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Sunday, December 23, 2007

E233系バリエーション

中央快速線の201系置換用として登場したE233系ですが、昨日京浜東北線用の1000番台が営業を開始、さらに近郊型仕様でG車組込の3000番台15連1本が国府津車両センターに登場するなど、いろいろ動きがあります。当ブログでも1年前の記事で扱いましたが、実車の登場、営業開始のタイミングで、改めて現状を見ていくことにします。

京浜東北線の1000番台ですが、6M4Tの10連×83本が登場予定で、現行の209系基本番台車を置き換えるとともに、広幅の209系500番台車を京葉線へ玉突き転属させる予定になっております。当初予告されていた6扉車は組み込まれませんでしたが、興味深いのは編成順序でして、中央快速線仕様の10連とは電動車位置が異なり、また6号車と9号車にサハを配置する編成は独特です。現行209系では6号車に6扉車を組み込んでおり、9号車とチェンジできる設計でしたから、それを踏襲していると考えると意味深です。おそらく6扉車組込をぎりぎりまで決めかねていたのではないかと推察されます。また状況によっては事後的な6扉車組込の可能性もあり得るわけで、投入予定の半数に達するまで判断を先送りした可能性はありますね。

1000番台は客用ドアの半自動スイッチが省略されてますが、投入線区に合わせたということですね。またE233系では加速度を2.3km/h/s,2.5km/h/s,3.0km/h/sに切り替える機能があり、0番台では3.0km/h/sに設定されておりますが、1000番台では2.5km/h/sに設定し、209系と揃えております。おそらくATCの設定を変えたくなかったのでしょう。また最近電装品のトラブルが多い209系の代替ですから、負荷の軽減を優先したと見ることもできます。それゆえ置換えにあたって中央線の場合とは違って減車がないわけですね。

毀誉褒貶激しい209系ですが、いわゆる走ルンですブラザースの1番手としてさまざまなチャレンジが盛り込まれておりました。車体の強度不足も指摘されてますが、これも極限まで軽量化を模索した結果といえます。209系狭幅車(りんかい線70-000系と川越線3000番台3100番台を含む)の車体の特徴として、ボギー中心間隔を国鉄新性能電車標準の13,800mmから500mm縮めて13,300mmとしている点に意味があります。ボルスタレス台車を採用する209系では、車体の荷重は台車の枕ばねで全て支持されるわけですが、ボギーセンターを500mm縮めることで、ドア開口部より内側に荷重の支点がくることで、車体の強度剛性上自由度が増します。

これを利用して外板厚を極限まで薄くしたわけで、"重さ半分"の技術的裏付けとなっているわけです。しかしその結果車体両端のオーバーハングが長くなり、曲線部での車体偏倚が大きくなるために、広幅車体の採用を見送ったのです。いわば軽量化のための狭幅車体採用だった点は意外と知られておりません。ですから派生車種として常磐線中電区間用に登場したE501系では、交直流車ということで搭載機器が多く、また高圧対策でアーク防止のための絶縁空間確保の必要もあり、ボギーセンターは13,800mmとされました。当然車体の剛性不足を補うために、外板厚は見直されております。同様に広幅車体のE217系や209系500番台も同様です。実はこの差が209系0番台の置換えに対し、E501系ではトイレ設置その他の改造で、E217系と209系500番台では電装品更新で延命という風に運命を分けたわけですね。

というわけでE217系の電装品更新改造のために予備車の確保が必要となり、既に協力メーカーである東急車輛でも製造ラインをE233系用に切り替えているために、予備車捻出のための増備車はE233系にならざるを得ないわけですね。かくして近郊型仕様の3000番台が登場することとなりました。そういった経緯での登場ですから、当面はE217系と共通運用で東海道線東京―熱海間15連固定の限定運用とされます。というわけで、当面211系の置換えには至らないわけです。ま、将来はわかりませんが、当面はE217系の更新に時間を費やすということですね。

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Comments

機械的にはほぼ同様の構成をとる209系とE217系の扱いがなぜ異なるのか、疑問に思っていました。台車間距離が問題になったとは初めて知りました。

外板の問題と、電気系の故障頻発はありますが、その後、E213、E233と問題点の改善が着実に加えられていったことは、評価できると思います。

Posted by: primera | Monday, December 24, 2007 at 01:25 AM

209系は初物ですから、それだけさまざまなチャレンジが盛り込まれていたということです。

その結果、後続の系列は完成度を高めることができたわけで、その辺は正しく評価したいですね。

Posted by: 走ルンです | Monday, December 24, 2007 at 09:14 AM

こんばんは、日頃より貴ブログを通じて色々と勉強させて頂いております。いつもありがとうございます。

E233系1000番台、営業運転が始まったのですね。確か計画段階では6扉車を組み込む方向だったと思いますが、京浜東北線は埼玉・神奈川から都心まで乗車距離の長めになる輸送パターンも担うことから着席需要を無視できなかったことと、加えて東北縦貫線開業による将来の混雑緩和あたりを考慮しての6扉車非連結でしょうか。最混雑区間である上野~御徒町で並行する山手線が、昨春改正で輸送力増強が果たされたことも影響しているかもしれません。しかし御指摘のサハ連結位置、興味深いですね。とりあえず営業運転に入れて様子を見た後、「6扉車非連結じゃ問題あったから追加で組み込むか」という感じで、結果を見て方針転換もできるようにしている訳ですね。

一方の3000番台ですが、確かにメーカー側の製造ラインがE233系向けに切り替わっている面はあるにせよ、1本だけ仕様の違う車を長期間使わされるのでは現場が悲鳴を上げそうなものです。また、東急車輛ではE231系ベースの南海8000系を製造していますから、E231系のリピートオーダーも可能であったと私は思います。わざわざ新区分を興した背景には、東北縦貫線開業を見据えた211系置き換えの伏線が存在しているように思います。

E217系の延命を行うあたり、横総線は今後も変化は小さいと思いますが、品川・横浜の折り返し線整備に絡んで変化があるかは気になるところです。

Posted by: Super White Arrow | Tuesday, December 25, 2007 at 09:25 PM

1000番台の6扉車組込みですが、確かに東北縦貫線との絡みで微妙な問題がありそうですね。現在、東北新幹線上空の二層式高架となる区間の都アセス条例の手続が、地元の反対で遅れております。この辺が判断の迷いになっている可能性はありそうですね。

とりあえずは830両という大所帯ですから、完全な置換えに3年程度かかるとして、当座は様子見ということなのかもしれません。ただでさえ先頭車の衝突安全対策で客室面積が減ってますから、座席を減らしたくないのかもしれません。

3000番台もなかなか悩ましい存在です。当面は国府津から鎌倉へ戻されるE217系の穴埋めで使うとして、将来を睨んでいないということではないでしょうから。

ただ、211系の置換えに関しては、房総地区の113系や新潟や長野の115系淘汰のための玉突きの可能性は皆無ではないとしても、数が足りないのですよね。

さらにいえば新潟や長野では極寒地向けの1000番台の置換えですから、半自動スイッチ以外に特段の寒冷地対策の取られていない211系が押出されるというのは考えにくいところです。房総地区でも、新前橋の211系が一部転属しているのが混乱の種でして、ただでさえ長編成で転用が難しい上に半自動スイッチのない国府津の211系と混用されるというのも考えにくいところです。

ま、それと211系より足の遅い185系を特急に使っている状況というのも異常ですし、さりとて長期低落傾向の伊豆観光の現状では、直ちに代替特急車が登場するとも思えないというところで、悩ましいですね。

Posted by: 走ルンです | Wednesday, December 26, 2007 at 12:24 AM

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