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January 2008

Saturday, January 26, 2008

リニアに下げてふり向けば東日本

しばらく株価動向が気になって、更新をサボっておりました^_^;。ま、やっと落ち着いて、ふり返る余裕も出てまいりましたが、個人的には、今まで手が出せなかった値嵩株を仕込むことができて満足しております。早速株価は戻して数パーセントのキャピタルゲインということで、株はやめられません^_^;。

てなこと言うと石が飛んできそうですが、最近の株価報道はどうもパニックを煽っているだけにしか見えません。ま、おかげで安値で拾えたから個人的には良いんですが^_^;、報道する側が意味を理解しているのだろうかという疑問がわきます。そんな中でこんなニュースです。

(1/24)仏銀大手ソシエテが1兆円の損失・不正取引、1人で7600億円
いわゆるサブプライム問題とは直接関係のない、銀行員個人の詐欺事件なんですが、その規模の大きさが目を引きます。当然、内部的に不正を見抜けなかった、あるいは当局も異常に気づかなかったなどの問題もあるんですが、むしろこれだけの損失を計上しながら、銀行がつぶれないことが驚きです。

サブプライム問題で連日さまざまな報道がされていて、特に米金融機関の巨額損失に驚かされますが、シティの2兆円超とかメリルの1兆円超などの損失を出しながら、日本の金融危機時に問題になった、銀行への公的資金注入の議論が聞こえないのはなぜかということを考えさせます。簡単に言ってしまえば、それだけの損失を出しても倒れないだけの資本の厚みがあるからなんですね。そしてそれゆえにバーゼル会議で決められた国際決済銀行(BIS)規制でも、銀行に対して自己資本比率規制を課しているわけです。

欧米銀は国際的な合従連衡の果てに自己資本の厚みを増していて、今回のサブプライムローン問題でも、リスクのある証券への投資ができた理由ですし、また厚い資本に対して十分なリターンを求められる立場でもあるからこそ、邦銀がほとんど手を出さなかったサブプライム関連の金融商品への投資へと向かわせたわけでもあります。つまるところ金融機関の利益の源泉はリスクテイクであるということを地でいっているだけの話です。逆にこの流れに乗れなかった邦銀の方が周回遅れなんですね。

で、実際に損失を確定させて危機を乗り切ろうとする動きが、米銀を中心に起きているわけですが、この課程でアブダビ投資庁やドバイ、シンガポール、ロシア、ノールウエーなどの政府系ファンド、いわゆる国富ファンド(SWF)の存在がクローズアップされました。昨年ハイリゲンダムサミットで懸念を共有されたはずのSWFに助けを求めるというあたりに、米銀のなりふり構わぬ姿勢が見えます。これは、金融機関にとって自己資本はとりもなおさず損失発生のときのバッファであるということが身にしみているからこそ、毀損した資本を早急に回復しようとするわけです。で、この辺に事業に対する覚悟のすごさがにじみ出ておりますね。

で、繰り返しになりますが、銀行にとって生命線ともいえる自己資本に関する国際ルールを、日本は邦銀の都合でたびたび捻じ曲げているのは、これまでも指摘してきたとおりですが、特にバーゼルIIで押し込んだ民間格付け機関による格付けを資産評価に反映させるルールは、国債などの債券保有の多い邦銀にとっては、自己資本を良く見せることができる、言葉を変えればお化粧を施せるルールということなんですが、それでも日本のメガバンクは、国際業務へなかなか復帰できないでいるわけで、当の銀行自身が、自らの実力をわきまえているということなのでしょう。にしてもいつまで膾を吹くつもりかい

で、日本では、銀行に限らず、生保や年金基金などのいわゆる機関投資家まで同じことをしていて、ここ数年株式を売り越して債券を買い越すということをしてきた結果、日本の株価を大きく下げたわけですが、それを救ったのが、海外の機関投資家たちです。いわゆる外国人投資家と呼ばれる彼らは、低リターンの国内債券には目もくれず、国内株式を買い続けてくれたおかげで、日本の株価は下支えされてきたわけですが、そのために奇妙なことが起きてしまったのです。最近の株価トレンドをドルベースで見ると、ニューヨークと東京の株式相場のトレンドがほぼピッタリ一致するのです。彼等はあくまでもドル建てて相場を見ていて、ニューヨークで買えない銘柄(ほとんど全ての日本株が該当)を分散投資の一環で購入していただけということです。ですからサブプライム問題のような信用不安が発生すると、当然のように保有株式を持ち換えるわけで、サブプライム問題にほとんどコミットしていないはずの日本株が揺さぶられる構図となるわけです。

で、奇妙なというのは、マクロに見て、国内投資家が主に内外の債券を保有する一方、海外勢は内外の株式を保有し、特にニューヨークと東京の株価が同じトレンドで動く状況下では、株価が上がれば上がるほど、マクロで見たネットのキャピタルゲインが海外へ流出するわけで、実は東京の株価上昇は国富の喪失でもあるという悩ましい状況にあります。こう考えると、株価が戻ってメデタシという報道はノーテンキです。

