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Saturday, February 09, 2008

NEXT N'EX E259系

久々の更新です。これほど更新頻度の低い当ブログですが、毎日コンスタントに500ヒットペースを維持しているのは、私自身驚いております。どうもはてブほかのオンラインブックマークに多数登録されているらしく、古いエントリーも満遍なく読まれているということで、完全保存版品質が要求されているというプレッシャーを感じます。というわけで、更新はなかなか億劫になります。以上言い訳でした^_^;。

というわけで、成田エクスプレス(N'EX)用253系の2009年秋の置換えがJR東日本から公式にリリースされました。当ブログとしては、速報性は追わずに、長期間購読に耐える視点の提供を心がけることにしたいと思います。

そもそも253系が登場した1991年ですが、前年の不動産融資総量規制の影響でバブル景気にかげりが見えていたものの、未だ好調な消費に支えられていた時代といえます。日経トレンディのヒット商品ランキングトップがカルピスウォーターですが、20位にN'EXがランクインしております。先発の京成スカイライナーより割高ながら、ゆったりした室内が好評という評価になっておりますが、JRにとっては国鉄時代を通じて未経験だった空港連絡輸送への参入だったわけで、マーケティングに腐心した跡が見られます。

ここでやや脱線しますが^_^;、連日報道されるいわゆるサブプライム問題ですが、本質は日本のバブル崩壊と同じで、アメリカの場合はNAFTA(北米自由貿易協定)の影響で、主にメキシコからの移民が増加していたわけですが、いわゆるヒスパニック系移民への持ち家推奨のために考え出されたのがサブプライムローンであり、当初は「移民にアメリカンドリームを」というキャッチフレーズで好意的に捉えられていたのですが、その結果として住宅ブームが起き、住宅価格が上昇を続けたのですが、ローンが滞り始めて、逆に担保差押えで主を失った中古住宅が大量に出て不動産市況が悪化し、それがさらに住宅の値下がりを助長し値上がりを想定した無理なローンの延滞を生み出す負のスパイラルになっているので、不動産融資総量規制後の日本とそっくりです。ただし事後の対応の素早さは全く異なります。また拡大EU27カ国で労働力移動規制が撤廃されたことにより、やはりイギリスやスペインで移民向け住宅を中心にバブルが発生しており、遠からずはじけると考えられます。

思えばバブル時代の日本は、ある意味世界のトップランナーだったわけですが、その自覚がないままにバブルを生成しはじけさせ、敗戦処理を先送りし続けた結果の失われた90年代だったのです。そのころアメリカから銀行の不良債権処理や内需拡大の矢の催促に辟易していた日本が、今度はそれ見たことかとばなりに、G7で日本の経験を語るというのですが、間違っちゃいけないのは、日本はバブル経済で世界をリードしながら、処理を誤って貧乏まっしぐらへ向かっているのであって、そんな日本の失敗は、欧米各国は既にわかっています。そしてサブプライムが対岸の火事であるはずの日本で、国内要因で景気後退が現実のものになりそうなのです。

当時のJR東日本にとって、成田空港鉄道アクセスを京成との単線並列によってシェアすることの意味は重かったと考えられます。なにしろ末端のバス連絡はあるものの、京成は成田開港以来の実績があるわけですし、JRにとっては根古屋信号場までの長い単線区間に2本の着発線という物理的制約を課されることでもあるわけですから、列車設定の自由度は遥かに見劣りする状況だったわけです。

その中で、単純に輸送力を考えれば、総武快速線列車の成田空港直通を中心に据える輸送計画が、最もオーソドックスな解だったでしょうし、おそらく国鉄が民営化されていなければ、そうなった可能性は高かったと考えられます。その意味でノンストップ運転の特急列車で尚且つ全車座席指定の完全定員制列車というN'EXのコンセプトは革新的なものでした。

またスカイライナー以上に手強いライバルとして、箱崎のTCATから頻発運転されるリムジンバスの存在もあります。上野起点のスカイライナーに対して、東京都心からのアクセスタイムで優位に立ち、運賃もスカイライナーの運賃料金よりも高額ながら、輸送実績では上回っていたわけですから、そこへ通勤輸送用の113系の快速で参入しても、場違い感があります。

