地の地価ほどには上昇していないので、M&Aが物色されているそうで、三角合併解禁のタイミングでもありますので、またぞろ騒ぎになりそうです^_^;。

というわけで、京王電鉄の沿線活性化策は、なかなか目のつけ処が良いと感心いたします。

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Sunday, March 18, 2007

お知らせ、コメント削除いたしました

えーと、当ブログは基本的にリンクフリーで行こうと考えておりまして、記事内容にそぐわないコメントやトラックバックに対しましても、寛容なスタンスでいるつもりですが、ここ3件立て続けに無料ブログサービスへの勧誘のコメントが投稿されました。当初は営利目的であったり有害であったりという部分が見えなければ放っておくつもりでしたが、新着記事に対しても同様のコメントがつけられましたので、スパムと判断し、3件のコメントを削除いたしましたことをお知らせいたします。

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Friday, March 16, 2007

ボルト脱落が原因、ボンバルディア機

えーと、鉄ネタじゃないんですが^_^;、事故報道のあり方として取り上げます。

前輪格納扉の開閉部のボルト脱落・全日空機の胴体着陸
国の航空機・鉄道事故調査委員会(以下「事故調」と略記)から早々に発表がありまして、ボルト1本の脱落が原因と特定されました。これでとりあえず再発防止策を講じることができますので、本来グッドニュースなんですが、メディアの捕え方はどうも変です。

ま、確かにボンバルディアのこの機体は、トラブルが多いということで、国交省も注目してましたし、暗にメーカーの責任を問いたいという空気が感じられるのですが、現時点では製造、整備のどちらに問題があったのかについては不明です。メーカーのボンバルディアも協力を約束してますし、今後明らかになるものと思います。着陸時の尻餅事故の補修が適切だったかどうかを明らかにしなかった日航ジャンボ機事故のときのボーイングよりも適切な対応が期待できます。

むしろ心配なのが全日空の方なんですが、仮に整備上の瑕疵があったとして、はたして全日空はそれを認めるだろうかという点に一抹の不安を覚えます。

元々ボンバルディアのこの機体は、昨年退役した国産機YS-11の後継機として国内デビューし、数を増やしているのですが、売りは何と言っても経済性で、数百キロレベルの中距離路線ならばジェット機と同等のフライト時間で飛べて、燃費は3割向上、滑走路も1,000mあればOKという、ローカル路線の救世主のような優秀な機体なんですが、開発費の高い民間航空機の主戦場から外れていて、ボーイング、エアバスのビッグ2のラインナップから欠落しています。ま、儲からないわけですね。

逆にだからこそ、総合輸送機器メーカーとしては大規模でも、航空機部門は小規模なボンバルディアにとっては、業界大手とガチンコ勝負しなくて良いマーケットという意味で重要なセグメントなんですね。このクラスで他社の追随を許さない経済性に優れた機体を低価格で提供できれば、市場を独占できるわけです。逆にこのようなマーケティング発想がなかったがゆえに、売れない=コスト回収できないがゆえに製造が打ち切られたYS-11の失敗とは対照的です。

というわけで、かなり革新的なコンセプトで登場したわけです。プロペラ機とはいえ6枚羽ですし、車輪の格納メカも独特のもので、整備面ではかなり特殊な扱いを強いられる面もあるでしょう。それもこれもローコストを実現するためですから、相当な技術的チャレンジはあったものと思います。またボンバルディアは本社こそカナダにありますが、欧米の輸送機器メーカーのM&Aを通じて発展した会社でもあり、航空機部門は元々英デハビランドの流れを汲む欧州系メーカーと考えた方が良いでしょう。当然設計思想も米系メーカーとはかなり異なります。

ま、この辺も浅薄な日本のメディアは、すぐに「資本の論理で安全をないがしろに……」のような短絡思考へ走ルンです^H^H^H走るんですが^_^;;;、そうやって不安を煽っていることはお構いなしという姿勢はほとほと呆れます。とりあえず原因が特定されたことは、グッドニュースなんです。この機体は今日も乗客を乗せて飛んでます。原因不明のまま飛ばなきゃならないことから比べて、どれだけ救われた人がいるでしょう。この機体がダメとなれば、撤退しなきゃならない路線も多数あります。そうして地方空港が寂れたらどーすんだ(怒)。

