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February 2009

Monday, February 23, 2009

本業以外がブレーキ、私鉄大手2009年3月決算






私鉄シテツ大手オオテ13シャ2009ネン3ガツ連結レンケツ決算ケッサン見通ミトオ
  売上ウリアゲダカ 純利益ジュンリエキ 運輸ウンユ事業ジギョウ売上ウリアゲ比率ヒリツ
東急トウキュウ 13,188(-4) 230(-50) 15.5
近鉄キンテツ 9,750(+5) 180(-23) 23.5
阪急ハンキュウ阪神ハンシン 6,880(-9) 210(*33) 29.0
名鉄メイテツ 6,700(-6) 110(-11) 52.1
東武トウブ 6,060(-3) 155(-13) 36.5
小田急オダキュウ 5,610(-10) 100(-47) 31.4
京王ケイオウ 4,220(-2) 158(-13) 31.5
西鉄ニシテツ 3,495(-3) 20(-69) 28.6
京急ケイキュウ 3,260(+4) 115(-14) 37.9
相鉄ソウテツ 2,756(-2) 54(-30) 15.9
京阪ケイハン 2,579(-2) 71(-15) 33.8
京成ケイセイ 2,360(-1) 98(-19) 50.7
南海ナンカイ 1,910(+1) 125(+10) 47.3


久々の決算ネタです。今回はリーマンショック以来の景気後退の影響が出ておりますが、運輸業自体の業績は安定しているものの、百貨店など流通と、マンション販売や賃貸など不動産のブレーキがきついようです。とはいえ各社各様、置かれている状況の違いは大きそうです。本業比率が高くても、名鉄、京急、京成、南海の空港連絡輸送組の不振は止むを得ませんし、名鉄や西鉄のように、自動車産業依存度の高いエリアの会社では、派遣切りや期間工雇い止めで人口減もあるわけですから、業績に影響はあるでしょう。

加えて、今後は高齢化が大都市圏に波及する局面となりますので、流通や不動産の業績回復も望み薄となりますので、大手私鉄にとっては、長いトンネルになる可能性があります。年寄りは家もモノも買わないですからね。

一方のJRも、元々景気変動と連動性の高い新幹線で影響が出ており、特に自動車不況の影響を受ける東海道山陽新幹線で顕著です。リニアどころじゃないかも。

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Tuesday, February 17, 2009

ジャパン老いるマネー

中川大臣が辞任しました。政界では以前から飲兵衛で酒乱で知られていた人ですが、醜態が世界に配信されちゃ辞めるしかありません。にしても日本の恥ですね(怒)。中央リニア5.1兆円の記事の冒頭でも振れましたが、昨年8月以来の貿易収支赤字化で、日本がいよいよ高齢化社会本番を迎え、産業構造を見直さなければならないときに、緊張感まるでなし、他人事のように「米国の景気対策をオバマにお願い」したり、以前にも日本の金融危機の不始末を自慢した財務金融相のズレた感覚はどうしようもありません。

おさらいですが、高齢者が増えるとなぜ輸出が減るかというと、高齢化して現役をリタイアする人が増えるわけですから、この人たちは生産に従事せずに消費のみを行うことになりますので、国全体では貯蓄が減って消費が増えることになります。で、貯蓄は投資に回ってさまざまな生産活動を支えるわけですので、貯蓄が減り、また現役世代の減少で労働力の投入量も減りますから、国全体の貯蓄の減少は生産の減少を通じて国際収支の黒字縮小となるわけです。これはどう逆立ちしても避けられないことです。

それを無理に輸出を増やそうとすれば、資本装備を高めた上で労働力の投入量を減らすしかないわけです。これを技術革新によって、例えばIT化で生産性を高めることで実現できるならば良いのですが、実際にはIT化で実現できる生産性向上は、主に管理部門など生産現場以外の場所では効果が期待できるものの、人手が必要な生産現場では、人件費の抑制でしか実現できません。その結果正社員はベアゼロでサービス残業という事実上の労働強化と、非正規雇用者を増やして雇用を流動化し、人件費を固定費から流動費にすることなど、主に労働分配率を下げる形でしか実現不可能なんです。結果的に若年層の購買力を奪い、車が売れなくなったんですから世話ありません。

