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Wednesday, July 01, 2009

となりのメトロ

メトロと都営地下鉄の一元化というニュースがTBSで流れましたが、他メディアは追随せず、ガセ確定のようですね。そもそも東京都の言い分を裏も取らずに流すとは、報道のTBSも地に落ちました。

当ブログの読者の皆様は、既にメトロ上場の最大の障害が東京都だということも、大人の事情で遅れていることもお分かりでしょう。実はTBS自身が続報しているように、上場後も国・都が出資維持と報じておりますが、この報道に今回のTBSの迷走の鍵があります。

元々東京メトロの上場を巡っては、丁度英ファンドTCIによるJパワー株買い増し問題があり、公益企業の株式大量保有が問題視されておりました。ですから大量保有規制は外資対策とも見えますが、WTOメンバーで資本移動の自由化を受け入れている日本としては、公式に外資規制はできないんで、政府サイドが外資規制と取られかねない発言をするはずありませんから、都からのヒアリングで記事を起こしていることは明らかです。

で、20%という保有比率は、大量保有規制の上限値として考えられている値で、外資に限らず東京都やJRその他内外ファンドも含めての規制であって、少なくとも公式には外資をターゲットにはできません。いわゆる公平性原則というやつでして、政府のしかるべき立場の人がうっかり喋っちゃえば、海外から叩かれます。

で、都がそんな風だから、今は国が少し保有株が多いから、都の頭を抑えて勝手なことさせないようにしているわけで、その国が株式放出するためには、同程度の都の株式放出を同時にやらなければならないわけですから、その形で株式を放出して都が20%保有となった段階で、国が23%程度の保有となるわけで、都としては20%でも保有を続けてメトロへの影響力を保持したいとすれば、国もそれ以上株式放出できなくなる水準です。当然国の着地点は完全民営化で、保有株式完全放出ですから、この段階で都が足踏みすれば、それ以上は株式を放出できなくなるわけです。おそらく国と都の協議の過程でこういった話は出ているはずですから、それを都の希望を下敷きに解釈すれば報道のようになるという話に過ぎないわけですね。

一方、隠れ鉄雑誌(笑)の週刊東洋経済2009年7月4日号で、東京メトロ上場の想定株価の記事が出ております。

東京メトロ―最強”私鉄”が上場したら、株価はいくら?《鉄道進化論》
というわけで、株価資産倍率(PBR)2倍として1,050円、株式数を掛けて時価総額6,112億円、株価収益率(PER)15.0倍といったところになります。ただし都営地下鉄との統合は考慮せず、都営地下鉄の4,500億円の有利子負債を引き受けない前提での数値です。ということは、都が取るべき態度は明確です。全株売却で都も3,000億円程度の株式売却益が得られますから、これで都営地下鉄の累積債務の繰上げ返済をして、高いと言われる運賃水準をメトロ並みに下げることだろうということです。そこまでやってやっと統合の交渉の余地ができるというものです。

追記ですが、都が議決権を握った状態のメトロとは、新銀行東京になるリスクと背中合わせでもあります。そんな株を買おうという奇特な投資家は少ないでしょう。

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