« リニアで低炭素社会実現のウソ | Main | バスで取り過ぎ昨年春から »

Thursday, September 11, 2008

バスでPASMO二重引き落とし

PASMO導入でイオカードどパスネットと共通バスカードが一つになってから1年半、元々鉄道系が乗車券に対してバスは回数券と違いがあったわけですが、これは盲点でした。

バス運賃、パスモで取り過ぎ1100万円
これはPASMOやSuicaをカードリーダーにタッチするときに、中途半端だったり、複数カードの二重読み取りなどでエラーとなったときに、再度タッチして正常処理とすべきところ、運転士が取り消し処理をしてしまうと、運賃が引き落とされてしまうため、再タッチで二重取りとなってしまうわけです。

記事では運転士のミスとなってますが、共通バスカードではエラー処理で取り消し処理をして一旦カードを排出してから再度リーダーに通す仕様ですから、これをミスと言うのは酷でしょう。マン=マシンインターフェースの設計ミスです。バス各社はシステム改修を行うことにしています。

私事ですが、最近うっかりバスカードの残高不足で追加支払をSuicaでと申し出たところ、運転士がかなり焦ってタッチを制してテンキーを操作したことを思い出します。運賃箱のディスプレーでも、SuicaやPASMOでタッチしたときの画面は、現金やバスカードのときと全く異なるものになっていて、処理系が別であるようです。システムの仕様上やむをえないのかもしれませんが、ミスを誘発する可能性はありそうだと思い、PASMO対応のバスでもバスカードで利用するように気をつけておりましたが、案の定でした。

報道によれば7月に乗客からの照会で発覚したそうで、PASMO導入事業者全社で起きていたそうです。この辺はシステム設計の難しさなんでしょうけど、疑問なのは処理系が異なるならばあえて既存の運賃箱システムと切り離して対応できなかったのだろうかということです。日本のバスの運賃箱は元々ハイテクの塊りで、バラ銭を投入しても即座に運賃が表示されるなど乗務員支援の観点からは優れものには違いないのですが、そこへ鉄道から移植されたICカードシステムを後付けしたことで、基本思想の異なる処理系を並存させなければならなかったことが、今回の事態を招いているのではないでしょうか。何でも一緒にすればよいとは限らないわけですね。

これはバス会社の責任なのかどうかは微妙ですが、そもそも運転士が1人1人運賃収受することを前提としたパッセンジャーフローの仕組みは、運転士に過度のストレスを与えるものでもあるわけで、欧州を中心に乗客のセルフチェックを前提とした信用乗車システムが定着していれば、かくもハイテクな運賃箱は必要ないわけです。また運行管理上も停留所での客扱い時間を考慮した運行ダイヤにせざるを得ませんから、道路交通の流れを無視した低速運行が見られるなど、生産性を高められない状況にあります。その結果バス運賃は割高にならざるを得ず、運転士に負担に見合う賃金を支払うことも難しくなっているわけです。これは同時に乗客にとっても、本来はもっと低価格で高サービスが受けられる可能性をみすみす逃しているのかもしれません。

lこのあたりを考えると、そもそもPASMOで鉄道とカードの共通化をはかる意味は何だったのかを考えざるを得ません。カードは共通化されても、乗継割引があるわけではなく、それぞれの独自の閉じた運賃体系の中で、決済だけを共通化したに過ぎないんで、現状では乗客側のメリットがはっきりしません。

一応バスカードの割引部分相当のバスポイント(*1)やバスチケット(*2)という制度は導入されているものの、乗客に理解されているものかどうかわかりません。

*1 =毎月1~末日の間で、バス利用金額10円につき10ポイント付与される。
*2 =バスポイント1000ポイント毎に100~450円相当のバスチケットが付与される(10年間有効)。バスチケットはバス乗車時に優先的に引き落とされ、バスポイントは付与されない。別表参照。










バスポイント バスチケット
1000 100
2000 100
3000 100
4000 100
5000 450
6000 170
7000 170
8000 170
9000 170
10000 170


正直申し上げまして、使い勝手はバスカードよりも後退してます。バスポイントが1月単位でクリアされてしまうことや、バスチケットが付与されると、乗車時に優先的に引き落とされるので、5000円相当の乗車ではバスポイントは4600ポイントにしかなりませんので、かなりの頻度で利用しないと、バスカードと同等の割引を受けられません。現時点ではバスカードは期間指定がありませんので、乗客の立場としてはPASMO/Suicaへ全面移行することを躊躇させます。折角多大な初期投資をして、乗客に定着しなければ、結局高くつくのではないでしょうか。

また対鉄道や、バス同士の乗継割引などで、積極的に需要を掘り起こすことをやってほしいですね。結果的にかなり詳細な個人レベルのパーソントリップが捕捉可能ですから、地点間のOD表(発着地マップ)を作成して輸送計画に反映させるなど、攻めのマーケティングにデータを活かしてほしいと願います。

|

« リニアで低炭素社会実現のウソ | Main | バスで取り過ぎ昨年春から »

ニュース」カテゴリの記事

バス」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

Comments

都バスに関しては「乗車後90分以内に再乗車すれば
100円で乗車OK」という制度をはじめました。

電車の30分よりもはるかに使い勝手がよく、用務先
の単純往復ですと従来よりも100円安くなっています。

またこれは都電のあった地域だけの現象かもしれませんが
とにかく短区間利用が多い、多摩で育った私など2バス停
程度は歩くのが常識と思っていましたが、こちらは若い
お母さんも「定期ではない」状態で支払って乗っています。

と都バスのメインエリアはこのようなユーザーがいること
もご記憶くだされば幸いです。

さりとてバスカードの良さも捨てがたい、確かに並行で
利用可とするのもうなずけます。

Posted by: SATO | Friday, September 19, 2008 at 08:52 AM

都営バスの90分ルールは使い勝手が良いですね。例えば渋谷~六本木の単純往復の場合、90分ルール適用で都営バス利用が最安値となります。

PASMO導入でバス事業者の唯一の戦略的取組みが都営バスだけというのが情けないですが、その都営バスにしても、地下鉄との連携は取れておりません。大阪、名古屋、仙台などではバス乗継割引が導入され、仙台では民間の宮城交通まで参加しております。多分そこまでしないと利用してもらえないのでしょうけど。

あと都区内の短区間利用ですが、文京シビックセンターから富坂上までとかだったら、高低差がありますから200円払ってもバスを利用したくなるのもうなずけます。加えて多摩その他近郊区間よりもバスの頻度が高いのも理由でしょう。次のバスを待つか歩くかは、神奈川でも悩みます(笑)。

Posted by: 走ルンです | Saturday, September 20, 2008 at 09:43 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50724/42446858

Listed below are links to weblogs that reference バスでPASMO二重引き落とし:

« リニアで低炭素社会実現のウソ | Main | バスで取り過ぎ昨年春から »