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January 2009

Monday, January 12, 2009

100年に1度の成人式

ハッピーマンデー制度により、成人の日が1月第2月曜日に移動したのが2000年からですが、一方で正月休みでないと新成人が集まりにくい地方の事情もあって、三が日中に行う自治体や、結果的に生じる3連休の頭(今年は10日(土))にやったりということで、ややぼやけた感のある成人の日ですが、今年は新成人に祝いの言葉をかけるのも気が引けます。経済グチャグチャで明るい話題なし、新年早々から年越し派遣村のニュースが流れる現状に、新成人の門出を祝う気分がそがれます。

事態の深刻さからワークシェアリングが議論の俎上にのぼったものの、今までも労使共に乗り気でなかったものが具体化する可能性はほぼゼロに等しいでしょう。この国は「大人の事情」で若者に冷たい国なのです。そもそも派遣切り問題でも、派遣労働者が増えている状況を知りながら、組合員として取り込むわけでもなく放置した連合と傘下組合に、問題解決能力があろう筈はありません。派遣切りの本質は労労対立です。若年労働者を解雇しやすくする初期雇用契約法をゼネスト打って撤回させたフランスの労組とは大違いです。

加えて経営者側も、会社への忠誠心を梃子に個別業務の責任範囲を曖昧にしてきたから、仕事を分割する術を知らず、また労働基準法36条の労使協定、いわゆる36協定でサービス残業を追認してきた日本の労働慣行では、責任範囲が曖昧な方が会社にとって好都合だったのです。結果的にグローバル競争の激化とともにサービス財業は増加の一途を辿り、正社員も楽じゃないのが現実です。今後は正社員の雇用調整も確実です。サービス残業するぐらいなら、その分人を増やせっての(怒)。

しかし企業の内部留保は増え続け、2000年代だけでも大手企業で20兆円にものぼり、株主配当も増やしています。ゆえに「そんな金があるなら派遣切りなどするな!」の声もありますが、株価下落で株主も責任を取らされた形でして、株式持合いの弊害と断言します。それもこれも経営者の自己防衛的買収防衛策の結果ですから、株主重視が問題というよりは、投資マインドの弱い日本の企業経営者に問題があります。

元を辿れば2001年のベアゼロ春闘をトヨタがリードしたことに端を発します。バブル期をピークに労働分配率(企業が付加価値を人件費に充てる比率)は70%程度あったのですが、現在は60%です。しかも若年層ほど非正規雇用の比率が高く、正社員は年功賃金で高給取りとなった人たちですから、若者の手取りはより少ないわけです。その中で、トヨタ首脳が「最近の若者はクルマを欲しがらない」と言い、若者へのアピールとしてF1参戦したりしたんですが、そもそも若者の所得を奪っておいて「買ってくれない」はおかしいです。結果としてトヨタの売上の79%は海外売上といことになるわけです。その結果例えばカローラもヴィッツも海外需要に対応してサイズアップして行き、ますます国内ユーザーのニーズから離れます。こういったチグハグをやっていて、GMの不振で世界一が見えてきたというのは皮肉です。トヨタは堕ちるべくして堕ちたのです。

米ビッグ3の不振も、元々は他社よりも高給かつ企業年金や企業医療保険などの充実した福利厚生で人を集めてきたわけですし、雇用調整は有給のレイオフによっているわけで、どう見ても持続可能なやり方ではありません。労組寄りと目されるオバマ新政権ですが、公的資金で救済する以上、雇用へ切り込むことは間違いないでしょう。ビッグ3不振は日本の派遣切りと同じように、労組の既得権問題なんです。

現在へ通じる近代自動車工業の嚆矢となったT型フォードの発売が1907年ですから、実は自動車産業はたかだか100年の歴史しかないわけですが、燎原の火の如く広がったモータリゼーションの波は、新興国へ波及する段階で、エネルギー資源の制約と地球環境問題に直面し、持続可能性に疑問符がつけられているということはできます。大波乱のうちに明けた2009年ですが、次の100年に思いをはせるチャンスかもしれません。その意味で道路特定財源の一般財源化をうたいながら道路予算を増やす政府の対応も問題あります。一方で定額給付金バラマキを生活支援とうたうのですからめちゃくちゃです。こんなことなら暫定税率を失効させておけばよかったんです。

というわけで、自動車に追い込まれ続けた鉄道の復権にとって重要な年となるかもしれませんが、2008年には京都市営地下鉄東西線延伸に始まり、横浜市営地下鉄グリーンライン、東京都営新交通日暮里舎人ライナー、東京メトロ副都心線、京阪中之島線と新線開業の当たり年だったことと比べると、2009年は阪神なんば線、平成筑豊鉄道和布刈公園線、富山地方鉄道富山市内環状線といったところで、小粒感は否めません。来年には成田空港新アクセスや東北新幹線新青森開業などの大物が控えてますが。

いずれも公的支援を得ての整備であるのはご他聞に漏れずですが、気になるのが計画段階での輸送目標をことごとく下回っていることです。もちろんだから無駄だと言うつもりはありませんが、公的支援を得る以上、事業としての客観的な評価は大きな課題です。例えば北海道新幹線札幌~長万部間の新規着工のような事業をどう捉えるかですが、東京とつながってナンボの新幹線の部分着工は投資効率を下げる愚策です。

というわけで、正直なかなか新年を祝う気分になれなかったのですが、本年もよろしくお願いいたします。

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