また当時はまだバブルを引きずっていた時期ですし、そもそもバブルの前提として国際化の進捗で東京が国際金融都市になるという期待があったわけですから、国際線空港である成田の鉄道アクセスに求められるものは、国内の送り出しと海外からの入り込み双方共に、エグゼクティブクラスの利用者を想定することができるわけで、量の競争では実績のあるリムジンバスやスカイライナーに譲るとしても、客単価を高めて効率輸送に徹する路はありうるわけです。逆に列車設定に制約があるからこそ、また競合市場で棲み分けが可能であるからこそ、N'EXのような革新的なコンセプトが実現したと考えられますし、253系はそれを具現化したものと捉えることが可能です。

とはいえJRにとっては未知の分野であり、単純な東京と成田空港とのシャトル輸送だけで集客する自信も乏しく、ならばJRの路線網を活かして複数ターミナルからの集客をしようということになったと考えられます。そこで新宿と横浜から来た列車を品川で併合して東京を経て成田空港へ至るという運行形態が考えられ、また需要がつかみきれなかったから、3連単位で増結できるようにして、需要変動に対応しようという考え方をとったのでしょう。これが国鉄時代ならば特急型=ボンネットスタイルの高運転台という既成概念で難しかったと思われますし、当時保安装置にATCを採用していた横総線トンネル区間では、トンネルの規格は山岳トンネル準拠ながら、国鉄時代に自主規制で地下鉄並みの不燃化A-A基準準拠の縛りを課したために、全編成貫通とする必要があり、貫通ホロまで自動化した自動解結装置を装備することと相成りました。実際は鉄道事業法の下では鉄道車両構造規則でそこまでは規制されていなかったのですが、3連単位で多数ユニットの併結という運用の実態からすれば、中間ユニットの非常時の避難路確保の必要性は高かったので、これはこれで意味があったといえます。

で、置換え用のE259系ですが、イメージバースではJR北海道の789系に似ているように見えます。貫通路の有無までは不明ですが、6連基本で2編成併結ならば省略も可能でしょうから、特殊装備の253系に比べてコストダウン要因となります。またE233系のように電気機器や保安装置の二重化するということで、VVVF制御ながら4M2T編成となり、冗長性を持たせたものとなっています。両数も132両で253系111両を置き換えるわけですから、固定編成長の変更はあるものの、現在よりも余裕のある運用が可能になると考えられ、オフピーク時の集中保守作業により盆暮れや春秋連休の海外旅行ピーク時には、予備車まで動員してより広範囲に集客するということも考えられます。

一方退場する253系ですが、かなり特殊な造りの車両ですし、2002年登場の200番台を除けば走行距離も稼いでおり、車体にヤレが目立つこともありますので、このまま廃車となる公算が高いと考えられます。これも好調なN'EXゆえと考えれば、やはり稼いでナンボ、長期低落傾向のレガシー特急(笑)踊り子に普通電車より遅い185系を使い続ける悩みは深いですね。

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Comments

京成Bルート開業後に、上野-成田30分。羽田空港の国際化など、JR東日本にとっての成田の価値は今後急落するであろうと考えたとき、いまさら新しいNexを大量増備して置き換えるという選択子はどのように考えての話なのか、よくわかりません。

Posted by: Hybrid | Saturday, February 09, 2008 at 07:56 PM

コメントありがとうございます。

まずは京成のスカイライナーですが、現時点では日暮里から36粉程度ということで、ピーク時20分ヘッドまでは明らかですが、運賃料金がどうなるかとか、その他の情報が不明です。ま、どちらにしてもライバルの強力なバージョンアップには違いありませんが、だからこそ、それに備えて体力があるうちに投資をして、歩留まりを多くしようということでしょう。踊り子のように弱ってからでは、手の打ちようがなくなるわけですから。

あと成田のトラウマからオープンスカイに踏み込めない日本の航空行政を踏まえると、羽田の国際化はまだ先の話と考えて差し支えないでしょう。その分成田空港アクセスの収益性も見込めるわけです。

Posted by: 走ルンです | Sunday, February 10, 2008 at 12:00 AM

国際電話の後発組NTTがマイラインで国際電話も一気に
首位を取ったようにJRブランドは断然で、東京以外の
人には京成などは眼中にないかもしれません。
またJRは通し運賃が魅力で東北方面や北陸方面の海外
旅行には京成よりも有利と思われます。

さりとて置き換え時期を考えるとですが、高速化とか
CO2減対策でVVVF(使用電力減少で二次的にCO2減)
を採用するときに下回りだけ代えるのは無意味と置き換え
に走ったのかもしれません。