加えて2003-2004年の大規模為替介入による円安政策にも助けられていたわけですが、加えて輸出で稼いだドルを海外投資に回し、それでも足りずに「貯蓄から投資」の掛け声の下、金融自由化の流れに乗って内外の株式や債券やそれらを組み合わせた投資信託を銀行や郵便局の窓口で販売し、家計貯蓄をリスク資産に移転させる政策もとられました。その結果海外へ流出したジャパンマネーがドルやユーロ建ての金融商品に投資され、欧米諸国の中央銀行に代わって流動性供給をした結果、海外で生じたバブルに乗って輸出を加速させたわけです。つまり高齢者世代の貯蓄を海外流出させて米欧のバブルを後押ししたわけで、米政府やFRB関係者の中には、アメリカのバブルはアジアの過剰貯蓄が原因と、暗に日本や中国に責任転嫁する論調も見られます。

もちろん日本人としては違和感のある見方ですが、自動車や電機をはじめ、輸出企業の対応も「売れりゃいいじゃん」というもので、実際自動車は海外市場重視でモデルチェンジの度にサイズアップして国内では使いにくくなってますし、電機業界では高付加価値を狙って不必要な高機能を与え、結果として消費者の離反を招き、また自動車とは逆に世界の趨勢に乗れずにいわゆるガラパゴス化してしまう体たらくです。薄型TVやデジカメなどのデジタル家電も、北京五輪特需が空振りだったという不幸はあるものの、結局在庫を積み増して価格競争の消耗戦を繰り返しているんですから世話ないです。ジャパン老いるマネーで売上を作っていたわけですね。

元々高齢者は若者ほど消費しないと言われます。理由はいろいろあるんですが、一番は若いころからいろいろなものを購入し、既に多くのものを持っているので、新たに買い増すものは少ないということと、若いころから老後を睨んで貯蓄を重ね富裕層に移行することで、消費性向を減らすという説明もあります。ただしこれは社会福祉の充実した欧州では必ずしもあてはまらないようです。日本では老後資金として3,000万円程度は必要と言われますが、欧州では100万円もあれば十分といわれます。

とすると、実は高齢者福祉というのは、消費性向の低い高齢者の消費を呼び起こすことで内需を活性化させる政策ということができます。加えて老後資金の貯蓄の必要性も減るわけです。医療や介護など高齢者向けサービスを充実させれば、そこに雇用が生まれ、富裕な高齢者から福祉で雇用される若年層へのサービスを媒介した所得移転となるわけです。とすると財政支出は増えても、医療や介護へもっと多くを配分することこそが、閉塞感漂う現状を打開することになるわけですね。

あと加えて、高齢化は必然的にマイカーを手放す人も増えるわけで、公共交通の必要性が高まるわけですが、実際は規制緩和で競争激化の結果、参入退出の自由度が増し、事業採算性だけで路線の改廃が起きて、多くのローカル鉄道やバスが廃止される流れにもなっています。野放図に補助すべきだとは思いませんが、高齢者に消費を促すならば、モビリティの向上は重要といえます。無意味に道路を作り続けるのではなく、地域の生活圏の利便性を高めることに焦点を当てるべきですね。