といっても、個別銘柄でいえば、こういった国際金融情勢に無関係に上げ下げがあるわけで、基本的には株価は企業業績の先行きを反映したものですから、特に内需関連となる陸運、特に鉄道株はそうなんですが、ここのところ大きく下げている銘柄がありますね。言うまでもなくJR東海です。例のリニア自力整備発表以来下げ止まりません。150万円に届くかという最高値をつけたことがあり、昨年だけでも120万円超あった高値水準も、リニア発表以来下げが続き、100万円を割って、90万円前後で推移するJR東日本に迫られております。元々JR本州各社の株価水準は、各社の収益力を反映しておりましたから、リニア建設に対する投資家の不信任の表れですね。

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Saturday, January 19, 2008

地球温暖化と日本の勘違い

えー、日本は間違いなく先進国中ではGDP対比のエネルギー消費量が少ない省エネ先進国なんですが、その割には環境意識が低いのはなぜかという話をします。

先に種明かしをしますと、まず先進国で比較すれば低緯度に位置していて、特に削減が難しい冬の暖房のエネルギー消費が際立って少ないことは踏まえておきましょう。そして部門別には家庭と運輸の両部門のCO2排出量が少ない特徴があります。その一方でオイルショック以来産業部門の省エネが進み、CO2排出量を減らしている一方、オフィス、家庭、運輸の各部門で排出量を増やしている状況です。つまりは日本の省エネは、温暖な気候の比較優位条件と、欧米に比べて住宅が狭くエネルギー投入量が少なく済むこと、それに鉄道網の発達で、特に大都市圏の限界的な大量輸送がエネルギー効率を高めているわけで、言い換えると、ウサギ小屋に住んで通勤ラッシュに揉まれた結果の栄誉ということになります^_^;。

製造部門は省エネが進んだのですが、IT化でハイテク武装されたオフィスの電力消費量が爆発的に増加してますし、家電品の省エネが進んだ結果、ウサギ小屋でも多数の家電品が使えるようになったし、道路特定財源のおかげで道路整備が進む一方、燃費性能の高まったクルマは一方でベーシックカーからミドルクラスへ、あるいは重いミニバンやSUVへとシフトし、公共交通の恩恵がない地方では、いまやクルマは1人1台となり、そうなれば日常行動はクルマ中心となるので、買い物もパーキングを備えた郊外型SCへと向かい、中心街はシャッター通りと化すことになります。となると人口も郊外へ拡散し、その分電気ガス上下水道通信線などのライフライン整備も広域化して絶えずどこかで道路を掘り起こすということになり、地方財政は疲弊することになります。

その結果、京都議定書で日本が国際公約したCO2-6%(1990年比)の削減目標に対し、直近の2007年で+6.4%となっており、産業界からは「これ以上は無理、あとはほかで削ってくれ」の声が聞かれるのですが、世界の趨勢をリードするEUでは、域内限定ながら排出量の数値目標を定め、過不足を企業間で取引できるキャップアンドトレードの仕組みをつくり、先日のCOP13(バリ会議)でも国際的な数値目標の導入を主張しましたが、日米中印などの反対で流れました。

さて、日本の取るべき道はいかに。それ以前に京都議定書で定められた温暖化ガス削減量ですが、政治的妥協の産物として、森林のCO2吸収効果を算入して良いというルールがあります。これは実は科学的には異論があるところでして、森林は植物の光合成で確かにCO2を吸収するのですが、同時に生命活動の場でもあり、特に生命活動の活発な熱帯林や温帯域の自然林では、CO2排出量も無視できないレベルとなります。むしろ寒冷地のツンドラ(永久凍土)地帯の方が、光合成で固定された炭素が分解されずに地層に留まることから、吸収源としては重要なんですが、海洋や地層の吸収効果は測定が難しいですし、また温暖化が一定レベル進むと、永久凍土もバクテリア分解が進む可能性があり、そうなるとむしろ排出源となるし、海洋も海水温上昇で吸収効果を低下させる可能性があるなど、不確実性が高いので、あえてカウントしないというのが温暖化防止を巡る国際的コンセンサスのはずなんですが、森林については日本が強硬に主張したこともあり、吸収源として認められました。その結果森林の吸収量は-5.4%と算定されたわけで、結果的に実質の削減目標は-0.6%というのが、日本が京都で得た"成果"?だったわけです。うーむバーゼルIIに似ている。つまり直近の実績を踏まえれば-7%の削減が必要というわけですね。

ここまで書くと、もうほとんど結論は出たようなものですが、これ以上地方の道路整備を進めて居住人口を拡散させることは、温暖化防止の観点から問題ありということで、道路特定財源のあり方は根本的に変えるべきです。財源がある以上、それを使う誘因は常に働きますから、いつまでたっても「必要な道路」は増殖することになります。特に人口減少が始まり、社会保障負担は年を追って加重されると考える必要がありますから、インフラ整備は早く打ち止めにする必要ありということです。