転用後253系ですが183がやられ気味ですから幕張の183
の置き換えはないでしょうか? 田町には185が大宮にも
同形式はありますが幕張だけありません。しかし強い
千葉支社、185のお下がりは望みませんからだったら自区
の253を波動用にと思うのはいかがでしょう。
255系の楽隠居はちょっと早いと思います。

Posted by: SATO | Tuesday, February 12, 2008 at 10:13 PM

コメントありがとうございます。

えーと、まず253系ですが、鎌総(旧大船電車区)所属です。千葉に置くと過激派のターゲットにされるというのが理由ですね。幕張に持ってくるのは考えにくいところです。

N'EXは折角ブランドを確立したんですから、車両置換えで253系を玉突きすることは、ブランドイメージを損なう可能性もありますので、もったいないですが、廃車の公算大です。2002年のW杯対応増備車の200番台に関しては、2009年で7年目ですから、法定耐用年数(電車の場合13年)を残しており、監査で引っかかる可能性はありますが、いずれにしても個性的過ぎる車両だけに使いどころは難しいですね。

あと、NTTとJRではかなり事情は違います。NTTの国際通話はNTTコミュニケーションズの企業努力の結果ですが、ほとんどのケースでNTT東西からマイライン契約を奪うなど、身内の争いをしてます。結局のところNTTは加入者線を握るNTT東西の強みに便乗しているだけです。

Posted by: 走ルンです | Wednesday, February 13, 2008 at 12:15 AM

こんにちは。253系登場時に関する詳しい解説、ありがとうございます。空港輸送は価格よりもサービス内容で選ばれる傾向がありますので、成田エクスプレス利用だと運賃・料金が高くつくものの、都心ターミナルへの直通運転が歓迎されているのでしょうね。

海外へ出向くとなれば荷物は大きくなり、少し前までバリアフリーとは程遠い状況だった日暮里駅でのスカイライナーへの乗り換えは大変でしたから(今でも楽ではありません)、池袋や立川まで乗り換え無しで行ける成田エクスプレスの魅力は大きいです。距離の割にはかなり高額になるものの、253系のグリーン車で出向く成田空港への移動は「ゆとり」を実感できるもので、E259系にも受け継がれるようですから嬉しいです。

253系の処遇ですが、車体の老朽化や東日本管内の車両需給を考えると、このまま廃車かと思います。確かに東北縦貫線の勾配押上条件を満たさない185系の置き換えも必要ですが、253系のみでは185系の完全な置き換えは不可能ですので、253系と185系は切り離して考えるべきかと思います。田町や幕張に残る183系は、「踊り子」用新車(?)の投入で浮いた185系を回して、玉突きで廃車ではないでしょうか。

253系200番台は6連2本が存在しますが、直流特急車を6連2本程度必要とする用途は、東武直通特急あたりでしょうか。いくら485系の車体が老朽化しているとはいえ、さすがに253系転用はないですよね…(笑)

Posted by: Super White Arrow | Thursday, February 14, 2008 at 02:09 PM

コメントありがとうございます。対応が遅れまして申しわけありません。

ついこの間だと思っていた253系N'EXの登場ですが、17年も経っているのですね。その間に激しく時代が動きましたが、N'EXに関しては、狙い通りの成果が得られたといえるかもしれません。登場時と引退時の双方で、日本と世界のバブル崩壊に遭遇するというのも、偶然ですが後継のE259系も浪高しというべきでしょうか。にしても日本のバブルについて、既に若い人たちには昔語りなんですね。どーりで齢とるわけだ^_^;。

国内だけ見ても、成田空港新アクセス(北総ルート)の開業が2010年に控えているわけですから、一応JRとしては先回りしたということなんでしょう。稼げるときに稼ぐのも、ビジネスにとっては重要です。

200番台の存在は悩ましいところなんですが、確かに両数的には東武直通の日光、きぬがわに充当すればきれいに収まりますが、253系が個性的すぎるので、どこへ持っていっても「N'EXのおさがり」に見られてしまうのが不幸ですね。485系や185系などの国鉄型ならば、走らせるだけで話題になるんですが、中途半端に新しい253系ではそうはいかないですしね。

185系は案外房総ローカルに収まるような気がします^_^;。その前に踊り子をどうしたいのか、小田急がVSEで箱根特急をてこ入れしたようなことに踏み切れるかどうか、今しばらく観察する必要がありそうです。

Posted by: 走ルンです | Friday, February 15, 2008 at 09:54 PM

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