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Saturday, September 15, 2007

福井さん、利上げですよ^_^;

あ、何か知らんけど、日本国の首相が辞めたらしいですね。でも瞬間株価が上がったというのはワロタ。首相の辞任は米住宅ローンの焦げ付きよりもマーケットへの影響が低いということで^_^;。ま、元々next Abeよりもnext Fukuiの方が外国の関心が高かったのですが。

というわけで、米サブプライムローン問題の余波が続く中で、影響が広範囲に及んでいるのは、このようなニュースからも窺い知れます。

英中銀、中堅銀に緊急融資・サブプライム問題が拡大
米国の住宅ローンの焦げ付きが、主に欧州銀行へ波及しているのは、ローン債権の証券化商品を多く保有していることによるものですが、ややこしいのは、元々債権証券化商品は、小口化して転売することでリスク分散をはかることで、リスク許容度を高めるわけですが、それが結果的にリスクの大元である米住宅ローンの審査をゆるくしてしまったことで、米住宅市場にバブルが発生したわけです。それがはじける原因が、多数のローン証券を保有する欧州銀が、ローンの焦げ付きで格付けの下がった証券化商品を転売しようとしたら、市場に買い手がいなかったということなんですね。で、欧州中銀(ECB)が緊急に資金供給に動いたことが、逆に憶測を呼ぶという不幸な連鎖となりました。欧州はともかく、日本では日銀が緊急オペで短期金利の上昇を防ぐ動きをした結果、短期金利は一時0.1%まで下落することになり、日本に限っていえば明らかな過剰反応だったのです。そもそもサブプライムローン証券化商品を邦銀はほとんと保有していなかったのですから。

というわけで、ECBとしては金融システムは守らなければならないけれど、一方でインフレ懸念は払拭されない中で、利下げではなく流動性の供給で事態を乗り切ろうとしたわけです。辛いのは貨幣の流動性を供給しても、欧州銀が保有する証券化商品の流動性が増すわけではない中でのオペレーションということで、間接的効果しか期待できないのですが、欧州に関しては基本的にこのスタンスに変更はないでしょう。

もちろん米国に関しては、住宅バブルの崩壊はおそらく実体経済への影響は避けられないでしょうから、対米輸出の減少などで日本にも何がしかの影響はあるでしょうけど、そもそも日本の対米輸出自体が、以前ほどシェアが大きくない現状です。今の世界は主に東欧をEUに取り込んだ欧州とBRICsなどの新興国の成長に依存しているので、米景気の後退の影響は限定的です。

むしろ1,500兆円といわれる家計の貯蓄残高が、行き場を失って彷徨っていることこそが、日本にとっての一番の問題なんです。国内の低金利に痺れを切らした一部の個人が、銀行や郵便局の窓口で勧められるままに、海外投信を購入した結果、国内で持て余された流動性が海外へ流出し、米住宅バブルや欧州のインフレ圧力の原因の一部となっているわけで、この観点から日本の取るべき道は、流動性が国内へ向かうようにすることです。ということは、端的に言えば個人が為替リスクを負うことがないように、国内に魅力的な投資先があることこそ重要です。となれば、今こそ利上げ局面ということになります。

大手メガバンクの不良債権問題が片付いたことで、金融危機が去ったかのように見られておりますが、地方に目を転じれば、不良債権処理の進まない多くの地銀や信金信組がまだまだあります。そして10月からは郵政民営化でゆうちょ銀行がスタートするわけで、地方金融機関の巨大なライバルが出現するわけです。

そもそも地銀等の不良債権処理が進まない理由ですが、現在の異常な低金利に原因があるといえば意外と受け取られるかもしれませんが、事実はそうなんです。元々産業立地に偏りのある日本では、地方銀行は営業エリアに必ずしも有力な融資先があるわけではないのですが、一方で大手企業を融資先に抱える都銀や、産業立地エリアの地銀などでは自行で集める預金だけでは融資資金が足りない状況ですから、銀行間で貸し借りをして融通していたのです。その結果有力融資先を持たない地方銀行でも、銀行間取引で利ざやを稼ぐことができたんですね。それが昨今の異常な低金利政策で不可能となり、例えば温泉旅館に貸し込んだ足利銀行のような悲劇を生み出したわけです。

邦銀に対しては、旧大蔵省銀行局の護送船団行政と日銀の窓口規制で、自らのリスクで融資先を選別するいわゆる信用創造能力が不足していると言われますが、かような低金利下で、利ざやが稼げないなかで、融資先の選別眼を養えというのは無理な相談なんです。今、地方の疲弊が明らかなように、公共事業などのバラマキでの解決は難しいですが、地方銀行が融資能力を身につけることで、地域が自律的に経済を回復させることこそが、今必要なことではないでしょうか。その結果、預金者に高い預金金利を約束できれば、地域のお金が地域に留まって、経済を活性化させることになるわけです。これこそ「民にできることは民に」ということですね。

というわけで、福井さんも意味深な発言はしております。

日銀総裁、サブプライム問題で「実体経済へ影響注視」
ま、利上げへの意欲は失っていないようですが、「実体経済を重視」というところで逃げをうっておりますね。とりあえず米住宅バブルははじけてバブル崩壊の戦犯にされることもなくなったし、丁度政治の空白もあるし(笑)、金利は今が上げ時ですぞ、福井さん!

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