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Sunday, February 15, 2009

鉄道投資を加速する世界停滞する日本

世界が鉄道投資へと舵を切っております。

鉄道投資、世界で加速 日本企業に商機 18兆円市場
細かい話はいろいろあるんですが、元々鉄道投資に積極的だった欧州では、例えば仏TGV計画の前倒しは、重電メーカー+車両メーカーとしてのアルストム支援の意味がありますし、日立が優先交渉権を得た英高速鉄道計画にしても、英国内への車両工場設置や車両リース会社立ち上げなど、国内の雇用対策の色彩が強く、内需主導で経済を立て直そうとしていることが読み取れます。中国も内需振興のための経済政策で、鉄道投資を重視する姿勢を見せております。
中国鉄道省、インフラ投資を倍増 09年
アメリカでもカリフォルニアの高速鉄道計画着手に必要な90億ドルの起債住民投票で認められました
カリフォルニア州、住民投票で高速鉄道建設にゴーサイン
いずれもキーワードは内需と環境ということで、米オバマ政権が打ち出したグリーンニューディール政策に沿った考え方が共通しております。

しかるに日本はという話になるわけですが、まずはこんなニュースからです。

新幹線建設の負担増を新潟県知事が拒否 他自治体に波及も
さらに並行在来線問題で禁じ手を用いた佐賀県でも同様の対応となりました。昨年の資源高騰による原材料費の上昇分を転嫁しようとして反発されたものですが、国の直轄事業として推進される整備新幹線事業の矛盾が露呈した形です。整備新幹線の問題点は再三指摘しておりますので繰り返しませんが、整備新幹線を含む国の直轄事業としての公共事業が、地方財政の逼迫でブレーキがかかったわけで、野放図な公共事業の積み増しの成れの果てです。

一方で2009年度予算では、またも整備新幹線の新規着工が盛り込まれようとしております。

整備新幹線の未着工区間、9億円を追加要求 国交省
特に問題なのは北海道新幹線の札幌―長万部間です。なぜならば、新青森―新函館間で着工された区間とつながらない区間の先行着工となるわけで、ただでさえ予算がないなかで、直ちに収益を生まない区間の事業着手を先行させたわけですから、正気の沙汰ではありませんね。

既に特別会計である鉄道整備基金の元金(新幹線の本州会社による買取り価格への上乗せにより捻出)が枯渇し、一方で開業に伴なうリース料収入で長期間にわたって償還されるわけですから、特会に資金が戻るのを待ってから事業着手すれば問題は少ないのですが、なし崩しで新規着工を積み増した結果、資金の償還が先へずれることになりますので、償還を待てなくなったわけですから、ある意味自業自得なんです。またリース料を担保に債券発行や銀行借り入れで資金調達する手はありますが、これはリース料を利払いで配当することになりますので、その分資金の償還が遅れ、トータルの利払いは増えるわけで、その負担は国民に付け回しされるだけです。もういい加減こんなことはやめるべきです。

ただでさえJR北海道の事業環境は厳しいわけで、整備新幹線のスキームでは、JRの受益の中身として、並行在来線の切り離しによる部分と、既開業区間の利用積み増しとなる培養効果の部分があるわけです。並行在来線問題では、東北でも噴出しましたが、旅客輸送だけでは赤字必至で、東北のいわて銀河鉄道と青い森鉄道では、JR貨物からの線路使用料収入で黒字化している状況です。しかもコスト負担力のないJR貨物へはJR東日本が支払う新幹線リース料に上乗せして得た財源で、JR貨物に負担増分を補填することで成り立っており、事実上JR東日本の財務余力を頼みとしているわけです。JR北海道に同じことを要求するのは困難です。加えて新青森が会社境界となる北海道新幹線の場合、いわゆる培養効果による根元受益はJR北海道には落ちないわけですから、結局並行在来線のうち、特に長万部―札幌間の山線区間のうち非電化の小樽までは、切捨てられること必至でしょう。この区間は仮に廃止されても、室蘭千歳回りで貨物ルートが形成されますから、結果的に倶知安やニセコなどの地域は見捨てられることになると考えられえます。それでいいのかどうかですね。

世界を見渡せば内需そして環境がキーワードとなって、各国が経済対策を積み上げているときに、日本だけが旧態依然のバラマキ政策しか取れないとすれば、世界で最後まで経済停滞に悩まされる国になるということです。定額給付金なんぞで政治が機能不全になっている場合か(怒)。