あえて申し上げますが、それで「地方じゃ暮らせない」というならば、特に地方には高齢者が多いのですし、息子や娘を頼って都会暮らしすれば、人口の多い都市部で充実した介護サービスを受ける機会も得られますし、何より施設でなく在宅の介護は、結果的に社会保障負担を圧縮できます。かくして大都市に寄り添って省エネライフというのが、日本らしい取組みということになります。またそもそも大都市部ならばクルマも必需品ではありませんので、カーシェアリングなどで台数を制限するなどの方法も取りやすくなり、渋滞も起きにくくなり、運輸部門の省エネは進みます。

あともう一つですが、運輸部門でも旅客は鉄道利用のシェアが高いのですが、貨物のシェアが低い点は指摘しておきます。その意味では、運輸部門での追加的なCO2排出削減を考えるならば、整備新幹線やリニアなどよりも、貨物のモーダルシフトの方が重要であって、並行在来線問題を抱える整備新幹線問題も、貨物輸送インフラを毀損しないことを原則とすべきでしょう。その辺で一歩を踏み出さないと、得意なはずの環境問題で日本は世界の孤児になる可能性があります。ココロしてかかるべし。

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Sunday, January 06, 2008

今年はいい年? 悪い年?

や、年越し論争で新年のごあいさつも未だしですが^_^;、本当は株価が気になって記事どころじゃなかったらしい^_^;。なにしろ新年早々こんなトップニュースですから。

日経平均、終値616円安の1万4691円・昨年来安値に
いや、別に株が下げて損したわけじゃなくて、PER(株価収益率)が16倍を割って、理論上割安といえる水準にある日本株の買い時を探っているんですが、これがなかなか難しいんです。なにしろこんなニュースが続くんですから。
米国発株安、年明け後も日欧市場揺さぶる
週明けに一段の値下げ必至の状況で、いかに理論上割安であっても、買うに買えないというところです。というわけで、私自身は株安には動じておりませんで、買いの好機と見ているんですが、なけなしの資金ですから、ふんぎりがつかないんですね^_^;。

でも、買えない理由はそれだけじゃなくて、為替相場との関連をバーゲンエコノミーで述べましたが、年末にOECD加盟国中1人当たりGDPで日本が18位になったというニュースが流れ、かつて世界一豊かだった日本もいよいよ並みの豊かな国に成り下がったわけで、悲しい予想の的中と相成りました。そんな状況に斉藤東証社長も危機感を募らせます。

「東京市場、魅力失いつつある」・斉藤東証社長が年頭あいさつ
国際競争力を維持するために、賃カツ、リストラ、サービス残業、非正規雇用で凌いでいたはずなのに、ただただ国民をビンボにしただけでした(怒)。購買力を失った国民は節約を心がけりゃ,モノが売れないデフレだと騒ぎ、低金利で国民から利子所得すら奪い、円安と相まって企業はぼろ儲けしていたのに、税金払いたくないから法人税まけろの大合唱、財源確保で消費税増税とは、どこまでも虫の好い日本企業です。

でもだからといって儲けを株主に配当などで還元する気はさらさらなく、ひたすら蓄財に余念がないのでした。今回の株価下落で配当利回りが1.6%と、久々に10年物国債の利回りを上回ったそうですが、日本企業の配当性向の低さは絶句です。そりゃ外国人投資家には魅力がないわQ-o-フッ。というわけで、なかなか買いのタイミングがつかめないのでした。

鉄ちゃん的には、今年は新線開業の当たり年ということで、3月の横浜市営地下鉄グリーンラインと都営新交通日暮里舎人ライナー(ベタなネーミングだ^_^;)、6月の東京メトロ副都心線渋谷開業に東急目黒線日吉延伸と、首都圏だけで4線ということになります。んが、よく考えたらグリーンラインと日暮里舎人ライナーは公営交通だし、東京メトロは株式会社化されたとはいえ、未だ国と東京都が出資する特殊会社で上場もこれからです。唯一民間路線である東急目黒線ですが、東横線の線増扱いとなりますので、営業キロは変化なしというわけで、うーむ、よく考えたら日本経済並みに上げ底だったりして^_^;。

横浜市営地下鉄は民営化されるはずだったのですが、中田市長の選挙違反疑惑などで話が進んでいる形跡はなし、同時に民営化が答申された市営バスは民営化見送りで、路線ごとの切り売りでリストラ進行中。分社化でもめた相鉄のバス部門共々横浜のバス事情は波乱含みですね。そもそも全体の営業規模も大きくない横浜市営地下鉄で、規格の異なる新線というのは、どう考えても愚策です。

むしろ関西のJRおおさか東線と京阪中之島線に期待がかかりますが、いずれも三セク方式の上下分離路線でやっぱ上げ底か^_^;。とケチばかりつけていても仕方ないのですが、大阪のような大都市圏での鉄道整備は公的助成なしには進まないのも現実です。かといって第三セクター方式は問題のある方式であることも次第に明らかになりつつあり、地方版産業再生機構がターゲットにしていると噂されます。困ったときの三セク頼みは通用しなくなります。ま、それでも近鉄の逆上下分離よりはましか。

というわけで、とりとめがなくなってまいりましたが、本年もよろしくお願いいたします。m_ _m

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