名古屋リニヤだがや
当ブログで名古屋ネタといえば辛口です^_^;。今回も乞うご期待(笑)。まずはメディアチェックです。
リニア、2025年に開業・JR東海が目標今回の発表はあくまでもJR東海が目標として宣言したものであって、中央リニアの整備計画がオーソライズされたわけではありません。その意味で実現に向けて前進したという話ではないんですが、建設区間を東京-名古屋間に絞り込んで、より具体的な検討に入ろうという意図のようです。
実際、東海道山陽新幹線の利用は、西へ行くほど少なくなるわけですから、東名間がボトルネックではあるわけで、だからこそ2003年の品川駅開業で、東京側のターミナル強化を打ち出したわけですが、同時に増発余力を得ながら、それを活用することなく、輸送シェアを落としている現実もあるわけで、既に人口減少局面に入った日本において、今以上の輸送力増強が必要なのかどうか、また現行の東海道新幹線でも、例えば一部区間のショートカットや軌道強化してダブルデッカーを投入するなど、打つ手がないわけではないことを考えると、リニアでなければならない理由はないですね。
そもそも東海道新幹線の競争力を冷静に見れば、1列車でジャンボ機3機分の座席数を有する新幹線の桁外れの輸送力こそが重要であることに気づきます。例えばのぞみだけの代替であっても、東京‐大阪間3分ヘッドでフライトしなければならないという物理的に不可能な領域の輸送を担っているわけでして、このことこそが東海道新幹線の競争力の源泉です。
かつて東海道線で東京‐大阪間6時間半の特急こだまが走り始めた頃、全車指定席で1週間前の売り出しと同時に満席の盛況ぶりで、東京から大阪まで1週間かかる(笑)といわれたものですが、この時点で在来線では増発余力がなく、航空輸送にシェアを侵食されることが明らかな状況で東海道新幹線の建設が意思決定されたのですが、どう見ても当時と今とでは状況が異なります。今は新幹線ならば曲がりなりにも、思い立って駅まで出向けば、とりあえず乗車して大阪へ向かうことは可能な状況ですから、東海道新幹線の輸送能力が限界に近づいている事実はありません。
おそらく前の記事で指摘しました「東名阪一体化論」の「阪」を切り捨てて実現性を高めようというのが意図するところかと思います。そしてJR東海がそう思いたくなる状況が現実に存在します。トヨタの好調に支えられて、中京圏の有効求人倍率高止まり現象が起きており、その結果若年人口の近畿圏から中京圏シフトが起きているわけです。この傾向が続くならば、地方で深刻な高齢化の進行が、大都市圏では近畿圏で先行することを意味します。ならば近畿圏に将来はないから、リニアも名古屋まででええだがやということですね^_^;。実際、トヨタ首脳の最近の発言がリニアに積極的で、「東京‐名古屋間40分で両都市圏が双方の通勤圏になる」ということを盛んに発言しているのですが、おそらく中部国際空港の建設で一肌脱いだものの、羽田便の飛ばない空港では便数を増やすことが難しく、航空客より見物客の多い空港になってしまったことを悔いているのではないかと思います。ならばリニアで東京と直結しようと考えたとしても不思議ではありません。
ま、発言の真意はともかくとして、JR東海にとっては追い風として活かせる話と見たのでしょう。財界活動にも積極的で、日本経団連の政治献金斡旋再開などで政治的な影響力行使にまで踏み込んでいる最近のトヨタを味方につけておけば、政府を動かして公的助成の突破口を開けるかもしれないし、それが無理でも、リニア建設を大義名分とした増資には応じてくれる可能性は高いという読みなんでしょう。ま、トヨタにしてみれば、お膝元の愛知で求人難では、人件費アップは避けられないところですから、近畿圏の若年人口を吸引した流れが首都圏へも拡大すれば天下を取れると目論んで協力してくれるかもしれませんね。かくしてみゃーが標準語になる日が来るか(笑)。
あとリニアつながりの小噺をひとつ。愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)の赤字が止まりません。無理もないのですが、元々愛知万博会場跡地の宅地開発を目論んで建設された同線ですが、海上の森の里山保全で反対運動にあい、環境万博に衣替えした経緯から、今さら宅地開発はできないわけで、ゆえに乗客は増えないわけです。沿線には複数の学校が立地してますが、学休期には空気を運ぶ車のない火の車と化しております。万博の内覧会輸送で荷重制限で止まったように、イベント輸送に不向きな上、沿線開発もままならず朽ち果てる先には、桃花台新交通(ピーチライナー)の二の舞を心配する声が地元で囁かれます。営業用磁気浮上リニア初の廃線となるか、上海のトランスラピートと競うことになりそうです^_^;。
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