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Tuesday, February 10, 2009

東京娶ろう、地下鉄争奪戦

地下鉄争奪戦といえば、戦前の五島慶太と早川徳次の争いを連想させますが、今回は近未来の東京の話です。とはいえ首都東京の地下鉄というのは、2000年代の再開発バブルでも、結局地方や郊外への波及は限定的で、東京都心だけが需要される状況を作り出したように、人口減少下ではバブルの影響も偏り、東京の地下鉄は巨大利権であることもまた間違いありません。

東京メトロは2008年に副都心線が開業し、トラブルに見舞われながらも、順調に利用者を集めております。現状では運行頻度の関係で、利便性は今一つですし、バブル崩壊で沿線のデパートの改装計画が見直されるなど、必ずしも順風満帆ではないことは副都心線現象の記事でも指摘いたしました。しかしそれでも、同じく2008年に開業した京阪中之島線の苦戦に比べればマシです。

もちろん中之島線は路線立地が商業エリアではありませんし、単純比較は禁物ですが、同じ都心部の新線で、東京と大阪にこれほどの差が出ていることもまた事実です。ただ、先日撤退を発表したそごう心斎橋本店の店舗をJフロントリテーリング(大丸&松坂屋)が買取りを検討するなど、デパート戦争はむしろ盛んで、大阪駅北口のJR三越伊勢丹出店と阪急梅田店の改装で大丸が埋没を避けたいということなんでしょう。デパートにとっては、ブランド店が路面店を次々に出す東京は冬、商業地とビジネス街がはっきり分かれている大阪は夏とでも表現しておきましょう。

以前にも東京メトロ全株売却でどうなる?で取り上げたように、特殊会社である東京地下鉄株式会社(通称東京メトロ)の株式上場問題にキナ臭いにおいがします。持分47%の東京都の動向が気になるところですが、メトロに注目しているのは、東京都ばかりではなく、JR東日本と東海の争奪戦が水面下で行われているフシがあります。JR東日本にとっては、メトロを手中に収めれば、ネットワーク機能が強化されますし、現状でも東西線や千代田線との相互直通で一体感もあるだけに、興味があるはずです。実際東京モノレールを傘下に収め、羽田空港連絡輸送への参入を果たしており、本業でのシナジー効果は絶大でしょう。

JR東海にとっては、ドル箱の東海道新幹線の東京発着の乗車券で、山手線内と都区内の特定都市内発着特例を根拠とした負担金を嫌っていて、新幹線用ICカードのEXICで特定都市内発着特例を適用しないなどのことをしております。羽田空港連絡でも京浜急行との連携を探るなどもしておりますし、仮に東京メトロを傘下に収めれば、首都圏でJR東日本に頼らない集客体制を組める可能性が出てきます。逆に言えばJR東日本はそれを阻止したいでしょうから、株式上場のあかつきには、M&A合戦に発展する可能性もあります。

というわけで、政府方針でもあり、東京メトロ自身も中期経営計画(eBook)で明らかにしているように2009年度中の株式上場を明言しているだけに、予断を許さない状況といえます。おそらく会社法で認められた黄金株のような仕組みを導入すると思われますが、問題は黄金株を誰が保有するかでしょう。常識的には国か東京都となりますが、それだと完全民営化の趣旨に反することになりますし、制度設計如何では、証券市場の上場基準に抵触する可能性もあります。加えて一般投資家にとって保有のメリットを感じられないものになれば意味がないわけですから、慎重な制度設計が必要でしょう。それに70%のインフラ補助も受けているわけですから、事業用資産とはいえ公共の用に供する前提が企業間の抗争で歪められてはならないでしょう。

私案ですが、株主を個人に限定し、法人の保有を制限するなどの形が望ましいところです。JR2社と東京都の主導権争いで、多数の小口株主が振り回されるとすれば、株式保有の魅力も薄れますし。ま、それ以前に現状の株式市場の状況では、新規上場は難しいところですが。年度末にかけて一段安間違いなしですからね。

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