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Sunday, March 04, 2007

バーゲンエコノミー

今回は鉄ネタ抜きです。

個人的な話ですが、年末に株を仕込みまして、1単元だけのささやかな投資ですが、日銀の利上げを視野に入れて、連日神経質に動く相場を毎日チェックしていたんですが、結局この時点では利上げは見送られ、株価も反転上昇に転じました。1月にも利上げ観測がささやかれ、やはり相場はブレを見せましたが、結果的に利上げは見送られたことを東京の地価動向と絡めて取り上げました。

そして2ヶ月遅れの利上げが実施された2月には、狼少年か三度目の正直か?相場はネガティブには反応せず、むしろ未だ低位にある金利水準が当面継続されるという期待から、株は買われ、日経平均18,000円の大台を突破する好調ぶりでした。かくして内外金利差は円キャリートレードの逆転による円高へは進まず、むしろ円安効果で日本株には割安感さえ持たれていたこともあり、おかげさまで仕込んだ株も2ヶ月で10%以上の値上がりとなり、ちょっとリッチな気分ですが、長期保有を考えているので、売るつもりはありませんし、あくまでも名目だけのものですが^_^;。

ま、しかし好事魔多し、上海の株式市場の暴落を受けて、世界の株式市場が次々に連鎖し、1日遅れで東京市場にも波及いたしました。幸い購入した株式は内需関連株ですので、今のところ連れ安にはなっておらず、慎重に銘柄を選んでよかったのですが、同時に「下がれば押し目買いのチャンス」と考えております。長期保有を意図するからこそ、安く仕込むことが重要です。個人がなけなしの資金を株式投資に充てるならば、これぐらいの慎重さは当然です。

まぁ、というわけで、一般の人よりも市場を見る機会が多かったわけですが、12月時点でも配当利回りから見るとギリギリの価格水準でしたから、むしろ直近の価格に割高感を持っておりました。むしろ12月、1月と2度にわたって利上げが見送られた結果、今回の利上げはむしろ次の利上げ時期が遠のいたという印象を持たれ、内外金利差を根拠とするキャリートレードの流れはむしろ強まったわけです。

その意味では今回の株価調整局面は、いつか来ることがわかっていたことですから、ささやかながら株式投資をする身として意外感はありませんでした。むしろこんな程度で済んでいるからよかったとすら感じますし、ここ数日で円/ドル相場が5円も円高に動いたことで外国勢の売買ポジション調整がまだ続くようなら、あるいは一段安もという展開です。ま、仮にそうなっても個人的にはまだ損はありませんけど。

為替の売買ポジションも外資系ファンドは既に円買い戻しにシフトしているようですが、日本の個人投資家の資金が逆の動きをしているようで、ある意味そのおかげでソフトランディングが可能だったのかもしれません。とにかく国内個人投資家の買い越し額は40~50兆円といわれ、2003~04年の史上空前規模の円売り介入35兆円よりも多いのですから。ただしこのことは、日本の個人投資家が為替リスクをしわ寄せされていることを意味します。思えば民営化に先駆けて郵便局窓口での投信販売が解禁されたことの影響と見ることができます。なけなしの個人金融資産をリスクにさらして輸出企業にしかメリットのない円安に誘導したのだとすれば、郵政民営化の正体見たりです。

若干の心残りは、先日ボルボがTOBによる完全子会社化を発表した日産ディーゼル株を拾わなかったですかね。国内大型トラック4社中最も生産台数が少ないにもかかわらず、最も収益性が高いということで注目しておりました。加えて世界初の尿素水噴霧式のNOx削減システムの実用化で、新長期規制をクリアするなど、技術面でもアドバンスがあります。にもかかわらず12月時点で300円台半ばでPER(株価収益率)は10倍程度と標準的な企業の半分の水準で、忘れられた値ごろ感のある銘柄でしたが、ボルボのTOBまでは読めませんでした。買っていれば2ヶ月で約20万円のキャピタルゲインを手に入れることができたんですが。ま、こんなギャンブルみたいなまねはすべきじゃないですけどね。

こんなこと言っちゃなんですが、国際競争力を理由に大規模なリストラを進め、円安効果で超過利潤をほしいままにしてきた日本の輸出企業にとっての蜜月も、終わりに近づいているのかもしれません。肥沃な耕作適地を輸出作物の作付けに振り向けて国民を貧困に追い込む途上国の農業と同じことを日本の輸出企業が続けてきた果てに、逆風下の適応力をむしろ失いつつあるのではないかと危惧します。その姿はコメづくりに偏りすぎ懲罰的関税に保護された日本農業の現在とどこが違うのか、ちゃんと説明してほしいですね。国民生活を犠牲にして円安頼みの上げ潮路線という成長戦略をとる政府の姿勢を早く軌道修正してほしいところです。

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